韓国紙、首脳会談開催を前提に勝手に日本の謝罪を議論
さすがに驚きました。韓国紙に今朝、日韓が首脳会談を行うことが「確定した」ことを前提に置いた記事が掲載されていたからです。この話題、すでに昨日の段階で、松野官房長官が「まだ何も決まっていない」と否定していたものです。それなのに、日本側の発表を完全に無視したうえで、自称元徴用工問題を巡っても「日本が譲歩すること」を勝手に議論しているのです。
目次
これは驚く!虚報を事実であるかのごとく決めつけた記事
長年、コリア・ウォッチングをしていると、たいていのことには驚かなくなります。
しかし、さすがに韓国メディア『中央日報』(日本語版)に今朝掲載されていたこの記事には、久しぶりに驚きました。
尹政府、徴用問題の外交的解決策の模索に…日本、首脳会談に呼応
―――2022.09.16 07:17付 中央日報日本語版より
中央日報は記事冒頭で、いきなりこう述べます。
「日本が33ヵ月ぶりに『首脳会談を持ちこたえるモード』を解除した」。
具体的には、岸田文雄首相と尹錫悦(いん・しゃくえつ)韓国大統領が、20日から米ニューヨークで開かれる国連総会を契機とした二国間首脳会談を行う予定である、という点を指しています。
松野長官が速攻で否定したのですが…
これについて中央日報は次のように評します。
「尹錫悦政権発足後4ヵ月ぶりに過去史解決策の提示を要求し、首脳会談を避けてきた日本の外交スタンスを変えたわけだ」。
…。
これ、いったい何が驚くのかといえば、すでに日本政府は松野博一内閣官房長官が昨日午後の記者会見で、「ニューヨーク訪問の際の具体的な日程については、現時点で何ら決まっていない」と述べ、韓国側報道を速攻で否定したという事実を、完全に無視しているからです。
昨日の『韓国政府高官「韓日は首脳会談の開催で快く合意した」』でも触れたとおり、「韓日双方が首脳会談の開催で快く合意した」とする情報源は、あくまでも「韓国政府の高官」です。
松野長官の「現時点で何ら決まっていない」とする発言は、もちろん、この韓国側の報道を受けたものです。したがって、韓国側の発表をもとに、あたかも日韓首脳会談の開催が確定したかのような報道は、極めて一面的であると言わざるを得ません。
安易な首脳会談に応じることは危険
ちなみになぜ、日本が安易な日韓首脳会談に応じてはならないのかといえば、もし迂闊に首脳会談に応じてしまった場合、韓国側は「韓日関係改善のための韓国側の努力に日本も呼応したものだ」、などと反応しかねないからです。
実際、中央日報の記事は、次のように続きます。
「<略>予定時間も30分程度と十分ではないが、悪化の一途をたどっていた韓日関係を考えると、両首脳の会談はそれだけでも象徴的な意味を持つ」。
「今回の首脳会談は韓日間の最大の葛藤懸案である強制徴用問題をめぐり韓国側が解決策をつくっている中で開かれることになった。これは尹錫悦政府が2018年強制徴用被害者に対する日本戦犯企業の損害賠償責任を認めた最高裁判決を迂回し、代位弁済など『外交的解決法』を模索することに対して日本側も呼応したと解釈できる」。
「強制徴用問題」とは自称元徴用工問題の誤りですし、また、日本側が要求しているのは、あくまでも「韓国による国際法違反状態の解消」にあります。韓国側が「議論した」とされる「代位弁済案」は、日本が要求する問題解決としては、まったく意味をなしていません。
また、そもそも岸田文雄首相自身が「宏池会」という自民党内の弱小派閥の出身者でもあり、故・安倍晋三総理が2015年12月に実施したような「日韓慰安婦合意」スタイルの韓国への妥協を実施するだけの政治力など期待できません(※あくまでも著者の私見です)。
「日本の譲歩」を勝手に前提条件にする論者
ちなみに中央日報は、大統領室関係者が今回の会談について「韓日が今回会った方がいいと快く合意した」と述べたとされることを巡って、こんな解釈を示しています。
「これは官民協議会を通じて表出された意見をすでに日本側に共有し、これを土台に韓国政府が構想している解決法も日本との協議を前提にしているという意味だ」。
これが事実だとしたらとんでもない話ですが、文脈から判断するに、おそらくは韓国側の勝手な思い込み、という可能性が濃厚でしょう。
というのも、2019年7月19日付の外務省ウェブサイト『大韓民国による日韓請求権協定に基づく仲裁に応じる義務の不履行について』などにも示されているとおり、日本政府の立場は「韓国による度重なる国際法違反の是正」にあるからです。
もっとも、百歩譲って日韓首脳会談が実施されたとしても、自称元徴用工問題などの解決が図られる可能性は極めて低いでしょう。とくに、中央日報は韓国国内の雰囲気について、次のように指摘します。
「今回の首脳会談が強制徴用など懸案解決と関係改善の土台になるためには、日本のより前向きな態度が必要だという分析もある」。
そのうえで、中央日報によれば、「外交消息筋」は「首脳会談に対して日本側は『両首脳の会談は信頼回復の潤滑油になり得る』として呼応してきたが、強制徴用問題に対しては目につく態度変化が感知されなかった」と明らかにしたのだそうです。
したがって、韓国に言わせるならば、「韓国の強制徴用解決法の準備と首脳会談が関係改善という好循環につながるためには、日本もやはり一歩譲る態度変化が必要だ」、というわけであり、正直、まったくお話になりません。
韓国とはまともな外交交渉が成り立たない
ちなみに世宗研究所の陳昌洙(ちん・しょうしゅ)日本研究センター長は、これについて次のように述べたそうです。
