ウォン安局面で日本がすべきは支援よりも貸し剝がし?
韓国ウォンが13年ぶりの安値水準にあるようです。こうしたなか、韓国経済の本当の問題点は、「金融危機と通貨危機」のいずれかを回避したとしても、もう片方について回避するのが難しいというジレンマにあります。こうなってくると、やはりどこからともなく、「隣国である日本が韓国を助けるべき」、などとする主張が聞こえてくるのかもしれません。しかし、日本がやらねばならないのはその逆、つまり「与信管理」(≒貸し剝がし)なのかもしれません。
ウォン安:13年ぶり
再び隣国の通貨が怪しくなってきたようです。
韓国銀行が公表する為替相場に関する統計データや韓国メディアの報道などに基づけば、8月19日(金)の韓国外為市場における日中最安値は1ドル=1,328.8ウォンで、これは2009年4月30日からの13年4ヵ月間で最も安い水準です。
ただし、引け値では1ドル=1,325.9ウォンで、これは先月15日に記録した13年ぶりの安値水準である1ドル=1,326.1ウォンと比べれば、ほんの少しだけウォン高水準にありますが、それでもやはり「13年ぶりの安値水準」であることは間違いありません。
こうしたなか、韓国ウォンは「NDF通貨」と呼ばれ、韓国国外での現物取引が大きく制限を受けている通貨として知られています。ただ、外国でNDFなどの取引がなされているためでしょうか、最近だと韓国の取引時間が終了しても、夜間にドル・ウォン相場がクオートされていることがあります。
これについてWSJのマーケット欄で確認すると、米国時間金曜日(日本時間土曜日)時点の引け値が1ドル=1335.74ウォンにまでウォン安・ドル高が進んだことがわかります。
ウォン安の原因は金融政策=韓経
これに関連し、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に昨日、『韓国経済新聞』(韓経)が配信した、こんな記事が掲載されていました。
韓国ウォン安、取引中に今年の最安値
―――2022.08.20 09:11付 中央日報日本語版より【韓国経済新聞配信】
韓経によると、ウォン安の理由は米国がさらに踏み込んだ金融引締めを行うとの観測に加え、中国や欧州の景気後退観測にある、などとしています。
とくに米FRBを巡っては、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が18日付で報じたセントルイス連銀のジム・ブラード総裁の「9月のFOMCでの0.75%の利上げを支持する」とする発言から金融引締め観測が強まったのだそうです。
これについて韓経は、韓国ウォンは今月12日の1ドル=1302.4ウォンと比べ、「4営業日の間に23.5ウォン値下がりした」と指摘しており、そのうえで「世界的な景気減速懸念」から「安全資産としての米ドルが買われる」展開が続くため、「ドル高ウォン安は続く可能性が高い」、などと結論付けています。
これに加えて韓経は、韓国銀行が25日の金融通貨委員会で決定する政策金利の上昇幅を巡って、「ビッグステップ(0.5%)」ではなく「ベビーステップ(0.25%)」の可能性が高い、とする金融界の観測を紹介しているのです。
はたしてここに問題はないのでしょうか。
金融危機、通貨危機のどちらを選ぶか
結論的にいえば、韓国は現在、利上げをすれば金融危機の、利上げをしなければ通貨危機の、それぞれ瀬戸際にあるのかもしれません。
先日の『韓国社会で問題化「多重債務者」割合が人口の1割弱に』でも取り上げましたが、韓国社会では現在、「多重債務者(3社以上の金融会社からおカネを借りている人)」の割合が全人口の1割弱に達するなど、債務問題が社会問題化する兆候を見せています。
こうした状況において利上げをすれば、破綻する家計が相次ぎ、金融機関の貸出金が一挙に不良債権化して、経営危機に陥る金融機関が急増しかねません。これが金融危機です。
しかし、だからといって韓国銀行が利上げを見送るのも難しいのが実情です。『韓国の対外債務は過去最大:外貨準備高との関係は…?』でも触れたとおり、韓国の短期債務の額がリーマン時並みの水準に膨らんでいるからです。
