ウクライナ復興支援としての鉄道「改軌論」を考察する
ウクライナの改軌は実現するのでしょうか。ロイターによるとウクライナ国営鉄道のCEOは、「鉄道インフラの損傷は数万ヵ所に上る」、「だが何が起きても、修復して運行を続ける方法を探す」と述べたのだそうです。もし数万ヵ所も損傷しているのなら、いっそのこと、没収したロシアの資産を使い、欧州と直通できるよう、欧州規格で新たに鉄道を敷設するという考え方はいかがでしょうか。
鉄道の特徴
多くの日本人にとって、鉄道は身近な存在です。
鉄道はその名の通り、軌道や車輪に鉄を使用した運送システムのことであり(※)、走行抵抗の少なさもさることながら、大量のヒトやモノを定時・大量輸送するのに適しています(※ただし、最近の「鉄道」という用語は、新交通システムなどの広い意味での「軌道交通」を指すのに使われることもあるようです)。
東京、大阪などの大都市やその近郊では、鉄道交通は大量の通勤需要を捌くうえで欠かせないインフラですし、大都市間ではたいていの場合、新幹線をはじめとする高速鉄道、都市間鉄道が走っています。
また、いくつかのウェブサイトのデータによると、「世界の乗降客数ランキング」では、上位を日本の駅が独占しているとのことです(たとえば「乗降客数第1位の新宿を筆頭に上位10位までが日本の駅である」、などと記載されています)。
もっとも著者自身、この「世界の乗降客数ランキング」なるものについては、情報源や情報の集計ロジックに不明な点がいくつかあるなど、全面的に信頼してよいものかどうかがよくわからないのですが、それでも日本が鉄道大国であることは間違いないと思う次第です。
鉄道の欠点
ただし、鉄道にはいくつかの欠点があります。
たとえば鉄道は摩擦係数が非常に低いため、エネルギー効率が高いという長所の反面、坂(勾配)に弱い、という欠点があります。したがって、路線に坂道が多い場合(たとえば神戸の市街地の南北交通など)、鉄道ではなく、交通もバスや新交通システム、モノレールなど、鉄道以外のものによらざるを得ません。
また、鉄道の多くは専用軌道を用いるため、定時での大量・反復的な安定輸送に適している反面、ランニングコスト(運行費、維持費など)が高額になりがちであり、とくに人口が希薄な地域の場合、そもそも鉄道交通は費用的に成り立ちません。
さらには、大都市部では土地が限られているため、新たな鉄道路線の建設には莫大な費用が必要です。地上に新たな鉄道を敷設する場合は土地の買収コストが、土地買収を必要としない公道地下に地下鉄を敷設するためにはトンネル掘削工事などのコストが発生するからです。
こうした点に加えて、もうひとつ「欠点」を挙げるとしたら、直通運転をするうえでの「規格」、という問題があります。
首都圏にお住まいの方なら「直通運転」の威力はご存じでしょう。
たとえば東急東横線は、昔は渋谷と桜木町(横浜)を結ぶだけの路線でしたが、近年は「みなとみらい線」と直通しているほか、東京メトロ副都心線を通じて西武・東武各線にも直通しており、その気になれば埼玉の森林公園駅から元町・中華街まで約90㎞を乗り換えなしで到着できます(2時間近くかかりますが)。
また、小田急、東京メトロ千代田線、JR常磐線なども相互直通運転しているため、理屈のうえでは神奈川県の箱根湯本から地下鉄を経由して北千住、さらには常磐線で茨城、福島、仙台方面にまで到達することができます(実際に直通運転がなされているかどうかは別として)。
軌間という問題点
しかし、こうした「直通運転」には、条件があります。それが「規格」です。
代表的なものとしては電車の場合の集電方式の違い(架線方式か、第三軌条方式か)、車体幅(車両限界)の違い(たとえばJR在来線は幅3メートル、高さ4.1メートルであるのに対し、新幹線は幅3.4メートル、高さ4.5メートル)などの違いもあります。
ただ、そのなかでもとくに大きな違いがあるとしたら、レールの幅でしょう。
以前の『与太話としての日露・日韓トンネルと鉄道相互直通構想』でも取り上げたとおり、日本の鉄道の多くは軌間が1067ミリですが、新幹線や近畿地方の私鉄などに関しては、軌間は1435ミリなのだそうです。軌間1067ミリの鉄道と軌間1435ミリの鉄道は、基本的に相互直通運転ができません。
さらには、一部では「日韓トンネルで日本と韓国を結び、鉄道で相互直通させよう」、「日露トンネルで日本とロシアを結び、鉄道で相互直通させよう」、といった主張も見られるのですが、これもそもそも軌間の違いを無視した議論です。
