フランス文化相が文化財の韓国貸与で押収リスクに言及
韓国の文化体育観光部長がフランスの文化相に対し、韓国への文化財貸与を要求したところ、フランス側は「押収リスク」を持ち出した、とする話題がありました。なぜいきなり「押収」という話題が出て来るのかわかりませんが、個人的な見解に基づけば、2012年10月に韓国の窃盗団が日本の対馬から仏像を窃盗した事件とは無関係ではないと思う次第です。
仏像の窃盗事件
かなり以前の『韓国が盗んだ仏像は日韓スワップの「身代わり地蔵」か』では、2012年10月に発生した、対馬の神社・仏閣などから韓国人窃盗団が仏像や仏典などの財宝を盗み出し、韓国本国に持ち込んだとする事件を取り上げました。
あらためて振り返っておくと、その異常さは、日本から盗み出された財宝の一部が依然として戻されていないことだけではありません。
対馬の観音寺から窃盗された仏像の所有権を、韓国の「瑞山浮石寺(ずいさんふせきじ)」という寺が主張していて、その文化財の日本への返還を認めていない、という問題があるのです。
韓国側の言い分は、この仏像が「1330年代以降、倭寇が仏像を保管していた浮石寺の同意もなく略奪して行った」、というものだそうです。しかも、「西暦何年にどういう経緯で日本に渡った」という厳密な説明がなされている形跡はありません。
国際秩序に対する挑戦
言い分としては、メチャクチャです。
もしもこんな言い分が国際社会で認められれば、たとえばエジプト人が大英博物館やルーブル美術館などに保管されている文化財を盗み出してエジプト本国に持ち帰る、といったことだって可能でしょう。
つまり、韓国の言い分は、国際秩序の破壊そのものでもあるのです。
このあたり、今年2月に刊行した拙著『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』の下敷きもにした、昨年12月の『対韓制裁論⑧韓国に鉄槌を加えるものは国際法か仏罰か』でも議論したとおり、韓国による日本に対する不法行為のなかではまだマシなほうでしょう。
しかし、国際秩序に対する挑戦という意味では大変に深刻な問題です。
それに、現在の状態を放置しておけば、日本以外の国としても、下手に韓国に文化財を貸し出したら押収されてしまう可能性がある、という危険性を帯びて来ます。
どうして「押収」という話が出て来るのでしょうか
こうした当ウェブサイトとしての数年越しの「伏線」(?)を回収する話題がありました。
韓国、文化財「直指心体要節」国内展示を要請…フランス「押収の心配なければ検討」
―――2021.11.18 13:31付 中央日報日本語版より
これは、フランス・パリを訪問中の韓国の黄熙(こう・き)文化体育観光部長官がロズリーヌ・バシュロ仏文化相(Roselyne Bachelot, Ministre de la Culture)と現地時間の17日に会談した際の記事です。
中央日報によると、黄熙氏がバシュロ氏に対し、「世界で最も古い金属活字本でフランスが保管中の『直指心体要節』」の韓国の展示を要請したところ、バシュロ氏は「押収される心配がなければ積極的に検討してみる」と応じた、というのです。
また、中央日報にはこんな記述もあります。
「バシュロ文化相は『直指心体要節』が韓国で押収されないか憂慮し、黄文化相はそのようなことがないよう政府レベルで保証するという趣旨で説明した」。
平気でウソをつき、約束を破る国の政府から「保証する」といわれても困惑してしまいますね。
中央日報によると、この「直指心体要節」は1377年に刊行された「現存する世界最古の金属活字本」で、「ユネスコ世界記憶遺産にも登録されている」というものだそうですが、1886年にフランスの外交官が購入して自国に持ち帰ったものであり、「略奪文化財ではない」、としています。
この点、「なぜ、フランスで貸し出した文化財の押収が懸念されているのか」、という点に関しては、中央日報の記事ではいっさい触れられていませんが、おそらくは仏像窃盗事件が微妙な影を落としていると考えるのは自然な発想ではないかと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
「保管中」・・・飽くまで一時的としたい訳ですかw
6年前は捏造に失敗してたんですねw
最古の金属活字?」 証道歌字はにせ物
http://japanese.donga.com/List/3/all/27/429754/1
2018年にも同じ話が、有りました。
当然ですが、日台の博物館にも断られています。
当時の楽韓さんのリンクです
http://rakukan.net/article/465165217.html
西野法律事務所さんのリンクです
https://www.nishino-law.com/smarts/index/105/detail=1/b_id=168/r_id=6826/
少なくとも美術品の貸出しについて、常識が違う韓国は「除外されて」いるのが、現状です。
2年前から何も変わってないですね
市民団体の反対で 文化財差し押さえ免除の立法すらできない政府が
何を保証するのか 笑わせてくれますww
韓国による押収リスクは、2012年以降、指摘されるようになって
世界中の美術館が、韓国への貸し出しを嫌がるようになっていたはず
詐欺罪が日本の500倍を超えるとか。
欺される方が悪いと言う嘘つき文化ですね。
やっと世界も理解し始めたようです。
どうせそんな貴重な文化財など奴らには、猫にこんばんわ、豚に心中ですよ
ちょっと物は忘れましたが(確か昔の韓国の衣服やったと思いますが)、日韓で同じ昔の物を持っているが、日本の物は保存状態が凄くいいのに、韓国の物はボロボロになっていた、というのがありましたね。
その、盗まれた仏像の保存状態も危ぶまれますね。
所有権は主張する割には、そういったところはルーズな気がします。
「悪事千里を走る」って,こういうことを言うんだなぁ!!!
