「現在の日韓関係が重要」なら「日本にとっての韓国の重要度を下げましょう」が正しい答えでは?
当ウェブサイトでは随時取り上げている話題のひとつが、自称元徴用工問題などの日韓諸懸案に関する「3つの落としどころ」という議論です。これは、日韓関係破綻を防ぐためには、①韓国が国際法を守るか、②日本が国際法破りを認めるか、さもなくば③日韓関係が破綻するか、という3択を日韓両国が迫られている、というものです。こうしたなか、予想どおり、わが国のメディアからは、「日本が謝罪することが条件」、「対策の検討が急務」といった寝言が出てきたようですよ。
目次
自称元徴用工判決から3年
来週・10月30日といえば、衆議院議員総選挙の投開票日の1日前であるとともに、韓国の最高裁に相当する「大法院」が、日本企業に対して初めて損害賠償を命じた、いわゆる自称元徴用工判決からちょうど3年目の節目でもあります。
個人的に、自民党政権のことは評価できる面と評価できない面があるとかんがえているのも事実ですが、少なくともこの3年間の日本政府の韓国に対する対応に関しては、100点満点に換算して80点くらいの評価をしても良いのではないかと考えています。
当ウェブサイトで何度も繰り返し述べてきましたが、自称元徴用工問題は自称元慰安婦問題と並び、①韓国側によるウソ、捏造のたぐいのものである、という問題点と、②1945年8月15日以前のすべての請求権についての解決を謳った日韓請求権協定に反している、という問題点があります。
「80点」と申し上げた理由は、このうち①の部分について、しっかりと国際社会に対して説明しているとは言い難いにせよ、②の部分について日本政府が一歩も譲らず、毅然と対処していることについてはそれなりに評価できるからです。
また、日本政府は現在、韓国に対して、「日韓関係を正常な姿に戻すための方策を韓国が示すべきだ」とする姿勢で一貫していますが、これについては一種の「積極的放置」あるいは「戦略的無視」のようなものだと評価しても良いでしょう。
当ウェブサイトなりの理解に基づけば、こうした積極的放置、あるいは戦略的無視は、日本の一貫した立場を毅然と韓国に示すという意味では、短期的にはそれなりに有効ではあるといえるでしょう。
現状をどう見るか
積極的放置を長く続けることはできない
もっとも、この積極的放置、あるいは戦略的無視については、いつまでも続けることはできません。現在の日本にとっては、韓国は外交・安全保障上、大変に重要な相手国でもありますし、民間部門でも、とくに経済・産業分野において、韓国との関係は無視できないほど重要だからです。
ではなぜ、日本政府は韓国との関係「改善」に向けて動き出そうとしないのでしょうか。
もしかするとその理由は、日本政府が日韓関係改善を「ポスト文在寅」時代に先送りするためなのかもしれません。というのも、どうも日本政府としては、文在寅(ぶん・ざいいん)政権が続く限り、韓国が国際法や国際条約、国際約束をちゃんと守ってくれることはないだろう、と見切っているフシもあるからです。
しかし、身もふたもない言い方ですが、来年、文在寅氏に代わって「保守的な」大統領が韓国で誕生したとして、その政権が親日的であるという保証などありませんし、ましてや国際法や約束などを誠実に守ってくれることを期待する方が危険です。
逆に、下手にこの状態を長引かせ、どこかのタイミングで日本側にも「韓国に譲歩しよう」とする機運が生じることは、リスクでもあります。実際、李明博(り・めいはく)元大統領が登場した2008年ごろの日本の論壇には、こんな雰囲気があったからです。
「李明博氏は保守派であり、大阪生まれの在日韓国人でもあるため、日本に対しても理解がある。盧武鉉(ろ・ぶげん)政権時代に傷ついた日韓関係を修復してくれるはずだ」。
李明博政権こそ日韓関係を踏みにじった
では、実際、「李明博政権時代」に、いったい何が起きたのでしょうか。
いろいろとエピソードはあるのですが、中核となる出来事をいくつか列挙しておけば十分でしょう(以下、敬称略)。
李明博政権時代に起きたこと
- 2011年10月、日韓通貨スワップの規模を700億ドルに拡充(いわゆる野田佳彦スワップ)
- 2011年12月、京都の日韓首脳会談で李明博が野田佳彦に対し、突如、慰安婦問題を蒸し返す
- 2011年12月、ソウルの日本大使館前に慰安婦像が設置され、韓国政府はこれを放置
- 2012年8月、李明博が島根県竹島に不法上陸
- 2012年8月、李明博が天皇陛下を侮辱する
- 2012年8月、野田佳彦が発した親書を李明博が郵便で送り返す
(【出所】著者手元メモ)
…。
2011年といえば、ちょうど東日本大震災で日本が深く傷ついていた時期です。
その時期に、菅直人元首相に代わって政権の座に就いたばかりの、当時の野田佳彦首相は、何を思ったのか、欧州債務危機最中に金融不安が高まっていた韓国を支援するために、日韓通貨スワップの規模を700億ドルにまで拡充することで韓国側と合意。
李明博元大統領は、こうした多大な恩を、慰安婦問題の蒸し返し、日本大使館前に設置された慰安婦像の放置、島根県竹島への不法上陸、天皇陛下(現在の上皇陛下)への侮辱発言、野田元首相の親書の返送、といった多大な仇で返したのです。
「保守政権」は2代続けて反日でしたよ?