韓国の鉄道の多くは旧日本統治時代、最初から国際的に多く採用されている1435ミリの軌間で建設されたため、1067ミリ軌間の日本の在来線と直通することは困難ですし、韓国の在来線から運転密度が極めて高い日本の新幹線(東海道・山陽新幹線)に直通させるというのも非現実的です。
また、韓国の場合は38度線で鉄道が寸断されているため、莫大なコストをかけて日韓トンネルを建設したとしても、たとえば欧州などに直通させることはできません。
一方で日露間をトンネルや橋でつないだとしても、そもそもシベリア鉄道の1520ミリの軌間に対応する鉄道は、日本では走っていません。
もちろん、フリーゲージトレイン(FGT)などを開発するという構想もないわけではなく、現時点において技術的にFGTは作れないわけではないのですが、高速走行を前提とするならば技術的な課題もまだまだ多く、非現実的です。
したがって、日本が国境をまたいだ直通鉄道を走らせるというのは非現実的です(※もっとも、日本の場合は軌間以前にトンネルや橋梁の建設コストが高すぎる、という問題もありますが)。
陸続きの欧州と軌間
ただ、これが陸続きの国であれば、事情は変わってきます。
たとえば欧州では多くの国がひしめき合っており、国際列車も頻繁に運行されています。現在、欧州の多くの国ではシェンゲン協定により国境審査が廃止されているため、あまり国際列車という感覚はないかもしれませんが、非シェンゲン圏とシェンゲン圏を行き来するときには、昔ながらのパスポートチェックが行われたりします。
また、日本からベルギー、オランダなどに行く際には、成田空港などからの直行便を使うよりも、いったんはパリに飛び、そこから国際高速鉄道で目的地に向かう、といった旅も一般的ではないでしょうか。そして、それができる理由も、欧州の多くの鉄道は軌間が1435ミリなど、、規格がほぼ統一されているからです。
こうしたなかで、ロシア規格と欧州規格の境界線がどこにあるのかといえば、おおむね旧ソ連構成国とそれ以外の国との間にあるようであり、現在、ロシアからの不法な侵略を受けているウクライナもまたロシア軌間だそうです。
ウクライナ改軌論
こうしたなか、以前の『ウクライナ改軌なら欧州化と脱ロシアがいっそう進行へ』では、著者私見として、この際、ウクライナの復興支援として、鉄道網を修復する際に、いっそのこと欧州規格に改軌してしまうという可能性はあるのか、とする議論を展開したことがあります。
こうした議論の続きでしょうか。
ロイターによると、国営ウクライナ鉄道のムイシンCEOは「鉄道インフラの損傷は数万カ所に上る」としつつ、「だが何が起きても、修復して運行を続ける方法を探す」と述べた、という話題がありました。
国営ウクライナ鉄道のカムイシンCEOは「鉄道インフラの損傷は数万カ所に上る。だが何が起きても、修復して運行を続ける方法を探す」と語った。 pic.twitter.com/MGIYIecTAD
— ロイター (@ReutersJapan) November 4, 2022
数万個所というのも凄い話ですが、考え様によっては、ウクライナからロシア軌間をなくしてしまう好機なのかもしれません。昔から「災い転じて福となす」、と言いますが、幸いにも日米欧などが凍結したロシアの外貨準備などの資産もあることですし、復興支援の一環として改軌も検討していただきたいと思う次第です。
というよりも、いっそのこと、ロシアの資産を使って、新たに欧州規格などで線路を作ってしまうというのもアリなのかもしれませんね。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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今年5月に報道されていましたが、ロシアによるウクライナ侵略により黒海からの穀物輸出が支障を受けていることで、ウクライナのシュミハリ首相がヨーロッパ仕様の線路建設を発表しました。
多くのEU諸国が採用する線路幅1435mmの線路を段階的に建設し、最初は都市〜鉄道主要拠点間から始まり、その後徐々に全国に広げ国境越えの路線も1435mmで整備するとのことです。
鉄道も多くの被害を受け、修復するのにも多額の費用がかかり困難な事業と思いますが、こういうところで日本がお手伝いできればいいのにと思います。
考えとしてはおもしろいが(拡がった分の)土地の取得できるのでしょうか?