韓国銀行が利上げを見送れば、あるいは小幅な利上げに留まれば、韓国と米国の金利差がさらに開き、米系などの金融機関は韓国に対する短期債務の更改を見送るという選択を取る可能性が生じてきます。そうなれば外貨不足で倒産する韓国企業が増えかねません。これが通貨危機です。
いずれにせよ、韓国は金融危機と通貨危機の瀬戸際に追い込まれているのかもしれませんが、下手をすると「どっちつかず」のまま、金融危機と通貨危機が同時に発生する、といったシナリオも考えられなくはありません。
韓国銀行が利上げをしなくても個人債務者の破産が相次ぎ、そこから金融危機につながる可能性はありますし、韓国銀行が多少利上げをしたとしても、内外金利差が埋まらず、結果的に外貨資金流出を通じて通貨危機につながる可能性はあるのでしょう。
日本企業がやらねばならないことは「与信管理」
こうしたなか、やはり出てくる可能性があるのが、「隣国である日本が韓国を救済・支援しなければならない」、などとする与太話でしょう。
これに関連し、『【資料】2014年4月16日の日韓スワップの議事録』でも取り上げた、山崎達雄・財務省国際局長(※当時)の日韓通貨スワップに対する発言についても、いちおう取り上げておきましょう。
「日韓通貨スワップを初めとする地域の金融協力は、為替市場を含む金融市場の安定を通じまして、相手国、日韓の場合は韓国だけじゃなくて、日本にとってもメリットはあります。というのも、日本と韓国との間の貿易・投資、あるいは日本企業も多数韓国に進出して活動しているわけでありまして、その国の経済の安定というのは双方にメリットがある面、それからまた通貨という面でいうと、むしろ通貨を安定させるという面、ウォンを安定させるという面もあるわけであります。そういうことで、私どもとしては、当時、日韓通貨スワップを拡大したのは、むしろ、韓国のためだけというよりも、日本のため、地域の経済の安定のためということがあったということだけ申し上げたいと思います」。
そもそも論として、「韓国に進出している日本企業」が「韓国の為替相場の混乱」によって影響を受けたとしても、それはその企業のリスク管理の問題に過ぎず、日本全体で通貨スワップによって支援するという必然性はまったくありません。
また、日韓通貨スワップにより通貨的な裏付けを得た韓国が、通貨・ウォンを遠慮なく安値誘導することで、日本企業にとっては輸出競争力を削がれるというマイナスの効果ももたらされます。このように考えていくと、通貨スワップ自体、日本にとってメリットがまったくないどころか、むしろ有害ですらあります。
こうした視点からは、基本的には日本としては「ノー関与」を貫くのが筋でしょうし、むしろ与信管理上は、韓国向けの融資や投資、取引などを絞るべき(=貸し剝がしをすべき)局面が到来しているといえるのではないでしょうか。
このあたり、日本政府や財界などが、ゆめゆめカン違いすることがないことを願いたいところです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
金融危機と通貨危機のどちらかをもし本当に選べるなら通貨危機を選ぶべきでしょうね。通貨危機を避けようと利上げしても利上げしても、市場の評価はそうそう変わらないはずです。
ただ、韓国の金融政策のレベルで何を選択しても意味がなく、結局は金融危機と通貨危機の両方に陥ることになるでしょう。
金融危機はもっとわかりやすく言えば日本のバブル崩壊やアメリカのサブプライム危機みたいなモノです。どちらも国を大きく毀損する危機です。
そもそも言えば、韓国が日本においつきかけるこの状態そのものがバブルなんですよ。バブルって本当にその真っ只中にいるうちは気づかないものです。日本もそうでしたよね。
日本を追い越す夢からさめるまでもう少し。
韓国社会が混乱すると朝鮮半島からの不法入国者が増加すると考えられます。
>昭和20年代から30年代にかけては、韓国からの不法入国事件が最も多く、摘発された事件の大半を占め、特に21年には朝鮮半島からの不法入国者が後を絶たず、1万7、000人以上を検挙しました。
https://www.npa.go.jp/archive/keibi/syouten/syouten269/sec02/sec02_08.htm
これらを検挙し、朝鮮半島へ強制送還する能力の強化が喫緊の課題・焦眉の急となります。