ただ、こんなことを申し上げると、「それはたまたま李明博氏がそういう人物だっただけの話であり、もっとまともな保守政治家であれば、日韓関係はもう少し良くなるに違いない」、などとする反論を頂くことがないわけではありません。
では、韓国の元大統領である朴正煕(ぼく・せいき)の長女で、当時は韓国を代表する保守政治家として圧倒的な支持を集めて、李明博元大統領の後継者に選ばれた朴槿恵(ぼく・きんけい)前大統領は、どうでしょうか。
おもに日本の一部のメディアは、こんな議論を、したり顔で主張していました。
「朴正煕は日本の元首相でもある岸信介と懇意であり、また、日韓基本条約を締結した当時の大統領でもある。2012年12月に再登板した安倍晋三総理大臣は、その岸信介の孫でもあるため、安倍−朴会談は早期に行われ、李明博政権下で傷ついた日韓関係の修復に動くことが期待される」。
つまり、日韓「岸信介−朴正煕」ラインと、「安倍晋三−朴槿恵」ラインが、日韓新時代を作っていく、といった見立てですが、現実は、どうだったのでしょうか。
朴槿恵前大統領自身が「ろうそくデモ」で引きずりおろされ、罷免されたのが2017年3月のことなので、まだ多くの皆さまの記憶には新しい点も多々あろうかと思います。
結論からいえば、日韓関係は、さらにギクシャクしました。
朴槿恵政権発足以来1年、安倍総理と朴槿恵前大統領との首脳会談は行われませんでしたし、安倍総理が2015年4月に米上下両院で演説を行った際には、韓国は国会議長などがそれを阻止すべくロビー活動もし、議会演説後に韓国の国会は全会一致で非難決議を可決もしています。
その安倍総理は、政権発足直後には韓国のことを「基本的価値と戦略的利益を共有する最も重要な隣国」と位置付けていましたが、明治期の産業革命関連施設の世界遺産登録を韓国が妨害した2015年あたりから、「基本的価値の共有」という表現が抜け落ちます。
また、現在の首相でもある岸田文雄外相(当時)が訪韓して日韓慰安婦合意を2015年12月に取り交わしたことで、日韓関係は小康状態を迎えたものの、その1年後の2016年12月には、釜山の日本領事館前の公道上にも慰安婦像が設置されたことで、日本政府の怒りが爆発。
2017年1月に、当時官房長官だった菅義偉総理が韓国への対抗措置として、日韓通貨スワップ再開交渉や日韓ハイレベル経済対話の無期限延期などを発表し、現在に至るまで、日韓通貨スワップは再開されていないのです。
いずれにせよ、たしかに慰安婦合意を破ったのは2017年5月に選ばれた文在寅・現大統領ですが、ここに至るまでに、盧武鉉、李明博、朴槿恵という3つの政権時代に、韓国の側から日韓関係を破壊するような動きが相次いでいたという事実を忘れてはならないのです。
「韓国に譲歩せよ」という力学が働く可能性も
次の大統領が左派の李在明(り・ざいめい)氏になるのか、「保守派(?)」の尹錫悦(いん・しゃくえつ)前検事総長になるのかはわからないにせよ、上記の議論を踏まえるならば、韓国の次期政権で、国際法や国際的な条約・約束を誠実に守り、着実に履行する、ということは期待できません。
当たり前の話ですが、文在寅氏を韓国大統領に選んだのは、韓国国民の総意であり、韓国国民が変わらない以上は、「日本との約束を守る」という政治家が大統領に選ばれる可能性が決して高くないことは、容易に想像がつく話でもあるからです。
そういうわけで、いつも申し上げているとおり、現在の日韓諸懸案を巡る「3つの落としどころ」には、理論上、次の(A)~(C)のどれかしかあり得ません。
日韓諸懸案を巡る「3つの落としどころ」
- (A)韓国が国際法や国際約束を守る方向に舵を切ることによって、日韓関係の破綻を回避する
- (B)日本が原理原則を捻じ曲げ、韓国に対して譲歩することによって、日韓関係の破綻を回避する
- (C)韓国が国際法や国際約束を守らず、日本も韓国に譲歩しない結果、日韓関係が破綻する
(【出所】著者作成)
しかし、このうち(A)が期待できないという点については、ほぼ間違いないといえます。
したがって、この3択のうち、「日韓関係の破綻を絶対に回避したければ」、日本が韓国に譲歩するより方法はありません。
この点、文在寅政権が続く限りは現状の膠着状況が続く可能性が最も高いと考えられますが(著者私見)、問題は、「そのあと」です。
「保守派」とされる尹錫悦氏(※個人的には尹錫悦氏が「保守派」だとは思いませんが…)あたりが次の大統領に就任し、文在寅政権下で壊れた日韓関係を修復しようという機運が日韓双方で高まって来るならば、「日本が韓国に対して譲歩すべき」という推力が、日本の側で出てくるかもしれません。
そうした推力は、外務省から出てくるかもしれませんし、政治側から出てくるかもしれません。あるいは、「日米韓3ヵ国連携」を重視する米国あたりから出てくる可能性もあります。
いずれにせよ、自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、日本の対韓輸出管理適正化措置、あるいは韓国がいう「日韓GSOMIAの不安定な状況」といった諸懸案を巡って、たとえば日本が「輸出『規制』」を撤回する代わりに韓国が徴用工問題で代位弁済する、といった案が出てくるかもしれません。
「韓国に譲歩せよ」
やっぱり出てきた、「韓国に譲歩せよ」論
こうした力学について類推するうえで、非常に気になるのが、共同通信が配信した次の記事です。
韓国政府が肩代わり案を検討/元徴用工への日本企業賠償金
―――2021/10/23 11:27付 共同通信より
これは、姜昌一(きょう・しょういち)駐日大使が「22日までに国会答弁で明らかにした」として、自称元徴用工判決問題を巡り、韓国政府が「代位弁済」を検討していることがわかった、などとする話題です。