ウクライナの鉄道は某国から車両を購入したこともあるためあまりよい印象はありません
“ウクライナ国民が怒った! 韓国製鉄道のおそまつ | Mt.8 Blog(マウント・エイト・ブログ)” http://h-h-a.org/miyazaki/?p=244
ウクライナは現在ロシア規格1524mmです。つまり標準軌1425mmよりも広いのです。
従って改軌する際に線路用地を広げる必要はありません。
間違いです。
×1425
○1435
あぁ 思いっきり勘違いしてました w
ありがとうございます
鉄道のことなら、と馳せ参じました(笑)。
ウクライナの鉄道は損壊が数万か所、これはもうズタズタですネ。この復旧には当然ロシアが全額工事費と損壊後の期間中に失った営業利益の額を払わせねばならないです。また雇用促進の為もあり、ロクでも無いロシア人などにさせず、ウクライナの人達に作業をして欲しいものです。日本鉄道事業者、政府関係者は是非お手伝いして欲しい。図体が大きいソ連邦?のホームや車輌には驚くでしょうが、ナニ、1時間に1本や2本の初速(出足)の遅い列車を捌くロシアとは違うのです。分、秒単位で狂いの無い日本「鉄道王国」のチカラをロシアに見せてやりましょう。
改軌はよほどの事が無い限り(国の主権が変わるとか、得られるものが遥かに大きい以外、)出来ません。日本では伊勢湾台風(S34年9月)に近鉄が名古屋線を1067mmから1435mmに全線約80kmを改軌しました。名阪直通が悲願だったからです。
橋梁、駅、車輌に甚大な被害が出てました。今もしやるとしたら、大反対です。でもこの難工事をおよそ2か月ちょっとでやり遂げたんです。(もちろん仮竣工ですが。)実はその前、近鉄は名鉄と乗り入れしてました。だから四日市や津から犬山市行き等もあったそうです(私も生まれる前笑)。
で、伊勢湾台風で改軌したので出来なくなりましたが、今でも近鉄名古屋駅と名鉄名古屋駅は壁一枚で仕切られているだけで、繋げるだけなら可能です(名鉄はJRと同じ狭軌だから走りませんが)。
ウクライナからパリ、ミュンヘン、ベルリン、バルセロナ、ローマ等に行ける日が早く来る事、願ってます。
関東圏でも、京急と京成、そしてそれぞれと直通運転を行っている都営浅草線は標準軌ですね。京成は直通運転実現のために1372mmの馬車軌間から全線標準軌に改軌してますが、50日間で改軌を実現したそうです。
なお、京王本線は今でも馬車軌間を採用していますが、井の頭線は1067mm軌間なので、本線との間で直通運転ができません。なので、京王八王子発渋谷行という運行ができませんが、京王電鉄としてはちょっと残念でしょうね。歴史的経緯で仕方ないのですが。
なお、ヨーロッパーウクライナ間で列車の直通運転を実現するだけであれば、スペインのタルゴあたりを導入すればすぐにでも実現可能と思われます。今回の事態を奇貨としてウクライナの鉄道を標準軌に改軌するというのは悪く無いアイディアだと思いますが、その場合、現在ウクライナの鉄道が保有している車両のほとんどが使えなくなりますので、車両の供与まで考える必要があります。そうなると、おそらくはフランスかドイツの出番で、日本の出る幕があるかどうかはわかりません。
>今回の事態を奇貨としてウクライナの鉄道を標準軌に改軌するというのは悪く無いアイディアだと思いますが、その場合、現在ウクライナの鉄道が保有している車両のほとんどが使えなくなりますので、車両の供与まで考える必要があります。
動力車の場合は仰る通りなのですが、動力を持たない客車や貨車の場合は台車交換のみで対処出来ると思います。 但しウクライナ鉄道の広軌用車両限界を保つとすると、10㎝ 程度狭い標準軌では左右の安定性に課題が残るかも知れません。
ああ、確かに仰る通りですね。ウクライナの大地はひたすら真っ平らなので、人や貨物の積載方法さえしくじらなければ、なんとかなるかも。
でも、客車や貨車の上物って要するに箱ですから、豪華客車ならばともかく、わざわざ台車を交換してまで使い続けることがコスト的に見合うかどうかがちょっと疑問です。コンテナ用車両なんか、ほとんど台車そのものが走っているようなもんですし。
日立ヨーロッパが英国の車両会社を持っているはずですね。
日立水戸が電車関連ですが、ハードの車体をヨーロッパ製にして電子制御は日本にできたら日本の運行システムが利用できるんですけどね。
今後が楽しみです
