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一帯一路との連携もないAIIB、「コロナ特需」一巡

【悲報】日本が乗り遅れたバス、エンストで日本が運転するバスに牽引してもらう

当ウェブサイトで「定点観測」的に分析しているのが、中国が主導する国際開発銀行「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」の財務諸表です。そもそも中国が鳴り物入りで始めたはずの「一帯一路」との連携もろくに機能していないようで、最新のAIIBの決算書を入手して確認したところ、「コロナ特需」も落ち着き、再びもとの「鳴かず飛ばず」状態に戻りつつあるようです。

インフラ金融は日本の得意分野

国際開発銀行とは?

俗に「国際開発銀行」とは、途上国のインフラ金融などを目的に設立される国際的な機関のことであり、そのなかでもとくに有名なのが、米国が主導する世界銀行(世銀)でしょう。ちなみに世銀といえば国際通貨基金(IMF)と非常に密接な関係を持っており、毎年、合同で年次総会を開いています。

一方、アジアにおける国際開発銀行の筆頭格といえば、日米が主体となって設立したアジア開発銀行(ADB)でしょう。ほかにも旧東欧・旧ソ連諸国を支援する欧州復興開発銀行(EBRD)、アフリカ諸国を支援するアフリカ開発銀行(AfDB)などがあります。

これらの国際開発銀行、世界には比較的たくさん存在しているのですが、著者自身の理解に基づけば、「銀行」と名乗ってはいますが、三菱UFJ銀行だの、みずほ銀行だのといった普通の民間銀行は、本質的な違いがあります。

それは、「金融支援・技術支援・知的貢献を通じて途上国の貧困削減や持続的な経済・社会的発展を総合的に支援する」(※財務省『国際開発金融機関(MDBs)~世界銀行、アジア開発銀行等~』等参照)という、非常に公的な役割を担っていることです。

つまり、一般に国際開発銀行は、出資国が主導権を持ち、単なる「カネの支援」に留まらない、途上国などに対する総合的な支援を行うための組織である、といえます。

ADBの事例:オールジャパンでの取り組み

ADBを例に説明しましょう。

日本は米国と並んでADBの筆頭出資国ですが、ADBは外務省や国際協力機構(JICA)、株式会社国際協力銀行(JBIC)などとも連携し、さまざまな途上国支援を実施しています(日本政府のいわゆるODA予算ともかかわりを持っています)。

当然、インフラ金融ですので、「モノづくり大国」である日本が得意とする道路、鉄道、ダム、港湾、発電所といった分野とも密接なつながりがあります。つまり、途上国支援金融の世界では、日本は一日の長を持っているのです。

そして、日本からの支援は、単におカネだけのものではありません。

作ったインフラの整備、有効活用のノウハウなどの提供を通じ、現地の人たちの暮らしぶりの向上にも深く寄与しているのです。

アジアで好かれる日本

実際、アジア諸国で世論調査を実施すると、中国、北朝鮮、韓国を除くほとんどの国で「最も好きな国」ないし「最も印象の良い国」に日本の名前が挙がります。

たとえば外務省が調査会社に委託して実施し、2017年11月1日付で公表した『ASEAN10か国における対日世論調査』などを見ても、ASEAN10ヵ国の日本に対する評価が極めて高いことがわかるでしょう(図表1)。

図表1 対日世論調査結果(※クリックで拡大)

(【出所】外務省ウェブサイト・2017年11月1日付『ASEAN10か国における対日世論調査』)

アジア諸国で日本が深く信頼されている理由にはさまざまなものが考えられますが、やはり、あくまでも著者私見に基づけば、日本が関わる融資には透明性が高く、「おカネを山ほど貸して返せない状態に追い込んでインフラを取り上げる」という悪どいことをやらないという安心感もあるのではないでしょうか。

もちろん、そういうことをやっている国が地球上には存在する、ということです。

先進国が途上国支援枠を拡大するわけ

こうしうたなか、昨日までに公表された、英国・コーンウォールでのG7サミットでの共同声明(コミュニケ)には、こんな一文が含まれていました。

Strengthen our partnerships with others around the world. We will develop a new partnership to build back better for the world, through a step change in our approach to investment for infrastructure, including through an initiative for clean and green growth. We are resolved to deepen our current partnership to a new deal with Africa, including by magnifying support from the International Monetary Fund for countries most in need to support our aim to reach a total global ambition of $100 billion. (【出所】英国G7『コミュニケ』P」2)