リンク先記事を読んでいただくと、なんとなく説得力があるような、ないような、そんなモヤモヤを抱く方が多いと思いますが、この「モヤモヤ」の理由については、あとで触れます。
また、「韓国政府が代位弁済を検討していること」を、共同通信はあたかも初めて判明したかのように報じていますが、これについてはじつは当ウェブサイトでは今月8日付の『徴用工代位弁済提案に「知日派」大使「良いアイデア」』でも触れているとおり、既出の話題です。
岸田文雄首相は先日の就任直後の記者会見で、拉致問題には言及しましたが、日韓関係についてまったく言及すらしませんでした。ただ、そうであるにもかかわらず、韓国からは「岸田首相が北朝鮮と対話の意思を示した」、「韓日関係についても改善の機会だ」とする「分析」(?)が出てきました。また、自称元徴用工問題を巡っては、「代位弁済案」というものも出てきたようです。端的に言えば、韓国側からの日韓関係の修復は絶望的だと思わざるを得ない次第です。岸田首相はFOIP重視の立場を継承先日の『記者会見で「経済、外交、コ... 徴用工代位弁済提案に「知日派」大使「良いアイデア」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
ただ、この記事自体は全部で300文字にも満たない短いものですが、ここには看過できない記述が2箇所あります。
ひとつは、この案(?)が実現するには「日本の謝罪が条件になるとの見方が強い」という記述であり、もうひとつは、「売却されれば日本政府の報復措置は必至で、日韓関係の一層の悪化が懸念され、対策の検討が急務」とする記述です。
最初の「日本の謝罪が条件になる」とは、姜昌一氏がそのように述べたというよりは、おそらくは共同通信としての主観的な分析(ないしはただの感想)です。
ですが、いちおうは全国の地方紙などに記事を提供している共同通信がこのように報じるということ自体、この記事に接した多くの読者にとっては、「やはり丸く収めるためには日本が謝罪するしかないのか」、などと刷り込む効果はあるかもしれません。
そして、もうひとつは、自称元徴用工側が日本企業の資産を差し押さえていることは事実ですが、それらが売却されるような事態が生じれば、日韓の報復合戦が始まりかねず、そうならないためには「日本政府が」対応をしなければならない、などと刷り込むようなものです。
日本にとって韓国は重要、それは事実だ
くどいようですが、自称元徴用工、自称元慰安婦の2つの問題を柱とした歴史問題、あるいは日韓間の諸懸案の原因は、究極的には韓国のウソ・捏造と約束破りにあります。
この点に触れずして、なぜ「日本政府が早急に対応しなければならない」のでしょうか。
もちろん、先ほども指摘したとおり、たしかに現在の日本にとっては、韓国との関係は重要であり、日韓関係が今すぐ壊れてしまうと、日本にとっても少なからぬ打撃が生じることは事実でしょう。
経済・産業面では、韓国が生産する半導体は日本企業の生産活動にも不可欠ですし、また、韓国は日本にとって、高付加価値のある「素材・部品・装備」などの品目の輸出先という意味では、大きな「お得意先」でもあります。
外交・防衛面では、「日米韓3ヵ国連携」は米国自身が重視している戦略であり、その米国は日本にとって最も重要な同盟国であり、パートナーです。米国の意向に反し、日本が韓国との関係を「終わらせる」ことは難しいでしょう。
違和感の正体
しかし、だからといって、「日本が韓国に対し(やってもいない罪を)謝罪する」、といった必要はありませんし、そのようなことをしてもなりません。
日本が国家たらんとするならば、やっていないことは毅然と「やっていない」と否定しなければなりませんし、韓国の国際法破り、条約破り、約束破り、ウソツキ、歴史捏造などのかずかずの無法行為に対しては、そのコストを利息付きでキッチリと韓国に負担させなければなりません。
この点、「いかなる方法で韓国にそれらのコストを負担させるか」については、著者自身は具体的な方法を頭のなかで描いているのですが、まだ世の中では機が熟していないため、現時点でこれを述べることは控えたいと思います。
ただし、現時点で申し上げることができるのは、日韓関係をどうマネージするかという方法論です。
先ほどからの議論の流れを整理すると、こういうことです。
- ①日本にとって現在の韓国は、経済・産業上も、外交・安全保障上も、大変に重要な国である。
- ②しかし、韓国が日本との間でさまざまなもめ事を起こしており、これらについて国際法や国際社会の常識に従った解決も期待できない。
- ③だからこそ、日本が国際法に拘泥するのではなく、多少とも韓国に譲歩し、日韓関係の破綻を防ぐべきだ。
上記の流れのうち、①と②については「そのとおりだ」と納得していただける方が圧倒的多数だと思います。しかし、③については、違和感を抱く人もいるはずです(※騙される人は騙されますが…)。
では、なぜ違和感を抱くのかといえば、じつは③が、この①、②という流れからうまく接続していないからです。
では、先ほどの③を、次の④のように言い換えたら、どうなるでしょうか。次の①、②、④をちょっと通しで読んでみてください。
- ①日本にとって現在の韓国は、経済・産業上も、外交・安全保障上も、大変に重要な国である。
- ②しかし、韓国が日本との間でさまざまなもめ事を起こしており、これらについて国際法や国際社会の常識に従った解決も期待できない。
- ④だからこそ、日本にとっての韓国の重要性を下げるべきである。
…。
いかがでしょう。
①、②、③という流れだと、②から③の部分がうまく流れていませんでしたが、こちらの①、②、④という流れだと、じつに滑らかにつながっていると思いませんか?