日立の車両はイタリアで設計・製造してるようですね。主要な部品・機械類は日本製(日立?)でしょうけど。
車両は既存の線路(含運行システム)に合わせて1両からでも製造できますが、運行システムを置き換えるのは、運用する車両も含めて、最低でも路線単位で一斉にやらねばならず、時間とカネと人が必要ですね。
近鉄の改軌は数年前から計画があって、台風の時点では、線路も車両も準備工事は殆ど終わっていて、必要な資材も倉庫に積んであったのです。もちろん工事手順も決まっていた。
よく言われるように、佐伯氏が「水没した線路を見て改軌を決断した」というのは盛りすぎですねww
それでも、どうせ復旧するなら計画を前倒しでやろう、が英断であるのは間違いない所ですが。
西側諸国が中露から距離を置こうとして、サプライチェーンの切り離しに動いています。
ウクライナも当然中露のチェーンに組み込まれるのは嫌でしょうから、鉄道を標準軌にするのは良いと思います。
ロシアの線路と繋がっている、と言うだけでもストレスを感じる(線路を使っての侵攻)でしょうから、この際きっぱりと縁を切ってしまいましょう。
本題とはズレますが;
これが「軌を一にする」という言葉の本来の意味ですね。車といっても、馬車、牛車、人が挽く荷車などしかない時代でも、車軌統一は天下統一と同じくらいの難事業と思われていました。なので、車軌統一という言葉は天下統一と同じ意味に使われるようになりました。日本人は、車社会を余り経験してこなかったのでイマイチ理解しにくいですが。
京成電鉄が都営浅草線と相互直通運転を始めるにあたって、1959年当時の全線のゲージを 1372㎜ から 1435㎜(63㎜差)に運休せずに順を追って11工区に分けて車両改軌と線路改軌を同時に行うというという手品のようなプロジェクトをやり遂げました。
「決断と挑戦」
https://41-31.at.webry.info/200801/article_2.html
ウクライナでも同様な手順が使えるかも知れませんね。
>たとえば鉄道は摩擦係数が非常に低いため、エネルギー効率が高いという長所の反面、坂(勾配)に弱い、という欠点があります。したがって、路線に坂道が多い場合(たとえば神戸の市街地の南北交通など)、鉄道ではなく、交通もバスや新交通システム、モノレールなど、鉄道以外のものによらざるを得ません。
神戸の市街地の南北交通(鉄道)となると、市営地下鉄西神山手線くらいですね。
新幹線との乗換駅である新神戸駅と三宮駅の区間がほぼ南北です。
※新神戸駅以北の北神線は市街地じゃないのでパス(笑)
フラワーロードを新神戸駅から三宮駅を越えて地下鉄海岸線の三宮花時計前駅まで見るとほぼ一定の下り坂となっており、地表の勾配で約17パーミルです。
https://i.imgur.com/MQMdK4C.jpg
近年、神戸空港の国際化の話に絡めて、このルートで空港までの連絡地下鉄線を敷くのはどうかという意見もあるようですが、JR三ノ宮駅の南側で阪神電鉄と地下鉄海岸線の2つの地下路線の下をくぐり抜ける時に、元々ある地表の下り勾配を加味すると省令基準の35パーミルをおそらく超えそうで、なかなか難しいものがあると思われます。
このルートを通すなら、JR三ノ宮駅の北側までは西神山手線と共用できるからコストダウンが図れる、なんてケチな考え(アリバイ)は早々に捨てて、新神戸をスタートするところから限界に近いキツ目の勾配を持つ新規路線で設計することになると思っています。
あと、神戸には50パーミルの勾配を登る神戸電鉄があります。新開地という旧市街地に乗り入れている通勤路線ですが、もう登山鉄道の範疇ですね。急勾配対応の特注車両を使っています。
粟生線:
標高グラフで横軸7km辺りのピークは大村峠。
18kmの所が押部谷でそのすぐ左のピークが緑が丘。
28km過ぎのピークは鈴蘭台西口(304m)。
31kmで400mのピークになっているのは菊水山(トンネル区間)
https://i.imgur.com/dQagqYE.jpg
有馬線(有馬口まで)+三田線:
グラフ横軸10kmのピークは北鈴蘭台。そこから谷上まで下り。18kmのピークは大池。
そこから下がって300mを切る辺りが有馬口駅(293m)で
グラフには無いがそこから終点の有馬温泉駅(357m)まではまた登り坂
https://i.imgur.com/le5mKoV.jpg
—
ウクライナへの言及が全く無しで、申し訳ない。
なるほど!
