プーチン大統領が経済運営に自信示すも「戦果」限定的

ロシアのプーチン大統領が「ルーブルの為替相場は2月前半の水準に戻った」と述べ、ロシア経済が安定していることに自信を示したそうです。ただ、それと同時に、米国で「レンドリース法」の制定に向けた動きが生じていること、先週、「モスクワ」艦が「沈没」したことは、ロシアにとっての「戦果」が限定的であり、戦況がロシアにとって芳しくないことを意味しているとも言えます。だからこそ、マリウポルなどに対する非人道的な攻撃が続いているのかもしれません。

もうすぐ2ヵ月:ロシアに経済・金融制裁

早いもので、2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻から、もうすぐ2ヵ月が経過します。

その間、西側諸国からは続々と経済・金融制裁措置が発動され、ロシアは外貨準備を凍結され、主要銀行がSWIFTNetから排除され、日米欧など主要国の金融市場で起債を禁止される、などの措置を適用されました。

また、半導体などの戦略物資の対露輸出規制に加え、マクド、コカ・コーラを含めてロシアに進出していた西側諸国の企業が相次いでロシアでの事業停止に踏み切ったこと、クレジットカードの国際ブランドがロシアでのサービスを制限し始めたことなどは、ロシア経済に地味に大きな打撃を与えているはずだと考えられます。

ただし、北朝鮮などの事例とは異なり、ロシアは産油国であるとともに世界有数の穀物生産国でもあるため、あるていどは「内に籠る」ことができる国でもあります(『意外としぶとい?ルーブル「紙屑化」の可能性を考える』等参照)。

しかも、ロシアは国連安保理の常任理事国であり、ロシア自身が安保理で拒否権を行使することができるため、基本的にロシアに対する制裁を決議することはできません。中国などはこれを奇貨として、西側諸国による経済制裁が「安保理決議もなしに行われている」などとする立場を取っているようです。

北朝鮮ですら、国際社会の経済制裁で青色吐息なりにもなんとか生き延びていることを思い起こすならば、ロシアを西側諸国の経済制裁によって破綻させるということは、非常に難しいといえます。

ロシアは戦争準備をしていた

これに加え、ロシアが西側諸国の金融制裁を見越し、ある程度の準備をしていた可能性があります。

たとえば、ロシア中央銀行が発表した2022年1月時点における外貨準備の通貨別構成割合を確認すると、ロシアが近年、金地金や人民元などの保有を急速に増やしていたことが判明しています(『開戦準備の証拠?ロシア外貨準備でドルが急減していた』等参照)。

すなわち、ロシアはウクライナ侵攻前の時点で、ある程度外貨準備を米ドルからその他の通貨に分散させるなど、軍事侵攻に向けた準備を進めていたことが伺えるのです(※もっとも、欧州や日本などが対露制裁に同調したがために、結果的に外貨準備の大部分は凍結されてしまいましたが…)。

もちろん、今後のロシアは西側諸国からリースされている航空機の整備ができなくなるなど、徐々にさまざまな面において苦境に陥っていくものとは考えられますが、それと同時に「中国」という「経済制裁の穴」が開いていることを踏まえると、ロシア経済が破綻するとは考え辛いことです。

プーチン大統領が経済に自信

こうしたなか、私たち西側諸国の意図を見透かすかのように、ロシアのウラジミル・プーチン大統領は月曜日、ロシア経済の状況について強気の見通しを示したそうです。

Situation in Russian economy, ruble’s exchange rate stabilizing, says Putin

―――2022/04/18 22:40付 タス通信英語版より

ロシアのメディア『タス通信』(英語版)の記事によると、プーチン氏はロシア政府の経済問題に関する会議で「ルーブルの為替レートは2月前半の水準に戻り、支払準備も安定している」などとしたうえで、ロシアの経常黒字が第1四半期に580億ドルを超え「史上最高を記録した」、などと発言したそうです。

そのうえでプーチン氏は、ロシアのインフレ率が最近上昇している点については言及しつつも、ロシア国内の小売在庫については「正常化」したと指摘。さらに、ロシアで公式に記録された失業者数についても「かなり低いレベルに留まっている」、と述べた、などとしています。

