韓国で次期政権が発足する直前というタイミングで、またしても、韓国の地裁から三菱重工の資産の売却命令が出てきました。同様の命令は、今回で3例目です。ただ、判決からすでに3年半が経過するのに、いまだに強制売却処分は行われていません。本件を巡る日本の対応とは、まずは静観すること、そして「万が一の事態」に備えることにほかなりません。なぜならこの問題は、日韓問題ではなく「韓国の問題」だからです。
目次
包括的解決という幻想
「次期政権で日韓関係は改善される」とする期待
日韓関係を巡っては、「尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権が5月10日に発足すれば、ただちに首脳会談が開催され、諸問題の包括的解決に向けた努力が始まる」、といった期待感が、とくに韓国側において根強いことは間違いありません。
というよりも、ほかならぬ次期政権関係者から、そのような期待なり、構想なりが、最近になって相次いで出てきていることを指摘しておく必要があるでしょう。
たとえば、『「お互い知恵を出す」ことは日韓関係のためにならない』で取り上げたとおり、朴振(ぼく・しん)次期外交部長官候補は29日、無所属の金弘傑(きん・こうけつ)国会議員に提出した書面のなかで、日韓間の懸案事項である歴史問題を巡り、こんなことを述べています。
「強制徴用、旧日本軍の慰安婦などに関する対日協議を速やかに開始し、両国の共同利益に合致する方向で合理的な解決策を模索する」(※なお、「強制徴用問題」とは自称元徴用工問題のこと)。
韓国の新政権発足を機に、日韓がともに知恵を出し合い、包括的解決に向けて合意しよう――。こんな寝ぼけた認識が、日本だと日経新聞などから、韓国だと朴振(ぼく・しん)次期外交部長官候補などから、それぞれ出てきているようです。しかし、「お互いに」、と述べた時点で、それは論外です。なぜなら日韓関係を健全なものにすることができるかどうかは、韓国にかかっているからです。「日韓関係改善」という幻想経済オンチの日経新聞は外交オンチでもあった韓国から尹錫悦(いん・しゃくえつ)次期大統領による「政策協議代表団」が日... 「お互い知恵を出す」ことは日韓関係のためにならない - 新宿会計士の政治経済評論 |
「保守政権なら日韓関係は改善される」のか?
このあたり、歴史問題を含めた諸懸案を巡って日本が求めているのは、「韓国が国際法を守れ」の一点に尽きるのであり(『岸田首相「言葉足らず」を安倍総理が補う=韓国協議団』等参照)、この期に及んで日韓協議もなにもありません。
安倍晋三総理は昨日午後、韓国の政策協議代表団と面会し、慰安婦合意を韓国が破ったことを「遺憾だ」と述べたそうです。なかなかストレートな言い方です。現職首相が言わなかったことをキッチリとフォローするあたり、やはり大宰相ならではの行動と思わざるを得ません。もっとも、韓国で「保守政権(?)」が発足したとして、日韓関係が健全な姿を取り戻すと考えるのは時期尚早でもあります。首相と韓国代表団の面会:何が問題だったのか『【速報】首相が韓国代表団と面会』でも取り上げたとおり、岸田文雄首相は26日、尹錫悦(いん・... 岸田首相「言葉足らず」を安倍総理が補う=韓国協議団 - 新宿会計士の政治経済評論 |
ただ、韓国側からこうした発言が出てくれば、日本の側にも「韓国が対日関係改善の意を示した!」、「日本も韓国の決断を後押しするよう、韓国に歩み寄るべきだ!」といった主張をする人が、いまだに少数ながら存在しています(『韓国の約束破り無視する「関係改善論」=日経編集委員』等参照)。
日経新聞に週末、『時代が要請する「日韓同舟」』と題したコラム記事が掲載されていました。この記事からは、日韓関係改善論者の典型的な思考パターンを読み取ることができます。韓国の日本に対する一方的不法行為の数々をことごとく無視し、「安保上の理由で日韓関係改善が必要だ」、などと主張しているものだからです。しかも驚いたことに、これを執筆したのは日本経済新聞社の編集委員の方だそうです。日韓関係改善論の詭弁当ウェブサイトで常々取り上げている「日韓関係改善論者の思考パターン」とは、「日本にとって韓国は大事な... 韓国の約束破り無視する「関係改善論」=日経編集委員 - 新宿会計士の政治経済評論 |