アフリカなどの開発途上国を念頭に、国際通貨基金(IMF)からの支援拡大を含め、総額1000億ドルという支援を達成する、という「野心」です。

G7が途上国支援に言及するのは、これだけではありません。G7財相会合は昨年6月、『債務の透明性及び持続可能性に関するG7財務大臣声明』という声明を出しました。

これも、途上国が借金を返せなくなるような事態に陥りそうになったとしても、それによって相手国をコントロールするなよ、というニュアンスのものです。

AIIBという闇

中国が主導する国際開発銀行

では、これらのG7などのメッセージは、いったい誰を念頭に置いたものでしょうか。

当ウェブサイトではこれまでしばしば報告してきたとおり、国際開発銀行のなかでも、とくに中国が主導している「アジアインフラ投資銀行」(Asian Infrastructure Investment Bnak)という組織があります。

このAIIB、むかしどなたかが「アジアインチキ・イカサマ銀行」などと揶揄していましたが、結論的にいえば、べつに「インチキ」でも「イカサマ」でもありません。

そこまで叩かれるほど、融資自体が伸びていないからです。

ここでは、AIIBのウェブサイトをもとに、基本的な事実関係を整理しておきましょう。

まず、AIIBが発足したのは2015年12月のことであり、それから5年半の歳月が流れました。加盟国と出資(約束額)は順調に伸びており、今年3月30日にアルゼンチンが参加したことで、現在のメンバー国は、じつに86ヵ国、というわけです(図表2)。

図表2 AIIBの出資額と参加国数の推移

(【出所】AIIB “Members and Prospective Members of the Bank” のページを参考に著者作成)

AIIBとは、その名のとおり、「アジアの」インフラ金融を目指す金融機関ですが、これに86ヵ国が参加しているといえば、少し多すぎる気がしますね。

地域大国+欧州の3大国などが出資

ではなぜ、AIIBの加盟国はこんなに多いのでしょうか。

その理由は簡単で、「リージョナル(R)」、つまりアジアの国々と、「ノンリージョナル(NR)」、つまりアジア域外の国が、ともにこのAIIBに参加しているからです。

この86ヵ国のうち、昨日時点における出資約束額上位10ヵ国とその約束額、出資割合、議決権割合を一覧にしたものが、次の図表3です。

図表3 AIIBの主要参加国(出資約束額上位10ヵ国)
出資約束額 出資割合/議決権割合
1位:中国 297.80億ドル 30.78%/26.57%
2位:インド 83.67億ドル 8.65%/7.60%
3位:ロシア 65.36億ドル 6.76%/5.98%
4位:ドイツ 44.84億ドル 4.63%/4.16%
5位:韓国 37.39億ドル 3.86%/3.50%
6位:豪州 36.91億ドル 3.81%/3.46%
7位:フランス 33.76億ドル 3.49%/3.18%
8位:インドネシア 33.61億ドル 3.47%/3.17%
9位:英国 30.55億ドル 3.16%/2.90%
10位:トルコ 26.10億ドル 2.70%/2.50%
その他 277.61億ドル 28.69%/36.97%
合計 967.60億ドル 100.00%/100.00%

(【出所】AIIB “Members and Prospective Members of the Bank” のページを参考に著者作成)

拒否権は中国にあり、そして日米は絶賛、バスに乗り遅れ中

図表3において、出資額と議決権割合が異なっている理由は、AIIBにおいて議決権がきれいに出資額と比例していないためです。ただし、最上位出資国である中国が議決権でも25%以上を占めていることが確認できるでしょう。

実際、AIIBが公表する “Legal Year Book 2018” 【※英語、PDF版】の56ページ目によると、議決権の4分の1(25%)で拒否権が発生すると記載されているため、AIIBは中国が単独で拒否権を持っており、多国間の組織といいながらも、中国の影響力が大変強い組織です。

さて、この図表3、しげしげ眺めていて気付くことがあるのですが、それは何でしょうか。

そう、アジアにおけるインフラ金融の世界で一日以上の長を持つ、日本と米国が、どちらもこのAIIBに参加していないことなのです。

中国以外の上位出資国は、2位のインド、3位のロシア、5位の韓国、6位の豪州、8位のインドネシア、10位のトルコなど、アジアの地域大国・中堅国などが中心ですが、ほかにも4位のドイツ、7位のフランス、9位の英国など、欧州諸国もこれに噛んでいます。