「南北方向」というのは渦森台や鶴甲などをイメージしていたのですが、西神もたしかに山を越えますね。
ちなみに神戸電鉄、戦前などは「神有(しんゆう)」と呼ばれていました。昭和22年に合併されるまで、有馬町などは神戸市の市域ではなかったので、明治生まれの人たちは神戸といえば灘区、葺合区、神戸区、湊東区、湊西区、湊区、須磨区(それぞれ現在の灘区、中央区、兵庫区、長田区、須磨区)に限定される、といった考え方もあったようです。
個人的には六甲ライナーを渦森台などに延伸すればもっと便利になるのに、などと思うこともないではないのですが、やはり景観の問題などもあり、難しいのかもしれませんね。
最近の電車はVVVFになって、再粘着なんて芸当も簡単にこなします。50‰程度なら余裕で走破します(難波~極楽橋 特急も走ってる)。
また、浪速筋新線では40‰程度の区間も出来る(特認?)らしいので、この際構造基準も見直しても良いのかも知れませんね。
阪急三ノ宮駅近くのセンタープラザ、
二階三階はぶち抜きで
オタク関係の店が並びます、
元々は、
淡路阪神震災後、
整備計画で
建てられたらしいのですが、
不況のあおりで
店が入らず、
そこに
アニメ漫画専門店のアニメイトが入ったところ、
ファンが押し掛け
その後次々と同じジャンルの店がフロアに入り、
隠れたオタロードになったと聞いてます、
神戸のオタク達はどことなくハイカラな雰囲気がしますね。
神戸市在住です。 様へ
その後いろいろ調べたのですが、神戸空港、国際化するみたいですねw
「関空に第3滑走路を造る代替として神戸空港を活用する」、といった話もあるみたいですが、時代は変わったものです。空港ができる前には反対署名もありましたからね。
また、私もごくまれに神戸に行くのですが、たしかに神戸空港から三宮に行くときのポートライナーはパンク気味ですね。いずれ鉄道が必要となるかもしれません。
神戸空港からポートアイランドに抜けるあたりは地上で、そこから港島トンネルに並走する形で地下鉄を通し、海岸線ないし山手線に東側から接続する、というルートだと、技術的にもコスト的にも無理がなさそうな気がします(もっとも、その場合は新神戸まで乗り換えが必要になりますが…)。
もともと伊丹空港は騒音問題(モリカケ騒動の遠因)や拡張困難などの問題があり、海上空港と言う計画が出て来たのですね。
当初案は当に今の神戸空港辺りを想定していたのですが、反対運動で挫折。
止む無く泉州沖なんて不便な所に造る羽目になりました。
しかし大阪の北の方が交通は便利なので伊丹は存続、国内便だけの筈が国際便も受け入れることに。
こうなると神戸も空港が欲しくなって、国内だけの約束で造って、とうとうこの度国際化です。
じゃ、始めから大神戸空港を造っとけば、今頃は羽田級の国際空港になっていたでしょし、伊丹も再開発出来たんですけどねww
関空に第3滑走路をつくるかわりに神戸空港を活用する話、
http://www.japic.org/information/240.html の
7 神戸空港の機能強化と関西三空港一体運用 に資料があります。
関空と神戸空港との間に海底トンネルを掘って鉄道で結ぶ(移動時間約15分)というのが肝ですね。埋め立てよりもこっちのほうが工事費が安くなると言っています。
大阪「湾」環状線の実現も夢じゃなくなりますねw
反対署名は共産がバックなのがバレバレで私は近寄らなかったのですが、聞いた話だと署名した人は次の国政選挙の時にアプローチがあったとか。
ループ線から一駅空港側の医療センター(市民病院前)駅は医療産業都市構想の下、周辺に関連企業・研究機関を誘致していて、そこの人達で朝夕は
混んでいます。日中は手前の港島(キャンパス前)駅※の西に大学が移転していますし。
ゴムタイヤ駆動の新交通はホーム延伸が難しいですから輸送力増強が厳しいですね。
※中央市民病院は上記に移転してます。
医療センター~神戸空港間はガラガラです。
標準軌への改軌はいいとしても、運行する車両はどうしますか?