このような方に是非再認識していただきたいのは、べつに「保守政権」の時代に日韓関係が常に良好だったとは限らない、という論点でしょう。
文在寅(ぶん・ざいいん)現大統領から検事総長に抜擢された経歴を有している尹錫悦氏自身が「保守政治家」なのかという点はとりあえず脇に置くとして、前任の朴槿恵(ぼく・きんけい)、さらにその前任の李明博(り・めいはく)各政権下で日韓関係がどうなったか、冷静に思い出してほしいのです。
李明博政権・朴槿恵政権時代の韓国による日本に対する不法行為の例
- ソウルの日本大使館前に慰安婦像が設置される(2011年12月)
- 李明博大統領(当時)による竹島不法上陸・天皇陛下侮辱(2012年8月)
- 李明博大統領(当時)が野田佳彦首相(当時)の親書を郵便で返送(2012年8月)
- 対馬仏像窃盗問題(2012年10月~)
- 靖国に放火した疑いがある中国人容疑者の日本への引き渡しを拒否(2013年1月)
- 朴槿恵大統領(当時)への名誉棄損容疑での産経記者起訴(2014年8月~)
- 安倍晋三総理による米上下両院合同議会演説の実現を妨害(2015年4月頃)
- 日本の世界遺産登録を全力で妨害、外相合意を無視(2015年5月~7月)
- 釜山の日本総領事館前に慰安婦像が設置される(2016年12月)
…。
福島第一原発処理水を巡る朴振氏の発言
大変残念なことに、どれも韓国の日本に対する一方的な不法行為ばかりであり、これらの問題で日本が韓国に譲歩できるところはまったくありません。
また、韓国側では、二言目には「こんな問題が発生するのも日本が過去の歴史に向き合わないからだ」という定型句が出てくるのですが、それこそ本来ならば過去の問題は法的に完全かつ最終的に決着しているにも関わらず、日本はこれまで本当に誠心誠意、韓国の歴史問題に向き合ってきました。
安倍晋三総理大臣ですら、2015年12月の日韓慰安婦合意でもわかるとおり、自称元慰安婦問題を巡っては事実関係がかなりあやふやな部分があるにも関わらず、その自称元慰安婦らに対し、謝罪の言葉を口にしたほどです。
いずれにせよ、日本がせっかく解決したと思っても、次から次へと問題を作り出し、難癖を吹っかけて来るというやり方は、保守政権であろうがなかろうが、韓国の一貫した常套手段であり、「ウソをつかない」、「国と国との約束を誠実に履行する」といった私たち自由民主主義国の常識からは、大幅に逸脱する考え方です。
ちなみに『福島原発処理水放出で韓国「密室外交」に応じない日本』などでも報告したとおり、朴振氏自身は福島第一原発のALPS処理水海洋放出を巡って4月30日に、「日本が国際法上の義務を履行しない場合には紛争解決手続に入る準備をする」、などの立場を明らかにしています。
日韓「密室外交」で煮え湯を何度も飲まされてきた日本。福島第一原発のALPS処理水の海洋放出を巡るIAEAによるレビューは、こうした対韓密室外交に日本が別れを告げているという意味においても、画期的なものだといえます。こうしたなか、韓国の朴振(ぼく・しん)次期外交部長官候補は先月末、処理水海洋放出を巡って「国連海洋法協約上の紛争解決手続付託を含んだあらゆる対応案を検討」するなどと述べたそうです。福島処理水巡るIAEAの暫定報告昨日の『処理水放出をIAEAが絶賛:隣国の難癖は無視が鉄則』でも触れた... 福島原発処理水放出で韓国「密室外交」に応じない日本 - 新宿会計士の政治経済評論 |
このあたり、韓国メディアがALPS処理水のことを「汚染水」とわざと間違った用語で呼ぶのはいつものことですので、あえてツッコミを入れません。それよりも、日本政府がIAEAと協議のうえ、科学的知見に基づいて決定している内容に文句をつけるというのも、朴振氏の認識が従来の韓国の政治家と大差ない証拠でしょう。
「ともに知恵を出して」の罠
さて、「韓日関係の包括的解決」とやらについて、尹錫悦氏が具体的にどんな方策を打ち出してくるかについては、あまり期待できません。尹錫悦氏自身や政権引継委員会を含めた次期政権関係者らから、諸懸案に関する具体的な解決策は、現時点においてほとんどと言って良いほど出て来ていないからです。
敢えて挙げるなら、先日、尹錫悦氏の「政策協議代表団」の団長として来日した鄭鎮碩(てい・ちんせき)国会副議長が自称元徴用工問題に関して発言した内容が、少し参考になるかもしれません。
