米国務長官「日米関係はかつてないほど強固になった」

米国のアントニー・ブリンケン国務長官が急遽、月曜日に来日するそうです。米国は安倍総理の逝去に対し、「日米同盟はインド太平洋の平和と安定においてかつてないほど重要になった」と表明するなど、日本に深く感謝していることが示されています。これこそがまさに安倍総理の最大の功績のひとつではないかと思いますし、改めて安倍総理には深く感謝申し上げたいと思う次第です。

参院選につきご注意ください

本日は参院選の当日でもあるため、選挙に関わる話題(とくに投票の呼びかけ)はもちろんのこと、それに該当する可能性がある内容(たとえば個別の政党・政治団体・候補者に関する話題)については、本日の午後8時まで、いっさい触れることができません。

ついでに申し上げるならば、このことは読者のみなさまにおいても同じことがいえます。たとえば当ウェブサイト・他ウェブサイトにおける読者コメント欄はもちろん、読者の皆様がお持ちのSNSアカウント、個人ブログなどについても同じことがいえます。

たとえば「選挙に行ってきたよ」、「投票済証をもらったよ」、くらいであれば問題ないと思いますが、ご自身が具体的にどの候補者ないしどの政党に投票したか、あるいは特定の政党・候補者に投票してほしい、あるいはしないでほしい、といった書き込みをするのはアウトです。

いずれにせよ、今回の選挙についてはとりわけ、当ウェブサイトとしても申し上げたい内容が多々あるのですが、これらに関してはもう少しお待ちください。

日本の話題が多い!ロシアのメディア

さて、選挙の話題の代わりに、本稿でどうしても触れておきたいのが、安倍晋三総理の暗殺に関わる追加での話題です。

ロシアが2月24日に国際法に違反したウクライナへの侵略戦争を開始して以来、当ウェブサイトとしては『タス通信』(英語版)などのロシアのメディアを「定点観測」しているのですが、じつはそのロシアのメディア自体、ここ数日は安倍総理の話題が散見される状況にあるようなのです。

Former Japanese PM Shinzo Abe dies after he was attacked during campaign speech

―――2022/07/08 19:55付 タス通信英語版より

Funeral of slain Japan’s ex-PM Abe to be held on July 12 in his hometown Shimonoseki

―――2022/07/09 13:24付 タス通信英語版より

Putin not to attend Abe’s funeral — Kremlin

―――2022/07/09 19:00付 タス通信英語版より

タス通信の事例でいえば、昨日夜までの時点で確認できる限り、安倍総理に関する話題は少なくとも3本以上出ています(内容が正しいかどうかはとりあえず置いておくとしましょう)。

とりあえず、ロシアがこの話題にかなりの関心を持っている、ということでしょうか。

ただ、タス通信などの報道を眺めていると、最近、とくに日本に関する話題が頻繁に出てきます。

「メルカトル図法」の影響もあるのか、私たち日本人から見れば、ロシアとは「じつに強大な国」であり、「戦争をしたくない相手国」のひとつなのかもしれませんが、もしかしたらそのロシアの目から見ると、逆に日本自体が非常に大きな脅威として認識されているのかもしれません。

この点、考えてみれば、安倍総理は在任中、ロシアのウラジミル・プーチン大統領とは27回も会談をこなしました。

この点、「27回も会談したわりに北方領土を取り返すことができなかった」、などと安倍総理を批判している人もいるようですが、今回のウクライナ戦争の態度を見ていれば、ロシアが自国の領土を平和裏に返すはずがないことなど明らかでしょう。

プーチン、習近平が相次いで弔電

こうしたなか、安倍総理という「強いリーダー」がプーチン大統領と会談を繰り返したこと自体、ロシアにとっては日本と「事を構える」ことをためらわせる要因となった可能性はあります。実際、プーチン大統領に加え、習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席が弔電を寄せているようです。

安倍氏の記憶「永遠に残る」 ロシア大統領が弔電

―――2022年07月08日20時23分付 時事通信より

中国主席、安倍氏死去で弔電 「関係改善に貢献」

―――2022年07月09日23時15分付 時事通信より

このあたり、日中関係にも同じことがいえるのですが、潜在的な敵対国であっても、その相手国のリーダーが強ければ、逆に何らかの敬意が生じるものなのかもしれません。

クアッド首脳の共同声明

さて、潜在的な敵対国である中露両国でさえこうなのですから、友好国に関してはいったいどうなのか。

ホワイトハウスのウェブサイトに掲載されていたのが、日米豪印「クアッド」を構成する3ヵ国の首脳の合同メッセージです。

Statement by President Joe Biden, Prime Minister Anthony Albanese, and Prime Minister Narendra Modi Mourning Former Prime Minister Abe