現実に進む「日韓テーパリング」
大前提として、日本は自由・民主主義国家であり、法治国家であって、法や条約、約束、さらには信義則を大変に重視する社会である、という事実があります(新聞、テレビなどのオールドメディア産業関係者、NHK、財務省、日本共産党、立憲民主党などの例外もいますが、この点はとりあえず脇に置きます)。
日本人がなにより好むのは、ちゃんと決まり事を守ること、ウソをつかないこと、ちゃんと勉強し、努力することであり、日本人がなにより嫌うのはインチキ、ウソツキ、約束破りです。そうであるならば、約束を破るウソツキとは距離を置く、というのが、自然な流れでしょう。
(※余談ですが、『韓国メディア「約束破りは韓国の文化。日本は理解を」』などでも述べたとおり、韓国メディアに「約束を破るのは韓国の文化だから日本も理解しなければならない」とする主張が掲載されたこともあります。)
韓国メディア『中央日報』(日本語版)に昨日、ある意味で凄い記事が掲載されました。やや乱暴に要約すれば、「約束を破るのは韓国の文化みたいなものだから、日本はそれを容認しろ」、という議論です。正直、呆れて物も言えない低レベルな主張ですが、ただ、私たち日本人が対応せねばならないのは、「相手に約束を守らせること」ではありません。「相手が約束を破る国である」ことを前提としたうえで、関係を薄めて距離を置くことと、可能であれば適切な罰を与えることです。韓国はインチキ外交の国韓国と北朝鮮、5つのインチキ外交... 韓国メディア「約束破りは韓国の文化。日本は理解を」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
ただし、現在密接な関係を持っている相手と、いきなり「断交」し、距離を置く、といったことはできませんので、距離を置くならば「徐々に」、そうしなければなりません。
そして、現実の日本が、「徐々に」韓国と距離を置き始めていることを忘れてはなりません。
たとえば、産業・経済面では、『台湾が3番目の貿易相手国に浮上しつつあることの意味』などでも触れたとおり、月次の貿易統計で見る限り、日本にとっての貿易相手国としては、韓国は3番目から「転落」し、韓国の代わりに台湾が3番目に「浮上」することも増えています。
台湾は日本の友人:中国への配慮より「日本の国益」を重視せよ貿易の世界において、「台湾>韓国」という基調は、定着するのでしょうか。本稿では「速報」として、昨日公表された貿易統計のデータをもとに、台湾が日本にとって「第3位の貿易相手国」に浮上しつつある現実と、そしてなぜ日本が台湾の国際社会入を後押しすべきなのか、その概要について報告しておきたいと思います。2021/09/30 12:37追記図表1に示した「貿易額/貿易収支」欄が誤っていましたので修正しております。コメント欄でご指摘くださった伊江太様、大変ありが... 台湾が3番目の貿易相手国に浮上しつつあることの意味 - 新宿会計士の政治経済評論 |
また、金融面では、『韓国家計債務問題深刻化も金融危機の日本波及は限定的』などでも触れてきたとおり、国際与信統計上は、日韓の関係はもともとそれほど深くありませんが、最近、日本にとっての韓国の与信先としての重要性がさらに低下しているのです。
中国はシャドバン連結外し、韓国は家計投機――厄介な隣国たち「中国が『シャドバン連結外し』ならば、韓国は『家計のリスク資産投機』だ」――。何の話なのかといえば、日本の近隣国で徐々に高まる金融危機の足音の話です。本稿では『韓国金融統計で見える「若者がカネ借りて投機する国」』の補足として、韓国の資金循環統計のデータを一部紹介するとともに、あらためて『中国「不動産危機」の本質は「シャドバン連結外し」か』などでも触れた、日本の金融機関の中韓両国に対する与信残高について、考えておきましょう。金融機関借入と住... 韓国家計債務問題深刻化も金融危機の日本波及は限定的 - 新宿会計士の政治経済評論 |
さらに、外交面では『外交青書:基本的価値の共有相手は韓国ではなく台湾だ』でも述べたとおり、日本の外交上、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)、日米豪印クアッド、ASEAN、欧州、台湾などが、「中露韓3ヵ国」という近隣国よりも重視され始めています。
FOIPを最優先にした日本外交が迎えた大きな転換点昨日の『日本政府、外交青書でFOIPから中韓を明らかに除外』で「速報」的に取り上げたとおり、今年の外交青書における最大のポイントは、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の優先順位が中韓よりも上位に来たことではないかと思います。まさに、日本外交にとっての転換点でしょう。外交青書から判明する「日本外交の転機」外務省が27日、『外交青書一覧』のページにおいて、『外交青書・令和3年版(※PDF版/大容量注意)』を公表したとする話題は、昨日の『日本政... 外交青書:基本的価値の共有相手は韓国ではなく台湾だ - 新宿会計士の政治経済評論 |