「安倍元首相が韓日関係良好な時期に戻りたいと」尹次期大統領派遣の政策協議団が帰国
―――2022.04.28 17:43付 中央日報日本語版より
韓国メディア『中央日報』(日本語版)の先月28日付の記事によれば、鄭鎮碩氏はこんな趣旨の発言をしたのだそうです。
「(韓日間の問題解決は)片手では音を出すことはできない。韓日双方が勇気と知恵と忍耐を集めてこそ解決できるという点を(日本側に)明確に話した」。
要するに、現時点で「ノーアイデア」であり、「包括的解決」とやらも「日韓双方が知恵を出」すという、いつもの韓国側のパターンそのままだ、ということです。
ちなみに韓国の政治家が述べる「知恵を出す」とは、たいていの場合、「譲歩する」という意味と同じですので注意しましょう。要するに、「双方が知恵を出す」といえば、「双方が譲歩する」という意味です。
なんで過失がまったくない日本の側が、過失が100%である韓国の側に「譲歩」しなければならないのでしょうか。
本当に、意味がわかりません。
自称元徴用工問題の最新状況
自称元徴用工問題は「韓国の」問題
もっとも、個別具体的な論点に分け入っていけば、「双方が知恵を出す」=「日本が一方的に譲歩する」方式の問題解決提案にも限界があることは事実でしょう。その典型例が、自称元徴用工問題です。
自称元徴用工問題自体、2018年10月と11月、大法院(※最高裁に相当)が日本企業に自称元徴用工らへの損害賠償を命じる判決を下したこと(=自称元徴用工判決)がその中核にありますが、その本質は、この判決自体が日韓請求権協定を覆しかねないものである、という点です。
もっといえば、韓国のこの判決は、日韓関係のみならず、戦後国際秩序に対する公然たる挑戦であり、法の支配を覆しかねないとい点において、韓国が中国、ロシア、北朝鮮と同等の無法国家に転落し、「赤クアッド」でも形成するかどうか、という瀬戸際にあるものでもあります。
このように考えると、韓国がこの自称元徴用工問題にどう対処するかは、韓国自身が国際法秩序をどう考えているか、という問題でもあるのです。
しかも、日本政府は優しいからでしょうか、2019年1月には日韓請求権協定に定める紛争解決手続に従い、韓国政府に対し外交的協議を申し入れました。大変に友好的かつ平和的かつ紳士的な問題解決方法と言わざるを得ません。
しかし、韓国側はこの申入れを無視し、同年5月15日には、当時の李洛淵(り・らくえん)首相が「対応には限界がある」と述べ、事実上、匙を投げてしまいました。
だからこそ日本政府は、国際仲裁手続、次いで第三国仲裁手続への付託を韓国政府に通告したのですが、韓国政府はこれらの手続をも無視しました。自称元徴用工問題は、韓国による外交手続違反の問題にも波及したのです(『「河野太郎、キレる!」新たな河野談話と日韓関係』等参照)。
先ほど「速報」として、河野太郎外務大臣の談話を紹介しましたが、その続きとして、談話、記者会見、河野氏と駐日韓国大使との面談についても紹介しておきます。とくに、河野氏と駐日韓国大使の面談については、産経ニュースが動画サイト『YouTube』にアップロードしているのですが、その内容を確認すると、河野氏がカメラの前であるにも関わらず、韓国側の「基金案」に対し、通訳を遮り、「ちょっと待っていただきたい」などと激高するなど、さまざまな面で異例ずくめです。河野大臣の発言河野大臣の談話河野太郎外相は先ほど、韓国の... 「河野太郎、キレる!」新たな河野談話と日韓関係 - 新宿会計士の政治経済評論 |
こうした経緯を踏まえるならば、日本としては基本的にこの問題を巡っては韓国を「突き放す」より方法はありません。日本政府の誠実で友好的・紳士的・平和的な紛争解決に向けた努力を、韓国政府自身がすべて踏みにじったからです。
売却スルスル詐欺は典型的な瀬戸際戦術
もっとも、この問題がただちに日韓関係を破綻させるのかといえば、そういうわけでもなさそうです。
というのも、自称元徴用工側の動き、あるいは韓国の裁判所の動きなどから考えて、どうも日本企業に対し損害賠償を強制するというものではないからです。判決からすでに3年半もの歳月が流れているにも関わらず、韓国側は、いまだに資産の強制売却処分に踏み切っていないからです。