それなのに、なぜか日本と米国は、2015年のAIIB発足以来、頑なにこのAIIBからは距離を置いている、というわけです。

いわば、日本は米国と並んで、「AIIB」という「バス」に乗り遅れてしまった、というわけですね。

AIIBの現状

AIIBの融資額は急激に増えているが…

現在、AIIBは2021年3月までの四半期財務諸表(単体・未監査ベース)を公表しています。

まず確認しておきたいのは、AIIBの融資実績です。

当ウェブサイトでは普段から、AIIBの財務諸表に記載されている「時価評価されていない金銭債権・債券」(それぞれ原文では “Loan investments, at amortized cost” と “Bond investments, at amortized cost” と表記)の金額を「融資実行額」と仮置きしています。

その最新状況を、前四半期(2020年12月末時点)、前年同期(2020年3月末時点)とそれぞれ比べたものが、図表4図表5です。

図表4 AIIBの「融資実行額」(2021年3月末時点と20年3月末時点の比較)
項目 2021年3月 2020年3月との比較
本業の融資と思しき金額(①+②) 99.3億ドル +70.8億ドル(+247.95%)
うち償却原価法適用貸出(①) 94.1億ドル +70.2億ドル(+294.43%)
うち償却原価法適用債券(②) 4.9億ドル +0.2億ドル(+4.54%)

(【出所】AIIB財務諸表 “Loan investments, at amortized cost” と “Bond investments, at amortized cost” の合計額より著者作成)

図表5 AIIBの「融資実行額」(2021年3月末時点と20年12月末時点の比較)
項目 2021年3月 2020年12月との比較
本業の融資と思しき金額(①+②) 99.3億ドル +11.6億ドル(+13.22%)
うち償却原価法適用貸出(①) 94.1億ドル +11.3億ドル(+13.66%)
うち償却原価法適用債券(②) 4.9億ドル +0.2億ドル(+4.62%)

(【出所】AIIB財務諸表 “Loan investments, at amortized cost” と “Bond investments, at amortized cost” の合計額より著者作成)

いかがでしょうか。

2021年3月期を前年同期と比べると、融資額は247%(!)も増えています。わかりやすくいえば1年で3.5倍に膨らんだ、というわけですね。ただし、3ヵ月前の2020年12月時点と比べると、伸び率は13.22%にまで鈍化しています。

伸びたのは2020年に限られている?

これを、グラフ化しておきましょう(図表6)。

図表6 AIIBの出資約束額(A)と融資実行額(B)、B÷Aの比率

(【出所】AIIB財務諸表等を参考に著者作成)

これも、なかなか興味深いグラフです。

AIIBの出資額(A)については、たしかに設立直後に大きく増え、現時点では1000億ドルに達しようとしている状況なのですが、肝心の融資額(B)については、やっと100億ドルに達しようかというくらいのレベルに過ぎません。

そして、(A)と(B)の比率が急激に伸びたのは、2020年に入ってからのことです。それまではずっと、(B)÷(A)の比率は、数パーセントにすぎませんでした。

プロジェクト承認数は徐々に積み上がってきたが…

ではなぜ、この1年ほどで急激に融資が伸びたのでしょうか。

そのヒントが、プロジェクトの詳細分析にあります。

プロジェクト一覧のページから、プロジェクトの承認件数と承認金額を集計し、一覧にしたものが、次の図表7です。

図表7 AIIBのプロジェクト承認状況(2021年6月14日時点)
承認件数 承認金額
2016 8件 16.9億ドル
2017 15件 25.0億ドル
2018 12件 33.0億ドル
2019 28件 45.5億ドル
2020 45件 99.8億ドル
2021 19件 30.0億ドル
合計 127件 250.3億ドル

(【出所】AIIBの “Our Projects” を著者が集計)

いかがでしょうか。

図表7の金額はプロジェクトの「承認金額」であり、あくまでも「最終的にいくらまでなら出せるか」という目安に過ぎません。これに対し先ほどの図表4、図表5は財務諸表上の融資実行金額ですので、両者の金額は一致しません。

それにしても2015年に発足して以来、AIIBの融資承認金額は、毎年数十億ドル台だったのですが、これが2020年になり、いきなり45件、金額にして100億ドル近い承認が一気になされているのです。

