鈴置論考「保守政権で米韓関係はむしろ構造的に悪化」
韓国観察者の鈴置高史氏は昨日発表した最新稿で、韓国で保守政権が発足したら、米韓関係はむしろ、構造的には悪化する可能性が高い、と指摘しました。これまで米国政府は韓国の比例の数々に対しても、「左翼政権だから」と耐えてきたのに、保守政権下でもそうした非礼が続けば、韓国をまともな同盟国と見なさなくなるからです。この指摘、納得するしかありません。期待値が高ければ、その後に訪れる失望もより深くなるからです。
目次
日韓関係「改善」?
前のめりの「日韓(韓日)関係改善論」
「尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権発足なら、日韓(韓日)関係が改善方向に向かう」――。
先月の韓国大統領選を尹錫悦氏が制して以来、こんな言説が、少なくとも韓国側からはよく聞こえてきますし、また、日本のメディアの一部もこれと似たような主張を展開しています。
ただし、当ウェブサイトでは『「韓国が」日韓関係を悪化させた』などでもしつこく議論してきたとおり、現在の日韓関係を「悪化」と呼ぶのであれば、その「関係悪化」という状態をもたらしたのは、ひとえに韓国側の約束破り、条約無視、国際法違反などの不法行為の数々です。
安倍晋三総理のころから、日本政府が韓国政府に対し、一貫して求めているのは「国際法、国際条約、国際約束を守ってくれ」、「ウソをつかないでくれ」という、国際法の世界からみたら、ごくごくあたりまえの要求ばかりです。
とくに、菅義偉総理が一昨年11月、「日韓関係を正常な姿に戻すためのきっかけについては韓国が作らなければならない」と述べたこと(『菅総理「日韓関係健全化のきっかけ要求」の本当の意味』等参照)は、日本政府の方向性を完全に決定づけているといえます。
岸田首相は力量不足:菅総理の方針は今後も続く
このあたり、岸田文雄・現首相は、どうも決断力に乏しく、さらには(日韓関係に限らず)さまざまな行動で脇の甘さが目立つ人物ではないかとの懸念もあるのですが、逆にいえば、岸田首相の力量だと、安倍、菅両総理が示した方針を覆せるものではない、という意味なのかもしれません(※もちろん、油断は大敵ですが…)。
尹錫悦氏が次期大統領に就任すれば、米国のジョー・バイデン政権から「日韓関係を改善せよ」という圧力が日本にも加わることについては警戒すべきではありますが、当ウェブサイトとしては、日本政府から関係「改善(?)」に動ける余地はほとんどないと考えています。
こうしたなか、先週の『「日韓が関係改善チーム立上げ方針」とTBSが報じる』では、岸田政権と尹錫悦・次期政権が「関係改善チーム」を発足させる方針だとする報道を取り上げました。
これについては先日も指摘したとおり、報じているメディアがTBSを中心としたJNN系列各局だけであることを踏まえると、現時点では「観測報道」、あるいは「虚報」の可能性が非常に濃厚だと思いますし、現時点では静観が正解でしょう。
そういえば、『日韓関係にも影響を及ぼす「社会のインターネット化」』では、朝日新聞が先月29日、「尹錫悦氏が対日政策に関する基本方針を伝えるために、日本に『政策協議団』を派遣する方針を固めた」と報じたとする話題を取り上げました。
さらには、その前には韓国メディアなどを中心に、5月頃に東京で開かれる日米豪印「クアッド」首脳会合に尹錫悦氏が準加盟国として参加する方向で調整している、といった報道も散見されたのですが、著者自身が認識している限り、少なくとも日本政府からそのような発表がなされた事実はありません。
つまり、現在の「日韓(韓日)関係改善」ムードは、韓国メディアに加え、ごく一部の日本のメディアが(おそらくは虚報を取りまぜながら)前のめりで演出しているものであり、少なくとも岸田首相や林芳正外相らが現時点において韓国に「譲歩」する準備をしているという事実はないと考えて良いと思います。
鈴置論考「保守政権でも二股外交」
保守政権でも米中二股外交=鈴置氏
ではなぜ、おもに韓国側からこんな話題が続々と出てくるのでしょうか。
これについて考えるうえでは、日韓関係だけではなく、やはり補助線として、米国や中国の存在を想定しておくことが必要です。そして、大変うれしいことに、日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏が昨日、『デイリー新潮』に待望の新規論考を寄稿していました。
