【資料】中国が外国と締結しているスワップ協定の一覧
本稿は、「資料編」です。中国人民銀行が公表している中国語のレポートをベースに、中国の通貨当局である中国人民銀行が外国通貨当局と取り交わした通貨スワップ・為替スワップ等の一覧を作成してみました。本稿で収録するのは、2018年10月以降に中国人民銀行が外国通貨当局と取り交わしたスワップです。
中国人民銀行が昨年秋に公表した『人民幣国際化報告』【※中国語、PDF】という報告書をもとに、「币互换」ないし「货币互换」などと記載されている部分を抜き出しておくと、2018年10月以降、中国人民銀行が外国と結んだスワップは、新規、更新を含めて全部で27本あります(うち3ヵ国が重複)。
これらのスワップ一覧については、次のとおりです(図表)。
図表 中国が外国通貨当局と締結するスワップ協定
相手国と締結日 | 人民元の上限 | 相手国通貨の上限 |
---|---|---|
英国(18/10/13) | 3500億元 | 400億ポンド |
日本(18/10/26) | 2000億元 | 3.4兆円 |
インドネシア(18/11/16) | 2000億元 | 440兆ルピア |
ウクライナ(18/12/10) | 150億元 | 620億フリヴニャ |
スリナム(19/2/11) | 10億元 | 11億スリナムドル |
シンガポール(19/5/10) | 3000億元 | 610億シンガポールドル |
トルコ(19/5/30) | 120億元 | 109億リラ |
ECB(19/10/8) | 3500億元 | 450億ユーロ |
マカオ(19/12/5) | 300億元 | 350億パタカ |
ハンガリー(19/12/10) | 200億元 | 8640億フォリント |
エジプト(20/2/10) | 180億元 | 410億エジプトポンド |
パキスタン(20/7/31) | 300億元 | 7200億Pルピー |
チリ(20/7/31) | 500億元 | 5.6兆ペソ |
モンゴル(20/7/31) | 150億元 | 6兆トゥグルク |
アルゼンチン(20/8/6) | 700億元 | 7300億ペソ |
韓国(20/10/11) | 4000億元 | 70兆韓国ウォン |
アイスランド(20/10/19) | 35億元 | 700億クローナ |
ロシア(20/11/23) | 1500億元 | 1.75兆ルーブル |
香港(20/11/23) | 5000億元 | 5900億香港ドル |
タイ(20/12/22) | 700億元 | 3700億バーツ |
スリランカ(21/3/19) | 100億元 | 3000億ルピア |
トルコ(21/6/2) | 350億元 | 460億リラ |
ナイジェリア(21/6/9) | 150億元 | 9670億ナイラ |
豪州(21/7/6) | 2000億元 | 410億豪ドル |
マレーシア(21/7/12) | 1800億元 | 1100億リンギット |
パキスタン(21/7/13) | 300億元 | 7300億Pルピー |
チリ(21/8/20) | 500億元 | 6兆ペソ |
(【出所】『人民幣国際化報告』より著者作成)
なお、この図表に掲載したスワップのなかには、2018年10月26日付で取り交わした日中為替スワップのように、すでに期限が到来したものも含まれています(※ただし、該当する日中為替スワップについては、昨年10月25日付で3年間の更新が発表されています)。
また、中国がウクライナ、ロシアの両国と通貨スワップを締結していることも驚きですが、やはり香港に対する5000億元、韓国に対する4000億元という具合に、一部の国に対して非常に多額のスワップを提供しているというのも興味深い点だと思う次第です。
ただし、著者自身が知る限り、現時点において「人民元スワップを引き出した」という事例は、トルコのものくらいしか見当たりません(『トルコが中国との通貨スワップを実行し人民元を引出す』参照)。
なお、著者自身は2009年1月20日の香港とのスワップを皮切りとした106本のデータを所有していますので、もしご興味がある方は、お問い合わせください。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
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なんとなく、
中国がメインスワップの「韓国・アルゼンチン・トルコ・(ロシア?)」の通貨は比較的に不安定で、
日本がメインスワップの「タイ・インドネシア・マレーシア」の通貨は安定してるってことなのかと。