以前の『個人的実体験に基づく「自称元徴用工訴訟の不自然さ」』でも指摘しましたが、自称元徴用工訴訟自体、実務家の目から見て、そもそも論として「原告側が本気で裁判を通じて損害賠償を勝ち取ろうとしているのかどうか」という点は、大きな疑問です。
というのも、もしも原告側が本気で裁判を通じてカネを取るつもりがあるのならば、訴訟を始めた時点で最初から換金可能な資産を差し押さえるのが鉄則であり、かつ、裁判が終わったら即座にそれらを換金するはずだからです。
自称元徴用工問題の落としどころのひとつこそFOIP自称元徴用工訴訟を巡り、昨晩は「韓国の大法院(最高裁に相当)が三菱重工の資産差押命令に関する再抗告を棄却した」とする報道が流れていました。これ自体、正直、大した記事ではないのですが、そもそも論としてもうすぐ自称元徴用工判決から3年を迎えるため、少し個人的な「訴訟体験」も交えつつ、彼らの本当の狙いと日本政府のあるべき対応について探ってみたいと思います。要約 本気で訴訟を戦うつもりなら、売却が容易な資産を調べ上げ、最初から差押をするのが当然 非上... 個人的実体験に基づく「自称元徴用工訴訟の不自然さ」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
もちろん、自称元徴用工側から見て、「三菱重工や日本製鉄が韓国国内に換金が容易な資産を保有しているのかどうかがわからない」、といった事情もあるのかもしれませんが、それでも関連業種の開示資料などをちゃんとチェックすれば、日本企業が韓国企業に有している商事債権などは見つかるはずです。
それなのに、少なくとも現在、原告側が差し押さえている資産は、非上場株式であったり、知的財産権であったりと、換金が著しく困難なものばかりでもあります。この点、個人的な体験、あるいは公認会計士、企業経営者としての感覚から申し上げるならば、大変に不自然でもあるのです。
そもそも論ですが、著者自身が某件で相手を訴えた際には、訴訟と同時に相手が保有している預貯金口座を凍結するとともに、某所に所在する商業用不動産物件についても仮差押を行うなどし、相手が逃げられない状況を作り出しました。
結果的に裁判では、判決文を書くのを嫌がった裁判官の「和解勧告」のせいで100%の勝訴とはならなかったにせよ、当方が望むものについては8割方達成でき、預貯金についてはただちに原告側で分配するとともに、不動産物件については任意売却の手続に移行。
不動産価格が上昇している時期でもあったためか、予想外に高値で売却できるなど、おおむね満足のいく結果になったとは考えています。
しかし、仮に差し押さえた資産が相手の会社の非上場株式だったとしたら、こうすんなりとことが運ぶとは限らなかったでしょう。ましてや特許権だ、商標権だといった無形固定資産は、売却するうえで前提となる価格評価自体が困難です。
仮に裁判所がこれらの資産を競売にかけたとしても、それを落札するのは、せいぜい「愛国的な金持ち」くらいなものであり、経済合理性の観点からそれらを取得しようとする者は出て来るとも思えません。
三菱重工巡る3例目の売却命令
こうしたなか、三菱重工の知的財産権の売却に関連し、昨日はこんな報道もありました。
三菱重工の資産売却命令また 3例目=韓国地裁
―――2022.05.02 14:55付 聯合ニュース日本語版より
聯合ニュースによると、韓国の大田(だいでん)地裁が4月29日、「強制動員被害者」(※自称元徴用工のこと)が差し押さえた三菱重工業の韓国内資産のうち、特許権2件の売却命令を出したことを、原告側の支援団体が2日に明らかにしたのだそうです。
記事タイトルにもあるとおり、三菱重工の知的財産権に対する売却命令は今回で3例目ですが、これに先立つ2例では三菱重工側が売却命令を不服とし、すでに大法院に抗告・再抗告しています。
この点、個人的には三菱重工にしろ、日本製鉄にしろ、「韓国の裁判手続など無視し、売却命令を確定させてしまえば良いのに」、などと思わないではありませんが、このあたりは両社とも、おそらくは確たる考えがあって、法務省あたりと周到に戦略を練りながら進めていることなのだと思います。
典型的な瀬戸際戦術
ただ、韓国側がこうやって細切れに手続を進めていること自体、やはり作為的なものを感じずにはいられません。
もっといえば、この手口、北朝鮮などが好むのと同様の、典型的な「瀬戸際戦術」だからです。「越えてはならない一線」の手前で、「さぁ、この線を越えるぞ、越えるぞ」と相手を挑発し、相手が動揺するのを狙う、というわけです。