「米国回帰」を掲げながら「従中」を続ける尹錫悦 日米韓の共同軍事訓練を拒否
「親米」を掲げて大統領に当選した尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏が就任前から米国を裏切った。中国の顔色をうかがい、日米韓の共同軍事訓練を拒否したのだ。この国のあいも変わらぬ「従中ぶり」を韓国観察者の鈴置高史氏が解説する。<<…続きを読む>>
―――2022/04/11付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』より
今回の論考も7000文字近くに達する長文ですが、おそらく読み進めると、これだけの長文であるにも関わらず、そして綿密な取材に基づき文章がギッシリ詰まっているにも関わらず、多くの方が「記事が短すぎる」、「これでは足りない!」、「もっと読みたい!」という不満を抱くはずです。
読者をここまで引き込む力量は、なかなか真似できるものではありません。
日米韓共同軍事訓練のリーク記事
さて、詳細についてはリンク先を直接読んでいただきたいのですが、これを当ウェブサイトなりにやや乱暴に要約すれば、「保守政権になっても米中二股外交が続く」、「むしろ米国の姿勢は厳しくなる」、というものです。
そもそも論として、鈴置氏の優れた仕事のひとつは、「韓国観察」というジャンルを確立したことだけではありません。ともすれば日本に対する理不尽な謝罪要求や違法行為の数々で知られる韓国の行動を、「米国」「中国」という2つの視点から解説し始めた点にあるのです。
鈴置論考の話題は、当ウェブサイトでは『「日米が提案の3ヵ国軍事訓練を韓国が拒否」=韓国紙』などでも取り上げた、例の「日米韓共同軍事訓練」から始まります。
そもそも日米韓3ヵ国の訓練は文在寅(ぶん・ざいいん)政権時代に韓国側が取りやめてしまったため、今日まで行われていない、という特徴があるのですが、これに関し鈴置氏は例の「3NO(三不)」政策、つまり中国との関係を持ち出して来て、これが尹錫悦政権の行動を縛る可能性を指摘しているのです。
残念ながら、こうした視点を持っている論者は、日本の大手メディアにはあまり見当たりません。
「日韓協力、日米韓3ヵ国連携などは、北朝鮮核問題やウクライナ危機などへの対応において不可欠だ」、などと指摘する論者は掃いて捨てるほどいるのですが、日韓関係が日韓間の問題ではなく、じつは米中問題であるという指摘は、鈴置氏の視座の確かさを改めて痛感させられます。
なお、最近話題の「三不一限」についても鈴置論考で述べられていますので、このあたりについてもぜひ、鈴置論考でご確認ください。
記事リークの「真の狙い」
こうしたなか、今回の鈴置論考では、さらに気になる指摘がいくつか出て来ます。
ひとつは、「『日米韓3ヵ国共同軍事訓練』を日米が提案し、韓国が拒否した」とする話題が、なぜ唐突に出てきたのか、とする疑問点への回答です。
これについて、話題になったきっかけは左派メディア『ハンギョレ新聞』が「特ダネ」として単独報道したからですが、これについて鈴置氏は次のように指摘します。
「ハンギョレへのリークは文在寅政権の仕掛けた罠だと思われます。もし、尹錫悦氏側が『3カ国共同訓練を受け入れる』と答えれば、中国からバッシングされる。一方、『受け入れない』と答弁すれば米国は失望し、公約の『韓米同盟再建』は困難になります」。
言われてみれば、たしかにそのとおりでしょう。このリーク記事のせいで、尹錫悦氏としては、次期大統領に就任したあかつきには、米国に寄るにしても、中国に寄るにしても、非常に舵取りが困難な状況に陥った格好です。
ではなぜ、そんなリークを仕掛けたのでしょうか。
「米国と日本がこの時期に共同訓練を提案したのは、北朝鮮がミサイル実験を繰り返したのに対抗するためです。文在寅政権はそれを逆手にとって日米韓の分断を図ったわけです」。
つまり、次の政権に「時限爆弾」を仕掛けた格好です。
大統領退任後に刑事訴追されるという韓国社会の伝統から、おそらくは文在寅氏も無縁ではいられないと思いますが、こうした見通しからは「政界は左右に分かれ、相手を貶めることに全力を尽くす」という泥仕合に出るのも必然、というわけでしょう。
保守政権なら却ってハンドリング困難に?