ちなみに、検挙から逃れた者が、後々「日帝による強制連行の被害者とその子孫である」と詐称して日本にまた居座り、被害者コスプレ商売が更に拡大する事も考えられます。
今では民団も朝鮮総連も「在日コリアンは日帝による強制連行の被害者とその子孫である」というウリナラファンタジーを掲げており、日弁連などが加担している状況なので、一旦日本国内に入られると厄介だから要注意ですね。
何やら韓国では今、輸出産品の在庫が多量に積み上がって居るそうです。DRAMやNAND、家電製品など。これはさらなるウォン安が到来したなら一気に土砂降り輸出を掛けてやろうと言う「仕込み」なのでしょうか?輸出競争力が高まって仕入れた素部装の続く限り売って売って売りまくるのでしょうか?1ドル150ウォンとかになったら爆売れで儲かって仕方ないですね。但し材料仕入れをしなければならないターンになると大幅値上げするか、上手いことウォン高になってもらわないと困る。通貨にボラティリティとは言わないでしょうが最安値が来たら売りまくり、高値になったら買いまくる。そんな思惑で動けて、その通りになるならこんな強みはありませんね
DRAMやNANDは売れてないそうです。
原因はPCやスマホが売れないかららしい。
金利を上げれば国民が借金を返せず金融破綻、金利をステイすればキャピタルフライトでウォン安からのデフォルト(呆)
もう、韓国経済は完全に詰みましたね。金利をどうにかしたところで、もう運命は決まっています。
まぁ、死刑囚に向かって「電気椅子と絞首刑のどちらを選ぶ?」って聞いているようなものでしょう。(笑)
現状は 詰ンデレラ、先行きは タヒンデレラ。
ノー韓与 ですね。
カントリーリスクの発露(確定)を因果とした貸しはがしは制裁に非ず。
原理原則に基づく対処には、判官贔屓のそしりも及ばざるところです。
いつも知的好奇心を刺激する記事の配信ありがとうございます。
管理人様>与信管理上は、韓国向けの融資や投資、取引などを絞るべき(=貸し剝がしをすべき)局面が到来しているといえるのではないでしょうか。
現状の対処療法的にはまさにその通りですが、根本的解決には条件的に社会契約を成立させる機能を持つことではじめて「資格を満たす事が出来る」主権国家の資格を満たさない集団が「民族自決」の美名で主権国家を詐称する事が問題と考えます。
国民同士及び国家同士が「絶対的平等」という前提(相対的不平等は当然存在します)で社会契約を締結する事を実施しないと現代社会は正常に機能しないからです。
唯物的社会分析では現代社会とはヒト、モノ、カネ、情報だけでなく社会契約や貨幣を機能させる為に「相互が絶対的平等に基づいた信用」が不可欠だからです。
自称徴用工の問題における韓国人のコンセンサスを見れば明らかですが、解決出来ないのは「日本が言うことは聴く事は出来ない。なぜなら韓国の序列が上位でエラいからだ。」この1点に尽きるからです。
こういう観点では社会契約は成立しないのです。
社会契約を成立させる条件の未達。
古典的社会学者のマックス・ヴェーバーは「プロテスタンティズムと資本主義の精神」で近代社会における資本主義が成立する条件を明らかにしましたが、同等の視点が主権国家の成立においても必要であり、当方は隣国はその資格を満たしているとは考え難いのです。
以上です。駄文失礼しました。
追記ですが逆も然りで、管理人様が常時述べている
「ヤルヤル言っているが(信用が無いから)隣国が目に見える行動で実施する事が大切だ」という事も社会契約が機能するならば「やる」と言った時点でソレが後日実施されるので大事にならず妥協が成立するのですよ(笑)。
以上です。
それでも金融危機も通貨危機も起こらないとする韓国人の専門家の意見を聞いてみたいわ!
もうじき徴用工裁判で現金化が確定します。(しなかったら政府が持たない)
現金化もされるでしょう。
日本は100を超える対抗賠償案件を次々に発動すれば。
貸し剥がしは簡単になってしまいます。
もうじきもうじき楽しみに待っています。
100を超える制裁を用意しても、どうせ使えないでしょうね
制裁らしい制裁をしたことが無い 腰抜け政府に大したことができるわけありません
人を撃った事が無い人に拳銃tp100発銃弾渡して 撃てというようなもんです