「韓日葛藤懸案である強制徴用問題で韓国が解決策準備に着手することで日本の要求事項を満たし、今は首脳会談を通じた信頼回復を経て日本がそれにふさわしい謝罪と反省の表現で問題を決着させる課題が残っている」。
そもそも現在の状況で、「韓国側が自称元徴用工問題の解決策準備に着手した」状態であるとはいえませんし、「日本の謝罪と反省」などと言っている時点で、話になりません。
韓国が大好きな「被害者」「加害者」という表現を敢えて使用するならば、自称元徴用工問題に関していえば、「加害者」は韓国であり、日本こそが「被害者」だからです。
いずれにせよ、今回の「日韓首脳会談騒動」を眺めていると、韓国側が勝手に話を決めて暴走するという姿勢が目に付きますし、なによりも痛感するのは、自称元徴用工問題を含めた日韓諸懸案を誠実に解決する意欲が、韓国側にまったく感じられない、という点です。
正直、こんなことを続けていること自体、韓国の国際的な信頼を棄損する行為であり、韓国のためになりません。なにより、日本の側も「韓国とはまともな外交交渉が成り立たない」という前提で動かなければならない、ということは間違いないといえるでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
韓国に対しては外交的な物言いはせず、出来るだけはっきりと言うことが肝要かと思います。
会談のことでも「現時点で何ら決まっていることない」でなく「会談はしない。韓国が勝手に言うことには非常な不快感を感じる。」とはっきり言うべきだろうと思います。
Nagaさま
私もそう思います。
日本は優しすぎというか、いかにも弱い。
外交には強い態度を示すことも必要です。
韓国に対して無視する、相手にしないなど何とかの一つ覚えの対応だけでは、国そのものの尊厳を著しく毀損し、我々国民心情をも傷つけることにつながると肝に銘じてほしいものです。
アメリカから、日韓関係改善を厳しく言い付けられていて、そのアリバイづくりなのか、朝鮮の面子をたててほしいと言うのかの何れかでしょうかね。
まあ、いずれにしても、逆効果でしょうかね。
黙って観てるのが正解ですね。
そこまで妄想を拗らせているなら、会談には応じてもいいんじゃないですかね?
ただし岸田総理は開口一番で「貴国が行っている数々の国際法違反の是正の目途はついたか」と問うだけでよい。
当然是正などできるはずがないので、言葉にせずともできないという意思表示があったら「では会談はここまで。今後は是正しない限り一切会談は行わない。」と切り上げさせればいいでしょう。
それくらいしないと奴らは日本がどれだけ怒っているか理解できないでしょうから。
毅然とした対応ができたら支持率も爆上げでいいことずくめじゃないですかね?w
日本は何度も、
「国際法違反を是正しろ」
と何度も何度も同じ事を言っている。
日本は、出来の悪い生徒を教える先生じゃないのだから、やるかやらないかは韓国が決める事。
そして、やらないのなら話す必要なし(それ、外務大臣の仕事)。
それより、岸田首相に必要なのは屈強なボディーガード。
かつて、トランプ大統領と金正恩の間にさりげなく入ろうとした文在寅がアメリカのボディーガードに強制排除されたことがあったけど、国際法を守れないのなら、岸田首相に近づいてくる尹大統領を強制排除すれば良い。
おっしゃるような芸当が某総理にできると思いますか?むしろ言いたいことが言えずに韓国側に好きにされてしまう可能性が大でしょう。だって韓国が「NYで首脳会談だ」と嘘を言ってるのに何もできてないし、外相時代に結んだ約束も守らせることができない人ですよ。だから会わないのが正解。
善意で解釈すれば、昨日の韓国の発表後日本の説明を聞く前に書いた文章を間違って出してしまった、ということになりますが、そうでないとすれば、お薬が必要な段階ということになります。
↑匿名さんなので1意見として新たに出させて戴きます。
アメリカはすでに韓国をあきらめていて、(できないし、やらない)日韓関係改善を厳しく申し付けているのでしょう。韓国はその体裁づくりとポーズの為、考えた案として、過去日本に対して勝手に言って日本に否定されると、もう発表してしまったので「朝鮮の面子をたててほしい」と言ったら日本はやってくれたという成功体験を未だに続けているのでしょう。彼らの発想として計画すれば(願望を言えば)8割達成、会談を実施すれば韓国側の勝利です。その後日本に否定されれば、後頭部を殴られたと言って日本をなじって国内は完璧。そして世界が韓国から孤立していくまでがデフォ。
日本は「黙って観てる」のではなく、日本が絡まれている内容については「即座に否定」が正しい。絡まない事は一切かかわらない。韓国国内のことは内政干渉になるので無視。これでよいと思います。
韓国という国そのものが、嘘と妄想を発酵させる事で出来上がった
ファンタスティック・キムチネイションなんだから、そこから出てくる
情報は大半が嘘と妄想だと思った方がよい。
自民党へ再度忠告が必要ですね。
「韓国含め法に忠実でアレ」
約束は守りましょう。とね
正直言って日本側の反応は中途半端で分かりにくい。こういう場合は明言すべきです。情けない。
仰る通り。
外交儀礼や国際常識が通じる相手では無いのですから。
「何べんも同んなじ事言わすな、ドアホ!」くらいのことを言ってやれば良いのです。
会ったらおしまい。
粘着質な相手と別れる時の「最後にもう一度会いたい」に応じてはいけないのと同じ理由。