さらに、今回の論考で目を引くのが、『「同盟」と「冊封」を勘違い』という節に出てくる、こんな記述です。
「――中途半端な『米国回帰』で関係改善できると韓国は考えているのでしょうか?
鈴置:考えています。ここが韓国人独特の発想なのです。『同盟の格上げ』などと包装を立派にすれば米国が喜ぶと考えるのです。米国に仕えるという形さえ整えれば、米国から何らかの下賜品――戦略資産配備や首脳会談――がもらえると思い込んでいる。現実主義的な『同盟』を、名分論が支配する『冊封』と勘違いしているのです」。
このあたり、指摘されればたしかに「なるほど!」と叫んでしまう部分のひとつでしょう。もちろん、米国にとって(というよりも米国を含めた自由・民主主義国家の多くにとって)「同盟」は対等なものであり、ギブ・アンド・テイクで成り立つものです。
そのうえで、鈴置氏の重要な指摘が、これです。
「――では、保守政権になっても米韓関係は改善しない?
鈴置:それどころか、構造的には悪化する可能性が高い。これまで米政府は韓国の数々の非礼にも『左翼政権だから』と耐えてきました。その非礼が保守政権に戻っても続けば、韓国をまともな同盟国と見なさなくなります。」
…。
これなどは、非常に逆説的ではありますが、それと同時に、非常に説得力がある指摘でもあります。
保守政権なら却ってハンドリング困難に?
この点、尹錫悦氏は保守政党「国民の力」の公認を得て、「保守政治家」との触れ込みで大統領に当選しましたし、実際、米国メディアなどは尹錫悦氏を “conservative” (保守)と表現していますので、米国側が尹錫悦氏を「保守」とみなしていることは、ほぼ間違いありません。
(※個人的に尹錫悦氏が「保守政治家」なのかどうかについてはよくわかりませんが…。)
そして、一般に事前の期待値が高ければ高いほど、それが達成できなかったときの失望感も大きくなります。米国側に「韓国で5年ぶりの保守政権が誕生した」、「米韓同盟が復活する」との期待感がないわけではありませんので、もし韓国が米中二股外交を継続すれば、米国の落胆もその分大きくなるというものです。
その意味では、左派政権ではなく「保守(?)」政権が発足する運びとなったことで、米韓同盟のハンドリングは却って難しくなるのかもしれない、と思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
岸田首相が戦後最悪”の日韓関係改善に向けた「チーム」設立へ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c2fa8e87961fbe6c561078bf7a9c9a1fce26a246
関係悪化の原因は日本から韓国に何かを仕掛けたわけではなく、韓国側の日本に対する行いが招いたことであり、韓国が悪化の原因を取り除くだけで解消(普通の付き合い)すると多くのまともな日本人は思っている。
したがって、改善チームとやらは日本が何か出来るのではなく相手に譲歩するだけの事しかできない。
ふと思った、嫌韓はこのように政府が韓国に甘い対応をすることで日本国民のフラストレーションが溜まり、韓国嫌いを助長しているのではないかと?
