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ブログが知的好奇心の源泉になる時代を「持って来る」

先日より当ウェブサイトでは、ブログを宣伝する専用の「雑談記事」を試験的に作成し、公開しています。ただ、その背景には、もっと大きな考え方があるのも事実です。というのも、まだまだ大きいマスメディアの影響力に勝って行くためには、ウェブ評論の世界にもっと優秀な書き手が必要だからです。それをどうやって実現するかについて、まだ答えは見つかっていません。

議論のプラットフォーム

読者雑談専用記事開設の経緯

以前から当ウェブサイトでは「読者雑談専用記事」というものを設けています。

この記事は、その名のとおり、読者の皆さまが好きなことを書き込んでいただくための専用記事、という位置づけです。

書き込んでいただく内容は、読者同士の挨拶ないしは近況報告であったり、最近気になっていること、議論したいと思っていることであったり、あるいは自分自身のブログ・SNS記事等の宣伝であったり、と、何でも良いというのが基本的な考え方です。

ただ、この「読者雑談専用記事」も、ここに来るまでにさまざまな曲折がありました。

もともと、「何を書いても良いですよ」という触れ込みで、2019年4月に始まった「10連休」の初日に用意したのがその始まりなのですが、これがなかなかのご好評を頂いたという事情もあり、2019年5月4日以降、読者雑談専用記事を定例化した、という次第です。

当初は「毎週1回、土曜日に更新する」という扱いを取っていたのですが、読者コメント数は毎回大きく変動し、1週間でコメント数が200件を超えることもあれば、数十に留まることもありました。

週2回→3回→5回→3回、そして2回という「迷走」

ただ、コメント数が毎回安定して200件前後に達するようになったのを受け、2019年11月以降は毎週土曜日と水曜日の2回更新に切り替えたのですが(のちに土・火更新に変更)、コロナ禍の影響もあり、読者コメント数が激増。

週2回では足りなくなり、2020年3月以降は週3回更新に、4月以降は週3回の「通常版」と週2回の「コロナ版」に、それぞれ切り替えました。

ただ、その後、「コロナ版」の方はコメント数も落ち着いてきたので、2020年5月以降は週3回の「通常版」のみに切り替えたのですが、昨年末から今年3月ごろにかけては、1つの記事のコメント数が100を割り込むようになりました。

こうした状況を受け、今年4月以降は読者雑談専用記事の更新頻度を週2回に減らしたのですが、今度は再び1つの記事のコメント数が激増し、現在は1記事当たり恒常的に100件を超え、ケースによっては200件を超えることもあります。

なかなか、難しいものですね(笑)

ただ、読者の皆さま方が、いかに快適に、いかに自由に意見交換できるかどうかで、当ウェブサイトの「議論の場」としての価値が大きく変動することもまた事実です。

(※なお、快適な議論空間を実現するために、今後も継続的に工夫を続けたいと考えていますので、どうかご忌憚なきご意見を引き続きお寄せ下さいますよう、お願い申し上げる次第です。)

ブログ宣伝記事の設置について

さて、「テーマ別編」については、昨年は1回だけ「為替市況ウォッチ編」を掲載したほか、最初の緊急事態宣言中はコロナ禍に関する専用の雑談記事を掲載したのですが、このほど始めたのが、『読者雑談専用記事 ブログ宣伝用』と題する、ブログを紹介するための専用記事です。

(なお、その際の「サンプル」として、なかばふざけて執筆したのが『新聞のブログ化とブログの新聞化』という記事です。)

もちろん、ブログの宣伝や紹介は普段の雑談記事の方に書いてくださっても構わないのですが、敢えて今回、この「ブログ宣伝記事」を作ったのには、ひとつの問題意識があります。

それは、「マスメディアに代替するウェブ言論空間をどうやって『持って来る』か」を試行錯誤する、ということです。

現代社会は個人レベルでも、ブログ、SNS、ウェブ評論サイト等を通じて情報発信することができるようになりました。

ひと昔前の、マスメディアが「権威ある(?)情報発信者」を自称していた時代と違い、現代社会では誰でも情報を発信することができます。参入障壁が限りなくゼロに近づきつつある今日、内容が良ければ多くの人がアクセスします。