ウクライナの現行の車両はロシア軌間1520mmに合わせて設計されてますので、改軌すると全て使えなくなります。
日露戦争の時、帝国軍は占領した東清鉄道支線を輸送に利用しましたが、そのために当時のロシア軌間5フィート(1524mm)を1067mmに改軌して内地から車両を持ち込みました。明治40年(1907年)から1年がかりで標準軌へ再度改軌した後、使えなくなった車両を内地へ送り返しました。その車両の数は4000両にのぼります。
今のウクライナに4000両を上回る標準軌用の車両を用意できるのでしょうか?他の国が融通してくれるとは限りませんし、新型車両をウクライナが作る余裕がなかったら鉄道の流通が止まってしまいます。それはウクライナのためにはなりません。
改軌は車両の確保具合に合わせて少しずつ行った方が良いでしょう。
「改軌すると従来の車両がすべて使用できなくなる」。この点についてはまったくその通りでしょう。
ただ、ロイターの記事を信頼するならば、鉄道運航が寸断されている箇所がウクライナ全土の数万か所に達する、ということですので、どのみち線路等の補修は必要であり、どうせ全面的な補修が必要なら、ウクライナ鉄道の全面運航再開は困難です。
また、国際標準軌間になれば、逆に欧州などから車両の貸与・贈与を受けることが期待できます。
このあたり、信号システム等の都合もあるため、軌間さえ整えれば欧州車両が走行できるというものではありませんが、将来的な拡張性などを考えれば、いっそのこと全面改軌はいかがかと思うのですよ。
ちなみに改軌にかかる工期は気になるところですが、これに関しては近鉄が伊勢湾台風で損傷を受けた名古屋線を、復旧工事を兼ねて前倒しで改軌したという事例があります。
https://www.kintetsu.jp/kouhou/History/story05.html
また、京成電鉄は1959年10月からの2ヵ月で全面的な改軌を成し遂げるという快挙を達成しています。
このあたり、個人的には改軌は一挙に成し遂げるのが良いと思うのだ!…、などと新宿の隅っこで勝手に議論していても仕方がありません。決めるのはウクライナの皆さんですからね。ただ、いったん改軌が成し遂げられれば、じつはNATOの東進と並ぶ快挙になるのかもしれないな、などと思う今日この頃です。
屁理屈っぽいですが、全部が全部使えなくなるわけではないとも言える、と思います。
実は広軌のウクライナの列車は、標準軌のポーランド領内に台車交換というワザで直通運行しているからです。なんとか標準軌の台車を調達できれば、客車のウワモノは使えると。ただ、けん引する機関車は台車交換とはいきませんから、ちゃんと標準軌用でないとダメですね。
★豪快すぎる……! ポーランド~ウクライナ間の夜行列車は、客を乗せたまま「その場で台車交換」する
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2104/01/news069.html
もしも一気に改軌した場合、しばらくの間は機関車(電気/ディーゼル)によるけん引方式で凌ぐことになりそうですね。
ウクライナがEUに加盟する、もしくは西欧から直通列車を入れるような協定を結べれば車両交換するだけの価値がでるんじゃないですかね。
どうもこんにちは。
最近書き込みご無沙汰してました。
確か西鉄は大牟田線が1435mm、宮地岳線(今の貝塚線)が1067mmですが、貝塚線の車両は大牟田線のお下がりを台車交換して使っているので、完全に不可能というわけではなさそうです。
あとは車幅ですが、JR在来線狭軌の車両の方が私鉄標準軌車両より広かったりするので、日本の技術はすごいなぁと思っています。
日本と違って(おそらく です)客車列車が主流でしょうから、台車交換はそれほど困難ではありませんね。機関車は難しい(殆ど不可能)ですが、とりあえず欧州の中古でも譲ってもらえるんじゃないでしょうか。知らんけど。
貨車は直通を考えると欧州規格で新造でしょうね。ま、これも譲ってもらえるかな。
それよりも駅のプラットホームですね。現在露軌に合わせて車体が大きいとすると、標準軌の客車が乗り入れて来た場合、「ホームと車両の間が広く開いておりますから、ご注意願います・・・」になるかも知れません。