おっしゃる通り、韓国に対する怒りより、自国政府のふがいない対応への怒りが勝ること多々ありますね。
韓国内にも、「米中間の激しい対立で、これまで我々が伝家の宝刀として使ってきた”戦略的あいまい性”の寿命は終わろうとしている」(鄭在浩ソウル大政治外交学部教授)のように考えている方もいますが、少数派です。多数派は、相変わらず「安保は米国、経済は中国」という名のフリーライド論に魅力を感じています(それが出来れば望ましいのは、その通りですが)。0.7%差で勝利したものの、国会の6割を反対派に抑えられている尹錫悦としては、現段階で多数派に反する政策は取りにくい、と思われます。とはいえ、韓国の国内事情を、米国もそれほどは斟酌してはくれないでしょう。さて、棍棒で露骨に恫喝する中国と、じわじわと真綿で首を絞めるように牽制する米国と、韓国はどちらを採りますかね。「決断力のない君主は、多くの場合、当面の危険を回避しようとして中立を選ぶ。そしておおかたその君主は滅んでしまう」(マキャベリ)。尹錫悦のお手並み拝見といったところですが、当選後の取り巻き・ブレーンの言動を見ると、状況把握・現実直視能力が低く期待薄かな、と考えています。
マガリナリニモ民主制を採ると自認している国家(てか地域政体?)が自壊していく(やもしれぬ)さまをリアルタイムでユルく観察できる機会を提供してくれそう、という点においては”期待大”カモシレナイ…
韓国がやっている外交は
冷戦時代の日本外交(確か全方位外交と言ってたはず)の真似しているつもりかも
>期待値が高ければ、その後に訪れる失望もより深くなるからです。
期待:二股公約の実現へ求められるリーダーシップ。
末路:二股膏薬の実現で”求められるリーダー湿布”。(タコ殴り)
実現可能なことを約束して、誠実な履行に努めるのが日本。
できなくもないことを約束させて、ごり押しするのが米国。
できないことを約束させて、その咎を責め続けるのが中国。
できないことを約束して、その咎から”逃げ回る”のが韓国。
なのかと・・。
いつも気の利いたことを思いつかないので返信できないのですが、
いつも画面に向かいながら、フフッと笑わせていただいています。
ホント、うまいですね。
返信ありがとうございました。励みにさせていただきます。
m(_ _)m
新宿会計士殿、皆様、お早う御座います。毎日の更新有難う御座います。
早速、鈴置氏論稿拝読しました。新宿会計士殿が毎回仰る通り、鈴置氏の論考は長文なのに続きが読みたくなります。
ちなみに共同通信がこの様な記事を配信しました。新宿会計士殿の岸田首相の従中姿勢と韓国に容易に何度も何度も騙される無能さへの懸念と「岸田首相の力量だと、安倍、菅両総理が示した方針を覆せるものではない」、との推察にご参考になりそうな記事なのでご紹介します。
聞くだけ(更に「聴く」ではない)で、具体的な行動をしない岸田首相に対し、安部元総理が釘を刺したのだと私は考えたいです。
岸田首相、安倍氏と会食 対ロ、中韓外交で「助言」
記事から一部転載:
両氏の会食は1月11日以来で、ロシア軍がウクライナ侵攻を開始した2月24日以降は初めて。首相から開催を呼びかけた。会食には松野博一官房長官、萩生田光一経済産業相も同席。両氏はいずれも自民党安倍派に所属している。
記事全文はこちらからご確認下さい。
https://nordot.app/885864824491311104
あー、約束を破るんじゃなくて、その都度考えなしに約束しちゃうから、実行段階でブッキングして、違約金払う破目になる、使えないマネージャーみたいなのね。最近日本だけでなく他の国からも攻められてて、日本への悪意だけで説明がつかなかったけど、鈴置論考で得心にいたった。
違約金払ってこなかったから詰みが見えてきたトコロかと
陰謀論者様
考えもなしの約束ではないのです。
その場では、十分に考えられたよい考えだと思っているのです。
ただ、それが実行できないだけの話です。
これは収入を考えずに使用してしまい、大金の借金を抱えている人が、
支払日前にアタフタしている状況と同じです。
FP・弁護士に相談し返済方法をどうすれば良いか検討できればよいのですが、
本人の頭の中は「借金」で一杯になっているので、そこまで頭が回らないのです。
又、他人から忠告されると、そんな小言や説教より、金クレという事態になり、
友人・知人が離れていき、ますます孤独になりがちになります。
周囲の人達は、そういう人には生暖かい目で見守る事しかできません。
みなさんに、お尋ねします。
日本の野党は、日本の国民に、「今の日韓関係をどうしようとする」と思われているのでしょうか。
蛇足ですが、野党は岸田総理を、「日韓関係改善のために、日本が譲歩すべきだ」、または「最悪、日韓断交になったとしても、韓国には筋を通すべきだ」と言って、批判してもよいかと思うのですが。
引きこもり中年様
夜盗は「日本が南国の言う通りにしろ!」と言うだけです。
又はそれの違った言い方です。
夜盗の上部団体は、中・露・何とか半島諸国です。
間違っても、「南国に筋を通すべきだ」とは言えません。
というか、「南国と筋…」と考えること自体間違えております。
南国とは、話し合う共通語が存在しません。
南国は英語大国とか英語大国とアサヒ・日経がよく記事にしますが
英国にまで南国語の表示をしろと強硬に主張し、南国語の表示が溢れつつ
ある状況と聞いております。(日本の状況は皆様ご存じの通り)
なので、英語もダメです。ましてや、他言語もどうだか?