「新宿会計士」が当ウェブサイトを運営している理由のひとつは、「言論の世界は参入障壁のないウェブ空間にこそ実装されねばならない」という信念を持っているからであり、このウェブサイトも、ささやかながらわが国における「言論プラットフォーム」の一翼を担っていくことができれば素晴らしいと思っている次第です。

ただ、やはり最近痛感しているのは、個人レベルでの情報発信の限界です。

当ウェブサイトの場合、2019年8月には、瞬間風速的に月間400万ページビュー(PV)を達成し、その後は昨年5月のグーグルの検索アルゴリズム変更などの影響を受け、月間100万PV程度にまで落ちたものの、最近では200万前後に回復しつつあります。

もちろん、この「毎月100~200万PV」、あるいは「毎月400万PV」を、「大したものだ」と思ってくださる方はいらっしゃるとは思います。

しかし、この程度のPVを得ている個人サイト(ブログサイト、ウェブ評論サイトなど)など、今日だとあまり珍しくありませんし、個人として運営している以上、おそらく今後、達成できたとしても月間1000万PV前後が関の山で、たとえば「月間1億PV」というのは、かなりハードルが高いのではないでしょうか。

当然、個人的には「PVを目当てにウェブサイトを運営している」というつもりはありません。当ウェブサイトの目的も、第一義的には「読んでくださった方々の知的好奇心を刺激すること」にあり、PVは「二の次」、というつもりです。

マスメディアvs個人ブログ

マスメディアの影響力は大変に大きい

ただ、この5年間、ウェブ評論サイトを運営してきたなかで痛感するのは、大手メディア(とくに新聞、テレビ、あるいは「オールドメディア」)の社会的影響力がいかに大きいか、という点なのです。

当ウェブサイトでは、普段から「新聞社、テレビ局は経営内容が徐々に苦しくなりつつある」、「新聞、テレビの広告市場は先細りだ」、などと申し上げていますが、やはり「情報発信の社会的影響力」という意味では、オールドメディアには一日どころではない長があるわけです。

もちろん、新聞記事のなかには、どうも記事執筆者の方の不勉強、調査不足に基づくと思しき記述が含まれていることも多く、今日のようにネット環境が普及した世の中だと、だれかがツイッターなどで「この新聞記事はおかしい」とつぶやくと、あっという間にそれが共有されるようになったことは事実でしょう。

しかし、やはりオールドメディアは取材力も強いですし(※)、一時期より激減しつつあるとはいえ、依然として新聞を定期購読している人もいますし、テレビをダラダラ視聴している人もいます。新聞、テレビの社会的影響力は大きいのです。

(※なお、余談ですが、「オールドメディアの取材力の大きさ」は、「記者クラブ」制度を含め、一般人を排除した特権的な組織の力、すなわち「利権」によるところも大きいため、必ずしも「オールドメディアの中の人」の取材力が優れているとは限りません。)

だからこそ、「ブログを持っている人たち、SNSのアカウントを持っている人たち」は、それを積極的に宣伝することで、「個人レベルでも情報発信はできる」、「情報発信にハードルは非常に低い」ということを実感していただくことが必要なのではないかと思えてならないのです。

ブログ側にもちゃんとした「論拠」が必要

ただし、やはり世の中のブログもさまざまであり、とくに専門外のことに言及する際には、慎重に慎重を期すことが本来ならば求められると思う次第です。そして、専門外のことに迂闊に言及すると、かなりおかしな記述になってしまう、という事例があります。

前提として、年末年始にかけ、新型コロナウィルス新規陽性者数が急増した、ということを思い出しておきましょう。実際、政府は年明けすぐ、緊急事態宣言の発出を余儀なくされています。