このあたり、ロシア政府の公式発表ですので、プーチン氏の発言のすべてが正しいと考えるには、若干慎重であるべきでしょう。

ただ、実際にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などの為替レート欄をチェックすると、ロシアの通貨・ルーブルの対米ドル相場(USDRUB)は現時点で1ドル=81.13ルーブルと、軍事侵攻直後の84.37ルーブルの水準よりも落ち着いていることが確認できます。

ルーブルは一時、3月上旬に1ドル=150ルーブル台をうかがうほど下落していたのですが、こうした水準と比べれば、ずいぶんと落ち着いたといえるでしょう。

このため、当ウェブサイトで懸念していたとおり、現時点においては結局のところ、西側諸国の経済・金融制裁がロシアの戦争遂行能力を完全に奪うことができておらず、むしろロシア経済には安定化の兆しすら出ているのです。

戦況に関しては、話は別

もっとも、『レンドリース法とNATO拡大がロシアを追い詰める?』などでも報告した、例の「レンドリース法」が米国で成立すれば、また事態は大きく変わって来るかもしれません。

この「レンドリース法」は、第二次世界大戦中に米国が英国などに対し武器を含めた軍事物資を貸与することを可能にしたもので、その際、対価(リバース・レンドリース)として、米軍に軍事基地の使用を許可するなどの便宜を図ることとされていました。

これが4月6日、米国の上院で全会一致で可決されたのです。

現時点において下院で可決されたとの報道はありませんが、もしもレンドリース法が現代に復活することになれば、米国は現在以上に臨機応変にウクライナに対して武器を貸与することができるでしょう。

いや、むしろロシアがもっと恐れているのは、「リバース・レンドリース」の結果、ウクライナに米軍基地ができることではないかと思います。さらには米製の兵器でロシア軍がクリミア半島から駆逐され、クリミア半島に米軍基地ができる事態が生じれば、ロシアにとっては悪夢かもしれません。

ネプチューンで撃沈?それとも自沈?

この点、『「沈没」という設定をうっかり忘れ「報復」叫ぶロシア』でも取り上げたとおり、黒海艦隊の旗艦「モスクワ」が「火事と悪天候で」沈没したという話題も興味深いところです。

ロシア当局は「モスクワ」艦の「沈没」の理由をかたくなに明らかにしていませんが、ウクライナ側は国産の対艦ミサイル「ネプチューン」2発を同艦に命中させたと発表しています。この発表が事実だったとすれば、ロシア海軍のミサイル防衛能力に疑義が生じる、という意味です。

その一方で、ロシア当局が述べたとおり、モスクワ艦の沈没理由が単なる火災と悪天候だというのならば、ロシア艦はかなりの「ポンコツ」だ、という可能性が出て来る、というわけです(個人的には前者の可能性が非常に高いと思っていますが…)。

現在、ロシア軍はマリウポルなどのウクライナ東南部の攻略に力を注いでいるものと思われますが、もしも5月9日までにレンドリース法が成立するような事態が生じれば、ロシアにとっての戦況は、さらに悪化するでしょう。ウクライナ軍に今まで以上にさまざまな武器がもたらされる可能性があるからです。

キーウ陥落やゼレンスキー政権放逐などに失敗したロシアにとっては、むしろウクライナの人々からの頑強な抵抗などの影響もあり、現状の「戦果」は限定的です。

このように考えていくと、ロシアによるマリウポルなどに対する非人道的な攻撃も、「マリウポル陥落」をもって無理やり「戦果」とし、戦争を終わらせる布石なのだ、といった仮説も成り立つのではないかと思う次第です。

いずれにせよ、ウクライナの人々の無事を祈らざるを得ません。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. トシ より:

    ロシアの戦略、戦術はソ連のそれと酷似。
    そしてWW2の東部戦線が現代に甦った。

    マリウポリはスターリングラードそのもの。
    遂に始まった大規模攻勢はクルスク会戦と重なる。

    ドイツはソ連に破れた。
    だがウクライナはそうはいかない。

    米英NATO式の非対称戦略でロシアを迎え撃つ。

    世界の平和のためにウクライナが勝たないといけない。

  2. はにわファクトリー より:

    今われわれの眼前で展開しているのは、20世紀型戦闘と21世紀型戦闘のとっくみあいと考えます。
    戦車(陸戦隊)も戦艦(黒海艦隊)もそれぞれ手痛いダメージを受けました。強く大きなロシアにはべりすり寄る意味および展望が日々損なわれて行っている現状にあって、人心離反が引き起こされ、結果ロシア連邦の解体が現実化するのはそう遠い未来のことでないかも知れないのです。そのときに備えて頭の訓練をしておくことは大いに意味ある事でしょう。

  3. 通りすがり より:

    問題を起こしている当事国が常任理事国だから拒否権を発動されると決議できない、とか組織として欠陥だらけ。
    問題の渦中にある当事国とそれに物理的に協力関係にある国は外して決議できるようにしないと、なんのための国連なのか意味がなくなる。
    こういった大きな問題から、日本限定で物議をかもしている表現の自由の問題に明確な根拠もなく首を突っ込んできたり、存在意味がないどころかもはや害悪にすらなっている。

    コロナ禍で存在意義の無さを露呈したWHOなども同じだが、ならず者国家の姦計によって形骸化した国際組織は一度根本的にリストラしないと、世界は悪い方へなだれ込む一方になってしまう。

    1. 匿名 より:

      所詮”国連”も舞台に過ぎないとイイカゲン諦めるべきではないかと
      そのうえで”舞台”は舞台として有効活用しつつ、引き続きFOIPやらクアッドなどを通して日本にとって実効的な集団安全保障体制を改めて構築する活動に勤しめばよろしいかと

      1. 引っ掛かったオタク より:

        名前飛びましたスミマセン

    2. 迷王星 より:

      連合国(注※ UN)に常任理事国に対する拒否権を認めている理由は,かつての国際連盟には拒否権がなかったために常任理事国である日本を追い詰めて戦争に至ったことの反省があるという説は目にしたことがあります.真偽のほどは知りませんが.

      連合国は解体すべきですね.少なくともG7諸国と残りのユーロ圏諸国や豪州(それに可能ならインドも)は脱退して,それらの国々が今まで負担していた分担金分で新たな国際機関を作り,「この指とまれ」で加盟国を募るのが良いでしょう.

      少なくともそれらの国々が脱退すれば,UNは財政的に立ち行かなくなる.たとえ共産チャイナが負担分を大幅に引き上げても.

      以下,注※について.
      戦中も戦後も原語では“United Nations”で一貫しているのに,日本語では戦中「連合国」と戦後「国際連合」とで訳語を変えるのは日本国民にUNのことを良く考えないようにしよう…例えば敵国条項が存続していることによって日本やドイツが国際紛争に自分から起こさなくとも巻き込まれれば他の加盟国とは違って今も連合国から敵国扱いになる可能性が残っている等に日本国民を気付かせないようにしよう…としているとしか個人的には思えない.

      連合国はちゃんと今でも連合国と呼べば良いのです.「国際連合」(これを逆に英語に戻せばInternational UnionになってUNとは全く違う言葉になる)などという綺麗だが虚構の名前で呼ぶ必要はありません.

      そうすれば我々お人好しの日本国民も,日本という国が現在でもUNの中で(そして国際政治の中でも)どのように位置づけられ扱われているかを少しは感じることが出来るようになり,我々自身の生命や財産や国土を護る上で本当に当てになるのは自分達自身以外には存在しない(アメリカのエリート達が日本をどう見ているかは,今のバイデン大統領がオバマ政権時代に「憲法9条は日本に核を持たせないため=日本を自立させないための条文だ」と語ったことに象徴されている)ということが少しは理解できて真剣になるでしょう.

      (但し,アメリカとの同盟に関しては私は賛成ですよ.何しろ日本の国力と日本の国土の地理的な特徴から判断すれば,米中露の全てを敵に回せば一たまりもない.そうである以上,必然的に日本は米中露のどれかとは同盟を結ばねばならない.だとすれば同盟相手とすべきなのは一番マシな米以外に有り得ない)

  4. 伊江太 より:

    >ロシアは産油国であるとともに世界有数の穀物生産国でもあるため、あるていどは「内に籠る」ことができる国でもあります

    これはよく言われていることで、現在課されている程度の経済制裁では、ロシアにさほど重大なダメージを与えることはないという議論にしばしば繋がるのですが、果たしてそうでしょうか。