果たして2020年に何があったのでしょうか。

結局は「コロナ特需」

結論的にいえば、この融資の激増は、コロナによる影響です。案件名称に “COVID-19” が含まれているものだけを「コロナ関連」とみなしてカウントすると、2020年は21件・62.1億ドル、2021年は11.5億ドル・6件に達しているのです(図表8)。

図表8 AIIBのプロジェクト承認状況(2021年6月14日時点※コロナ関連のみ)
承認件数 承認金額
2016 0件
2017 0件
2018 0件
2019 0件
2020 21件 62.1億ドル
2021 6件 11.5億ドル
合計 27件 73.6億ドル

(【出所】AIIBの “Our Projects” を著者が集計)

したがって、図表7について、「コロナ」を抜いて再集計したら、図表9のとおり、プロジェクト承認件数・金額は全然伸びておらず、むしろ2020年には2019年と比べて融資額が落ち込んでいることがわかります(図表9)。

図表9 AIIBのプロジェクト承認状況(2021年6月14日時点※コロナ関連を除外)
承認件数 承認金額
2016 8件 16.9億ドル
2017 15件 25.0億ドル
2018 12件 33.0億ドル
2019 28件 45.5億ドル
2020 24件 37.7億ドル
2021 13件 18.5億ドル
合計 100件 176.7億ドル

(【出所】図表7から図表8を控除して算出)

AIIBはたしか「インフラ投資」のための銀行だったはずなのに、現実にはコロナ関連融資で大いに儲けている、というわけですね。

実態のない一帯一路

さて、「AIIB」といえば、真っ先に思い出すのが、中国が主導する「一帯一路」構想です。

英語の “Belt and Road Initiative” を略して「BRI」などと呼ばれることもあるようです。

ただ、この一帯一路とAIIBの関係、調べてもなんだかよくわかりません。

過去からの報道などを辿っていくと、「一帯一路」は「陸や海を使ってアジアと欧州を結びましょう」、という構想であり、AIIBはその一帯一路にファイナンスするための仕組み、という狙いがあったようなのですが、これについてはいくら調べてもよくわかりません。

というよりも、『一帯一路・日韓トンネル・鉄道共同体構想は「与太話」』などでも報告したとおり、「一帯一路」自体、どうも中国共産党、もっといえば習近平(しゅう・きんぺい)国家主席のその場の思い付きによるものと思わざるを得ず、実際、具体的な計画が何もないのです。

あらためて、一帯一路の構想を眺めてみると、その非現実さがわかります(図表10)。

図表10 一帯一路(※クリックで拡大)

(【出所】中国政府ウェブサイト)

このルート、少なくとも「最短距離」ではありません。なぜなら、「地球は丸い」からです。

欧州とアジアを最短距離で結ぶのならば、通常、シベリアを通るはずですが、このルート、寄り道しまくっています。また、これらのルートを具体的にどう結ぶのか(高速鉄道を建設するのか、高速道路網を作るのか、など)についても、言及したものがまったく見つからないのです。

そして、AIIBのプロジェクト一覧を眺めてみても、せっかく集めた1000億ドルという資金を、「中国の規格で、中国の企業が主体となって」道路や鉄道、港湾に投じる、という計画性は、まったく見当たらないのです。

現時点においてAIIBのウェブサイトで確認できる178件・総額250.3億ドルのプロジェクトを眺めてみても、「中国の西安から東欧まで至る」という、例の一帯一路構想に沿ったインフラ建設プロジェクトに投じられていると思しきものは、ほとんどありません。

本当に不思議ですね。

いずれにせよ、油断は禁物ではあるにせよ、現時点においてAIIBが融資している案件は、ADBや世銀との「協調融資」(平たく言えば「おこぼれ」)がほとんどです。おそらく、AIIBにはインフラ投融資ノウハウがないからでしょう。

というよりも、AIIBの融資総額はコロナ禍の影響で多少伸びたものの、その「コロナ特需」は一服し、しかも「一帯一路関連プロジェクト」などに対する与信はほとんどなく、また、当初期待されていた人民元建ての融資というものも実行されている形跡はありません。

ちなみに融資の中身も現時点で承認された178件については少なくともすべてドル建てであり、また、現在検討中の案件に3つほどユーロ建てのものが含まれていますが、少なくとも「人民元建て」のものはありません。