そして防衛面では、『ついに日韓ハイレベル防衛交流「ゼロ回」に=防衛白書』でも述べたとおり、日本の防衛は露骨にFOIP重視型にシフトしており、その一方、韓国はハイレベル交流実績すら先細りになってしまっているのです。
本稿は、速報です。ついに韓国との「ハイレベル交流実績」が「ゼロ回」になってしまいました。コロナ禍のために対話が停滞しているためなのか、それとも「それ以外の理由」があるのかはさておき、事実として、防衛省が本日公表した『令和3年版防衛白書』によれば、韓国は昨年4月からの1年間で「交流実績ゼロ」だったのです。「竹島」云々より、むしろこちらの方が重要なのかもしれませんね。ハイレベル交流実績以前の『ハイレベル防衛交流面でも大幅に後退していた日韓関係』で、過去数年分の防衛白書を確認したところ、韓国との「... ついに日韓ハイレベル防衛交流「ゼロ回」に=防衛白書 - 新宿会計士の政治経済評論 |
さらには、日本がASEAN諸国などとの通貨スワップ、為替スワップを含めた金融協力を強化し、さらにはコロナワクチン提供などでASEANや台湾への協力を進めていることは、外交上の韓国の相対的な重要性を、着実に落とすことにつながっています。
つまり、現時点においては、日本にとっての韓国は、依然としてそれなりに重要ではありますが、その重要度を下げようとする動きが、徐々にではあるものの、外交、防衛、産業、金融などのさまざまな分野において急激に進んでいる、というわけです。
あと一歩踏み込んでほしい
もっとも、個人的な持論ですが、現在の「日韓テーパリング」の動きについては、もう一歩踏み込んでいただきたいと思います。
たとえば、『新政権の経済安全保障はJG創設と外為法改正で実現を』でも述べたとおり、岸田文雄首相自身が方針として掲げている経済安全保障については、外為法(とくに第10条第1項)の改正や輸出管理の再厳格化が盛り込まれることを期待しています。
JGは「ジャパングループ」のこと、そして「グループS」の創設をわが国の輸出貿易管理に関しては、個人的にはどうにも物足りなさを多々感じます。具体的には、日本が外国に対して輸出制限をかける手段が非常に限られているのです。こうしたなか、岸田政権の発足に伴い、岸田首相が「経済安全保障」に言及したことを機に、ふと思い出したのが、「ジャパングループ(JG)創設」という論点です。これについては昨年9月以来、続報がありませんが、これからどうなるのでしょうか。そして外為法改正は実現するのでしょうか。貿易管理外... 新政権の経済安全保障はJG創設と外為法改正で実現を - 新宿会計士の政治経済評論 |
(※ただし、これは韓国に対する措置というよりは、どちらかというと中国に対する措置、という言い方もできるかもしれませんが…。)
また、韓国は現在、中国、台湾などと並んでTPPへの加入を申請する意向を示しているようですが(『TPP加入、台湾には「歓迎」、中国に無言、韓国は?』等参照)、これについては「約束を守らない国はTPPへの参加を認めない」という方針を貫いてほしいと思います。
申請すれば加入できるというものではないのですが…TPPには現在、中国と台湾が加入申請を提出しており、これに加えて韓国も近日中に「加入するかどうか」を決定することとされているようです。ただ、少なくとも中国と台湾に関していえば、茂木敏充外相は台湾について「歓迎する」と述べたにも関わらず、中国に対してはこの「歓迎する」という表現をしていないようなのです。こうしたなか、韓国政府が大いに勘違いしていることがあるとすれば、TPPには「申請すれば加入できる」というものではない、という点ではないかと思う次第で... TPP加入、台湾には「歓迎」、中国に無言、韓国は? - 新宿会計士の政治経済評論 |
さらには、コロナ禍の影響で日本が外国人の入国を制限しているため、日韓間のヒトの移動も極端に減少していますが、これについてはポストコロナ時代においても、やはり韓国国民に対する短期入国ビザ免除措置の恒久的廃止を期待したいところです(※さすがにこれは無理かもしれませんが…)。
いや、インバウンド観光目標上、韓国国民向けの短期ビザ廃止が無理だとしても、現行は90日まで認められているノービザでの滞在可能期間を、「1年で30日、1回の入国あたり15日まで」、といった具合に厳格化することくらいはできると思います。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
いずれにせよ、2015年の世界遺産登録騒動、日韓慰安婦合意などで韓国に2回も騙された人物が現在の首相を務めているという不安材料はあるにせよ、日本が「近隣国重視型」から「FOIP重視型」に舵を切った以上は、これに逆行する動きは生じ辛いでしょう。
【参考】2015年12月28日に握手する日韓外相
(【出所】外務省)
その意味では、『菅義偉総理大臣の事績集:「日本を変えた384日間」』や『近隣国重視から価値重視へ:菅総理が日本外交を変えた』などでも述べたとおり、菅義偉総理大臣、あるいはその前任の安倍晋三総理大臣は、非常に価値のある仕事をしたのではないでしょうか。