We, the leaders of Australia, India, and the United States, are shocked at the tragic assassination of former Japanese Prime Minister Shinzo Abe. Prime Minister Abe was a transformative leader for Japan and for Japanese relations with each one of our countries. He also played a formative role in the founding of the Quad partnership, and worked tirelessly to advance a shared vision for a free and open Indo-Pacific. Our hearts are with the people of Japan — and Prime Minister Kishida— in this moment of grief. We will honor Prime Minister Abe’s memory by redoubling our work towards a peaceful and prosperous region.

―――2022/07/08付 ホワイトハウスHPより

まさに安倍総理が日米豪印4ヵ国の連携のきっかけを作った人物であるという点に敬意を払い、また、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)の事実上の生みの親であることを踏まえ、これが4ヵ国にとっての共通の遺産になったという点を宣言した格好です。

米国務長官「日米関係はかつてないほど強固」

さらには、米国のアントニー・ブリンケン国務長官が月曜日、急遽、日本にやってくることを決めたそうです。

Secretary Blinken’s Travel to Bali, Bangkok, and Tokyo

<中略>Finally, Secretary Blinken will travel to Tokyo, Japan, to offer condolences to the Japanese people on the death of former Prime Minister Abe Shinzo and to meet with senior Japanese officials.  The U.S.-Japan Alliance is the cornerstone of peace and stability in the Indo-Pacific and has never been stronger.
―――2022/07/09付 米国務省HPより

ブリンケン長官の発言を意訳すると、こんな具合でしょうか。

  • ブリンケン長官は東京を訪問し、安倍晋三前総理の逝去に際して日本国民に哀悼の意を表し、日本政府の当局者らと会談を持つ予定である
  • 日米同盟はインド太平洋地域の平和と安定の礎であり、かつてないほど強固なものとなっている

…。

まさに、これこそが現在の日米関係の象徴なのでしょう。

米国の日本に対する信頼は、2009年以降の民主党政権下で地に堕ちましたが、これを米国から「かつてないほど強固」、「平和で豊かな地域の実現に向けた取り組みをさらに強化することで、安倍総理の記憶をたたえたい」などといわれるほどにまで立て直したのです。

その意味では、安倍総理にはご冥福をお祈りするとともに、あらためて深く感謝申し上げたいと思う次第です。

読者コメント一覧

  1. 引きこもり中年 より:

    独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせてもらいます。
    (というよりも、素人ではこれが限界なので)
    中ロとしては、「選挙運動中に、有力政治家が暗殺されるのは、民主主義の危機である」という欧米が文句のつけられないことを言っているのではないでしょうか。(だから、中国としてもロシアにしても、「政治家を暗殺しかねない、テロ組織は潰さなければならない」と言いたいのでしょう)
    駄文にて失礼しました。

  2. 匿名 より:

    たしかこのブログの論客様は、「政治がどうなろうが結局、国や国民にとって経済が一番大事だよ」という論調の方だったとおもいます。
    私もその意見に賛同です。

    政治に興味をもつ我々はかなりマイノリティなんですよね。

    安倍総理の外交安保は高く評価されています、政治が趣味の人には評価は非常に高いですし日本のプレゼンスも上がりましたね。

    しかし、一般庶民にとってそんなことはどうでもよく、生活・経済が大事です

    日本経済がダメになり、困窮する人が増えると一定数「ああいうこと」をやってしまう人がでてきます。

    安倍総理が狙われてしまった責任は、ブログ主のおっしゃる通り、メディアや政治家同士のくだらないレッテルの張り合いの犠牲である可能性が非常に高いです。

    しかし、あの人はおそらく政治テロリストではありません、困窮する人の中に一定数現れる、「ああいうこと」をやってしまう人なのです。

    はたして、経済・生活面で安倍政権・自民党を評価できるでしょうか?

    ちなみに私は右派なので、お間違いなきよう。

    1. 匿名 より:

      失業率等の経済における重要データは見てないんですね
      右派を称してますが左派のような言説です

    2. 匿名 より:

      実質賃金ガーとか言ってそう
      名目が大事に決まってるのに

    3. sey g より:

      失業率の推移をみてから話してるのでしょうか?