というよりも、『数字で読む「人民元の国際化は2015年で止まった」』でも説明したとおり、人民元の国際化自体、事実上、2015年で頓挫してしまいました。

あとは、『「デジタル人民元」は国際犯罪の温床となるのが関の山』でも述べたとおり、個人的には中国人民銀行が鳴り物入りで進めているデジタル人民元についても、正直、懐疑的です。肝心の資本規制を撤廃しないと、通貨の使い勝手は上昇しないからです。

いずれにせよ、結局のところ、日本や米国が「乗り遅れた」(あるいは敢えて「乗らなかった」)バスは、出発したものの、その直後にエンストし、日本が運転する「ADBバス」に代わりに牽引してもらっているような状態だと考えるのが、いちばんわかりやすいのかもしれませんね。

新宿会計士:

View Comments (14)

  • いつも知的好奇心を刺激する記事の配信ありがとうございます。

    管理人様>一帯一路の構想を眺めてみると、その非現実さがわかります。

    そうでしょうか?
    一帯一路のエリアの中には赤道があり、その上空には静止軌道が存在します。

    一帯一路とは来るべき宇宙空間の軍事利用に備えて要所を事前に確保する。

    この観点で見ると秀逸な戦略と当方は評価していますが(笑)。

    以上です。駄文失礼しました。

    • 軌道エレベータを作るなら赤道上が都合がいいと思います。
      きっとそういう深謀遠慮があるのでしょう。

  • ADBという日本が深く関わる国際融資銀行には、透明性が高く、「おカネを山ほど貸して返せない状態に追い込んでインフラを取り上げる」という悪どいことは無い。

    なれほど〜一昨年まで中国の悪企み、AIIBは泣かず飛ばずだったけど、コロナ禍でやっと100億ドル弱の融資実績ですか。乗らずに良かった!行き先不明の幽霊バス(水木しげる氏の漫画だね)。自分以外乗ってないはずなのに床が濡れてる。途中乗って来るのは北、韓、露、独、、、運転手もオバケシナ人(笑)。

    乗らずに良かった〜日本、米国。

  • 2020のコロナ特需にしても、ADBとの協調融資によりやっとこさ実現したもの。
    常識で考えれば銀行(ADB)に先駆けて高利貸し(AIIB)の門を叩く人はいません。

  • AIIBがAsia Introducing Invasion Bankの略であることがバレたせいではないでしょうか。
    参加している欧州各国のほとんどは、かつての植民地大国ですし。

  • 確かに、現状では一帯一路構想は目標を達成していないように見えますが、将来的にはどうでしょうか?

    今回のG7サミットにおける対中姿勢は、人権という点では一致しましたが、経済的な面では日米&英国連邦の国々と、EUとの間の溝が明確になったような気がします。
    軍事に関しては、人権側に引きずられるのか、経済側に引きずられるのか、微妙な状況なのではないでしょうか?

    現状、世界の大国グループを経済的な結びつき(潜在的志向)で位置づけると以下のようになると感じます、当然主観ですが。。
    なお()は準大国です。

    1.アメリカグループ 日本、英国、カナダ、(豪州)
    2、中国グループ ドイツ、イタリア、ロシア、(韓国)
    3.中立(迷い)グループ フランス、インド

    明らかに、大陸諸国が一帯一路への潜在的協賛国のように思えますが。。

    今後キーとなるのは、東南アジア諸国とイスラム諸国でしょう。
    イスラエルの関係で、イスラム諸国がアメリカ側につくことはありえないでしょうが、東南アジア諸国は微妙です。

  • 一帯一路の範囲はかなり曖昧なようです。

    > その名と違って、実際にはシルクロード経済ベルトには新ユーラシア・ランドブリッジとよばれるロシアを経由するルート、中国から陸路で東南アジアを経由してパキスタンへ至るルート、中国から海路でインドシナ半島へ至るルートなど複数のルートが構想されているのだという。

    > つまり、一帯一路は、全体では複数の「経済回廊」から構成される複雑かつ多元的なプログラムなのである。

    https://www.sbbit.jp/article/cont1/34934

    日本の釧路も、一帯一路の名のもとに中国資本が相当に投下されていると聞きます。

    要は中国が影響圏に組み入れたい地域は全て一帯一路に含まれるということでしょう。

    ところで、数字を用いたファイナンシャル分析、流石です。やはりこういう分析がこちらのブログの真骨頂なのだと実感しています。(他のコンテンツも楽しいですが)