こうしたなか、あえて実名は出さないのですが、某ブログでこんな趣旨の記述がありました。

今回の緊急事態宣言は、菅義偉首相をはじめとする政治家がgotoキャンペーンなどの政策を続けた人災、という側面が強い」。

この記述は、緊急事態宣言の直後、つまり今年1月頃に執筆されたものですが、端的に言えば「大変に残念な記述」です。

執筆者の方はとある分野の専門家ではありますが、感染症の専門家でも、経済の専門家というわけでもありません。しかし、普段のこの方の記述から判断するに、テレビの影響をかなり色濃く受けていらっしゃるようにお見受けしますし、実際、この記述もテレビの受け売りではないかと疑っています。

そして、何より残念なのは、「コロナ第3波の原因はgotoキャンペーンだ」と、根拠を示さずに断言なさっている点でしょう。何を根拠にこう断言されているのかはよくわかりませんが、もし「時期的に見て、コロナ第3波の原因はgotoキャンペーンだ」、などと考えているなら、その考察は大変に雑です。

たとえば、gotoが始まったのは2020年7月22日以降であり、「コロナ第3波」が到来したのは11月下旬ごろの話です。単純に時期だけで見れば、「goto」が「コロナ第3波」の原因だとおっしゃるなら、もっと早い時期からそれが到来していなければおかしいのではないかと思います。

あるいは、単純に時期的なことだけでいえば、「コロナ第3波」の到来の数週間前に入国制限が大幅に緩和され、一部の国からの「ビジネストラック」「レジデンストラック」と呼ばれる措置などが順次導入されたことも、その原因として疑うべきではないでしょうか。

こうした考察をすっ飛ばし、「菅義偉という無能政治家」、「gotoキャンペーンという愚劣な政策」とは、ちょっと議論が飛躍し過ぎです。

考察の楽しさは論拠にあり

ちなみに、「新宿会計士」自身の感染症の専門家ではありませんし、医師でもウィルス研究家でもありません。

あくまでも専門分野は金融、外交、ビアンカ・フローラ問題などであり、「gotoキャンペーンが2020年末のコロナ第3波の原因である」などとする議論を「正しい」、「間違っている」と証明する能力はありません。

ただ、当ウェブサイトの読者の方であれば、年末年始の新規陽性者の急増自体、むやみやたらとPCR検査を実施したからではないか、という仮説を目にしたことがある方も多いでしょう。なぜなら、「伊江太」様という読者の方が当ウェブサイトに次のような記事を寄稿してくださったからです。

また、現役医師の「ポプラン」様という読者の方が執筆し、12月30日で当ウェブサイトに掲載した『【読者投稿】紫外線指数と県民行動様式で読む感染者数』という記事で、紫外線指数や都道府県民の行動様式などから読み解こうとする論考も興味深いところです。

すなわち、このように「客観的な数値」「考えられる証拠」を示したうえで、仮説を組み立てていく過程が楽しいのであり、これこそがまさに「知的好奇心を刺激する営み」そのものではないかと思うのです。

主観的意見にこそ価値がある

いずれにせよ、社会のインターネット化が進むことで、一次情報(たとえば、政府当局の公式発表、企業のプレスリリース、世の中のさまざまな出来事など)については、誰でも簡単に手に入れられる時代になりました。

もちろん、新聞社、テレビ局、通信社などのマスメディアは、いまでも「独自記事」と称し、政府などが発表する前の情報をすっぱ抜くこともあります。このような情報は、それらのマスメディアでなければ提供できないものでもあります。

しかし、こうした「すっぱ抜き」は、どちらかといえば記者クラブなどを通じ、取材者であるマスメディアと取材対象である霞が関の役人が癒着していることで発生することもあるため、やがてマスメディアの独占的な力が消えていけば、そのうち「すっぱ抜き」ができるのは本当に実力があるジャーナリストに限られてくるのでしょう。

今後の世の中において、おそらくもっとも重宝されるのは、「すっぱ抜く力」ではありません。「誰にでも簡単に得られる情報」をもとに、いかに鋭く、いかに面白い仮説を導くことができるか、という「分析力」だと思います。