たかが384日、されど384日。この384日には、日本の歴史を変えるほどのインパクトをもたらしました。今月4日で辞任(内閣総辞職)した菅義偉総理大臣の個人ブログサイトが更新されていたのですが、菅内閣の1年間の「功績」が24個ほど列挙されており、これが圧巻というほかありません。そんな有能な宰相を辞めさせた私たち日本国民に、反省点はないのでしょうか。東京オリパラを強行したスガは辞めろ!今年7~8月頃がピークでしたでしょうか、世間では、菅義偉内閣に対する批判が殺到し、各メディアの調査による内閣支持率も、昨年9... 菅義偉総理大臣の事績集:「日本を変えた384日間」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
日本時間の土曜日早朝、菅義偉総理は訪問先の米国で史上初の対面での日米豪印首脳会談に臨みました(厳密には、今年3月のテレビ会議を含めれば、首脳会談としては2回目ですが…)。少しインドのトーンが弱いというのは気になるところではありますが、ただ、今後は「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)が日本外交における基軸となることは間違いありません。まさに菅政権の最後の仕上げ、というわけです。クアッドではなくFOIPが重要先日の『日本外交は「クアッド+台湾」>「中露朝韓」の時代へ』では、「最後の最後まで仕... 近隣国重視から価値重視へ:菅総理が日本外交を変えた - 新宿会計士の政治経済評論 |
岸田首相におかれても、ぜひ、価値外交と経済安全保障をより一層推進していただきたいと思う次第です。
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ノービザ対象そのものからK国(C国も)を外すのが良いと思います。
ついでに、在K日本大使館や公使館からビザ発給業務を無くして欲しいです。
(ビザ申請は在C日本大使館か日本本国で受付。必要書類は全て郵送にしてメールは禁止で。)
他にもK国への投資優遇措置や、金利優遇措置もあるので外して欲しいですね。
(K国からの投資もお断りした方が良いと思います。だって、就職を騙ってヘル○リアから逃げ出す口実になりかねないので。自国が厳しい時に改善しようともせず逃げ出す人を受入れては駄目です。ルール、約束、合意、条約、国際法を守る教育を受けていない人が大挙して押し寄せてこられては迷惑どころか日本の治安悪化の要因になりかねません。)
上記をやったら、K国が烈火の如く怒って「相互主義」だーとか言って同じことをやらかすのでしょうが、それは自分で自分の首を締めることになる可能性が高いと思います。
会計士様の案ではまだ甘いように思います。
ビザに関して言えば,何よりも優先すべきは日本に新たな韓国人が定住するパスを止めて,これ以上は日本に韓国人が定住して来れないようにすることです.
具体的に言えば,ソウル大を出ても半分も就職できないと言われるほど就職難の韓国の若者が日本に職を求めて来日したりしないように,今まで労働ビザの発給を受けていない韓国人に対して新たな労働ビザを発給することを停止することが焦眉の急です.
日本に存在している就職口は日本の若者のためにあるのですから.
迷王星 様
仰る通りですね。
韓国人を使いたければ、その企業は韓国に出てゆくべきです。
併せて、日本語留学生、技能実習生の取り扱い及び受け入れ責任校・企業に対する監督の厳格化もすべきと思います。 日本の給料が上がらない理由の一つに、これ等の外国人労働者の存在があるし、劣悪な環境で搾取する不届きものの存在は日本の立場を貶めるものだと政府及び自民党は肝に銘じてほしい。
賛成ですね。
「被害者」から具体のゴールポストをお示しいただかないと、まったく話になりませんな。
過去に双方の話し合いでゴールポストを明確に定めたはずなのです。
今問題になっているのは
そのゴールポストを何度話し合いで再設定しても韓国が一方的に動かし続けるので
もはや あらゆる決め事が出来なくなっているのが現状です
盧武鉉に始まり李明博から続く華々しい反日外交の歴史ですね。保守に期待する日本のマスコミの
見通しの甘さが際立って見えます。
反日は韓国人にとってなくては欠かせないライフワークのよう。近年では韓流文化の広がりと国力の伸張で従来の卑屈な立場から解放されのびのびと気兼ね無く反日に勤しんでるように見えます。衣食足りて反日を知った様です。
外務省や官邸にとって対韓外交は多大なエネルギーと外交リソースを消費する無駄なものでありますが筋肉もストレスを与えないと鍛えられませんから交渉力を磨くいい機会かもしれません(決して望ましいと言えないものの)
日米台連携とFOIP、TPPによる経済圏の分離デカップリング、いきなり切り離すと韓国が癇癪を起こしてブチ切れますので、徐々に真綿で首を絞めるように先細っていく。より漸減的なテーパリングは韓国が約束を守らない国である限り理想的な政策であると思います。
お疲れ様です。
日産の社長のインタビューをヤフーで見ました。
尊敬、透明性、信頼を大切にされているそうでございます。
途中入社にもかかわらず、韓国での活躍で日産に多大な利益をもたらし、日産を赤字から黒字に変える大きな役割をはたされました。