以前に貸し出しを要請した時は「差し押さえを免除する法律」が無い事を理由に拒否されましたが「政府レベルで保証」なんて言い回しをしているあたり、まだ差し押さえ免除の法律はまだ出来ていないのでしょうね。
粗悪なレプリカを返して本物は自分の懐に入れるとかやりそうですね。
それをフランスに抗議されても「これは元々我々の物」と言いはって返さない。
韓国はろくに保管もできないくせに文化財に対する執着が凄まじいですね。
歴史がない国ゆえのコンプレックスでしょう。
日本人から見ると韓国に政府レベルで保証されても安心感は皆無です
外務省のどなたかがフランスに忠告してあげたらどうですか、「通常でもたいがい信用できないのにもうすぐ大統領選なんですよ」って
韓国と関わりが薄くても彼らの行状を知ってればそれで通じそうな気がするんですが
フランス文化部長官 差し押さえ憂慮がなければ「直地心体要節」韓国展示積極検討
https://ameblo.jp/yukibakda/entry-12710958654.html
kuns****
もともと本来われらの物で
いやですか?
返信16
共感/132
反対/ 15
seoa****
実際、ルーヴル美術館に展示されている作品の大部分がフランスのではなく、自分たち消して違って他国で略奪してきたことだから?
返信4
共感/76
反対/ 1
kjs_****
略奪がはっきりした外奎章閣の箱とは違って直地心体要節は旧韓末にフランス人がアンティーク店で直接購入したので何とも言えない
…韓国に持ち込むだけでも幸いなことだ
返信2
共感/54
反対/ 4
二日市保養所さま
お久しぶりです。
阿野煮鱒さんもお休み中なんで、もっとコメントして下さいな。
だんな様
お気にかけて頂き、ありがとうございます。
decologにてブログ書いていたのですが、
おそらく、かの国にアドレス奪われてパスワード変更されてしまいました。
アメブロはパスワードが異なっていたので、
残っているのですが、googleで出てくるのはdecologのブログ
decologのブログは消去され未だ復活できません。
皆さまも、お気を付けて。
韓国政府レベルの保証があっても、韓国の裁判所が不返還の決定を出したら、三権分立の原則から韓国政府はどうしようもないと言い張るのでしょ、どうせ。フランスもその手は桑名の焼き蛤です。代わりにぬいぐるみを持って来られてもね。イランは韓国からマスクを寄贈されて、「ジョークと思っている」と激怒してますし。
興味深い記事を有難うございます.ですが,ブログ主様の次の指摘は最も重要なポイントを抜かしてしまっていると考えます.
>言い分としては、メチャクチャです。
>もしもこんな言い分が国際社会で認められれば、たとえばエジプト人が大英博物館やルーブル美術館などに保管されている文化財を盗み出してエジプト本国に持ち帰る、といったことだって可能でしょう。
>つまり、韓国の言い分は、国際秩序の破壊そのものでもあるのです。
その言い分が問題なのではありません.