ちなみに聯合ニュースによると、原告側支援団体は「三菱重工業が賠償の履行を拒否する間に、高齢の被害者が次々と死亡している」、「時間稼ぎのための抗告・再抗告をやめ、直ちに謝罪と賠償を行うべきだ」、などと要求したそうですが、もし本気でそう思うのなら、もっと換金が容易な資産を差し押さえるべきです。
実際、昨年は三菱重工の金銭債権の差押がなされましたが(『徴用工「金銭債権の差押」の衝撃』)、売掛債権などの短期商事債権であれば、長い時間をかける必要もなく、最短1ヵ月前後で賠償金を手にすることができてしまいます。
金銭債権の差押自体、「一線を越えてしまった」可能性がある今から2年以上前の『徴用工判決問題、三菱重工の知財差押えという動きをどう見るか』『韓国経済に「突然死リスク」があるとすれば「資金ショート」』などで取り上げた内容が、いまさら現実化したようです。それは、自称元徴用工判決問題に関連する、「金銭債権の差押」です。非上場株式や知的財産権などと比べれば、一般に金銭債権は、差押と売却がとても簡単な資産であり、売却に向けて大きく前進した格好です。というよりも、「越えてはならない一線」を、いとも簡単に越... 徴用工「金銭債権の差押」の衝撃 - 新宿会計士の政治経済評論 |
それなのに、大変に不思議なことに、原告側はこの申し立てを取り下げてしまいました(『【速報】自称元徴用工側が金銭債権差押を「取り下げ」』等参照)。
本稿は、「速報」です。例の自称元徴用工判決に関し、金銭債権の差押を原告側が取り下げてしまったようなのです。ある意味では予想どおりでもあったのですが、とり急ぎ、ここでは韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)の記事を紹介します。『徴用工「金銭債権の差押」の衝撃』で報告したとおり、自称元徴用工問題を巡り、韓国で原告側が金銭債権の差押に踏み切ったと発表したことは、個人的にはかなりの衝撃を受けました。これが事実なら、自称元徴用工問題の「フェーズが変わってしまった」からです。なぜなら、金銭債権の場合、... 【速報】自称元徴用工側が金銭債権差押を「取り下げ」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
表向きの理由は、当初差し押さえたのが三菱重工の売掛債権ではなく、三菱重工の孫会社の売掛債権だったからだ、というものですが、これは理由になりません。法人格否認法理を含めた韓国のお得意のアクロバティックな法令解釈を使えば、差押と換金は容易に実現したはずだからです。
日本の対応は静観+準備が基本
そういえば、2019年8月から11月にかけての、日韓GSOMIA破棄騒動についても、典型的な「瀬戸際戦略」とほぼ同じような経緯をたどりました。結論的には『韓国の「GSOMIA瀬戸際外交」は日本の勝利だが…』でも述べたとおり、最後まで微動だにしなかった日本が全面勝利を収めたのです。
当ウェブサイトではここ最近、連日のように『数字で読む日本経済』シリーズを掲載して来たのですが、本日だけはこれを中断し、昨日「速報」的にお知らせした、韓国政府が日韓GSOMIA破棄を撤回したという話題について、改めてじっくりと考えてみたいと思います。総合的な判定でいえば、日本の勝利、韓国の敗北ですし、それだけでなく、文在寅氏は習近平、金正恩らの独裁者を敵に回してしまった格好ともなりました。文在寅氏がこうした窮地を脱するために、今後、今まで「隠れ蓑」にしていた「反日」の皮を脱ぎ、「反米」としての... 韓国の「GSOMIA瀬戸際外交」は日本の勝利だが… - 新宿会計士の政治経済評論 |
こうした事例も踏まえるならば、基本的には今回の「売却スルスル詐欺」を巡っても、日本としては静観が正解です。なぜなら、違法状態を解消する全責任は一方的に韓国のみにあるからです。あるいは、この問題自体が「日韓問題」ではなく、「韓国の問題だ」と言い換えた方が正確でしょうか。
いずれにせよ、日本にできることは事態を「静観」すること、そして万が一の事態に備えて、その「準備」をすることです。もちろん、日韓関係は破綻しない方が良いに決まっていますが、それと同時に、最悪に備えることもまた同様に大切です。