ウクライナがそうだ断定できませんが、欧州の鉄道のプラットホームはけっこう低いので、車両幅はあまり問題にならないのではと思います。
実際の車両幅は…軌間の差は十センチ程度なので殆ど違わないのでは。また、既に台車履き替えで車両が”直通”しているなら、少なくとも直通車両が乗り入れる区間は問題ないと思われます。
昔、シベリア超特急って映画ありましたね?、
日本映画業界の黒歴史ですけど…。
シベ超ですね。
まさかの管理人様からのレス、
恐縮です。
あの映画評論家の水野晴朗さんがメガホンを取るだけでも驚愕なのに、
さらにその内容に二度驚愕。、
水野さんの愛弟子の西田さんことボンちゃんが
やたらカッコ良かったのを覚えています。
直通運転は「積荷」が自律的に乗換えを行う旅客輸送よりも
貨物輸送において高い効果が得られるのではないか。
貨物列車は電車や気動車のような動力分散式ではないから
非電化区間があろうが電圧が異なろうが
牽引機をすげ替えれば何処までも走っていける。
ウクライナ復興は欧州のみならず世界の課題です。
ミュンヘンで去る 10 月 24 日
「ウクライナの回復、復興、現代化のための国際専門家会議」
International Expert Conference on the Recovery, Reconstruction and Modernization of Ukraine
が EC (European Commision) 主催により開催されました。議場において G7 議長国として最初に登壇したオラフ・ショルツ独首相は、経済学者ケインズの名をあげたあと、重要な発言をいくつかしています。
・ウクライナ復興は 21 世紀のマーシャルプランである
・ドイツはウクライナに兵器提供する
当方はショルツ首相の演説の巧みさに瞠目しました。「now」「today」「together」をちりばめて継ぎ目を浮かび上がらせ聴衆の注意を逸らさない弁舌は政治家の王道を行くうまさです。ドイツ国とドイツ人は1ミリグラムも信用できないと当方は考え続けてきましたが、ドイツ国内のヒステリックで全体主主義でグリーンワッシュなグリーン勢力を始末できさえすれば、彼はドイツ首相としていい仕事をするのかも知れません。
我が国は次の G7 議長国ですが、お金をばらまいて総花的な砂糖菓子をこさえては悦に入るべた踏み加速ドライバー岸田政権にいわゆる戦後秩序のなんちゃってコピペを越える21世紀型施政を期待していいものでしょうか。素養と実力の両面で疑わしいです。
会議演説の様子は Youtube に動画投稿されています。全体で 2 時間 40 余分もあります。ショルツ首相演説は開始後 4 分目から始まってます。10 分ありますが聞き取りやすいです。URL ポインタはこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=5R9GjEh1wQE&t=240s
岸田総理の大きな難点の一つは、言葉にメリハリがないことです。政治家が(演技も含めて)むやみに感情を露わにすることが必ずしも良いことだとは思いませんが、岸田総理は表情も声色もいつも同じで、何を訴えようとしているのか見えてきません。なんだか、キャベツの市場価格も地対艦ミサイルの調達価格も、同じような調子で説明しそうに見えます。あれでは人の心を動かすのは難しいでしょう。
政治家、特にトップに立つ政治家にとって必要なのは、言葉によって人を動かす能力であり、細かな政策の立案・実行などは、なんだったら有能な部下に任せきりでも構いません。岸田総理に一番欠けているのはそこであり、多くの人に不安感を覚えさせる要因の一つなのではないかと思っています。
もっとも、政治家の「言葉」ってなかなか難しいものがあります。能弁や雄弁であれば良いということはありません。口先だけの詐欺師まがいや煽動家など、かえって国民にとって有害な政治家だって、歴史上いくらでも見出せます。また、強権国家であれば、言葉など使わなくても、さまざまな「強制力」で無理矢理人を動かすことは可能です。でも、民主主義国家である以上、やはり人々を動かすのは「言葉」なのです。