この件の韓国の泥棒は愛国者でなく盗んだ仏像を売って金儲けが目的でしたが,エジプト等の古代の遺物が西欧諸国に持ち出された国々の愛国者がルーブルや大英博物館等にある古代の自国由来の至宝を奪い返そうと盗む事件は過去にあったかも知れませんし今後もあるかも知れません.
またその至宝が祖国にあった時の持主の子孫が所有権を主張するような事態が今後あるかも知れません.
しかし,そこまでならば大した問題ではないのです.つまり,愛国的窃盗犯による窃盗事件が起こり,元の持ち主の子孫が所有権を主張しても,裁判所が盗まれた物に対して窃盗前の原状回復(つまり対馬の寺への返還)を命じて韓国検察により実際に原状回復が行われれば問題はないのです.
本件での韓国の本質的な問題は,その仏像が日本に移ったのが1970年よりも前であることは明らかであり,韓国も調印批准しているユネスコの条約によって古代の遺物などの返還請求権が認められているのが1970年以降の非合法な移転だけと定められているにも関わらず,韓国検察側が窃盗犯に対する処罰と共に求めていた仏像の日本側への返還を,韓国司法が寺側の言い分を認めて日本への返還を却下する判決を下したことです.
即ち,日韓請求権協定を無視して,自称徴用工裁判や自称慰安婦判決での日本企業に対する請求権を求めた国際法違反の判決と全く同じ問題なのですよ.
問題は,ブログ主様が挙げられている窃盗と言う犯罪で奪った点や韓国側の寺が所有権を主張して返還を拒否した点ではなく,国際法や国際条約よりも国民感情を優先した結果として,国際的に極めて非常識で国際法違反の判決を下した韓国司法にあるのです.
フランスのみならず多くの国々が朝鮮半島由来の貴重品の韓国への貸し出しを拒否するようになったのは,この韓国司法による国際条約を無視した判決にあるのです.
仮に韓国政府(つまり行政府)が返還を保証したとしても,韓国民の誰かが「それは大昔に不当に奪われた遺物であり,本来の所有権は我が国=韓国にある」と主張して裁判を起こされると,韓国司法は「返還してはならない」という判決を下す可能性が極めて高く,その司法判決に対して韓国行政府の保証など何の役にも立たず,いざとなれば韓国政府は「韓国は三権分立なので司法の下した判決には行政府としては介入できない」と逃げるのが見え見えです.
だから,韓国政府がどれほど「返還は保証します」と言おうと,ユネスコの条約に反する判決を平気で下す韓国司法がある限り,世界中の美術館・博物館や個人の文化財所有者は韓国に文化財を貸すなど危なくて出来ないのです.
なお,この対馬の仏像の件に関しては,韓国司法はユネスコの条約に従って原状回復をする方向で努力していたと思います.(この件に関しては,事件と裁判の節目節目で楽韓WEBさんが何度も取り上げて丁寧な解説を加えて下さっていたと記憶しています)
どういう経緯で他国が韓国への美術品の貸与を嫌がり始めてるのか、その本当の理由が知りたいですね。
日本の仏像の件を知ってるからなのか、日本のロビー活動が効いているのか、はたまたそれ以外の事例があるのか。
いずれにせよ、韓国の自己中心的な振る舞いが世界に理解され始めてるのだとしたら朗報ですね。
フランスかあ…
フランス、クリムト作品をユダヤ人家族に返還へ ナチス時代に売却強制された過去 – BBCニュース
ttps://www.bbc.com/japanese/56411194
「1938年にオーストリアがナチス・ドイツに併合された数カ月後、経済的な苦境に追い込まれ、不当に安い価格で絵を売るよう強いられた」
ほ~ら、そんなこと言ってるから韓国人に目を付けられる。
バシュロ文化相には自業自得だが、日本にとっては迷惑千万。
自力救済の禁止という現代では当たり前の法原則が守られない。この問題でも価値観の違いを露呈してます。
仏国が泥棒とか詐欺師に保証を依頼する事自体アホです。
物の売買の経験が日本統治時代前に存在しなかったので
物を売る事を「盗まれる」という表現する国なんですよ~。
売買に関する契約書・請求書・領収書があっても、南国人が理解する事はできないのです。
仏国は南国に本物を貸与せず、現代の仏語活字を貸与すれば、よろしいのでは?
似たような物だし、南国人には解りませんよ。
政府レベルで保証しても司法の判断には逆らえないはずですよね。韓国は三権分立の国 ですから。