その意味においては、尹錫悦政権発足後も引き続きこの手の自称元徴用工問題に関わる資産売却などの論点が出て来ることは、私たち日本人にとっては「国際法がないがしろにされる国」とどこまで付き合いを深めるべきなのか、じっくり考察する好機でもある、といえるのかもしれません。
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左派議員団やもろもろの利権団体からの突き上げもあって
ユンちゃんも遅かれ早かれ反日に進路向けざるを得なくなるでしょう
ウクライナ情勢もあり機会は満ちています
岸田はハナクソほじりながら昼寝していないで
日本も独自制裁できるように法整備しとくべきです
昨年12月に自民党の外交部会が制裁案の検討に入るとヒマな、、髭の隊長こと佐藤議員が発表しました。今年の夏ごろに中間報告みたいなこと言っててやる気を感じませんでしたが、もう何もやってなくても驚きません。佐藤議員もウクライナ問題でテレビやセミナーで稼ぐのに忙しくって、それどころじゃないくらい考えているんじゃないでしょうか?
(現金化後に待つ未来)
不当判断に基く差押資産の現金化は、カントリーリスクの具現化を意味します。
民間企業の自主判断による金融や投資の抑制・撤退は、国家による制裁に非ず。
*面倒な法整備も不要ですね。
(まじめな話)
韓国の狙いは、 ”現金化(げんきんか)” に非ず。
韓国の狙いは、”義援金化(ぎぇんきんか)”にあり。
・・なんですよね。
岸田が隣国大統領の就任式に出席するのを見送る方向だという記事が出たとき、コリアレ〇ートの在日編集長は、出席して貸しを作ればいいとコメントしていた。日韓通貨スワップで助けても遅いだの、日本のせいで経済危機になっただの、挙句のあてには朝鮮人売春婦問題蒸し返し、天皇侮辱発言。日本に長く住んでいてもこの程度の認識。隣国人だともっと酷いんでしょうけど。
本件訴訟の経過を辿ってみましょう。
(2018年11月)元朝鮮女子勤労挺身隊員の原告5名の訴えを韓国大法院が認める判決(確定)
(2019年3月)死亡1名を除く原告4名がソウル中央地裁に三菱重工の資産差押を申請し、商標権2件と特許権6件の計約8億400万ウォン(約7580万円)相当を差押え
(2019年7月)原告4名が差押資産の売却命令を大田地裁に申請
(2021年9月)原告2名について、太田地裁が商標権2件と特許権2件の売却を命令
(2022年4月)原告1名について、太田地裁が特許権2件の売却を命令
このように、2019年7月に差押財産の売却命令を同時に申請した4名の原告について、3名が認められましたが、まだ1名(特許権2件)が残っています。
日本の裁判所では、このような細切れの資産売却命令は有り得ないと思います。三権分立と言いながら、韓国の司法府がいかに行政府(大統領府)に忖度しているかということが分かります。
この問題は、文在寅大統領が尹錫悦大統領に丸投げしたように、尹錫悦大統領も次の大統領に丸投げする展開になる可能性が高いと思います。
ニセ徴用工問題で、韓国政府は日本から金が貰える事しか想定してなかったのだと予想します。
だから、日本からの反撃(おい、第三者いれて、どっちが正しいか決めようぜ)に対して、瞬時に自分達が負けると判断し 聞こえないふりして逃げ回ったんでしょう。
だから、韓国の狙いは 正しいか正しくないかは関係ない、日本は黙って金を出せ。でしょう。
ニセ徴用工や元売春婦たちの状態など どうでもよく、とにかく日本が金を払うなら日本が謝るなら 問題は何でもいいんです。
これも、根本は 何も悪くない元売春婦に対して 謝り金を払った河野談話のせいで、また 誤報による教科書問題での謝罪です。
この成功体験が 韓国の増長を招き 今のウザイ隣人を作ったのです。
なら、一発韓国の頭を冷やすよう冷や水を浴びせる事です。
韓国の裁判に出席している企業に対して 裁判の無視をお願いします。
国はもちろん 被害が出れば保証を約束します。
そして被害が出たら即座に千の報復でもって韓国の経済をボコボコにするのです。
もちろん、それまでに日本企業への周知の徹底と報復措置の準備をしておき、また 報復後の対策もたてておきます。
このウザイ隣人は、いっぺん死ななきゃ(経済的に)治らないと自分は思います。
皆さんはこのウザイ隣人とずっとずっと付き合っていきたいですか?