そして、こうした分析は、なにもマスメディア人の専売特許である必要はありません。

だからこそ最近、「専門知識を持った優秀な書き手が続々とウェブ評論の世界に参入してくるためにはどうすれば良いか」、について、深く考察しているという次第なのです。

新宿会計士:

View Comments (17)

  • 2019年8月は、アフターり地区の影響でしょうかね。
    雑談部屋の醍醐味は、他ブログと比べてバリエーションの多彩さと、そこで解決してしまう事の多さのように思います。
    投げるだけで答えが出るのは、頼もしいですね。
    インテリジェンスとユーモアが試される場で有るのは、最近の雑談部屋で良く身に染みました。
    だから、ご飯コメントから抜け出せないのかなぁ。

    • > インテリジェンスとユーモアが試される場

      仰る通りですね。つまらないことを書くと、笑顔で一刀両断にされます。恐ろしや。
      また、先日の寸鉄殺人ネタでは、予想を上回る高度なボケ(漫才用語)を多数頂戴し、恐れ入りました。

      >そこで解決してしまう事の多さ

      メイラード反応とAGEsへの疑問も解けました。
      有り難い言論空間です。

  • 「持って来る」という表現がいいですね。
    自分(達)で何かしよう、変えていこうという気概を感じます。
    「誰かに何とかして欲しい」とか「誰々のせい」では言うばかりで終わってしまいます。もちろん中にはそれを言うこと自体が目的で、実際に変わろうが変わるまいが構わない、あるいは変わってしまっては言うことがなくなるから困る、なんて人もいるとは思いますが(汗)

  • いつもお世話になっております
    こちらは匿名さんが少ないのも特徴ですよね
    だからかキャッチボールが多く好奇心がさらに
    増幅されるように思います
    また、専門知識が豊富で、しかも高いレベルの
    ある方が多く本当に勉強になります

    個人ブログ運営は本当に大変かと思いますが
    今後も知的なブログ継続を期待しています

  • 今後の世の中において、おそらくもっとも重宝されるのは、「すっぱ抜く力」ではありません。「誰にでも簡単に得られる情報」をもとに、いかに鋭く、いかに面白い仮説を導くことができるか、という「分析力」だと思います。・・・同意します。CIAが職員を募集するときの条件にも これと似たことが書かれていた記憶があります。映画の007の世界はあくまで映画です。

  • こちらのブログには専門家の方が数多くいらっしゃいます。
    他のブログや掲示板にもいるとは思いますが、気づきません。基本、黙ってますので。
    ここではカミングアウトする価値を感じられるのだろうと思います。
    「ここでなら語る価値があるかな」と。
    それも、自由で開かれた言論空間を作るために必要な要素なのかもしれませんね。

    もう夏至が近いんですね。日が高く明るいです。今年ももう半分ですか。
    曇り空ですが、気持ちのいい週末です。

    • 名無しさんからコテハンを取ってくれるかにも乗り越える壁がありそうですね。

      • 別スレではコメントを踏み台にしてしまいました。
        ご容赦ください。

        コテハンの壁のことはよくわかりません。
        私自身はコテハンの楽しさは知っていますが、人格管理がめんどくさいと感じるので匿名です。
        もっと自由に考えられたらいいのでしょうが。

        • 自分で読み返して「人格管理」がちょっとアレでしたので。
          匿名なら放置できる面倒な批判への面倒な反論など、コテハンだと放置できなくなるとか、そういうやつです。

          • 匿名さま
            多分、批判されないと思いますので、ハンネを使ってコメントされては如何でしょうか。

  • ブログ宣伝記事見て来たけどあれってあの人を隔離する為の板かな?って思ってたけど違うんかな?この本文にある「某ブログ」もなんだかイタそうだね。

  • 更新ありがとうございます。

    こちらのサイトは本当に知的好奇心をくすぐられます。会計士さんの分厚い論考と、投稿者の皆さんも知識と教養、雑学にも博識で、ご自分で何か専門的に(特に医、理、工、薬系かな)されているのだろうな、と思います。