    ロシアが資源国であるという指摘する議論には、大抵その裏に「それに引き換え、わが日本は」の含意があるような気がします。しかし多くの地下資源が眠る広大な国土を有し、人口も上回る。それでいてGDPでは日本の1/4。物的資源の面では日本を遙かに上回っているにしても、人的資源では到底日本の比ではない、なおかつウクライナ侵略に湯水の如く戦費を浪費しているとなれば、もうそれほど保つことはないとは考えられないでしょうか。

    現在侵攻し占領しているウクライナ東部地域に加え、クリミア半島も返し、損害賠償もするというくらいのことまでしなければ、西側先進国の経済制裁が解除されることはないでしょう。まあ、太平洋戦争の統制経済下で、5年間も困窮に耐えた日本国民ほどの精神力がロシア人にあれば、頑なに非を認めず、じり貧をも甘受する過程が10年、20年と続くこともあり得るかも知れませんが。

    素人考えですが、ルーブルの対ドルレートを戻したと言っても、ドルで買うもの(買えるもの)がないという、単なる需給バランスの問題かも知れないと思うのですが、どうでしょう。現在進行しているという、そして今後ますます加速することが予測されるロシア国内のインフレの昂進を考えれば、購買力で評価したルーブルの価値は、安定どころか、これからどんどん減殺されていくのではないでしょうか。

    1. とある福岡市民 より:

      伊江太 様

      > もうそれほど保つことはないとは考えられないでしょうか。

       それはどうでしょう。現在の経済制裁ではロシアに重大なダメージを与えるには至らず、かなりの間保てると考えます。

      > まあ、太平洋戦争の統制経済下で、5年間も困窮に耐えた日本国民ほどの精神力がロシア人にあれば、頑なに非を認めず、じり貧をも甘受する過程が10年、20年と続くこともあり得るかも知れませんが。

       ロシア人は帝政時代、ソ連時代を通して常に貧しく、今だってモスクワとサンクトペテルブルクを除けば家電もインフラも半世紀前とあまり変わらない環境で生活しています。食糧は国家レベルなら輸出できる程余っており、個人レベルでもロシアのほぼ全家庭が6ヘクタール以上の農地付きセカンドハウス「ダーチャ」を保有してます。じり貧と言っても大東亜戦争末期はおろか、現在の日本の貧困家庭よりもずっと裕福であり、それより貧しくなる事はありません。
       
       今の30代以上はソ連時代や崩壊後の混乱を通してモノ不足には慣れてます。経済制裁で混乱が起きたとしても、すぐに慣れてしまうと思います。何よりも石油、天然ガス、木材が豊富な国ですから燃料不足にあえぐ事もありません。ソ連時代のように、70年持ちこたえる可能性だってあります。

      > ロシア国内のインフレの昂進を考えれば、購買力で評価したルーブルの価値は、安定どころか、これからどんどん減殺されていくのではないでしょうか。

       ロシア人はそれも経験済みです。ソ連時代に1/10デノミを2度、ソ連崩壊後に1/1000デノミを経験しています。後者の時は価値の下がるルーブルが敬遠され、ドルやユーロ、そして現物での取引が行われてました。タクシーに乗るとルーブルでは断られたがマールボロなら乗せてくれたという逸話もある程です。
       ルーブルがまた暴落したら、今度は人民元やビットコインでの取引が、地方なら物々交換が復活する事でしょう。それどころか、外国との貿易でさえも外貨決済ではなく、石油天然ガスのバーター取引をやるかもしてません。ソ連時代に東ドイツやチェコの工業製品とロシア産石油を交換したように。

      > 人的資源では到底日本の比ではない

       ロシアでは人的資源が重視されません。人命の価値が非常に軽いです。戦争でも同胞の命を顧みない作戦が普通に行われますし、兵器でも安全性を軽視した設計が目立ちます。チェルノブイリ原発の黒鉛原子炉もそうですが、設計においてフェイルセーフの考え方がないようです。