他の日本の会社も、会社として不可欠だとおもいます信頼と利益とが、韓国との会社にもあると思っています。
そこへ犯罪者予備軍ともいえる政治家が、因縁をつけてきました。ある意味、日本の会社が韓国の裁判所に訴えるのは、日本の社会の常識から言って一番社会をうまくまとめる最善の方法だと思います。
しかし韓国の裁判所もというより韓国人ほぼ全てが、ファンドビルダーさんのいう法律よりデモ法、デモ法より反日無罪法が韓国の最高法規であるそうなのでうまくいかないようです。
日本政府は、日本の企業になるべくダメージのないような対抗措置を考えていると思いまが、多大な利益を上げた日産は韓国から撤退というニュースも聞きました。
一番いいのは、企業の韓国からのテーパリングだと思います。
呉善花さんの「反日は終わらない。」というのがなんとなくわかるようになりました。
朝鮮通信時節の「日本は、発展していて気にいらない。」
と同じなのだと思います。
理屈抜きに起き上がる感情、なのだと思います。
そんな人とは普通関わりを、まず避けます。
そんな人が話かけてくる時は、利用しよう、騙そうという時だけです。
私はそう思います。
韓国において売春婦が最高尊厳となった以上、誰が大統領になっても一緒でしょう。事実、尹錫悦氏も売春婦に「日本に謝罪させる」と挨拶に行っています。
ビザは復活させて欲しいですね。
これは、「出入国管理及び難民認定法」第五条の2(二ではなく、第六条の直前の行)「法務大臣は、本邦に上陸しようとする外国人が前項各号のいずれにも該当しない場合でも、その者の国籍又は市民権の属する国が同項各号以外の事由により日本人の上陸を拒否するときは、同一の事由により当該外国人の上陸を拒否することができる。」を適用できるかもしれません。
日本が防疫を理由として韓国人の入国を制限したとき、韓国は報復措置として日本人の入国を制限したからです。報復措置を解除したという話は聞いていません。これを適用し、韓国が報復措置を続けていたのと同じ期間(これは難しいかもしれません)同項を適用すれば、韓国側が先に入国を許可することは事実上できず、理想の展開になりそうな気がします。
また、 第五条の四「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、一年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者。」を適用すれば、サムスンの御曹司は不許可ですね。
他にも、第五条の三「貧困者、放浪者等で生活上国又は地方公共団体の負担となるおそれのある者」も最大限に活用して欲しいものです。
更に、全ての外国人を平等に扱うという観点から、特別在留許可という区分をなくして一般の在留許可に一本化すべきでしょう。
その前に、特別在留許可も厳格運用して3世以後は追放すべきです。2世までは自然減で。
さすがに、三世でも四世でも、両親共に外国人でも
日本で生まれた人には居住許可出さないといけないのでは
親か本人が犯罪者でない限り(国外退去案件の犯罪には当然密入国も含まれる)
バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より: 様
横から失礼。
イーシャ 様が仰っているのは”永住権”のことだと思いますよ。
農家の三男坊様
横のさらに横から失礼します。
日本の制度に「永住権」はないと理解しています。
あくまでも「永住許可」であって、決して「権利」ではないと思っております。
ひのえうま 様
永住許可を得て⇒永住する権利(永住権)が発生する
と理解しています。
農家の三男坊様
「権利(right)」としてしまうと、あらぬ誤解をする輩が出かねませんので、「許可された(permitted)」とはきちんと区別すべきだと思います。
「我々は永住権を持っているにもかかわらず、選挙で投票することができないというのは差別だ!」と叫びだす輩もいます。「永住許可」とは、「無期限の在留許可」でしかありません。例えば、7日間有効の観光ビザで外国を訪問した際に、たとえ現地で選挙があろうと、もちろん投票なんかできないのと同様の扱いです。
「無期限の在留許可」であれば、いつでも取り消しが可能ですが、一度発生してしまった「権利」を取り消すのはかなり面倒です。
ひのえうま 様、龍 様の見解が正しいと思います。
許可されただけで権利だと思い込む/言い張る連中に惑わされないよう、両者は厳密に区別する必要があります。
ひのえうま 様、龍 様、イーシャ 様
詳細に調べたわけではありませんが、日本の法令上は、「永住権」の記載はなく 「永住許可」 であるということは分かりました。
ただ、ネット上の記述では永住許可と永住権を実態としては同一のものと扱うものが多いのですが、法令の専門家の方の意見を伺ってみたいものです。
例えば
許可 =(許可条件に基づく)権利付与
と言う考え方が妥当かどうか
>「徴用工解決は日本の謝罪が前提」
これは、日韓関係の継続は、日本の謝罪が前提になるという話です。
日韓両国国民の過半数が、相手国に親しみを感じない状況で、両国共に譲歩しない。関係が希薄化して困る方が、譲歩するのが当たり前で、困らない方は譲歩する必要が無いと両国民共に考えています。