  • AIIB の「利点」は、怪しいプロジェクトにでも投資してくれることでしょう。
    キックバックが欲しい途上国の腐敗層には、透明性が求められる ADB よりもよほど魅力的でしょう。
    負債を返せず、港湾などを中国に取られることになっても、そういった腐敗層は痛みを感じないのではないでしょうか。
    世界の多くの国は、きれいな民主主義国家ではなく、腐敗した途上国ですから、今後は AIIB が投資を増やすポテンシャルはありますね。(投資銀行としてのスタッフすらまだ揃ってないとは聞きますが)

    • 元々の中国の思惑は、日米、特にお人好しの日本から金とノウハウを引き出し、恩着せがましく各国にバラ撒くことであったと思われます。ところが、豈図らんや、日本もアメリカも全く乗ってきてはくれませんでした。この時点で、中国の思惑は破綻したものと思われます。見苦しいまでに、日本の参加を求めてましたけどね。
      当時、パンダハガーやお花畑の人々が、なぜAIIBに参加しないんだ、参加しないのは未来を見据えない愚策だ、バスの乗り遅れるな、などと大騒ぎしていましたが、安倍前総理も麻生副総理も一顧だにしませんでした。正しい判断だったと思います。

      • はい、中国の策動に乗らずによく不参加で耐えきりました。民主党政権の時だったら危なかった。
        AIIB が今の所不振なのは、日米が参加しなかったことが主因なのは間違いないですね。
        一方、中国と現加盟国だけでもそれなりの資金力がありますから、ADB が相手にしない腐敗プロジェクトは取られていく可能性は高いですね。

    • 貸した金は、帰ってこない前提ですね。
      港湾などを中国に取られても、政変で取り返す予定かも?

      • そのとおりです。中国も貸した金は帰ってくるとは思っていない、その分、インフラを差し押さえるし、鉱山や地下資源、領土の一部まで差し押さえるかもしれないので、十分もとはとれます。
        そもそも、貸した金も他国からの融資で薄まってるし。

        政変リスクはありますね。為政者が変わると約束を反故にされること、十分にありえますね。ただ、その時は人民解放軍が進出する口実にするかもしれません。

  • 別スレッドに「G7の途上国支援は現代のマーシャルプランなのか」という趣旨の書き込みをしましたが、さっそく興味深い資料を提示いただき、うれしく思います。

    AIIBの融資実績ですが、一般の商業銀行ではありませんから、出番がなければ活動は低調で、あれば伸びる、それで良いのだろうと思います。わが国とすれば、アジア開発銀行を主宰しているのですから、資金体力、人的リソース、などなどAIIBに協力するゆとりはないでしょうから参加しない判断はよかったと思います。他方、参加している多くの国々は、AIIB内の会議などを通じて中国の考えを知りたいというインテリジェンスの一環でしょうから、それはそれで結構なことだと思います。

    次に一帯一路。実にわかりやすいではありませんか。俗に「みたくないものは見えない」などといいますが、海をみれば明代の鄭和の大航海に、要所と思われる場所を点と線で付け加えている。

    融資の担保としてインフラを抑える件。インフラを抑えられるとどのような不都合があるのでしょうか。それまで存在しなかったものですから、もとに戻ったと思えばよいのでは?インフラに関わる中国企業の職員に外交特権が求められたり、場合によっては治外法権的な特権が要求されるかもしれないけれど、なんとなく「あ、であれば、これは現代の満鉄だねー」と思ったりします。
    もっとも、満州国のできたころは帝国主義が承認されるぎりぎりの時期であり21世紀のいまはダメよ、というのかわたしたちのコモンセンスだと思いますが、他方、中国の歴史は3800年(習・トランプ会談での掛け合い)、わが国は2000年(天皇家と出雲大社家との婚儀でのコメント)、イギリスは950年、アメリカは240年という、時間間隔の相違があるわけで、中国にしてみれば1840年も1900年も1931年も2021年も、大した時間経過ではない、のかも知れませんが。

    IMFが、「インフラをとり上げたりはしないよ」と言ったとします。では、債務返済ができない時に、当該国の年金制度に手を突っ込んで書き換えたりはしないのか、公務員制度に手を突っ込んで定数や報酬をばっさばっさやったりしないのか、資本のありかたに言いがかりをつけたりはしないのか・・・そんな約束をするような気配はない。

    結局、正邪を決めるのは総合力なのです。それにしては、1000億ドルというのは弱いと思います。

  •  出資額と融資額の差額。
     このカネって、いまどこに行って何してるんでしょうか。
     ことによっては戦争になってもおかしくないような。