      安倍総理以降、失業率が大幅に改善しております。
      非正規、派遣が増えただけと文句をつける人もいますが正社員も増えた事には言及しません。

      匿名様はアベガーというマスメディアの情報に踊らされてないか?考えたらいいと思います。

      もしかして真性の左翼様ですか?

  3. 元ジェネラリスト より:

    世界各地で発せられる弔いの言葉を見ながら、ここまでの大きな関心を払われた日本の首相経験者はいなかったのではないかと思います。(事件であることも理由とは思いますが)
    銃撃の報を受けてからの自分自身の心の反応の大きさにも、自分自身で驚きました。存在感の大きさたるや。

    私は今まで、この後も日本の歴史上で語られることになる大宰相を、目の当たりに見ていたのだと思いました。
    とりとめも無い話でした。

  4. 宇宙戦士バルディオス より:

     半島から、最高の弔辞が届きますた。
     以下、機械翻訳。
    『「慰安婦は根拠のない誹謗中傷だ」安倍首相の生涯にわたるマントラ』
    https://www.edaily.co.kr/news/read?newsId=01082406632392880
    >安倍前首相は、与党自民党議員としての長い在任期間中、日本社会の右翼に多大な貢献をしたとされている。特に、それはそのマントラと「疑惑」を促進する歴史的に歪曲された発言のために国内で悪名高かった。隣国の大物政治家の死に対する国内世論の冷淡な反応も、こうした生涯にわたる発言に大きな影響を与えているように思われる。
     ( ゚д゚)ウム。何度読み返しても、故人に対するこれ以上のない賛辞ニダ。

    1. 世相マンボウ_ より:

      まさに、韓流らしい弔事ですなあ。

      なぜか奇妙なことに
      日本の政治団体やメディアで
      どぶサヨさんと呼ばれる人たちの
      言わんとする事と奇しくも
      一致してますなあ。

  5. たろうちゃん より:

    人の主義主張は、100人いれば100通りあるとは思う。安倍晋三総理が全ての問題に100%の答えを出せたかといえば、立ち位置の違いで評価も様々だろう。只、歴代総理が出来なかった難題に取り組み成果をあげていたのも、揺るぎない事実だ。だけど67才の若さで、病気でもなく、事故でもなく殺人という手段の犠牲になって、志半ばでこの世を去ることとなるのは、だれが予想できただろうか。散々、モリ、カケ、で氏を貶める批判していた連中が一転、安倍晋三総理を偲び惜しむ発言を繰り返している。冗談じゃない。そういった近視感的な批判で、まだまだ国の為に他のだれよりも働ける有為な人物を引き摺りおろしたんじゃないか。菅義偉総理も評価をあらたにしている1人だ。無くして初めて価値に気が付く。本当に、本当に、本当に、惜しい人物を亡くした。改めて喪失感に苛まされている。

  6. 匿名 より:

    何故、月曜日にブリンケン国務長官が来るのでしょうか?そら名目的には丁重な弔意を示すためだと思いますが、それにしても参議院選挙が終わった翌日、わざわざ来日するのは何か別の意味があるのではと考えてしまいます。米国が心配するような、日本と協議しなければならないような外交的問題が発生しているのでしょうか、考えすぎですか?誰かおしえてくださいませ。

    1. 赤ずきん より:

      岸田がはしゃぎすぎないように釘をさしに来るという個人的見解。

      1. 赤ずきん より:

        追加 トランプ前大統領訪日?の下準備。

    2. Yさん より:

      全くの想像ですが

      同じことを前にも書きましたが、欧米メディアはassassinateという言葉を使っています。もし米政府がそのような認識であるならば日本政府と打合せがあってもおかしくありません。

  7. 普通の日本人 より:

    あのプーチンと27回も会ったなんて凄いと思って居ました。
    暗殺、それも爆弾で車毎ふっとばす、ロシア製造と分る毒薬で暗殺する。
    人を殺すことにためらいが無いプーチンと会うなんて。
    私だったら絶対にしない。
    仕事でしかたがなくなったら逃げます。

  8. M1A2 より:

     本当にどうしてこんな事になってしまったのか。
    批判を顧みず、国益のために既得権益と戦う覚悟をもった稀有な政治家でした。
    安部さんほど外国から高く評価される政治家はもう出てこないかもしれません。
    体調が良くなったら、是非また首相になっていただきたいと思っていたので残念です。

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