「韓国に譲歩せよ」という力学が働く可能性については、「韓国は国際法違反」という外相談話が有り、自民党政権が続く限りは、変化が無いでしょう。
韓国大統領が左右どちらになるにせよ、日韓関係の流れは変わらず、日本政府にとっての韓国の優先順位が下がって行くことになるでしょう。
一応朝日新聞の社説ですが、韓国がアメリカの同盟だから仲良くしないといけないという、現実的でない論理です。
(社説)衆院選 対南北朝鮮 再起動へ政治が動け
https://www.asahi.com/sp/articles/DA3S15086136.html?iref=sp_rensai_long_16_article
韓国が中朝の傀儡政権だとすると、北朝鮮が脅威を増す事で、日本が韓国に譲歩の余地を広げなければならないという、中朝の思う壺になる話です。
変動要因としてあるのは、台湾情勢だと思います。
また、表面上はともかくロシアは中国と組む(日本の敵側)になると思います。
韓国に対する一番効果的な方法は、在日や不法入国者に対して、現行法を厳格適用する事です。
犯罪の程度によらず、取り締まりを強化すれば弱体化するのは、暴力団で立証されています。
日本では、儲からないとなれば自主的に出て行く事もあるでしょう。
韓国民の多数の意識が、「日本が(基本的に)譲るべき」と考えている限り、たとえ保守派が政権を奪回しても、日韓関係の本格的な回復はありえません。なぜ韓国民の多数がそう考えるのか、については①植民地にされた屈辱②隣国へのライバル意識③韓国特有の”恨”文化④資金源としてのお代わり要求⑤小中華意識⑥韓国特有の”甲乙関係”というマウント取りなど、いろいろ言われますが、定説はありません。その時々で表面上の理由付けは変わります(例えば、慰安婦は日韓基本協定後に判明した問題といいながら、徴用工は個人の請求権は消滅していない等)。日本の取るべき対応は①条約、国家間の合意、国際法を守れの一貫した立場の貫徹(解釈の違いでは断じてない)②事務当局は良いが、首脳会談は行わない③日米韓の枠組みは崩さない④FOIP、クアッド、TTPなど韓国抜きでの国際関係の構築、です。併せて、国内にまだ残る一部”進歩派”と称される人々及びそのシンパへの広報・説得努力でしょう。そのなかでやってはいけないことの一つが、”謝罪”です。日本人同士では「とりあえず謝っておく」ということが、処世術としてはとても有効なことが多いですが、韓国に対しては愚策の極みとなります。双方が譲らず、国際関係では有効な司法機能もないので、結果として疎遠になり(テーパリング)、日本の国益に多少の悪影響が出るかもしれませんが、やむをえません。韓国が本当にレッドチーム入りしそうなときはまた別ですが、そんな度胸はないと考えます。
「近い国とは仲良くすべきだ」、「日本が大人の対応をし譲歩すべきだ」、「保守系政治家など、韓国から親日大統領が出てくる」と、定番のバリューセットですからね。日本のマスコミも「最悪の日韓関係」とうるさいですね、鈴置氏のように「韓国の特殊性」とズバリ言ってくれないと議論が先に進みません。
骨の髄まで儒教の朱子学に染まっている韓国に、「対等の関係」という概念がありません。ニセ慰安婦、ニセ徴用工問題が問題ではないのです。「最初から約束を守るつもりがない」ことが問題なのです。つまりこれ以上、外交の工夫をしても無駄ということです。その失敗の典型例が「慰安婦合意」です。アメリカを法の第3者として仲介を頼んでも、約束を破る。もう、これ以上日本が譲歩することもないし、約束が破られるので話すこともないということです。
安倍政権は「慰安婦合意」以外は韓国に対して外交的「無視」をしました。これが最良の外交的選択です。代位弁済とか、彼らの妄言に惑わされてはなりません。約束は必ず破られるからです。
親韓の人たちは、約束が破られることに何か快感を覚えているんでしょうか?
会計士様の論に 大筋同意です。
特に、今の政府の対応では、丁寧な無視をするための”時間を味方につける策が不足”していると感じます。
毎度の話ですが
>このうち(A)が期待できないという点については、ほぼ間違いないといえます。
であったとしても、マナーを身に着けない犬、猫を躾けるのと同様に、粗相をしたら即座に鞭(命令を素直に聞いたらアメ)の対応が必要と思います。
粗相をしたのに欲しがっているからとアメをやると、今の韓国の様な出来損ないになってしまうのは良く有る話です。
”時間を味方につける策”として”鞭”だけでは不足でした。
”お預け”も同時に必要ですね。
ノービザの廃止、”輸出規制”、”送金規制”がこれに当たりますね。
韓国の「謝罪しろ、賠償しろ」は「謝罪し続けろ、賠償し続けろ」な訳ですが、謝罪している間、賠償し続けている間は反省していると見做す価値観は、古代ローマなどが敗戦国との間に結ぶ条約で賠償金の年割賦払いを望んだのとダブります。
ただ、今の韓国は無期限で青天井なのを希望している訳で、だったら1965年にしろ2015年にしろ、一括払いではなく割賦払いを強く求めるべきでしたね。
で、日本が約束の分をきっちり渡した以上、韓国側がそれ以上を望むならば、戦争を起こして日本を打ち負かすしか更なる謝罪と賠償を得る手段は無いと考えます。