彼らが枕詞のようにつぶやく「正しい歴史認識のもと」と言うところから事実に基づく否定が必要ですね。
「安 重根はテロリスト、我が国だけでなく、国際的基準でもテロリスト。そのような人物を英雄とする歴史認識は認められない。」
「日本と大韓帝国は戦争をしていない。戦争の結果による植民地では無い。国力の強弱による併合であった。」
あたりまえの事を確認する必要があり、それが政治の役割ですが、機能していないためこうなったのでしょうね。
ひろやま様
日本人は敵の弱いところは攻撃しない。
古傷はあえてさわらない。
もし、さわるときは 相手の嘘にものる。
という、優しさというか、甘さのせいだと思います。
戦前戦後、民間はあちらの人々の迷惑を直接受けてたのに、政治家と役人はそれを知らなかったのかなぁ。
今は、事実を言わないけど相手の嘘にものらないので、もう少し成長して欲しいですね。
sey g 様へ
隣人に対するsey g様の認識は甘いと思います。
世の中には「死んでも治らない人」も結構多いのではないでしょうか。
名無しの権兵衛様
バカは死んでも治らないという言葉もありますよね。
sey g 様へ
かの隣人は、歴史上、経済的には何度も死んでいますが、治ったようには見えません。
またやってるよ。PKのフェイント。
GK(日本)がどっちに跳ぶか見ようとしてる。
GKは動いちゃダメ。というかGKのいないゴールポストに一人でフェイントしてる。
はじめてのおつかい韓国ちゃん編ですね。
情けは人の為ならず(誤用)周辺国は心を鬼にして韓国ちゃんの自立心が養えるようただ見守りましょう。
お疲れさまです。
賛成でございます。
韓国の問題ですから、静観が第一でございます。
日本は、万が一の事態に備えておく必要があるとおもいます。
プレッシャーが効けばそれで良いですし、効けなければ実行するまででございます。
放置が一番ですね。法治ならぬ情治に基づく懸案事項放置国家ですから、韓国は。
岩屋議員「韓国との関係やっぱ大事ですよね!いつまでも『お宅にボールがある!』と言ってるだけで済む話ではない!」
https://twitter.com/8ueBd6tf29iYRpZ/status/1520387962013646849
さすがパチンコ利権の岩屋です。
こういうのがいるから、いつまでたっても日韓は正常化しない。
自民党出て立憲にでも行けばいいのに。
岩屋議員の売国的な性向は彼が防衛大臣の時の本邦哨戒機に対する韓国駆逐艦からの射撃管制レーダー照射事件での対応や発言で明らかです.
そして,現時点で外相を務めている林議員が売国的か否かに関しては,そんな売国的な岩屋議員が
>岩屋議員「私は林外務大臣には大変期待をしています!この時代、最も相応しい外務大臣だと私は思っております!」
と,林議員を非常に高く評価していることが何よりも雄弁に語っています.
そして現在は首相になっている岸田議員の売国的な性向の有無に関しては,そんな林議員をよりによって自らの内閣で外務大臣に取り立てている事実がなによりも雄弁に語っています.
嗚呼,日本はなんと不幸な国であることよ.