元々の資質や性格かもしれませんが、岸田総理は安全を期す余り、一層平板になっているように見受けられます。もう少しメリハリを付けることを考えた方が良いのではないかと思っています。
鉄道改軌論からより論点が逸れてしまいますが、言葉の重要性に関して思い出したのは、ポーランド訪問中の林大臣記者会見です。現地 TV 局だったと思います。Youtube が視聴を進めて来たので気が付き、なにゲで見てしまいました。
林大臣の英語力は通用すると思います。日本政府の立場を静かにして明解に声明し、記者からの質問にもそつなく答えていました。
ところが首相のコミュ力は外相に比べると相当疑問です。首相外遊に連れている通訳、安倍元首相、菅前首相時代の敏腕な男性はホントウによかった。あのトランプ前大統領に聞く耳持たせたのは通訳氏の実力も相当あったでしょう。首相お付きの通訳は今は代替わりしたのか女性になっています。G7 議長国、本当に大丈夫でしょうか。
東清鉄道の運営権を手中に収め、ウラジオストクからモンゴル、国境の険しい山脈をばぶち抜いてカザフスタン、ウズベクスタンからカスピ海へ、横断鉄橋を越えてアゼルバイジャン、ジョージア、アナトリア半島を横断し地中海へと向かう「大ユーラシア標準軌鉄道構想」を妄想してしまいました。プロモーションは新満州映画社、これで決まりです。
問題は、カザフスタン、ウズベキスタンなどの旧ソ連諸国がロシア軌間(1520mm)を採用していることです。改軌か別線建設が必要になりますね。
# まあ、朝鮮半島が「マトモ」であれば、釜山発着のヨーロッパ直通列車なんてのも
# 可能かもしれませんが。
# ちなみに、戦前には、東京発ロンドン行という切符が実際に販売されていたそうです。
モンゴルも旧ソ連規格ですし。
日本の鉄道力が外国の実力に果たしてついていけているかという冷静な視点も必要と思います。国交省は道路ばっかりで総合産業として鉄道力を粗末にしてきました。国交省行政が公明党の利権化している可能性は大です。
インドがネパールの軽便鉄道を再建設したときに動員した線路敷設機械の写真をみて当方はたまげました。巨大生物みたいでした。あんな機械をくりださられて日本は勝てるのだろうか。
機械はシャコに似ており、道床脇に並べて配置したレールを左右に突き出た腕でつかみ上げ、機械の「上半身」はキャタピラーに乗ってます。「腹」には多足が付いていてそれぞれがコンクリート枕木を持ち上げ等間隔に並べて敷設する。溶接された状態の長い長いレールは誘導ローラーを介して上手に曲がって枕木に打ち付けられる。機械の「下半身」は台車式になっていて出来上がったばかりのレールに乗っかっている。進んだ分だけずんずん線路ができあがっていくという仕掛けです。いったいどれだけの効率を達成できるのだろうか。Youtube には超ハイテク鉄道テクノロジー動画も投稿されています。大陸で勝負するにはあんな技術を動員する海外企業を相手にサシでやってけないと分かります。
鉄道の規格は今だけでは無く10年後、20年後、あるいは100年後の国運を左右する大きな問題です。ウクライナ政府には目先の勘定では無く、大きな視点から判断して欲しいものです。脱露入欧なら標準軌だと私は思います。
お金は復興資金がジャブジャブ入ってくるから心配要らない。車両も一両あたり2億円程度。紐付き円借款で特需ですよ、日立さん。
しかしながらWikiを見ると、ウクライナは相当な腐敗国のようです。道理じゃなく賄賂で左右されそう。そこが気になる。
どうやら北朝鮮とロシア間の鉄道輸送が再開したそうです。
「北朝鮮からロシアへ列車越境、軍事物資運搬の可能性…鉄道輸送約2年半ぶり再開」
https://www.yomiuri.co.jp/world/20221106-OYT1T50136/
因みに、北朝鮮・ロシア間の鉄道での台車交換施設については次の記事にて言及されています:
「ウラジオストク着ロシアから北朝鮮への国際列車で陸路入国できないワケ(2/2)」
https://www.koreaworldtimes.com/topics/travel/7378/