       こういう国は人命を厭わず、なりふり構わない事ができます。
       今後、ウクライナ有利の展開が進み、ロシアが行き詰まったとしても、男女問わずの根こそぎ徴兵、秘密警察を動員した上での食糧挑発、全土の工場の軍事利用と非兵士の勤労奉仕(しかも無償)、反対派の根こそぎ処刑とシベリアでの強制労働、果ては核兵器の使用まで行うでしょう。核兵器以外はソ連時代に全て行われた事ですので、プーチンが覚悟さえ示せばためらわずに行われる事でしょう。
       そして、ロシア人も案外嫌がらないようですね。ソ連時代に経験した事ですから。独ソ戦の時のように、愛国心だけで乗り切ろうとするでしょう。ロシアが崩壊するかもしれませんけど。

  5. 普通の日本人 より:

    WW2の教訓で二度と繰り返さない。として出来たのが国連の筈です。
    しかして実態は「戦勝国聯合」であり拒否権を持つ理事国が好きに出来る組織だった。
    以前聞いた「平和とは戦争と戦争の間」が真理かと思う。
    人間は争うことが好きなのだ。
    欲しいものは何としても欲しいのだ。
    理屈は好きに付ければ良い。
    だからこそ我々(側、集団)の武力を高めなければならない。
    日本を攻撃すると損をする。と思わせなければならない。

  6. くろだい より:

    ロシアによるウクライナ侵略は、脱炭素化の推進もありジリ貧が予想されるロシアが、資源国としての主導権を握り続けることで、存在感を維持したいという側面があったのではないか、しかし、キーウ攻略作戦の失敗により、当初計画と大きく異なるシナリオで戦争が進んでしまったのではないかと思っています。

    以下のレポートは、欧州第三位の埋蔵量(しかもロシアが独立を認めた東部地域にその7割)といわれるシェールガスの存在と、パイプラインを巡るウクライナとロシアの確執について論じています。

    ウクライナ紛争の背景にあるエネルギー事情ー天然ガスを巡るウクライナとロシアの確執ー
    https://ieei.or.jp/2022/03/expl220331/

    この東部地域のシェールガスと、ウクライナのパイプラインの問題の存在は、今回のウクライナ戦争におけるキーウ攻略作戦と東部侵攻作戦の必要性を裏付けられるようにも思います。

    このうち、シェールガスを抑えるのであれば、東部地域の占領(解放)が作戦の目的になります。しかし、ロシアがウクライナ国内のパイプラインを管理下に置くためにも、キーウ攻略作戦により、やはり米国(それもバイデン)寄りのゼレンスキー政権を排除せざるを得ません。

    実際、2月24日の開戦前、22日に、ドイツはノルドストリームの承認を停止しましたが、これがプーチンによる開戦の決断を後押ししたという見解もあります。

    (パイプラインはプーチンとメルケルの仕掛けた罠だったのか)
    https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69750?page=2

    このように、ウクライナ侵略により資源権益の獲得を目指す一方、ロシアは侵攻以前から、中東の産油国との関係改善を進めてきました。ウクライナ侵攻後も、OPECプラスはロシアとの協調関係を維持しています。

    (中東で影響力増すロシア・プーチン大統領の思惑)
    https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/414537.html

    もし、キーウ攻略作戦が成功し、親露傀儡政権が誕生していたら、プーチンの功績は計り知れないものだったでしょう。脱炭素化はドイツと共に勢いを停滞させ、ウクライナのパイプラインを確保し、本国からクリミアまでの回廊を形成し、中東とは関係を維持して原油価格を高止まりさせる一方、自国軍の損害は軽微な(はず)だったのですから。

    しかし、キーウ攻略作戦は、惨めな失敗に終わり、ブチャ市民の虐殺もあり西側諸国を敵に回してしまいました。この点は、プーチンの目論見とは大きく異なったでしょう。情報機関が処罰されたのはキーウ攻略作戦が陽動作戦どころか、極めて重要で、本気だったということを示しているように思います。

  7. 205eleven より:

    ルーブルだけ見て経済が安定っておバカとしか言いようがありません。
    ルーブル高にするために金利を20%に上げています。

    その結果、ロシア国内経済はどうなるんでしょうね。ものすごく経済活動はダウンします。
    それによりロシアGDP成長率は-10%程の見込み。

    これで経済制裁が失敗?

    為替の為に金利を上げるのは愚策中の愚策。
    アホです。

  8. 匿名 より:

    マリウポリがすっかりアラモ化してますね。

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