ちょろんぼ様
>夜盗は「日本が南国の言う通りにしろ!」と言うだけです。
又はそれの違った言い方です。
いよいよ、やばくなったら、夜盗は、「そんなことは言っていない。そう言ったと思われていたら謝罪したい」と言い出すのではないでしょうか。(もっとも、自民党も例外ではないのですが)
蛇足ですが、自分の黒歴史を、自分の記憶から消して、自分の記憶を再編するのは、韓国に限った話ではないでしょう。
「要は韓国の国民一人ひとりに『中国に立ち向かう』覚悟が無いのです。」
⇒今回の鈴置論考の核心部分だと思います。
韓国の国民が、21世紀になっても未だに中国という「旧・宗主国のくびき」から逃れることが出来ないことを簡単に嘲笑することはできません。我々日本国民も、太平洋戦争敗戦以降「日本国憲法第9条のくびき」から未だに逃れることが出来ていないからです。(「日本国憲法第9条のくびき」は「太平洋戦争で侵略した国々に対する贖罪意識というくびき」と表裏一体になっていると思います。)
しかし、我々には「日本国憲法第9条のくびき」から、近い将来、脱することができるのではないかという希望が高まっていますが、韓国の国民が「旧・宗主国のくびき」から脱することは、中国が民主主義国家にでもならない限り、不可能なことのようです。
日本の外交政策は、頼りにならない国には近づかず、頼りになる国との関係を深め強化していくという方向で、今後とも推進していくことが必要だと思います。
韓国は社会のいたるところで左派が広く深く根を張っている。
・中国が3不の誓いの順守を求める
・北朝鮮が韓国への核攻撃に初めて言及
これでは米国と軍事的協力や同盟の深化などできるはずがない。
尹錫悦が強引に米韓関係を改善させたとする。
ならば朴槿恵のようにクーデターで大統領の座から引きずり降ろされるだろう。
よって米韓関係(日韓も)の改善はあり得ない。
日本はこの事実を前提にして対処していく必要がある。
河村元官房長官が訪韓 次期大統領側近と面会へ
https://www.sankei.com/article/20220408-2KEIPBQY6ZLBRNJ3MGUC23BASI/
なにしに行きはるの?
と思うのは、私だけやろか。
非韓三原則の提唱者として知られる筑波大学の古田博司教授と、日本を代表する優れた中国観察者である福島香織氏の対談本(下記)を読むと、韓国の「特殊性」と、ついでに中国の「特殊性」について、よくわかりますよ。
「日本人なら知っておきたい中国人の「嫌韓」 韓国人の「反中」」
http://www.business-sha.co.jp/2022/04/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e4%ba%ba%e3%81%aa%e3%82%89%e7%9f%a5%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%8a%e3%81%8d%e3%81%9f%e3%81%84%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e4%ba%ba%e3%81%ae%e3%80%8c%e5%ab%8c%e9%9f%93%e3%80%8d%e3%80%80%e9%9f%93/
これを読むと、なぜ日本は「古代脳の呪い」に染まらずに済んだのか、ちょっと考えてみたくなります。
まだ電子書籍が出てないんですね。ってか、カオリンいつまでその写真使うんだ?w
>岸田文雄・現首相は、どうも決断力に乏しく、さらには(日韓関係に限らず)さまざまな行動で脇の甘さが目立つ人物ではないかとの懸念もあるのですが、逆にいえば、岸田首相の力量だと、安倍、菅両総理が示した方針を覆せるものではない、という意味なのかもしれません
あくまでも私の感想ですが、力量というか頭のつくりでは菅さんが一番なような気が・・。逆にアホ度については安倍さんと岸田さんはいい勝負をしているんではと思います。