    それ以外の方も含めて、間違いなく個人のされてるサイトでは中身はトップレベルです。私が言うのだから間違いないです(エッ?)。

    それに比べたら大手の新聞や雑誌、その他マスコミの媒体などは、時には呆れるほどレベルの低い書き物(情報を文字化)があります。二つ例を挙げます。「現代ビジネス」の5月末に掲載されてた政治ジャーナリスト安積明子氏の論考。

    タイトルは【国難なのに「無策」な菅政権、国民を「見捨てた」に等しいと言える理由。なぜ、このタイミングで消極的なのか?】。

    内容は超簡単に圧縮すると、
    ①コロナウイルス対策として、政府は生活困窮世帯に対し、最大30万円を支給する支援金制度だけだ。
    ②また預貯金額が100万円以下で、かつハローワークに相談あるいは生活保護を申請していることが必要。
    ③上記ラインをクリア出来るのは僅か約20万世帯だ。

    ④菅首相はワクチン接種を急いでいるが、5月30日現在累計は1117万6318回、完了した人は2.43%に過ぎない。
    ⑤7月の東京五輪を控え、国内の受け入れ環境は整っていない。やる必要はあるのか。

    ⑥緊急事態宣言でも休業店舗が十分に補償されていない。東京都では3月に申請したうち40%以上が協力金を受けられず。
    ⑦国民は「打ち捨てられた」に等しい。

    さすが元国会議員の鞄持ちされてただけあって、言う事がいちいちツッコミどころ満載です(自分でしてみて下さい笑)。途中で読むのがバカらしくなります。

    https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83645?page=1&imp=0

    また5月28日掲載だったと思いますが、本誌の記者による、タイトル【知識人が問う、東京五輪をなぜ中止しないのか】があります。

    核心は、
    ①「コロナ抑え込みに失敗し、ワクチンが遅々として行き渡らない日本。国民も世界の人々も、五輪なんて到底ムリだと言っている。なぜ、権力者たちは暴走を止めようとしないのか」(ほ〜嘲笑)。

    ② 「ドイツはじめ欧米各国では、国民の半数近くがコロナワクチンの接種を1度は受けている。接種が完了した人には外出制限を緩めている。しかし日本は、信じがたいほど遅れている。困難な状況で東京五輪を強行しようとしているのは、日本人のプライドの高さか」(ドイツ・ボン大学国際哲学センター所長のマルクス・ガブリエル氏)。

    頭クラクラします。マスコミは、やはりインターネットでもお国のやる事には、まずは批判するべき、なんですネ。もうほとんどイチャモンに近いです。時間損しました(笑)。

  • 現様のブログ記事の感想の投稿先を迷ったのですが、私が思うに当該記事はこちらの記事のアンサーソング的側面もあるかと思うのでこちらに投稿します。

    コロナ禍で起こる、なんだかなぁと思うこと:
    問題提起:泣く子とGoogleには勝てぬ・・・こんなことでいいの?
    https://betunayuutu.blogspot.com/2021/06/Googles-rating-guidelines-could-suppress-our-freedom-of-speech.html

    いまや"ググる"が慣用句として通用する時代、ある事象をググって見つからなければそれはないということ。反面で自分の意見を"ググって"もらうには、Googleのガイドラインに従うことが必須。知ること、知らせたいことの両面がGoogleにコントロールされているのは全くお説の通りと思いますし、情報の独占的地位の濫用によるGoogle八分に見られる弊害も叫ばれて久しいところです。

    一方で、PV稼ぎにSEOに特化したこたつ記事やキュレーション記事など低質な記事の氾濫が検索を妨害した事例からすると、現在のGoogleのランキングシステムはかなり恣意的とはいえページの有用性評価を織り込んで低質な記事を排除している訳で、その意味では痛し痒しといった側面が否定できません。

    当記事では「マスメディアの影響力に勝って行くためには、ウェブ評論の世界にもっと優秀な書き手が必要」と論じられている通り、私が思うに玉石混淆ならいざ知らず、低質なデマゴーグの汚染はマスメディア、ブログに共通した問題点ではないでしょうか。
    流言飛語乱れ飛んだ米大統領選はまさにこの問題が顕在化し、検索エンジン含めたプラットフォーマーが一斉に排除に出たこともまだ記憶に新しいところです。