ただ、安倍さんは自分は天才政治家だと思っているのでは?(笑)こういう人はとかくスタンドププレーに走る傾向があり、それがトランプみたいな同陣営の人となら、まだいいのですがプーチンのような人だと後で泣きを見ることになります。でも懲りずに引退後も悪い意味でがんばってられますよね。右の鳩山さん・・みたいにならなければいいのですが。(でも安倍マスクは国民への温かい心遣いを感じました。記念にとってあります。)
岸田さんは、そこが安倍さんと違って、自分はアホだと言うことを(失礼)よく自覚されてるような気がします。何をやっても自信がない・・。だから謙虚に人の話をよく聞くんだと思います。こういう人は案外、いい線をいくような気がします。韓国に対してもギブ・アンド・テイクを徹底されるのではないでしょうか。
安倍さんは本人は馬鹿でも優秀な菅さんを官房長官にしたのが良かった
組織と組織の戦いはNo.2が勝敗を決める
菅前首相は、頭のいい方ですが、トップの器ではありません。
ワクチン問題のようなワンイシュータイプの問題解決にはそれなりに力を発揮しますが。
彼には国家全体を俯瞰して総合的に矛盾なくデザインする国家観がないのです。
だから、いろいろやらかしているのです。
ふるさと増税などを見ると、菅氏の弱点がよくわかると思います。
経済政策も、矛盾する政策の人を抜擢しています。つまり、全体を俯瞰する力がないのです。
一度人を信頼するととことんまで信頼しますが、その反対は徹底的な冷遇があります。
だから、とりまきによるブレーン政治に陥りやすく、意見具申が通らなくなります。
だから、党内で人望がないのです。
早くに退陣してよかった人だと思います。
安倍元首相は、それなりに人を動かす政治力をもった人であり、その効果について議論はあるかもしれませんが、国際政治や日本の金融財政政策でここまでパラダイムの転換を行った人はいません。
麻生元首相も同様です。
安倍、麻生という人は、国益を見据えて、いざというときは党益や私益を棄てる覚悟のあった、つまり一部の人の犠牲も甘受する冷徹でもある人です。
イデオロギーを一旦措いておいて、虚心坦懐に彼らのやったことを検証してみることをおすすめします。
私は、是々非々であるべきで、野党であっても、それは同様であると思っています。
韓国はようするに日本に「金をくれ。」といっているのに等しい。直接的にはいえないので従軍慰安婦や徴用工を理由にしているだけだ。これでは韓国は日本の扶養家族にすぎない。真の独立国とはいえない。日本は下関条約で韓国の独立を清に要求したように、100年以上前から韓国(当時は朝鮮国)の独立を支持してきた。しかし、いまだ真の独立は達成されていない。扶養する者が日本なのか中国なのかアメリカなのかで揺れ動いている。日本とアメリカは扶養する気はない。かといって中国も全ての面倒は見切れないだろう。弱い味方ほど危険なものはない。たぶん、どの国ももてあましているというのが現実ではないかな。
>現実主義的な『同盟』を、名分論が支配する『冊封』と勘違いしているのです
ここはホント『なるほどー!』と思いました。
朝鮮の「鮮」は「巧言令色鮮なし仁」での「鮮」と同じ用法と聞きました。
今になっても「ゆすり集りクレクレ外交」が目に付くのは、その根本が変わらないからなんでしょうね。。。
>岸田首相は力量不足:菅総理の方針は今後も続く
岸田さんの力量不足に関しては全く異論はありませんが,最大の問題は,彼が己の力量不足も顧みず(あるいは逆に己の力量不足を自覚して自信が無い故の虚栄心故か),前任者である安倍・菅両政権が築き上げてくれた方針や体制・手順等を全否定して,何かと言えば独自の岸田色を出したがっている点です.
安倍・菅両政権のレガシーを否定して独自色を打ち出したい岸田さんの場合,対韓国外交においても安倍・菅両政権が確立した,アメリカ等から理解を得られやすい単純明確な「何よりも先ず韓国は嘘をつくな&国同士の約束や国際法・国際条約を守れ&戦略物資の横流しはするな,全てはそれからだ」という基本方針を覆す可能性が大きく,岸田風対韓外交への方針転換の第一歩が一部で報道された尹次期政権との間のワーキング・グループなのではないかと非常に危惧しています.