    私が思うに、新宿会計士様は排除を好まず、議論による解決を見ているように感じます。
    現実、現様のクオリティには称賛や意見が寄せられ、論拠を欠くブログ宣伝には忌憚ない指導が書き込まれる様子に検索エンジンに劣らない集合知を実感しながらも、アルゴリズム化したものでないが故にエコーチェンバー的危惧を捨てることができないところです。

    つらつらと書いても結局どちらが良いと論じられないのですが、人であれ検索アルゴリズムであれ、良質なものだけが選別されることに違いはありません。その意味でテキストに起こされた現様の知見は聖書マタイ伝の言う「地の塩」、間違いなく知の維持に必須なインターネットにおけるNaClであることは揺らがないということだけは言えるでしょう。

    なお、検索のパーソナライズをしないことを知られる検索エンジンDuckDuckGOの場合、現様の両ブログは当然に第一位にヒットします。用途によって使い分けていますが、このような検索エンジンが勃興していることもまた良いことであると思う次第です。

  • へちまはたわしのみに非ずさま

    上中段、かなりストレートに書いてくださっていますね。
    実はさきほど、またグーグル様に巻かれて不人気記事を処分しておりました。

    ところで、DuckDuckGoは、拙記事でも紹介したstatcounterでは0.59%(worldwide)ですね。てっきり名前から中華ではないかと連想しており、記事を書いている最中は気にもとめておりませんでした。こちらで確かに拙サイトが出てくるのを確認し、目から鱗です(実はBingでもまあまあです)。逆に、なにゆえそこまでの差が出るのかも、興味が出るところです。
     ・・・とはいえ、如何せん巨人の壁はなかなか厚そうです。

    • 現 様

      ええっ!?まだ全部読んでいなかったのに…とはいえサイトは管理人様のモノ。貴重なテキストがインターネット上から喪失したことを口惜しく思います。

      ともあれ、現様のサイトがGoogleのランキングで上位とならないのは、単純にサイト名や記事に多くコロナの語を含んでいることが理由だと思います。
      既にご存じの通り一昨年のアルゴリズムアップデートで権威性の重みづけが上がりコロナ関係では病院や医師など出自が明らかな記事が優先されるうえ、とかく世に溢れるコロナの語に玉も石に埋没してしまいます。
      なんならサイト名を「突然変異!コドン戦隊ヌクレオチド」とかにすればおそらくは一発で引っ掛かると思うのですが、当然本意ではないでしょうし。

      よって、サイト名はさて置くとして個別記事タイトル「超簡易版・10秒で分かる特異抗体産生メカニズム:コロナを理解するために」をGoogle検索してみると、パーソナライズで順位は不変でないので参考ですが手元ではランキング6位となります。
      つまり、サイト名で検索から誘導は望めなくとも、検索語句のトピック単位ではランキングシステム上も上位に食い込んでいる訳で、既に巨人の壁を抜いて記事品質は充分に評価されているのがお判りになるのではないでしょうか。

      どちらかといえばサイト名での検索がレアであることを考えれば質量伴った記事への検索エンジンの評価自体は満足して差し支えないラインにあるように思います。

      ただ、同じ記事でも「コロナが空気感染すると言える10の科学的理由」はランキング50に入らず、これは空気感染というインタレストを引くキーワードに起因する競合からすると、玉を引き当てる検索術もなかなか難しいものであるとは思います。

      • ああぁ、失礼いたしました。
        でも自分で読み返して「…ふ、なんだこのク〇記事は」と思ったシロモノですので、アキラメテください。

        いや、それはそうと、へちまはたわしのみに非ずさんのレスは、いつも本当にすっと真っすぐに頭に入って来て(文章が上手すぎます)、問題解決の糸口を与えてくれます。おそらく、ブログを書かれたら、ユーザーフレンドリーという観点からも検索エンジン高評価を獲得するのではないでしょうか。