「約束破りのウソツキ」がFOIPに入れないのは当然
たとえ地理的に遠くても誠実な国との関係を深めるべき
昨日は大手ウェブ評論サイト『zakzak』に拙著『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』を取り上げていただきました。その関係もあり、本稿では以前から三々五々展開してきた「外交論で読むFOIP」と日中関係論、日韓関係論について、じっくりとまとめてみたいと思います。すなわち、「価値を共有する友邦を増やすこと」、「価値を共有しない国との付き合いは最低限にとどめること」です。
2021/03/08 08:00追記
記事ジャンル指定を訂正しています。
目次
人間関係の延長で読む外交
人間関係には4種類ある
『「韓国に3つの制裁でコストを負担させよ」=夕刊フジ』でも報告したとおり、昨日は産経系『夕刊フジ』のウェブ版である『zakzak』に、「新宿会計士」なる者の新刊書に関する話題が掲載されていました。夕刊フジ編集部様には、掲載してくださったことを深く御礼申し上げたいと思います。
それはさておき、「対韓制裁論」に興味を持ってくださる方が、当ウェブサイトに新規にアクセスしてくださる可能性もあるため、本稿では時事的な話題とともに、「そもそも論」について議論してみたいと思います。それは、「人間関係の延長で読む外交」です。
当ウェブサイトではこれまで何度となく、「人間関係の4類型」という論点を説明して来ました。古今東西変わらないことですが、私たち人間がほかの人間と関係を構築するときに、基準となるのは、「その人が自分自身とウマが合うかどうか」、「その人と付き合うことが必要かどうか」、という2つの判断軸です。
「ウマが合う人」とは、親友、恋人などのように、利害関係を越えておつき合いしたい相手のことであり、「付き合わなければならない人」とは、職場の上司・同僚・部下や学校の先生、ご近所さん、親戚などのように、利害関係で付き合わなければならない相手のことです。これを図表化しておきましょう(図表1)。
図表1 人間関係の4類型
ウマが合う | ウマが合わない | |
付き合う必要がある | ①ウマが合うし、付き合う必要もある相手 | ②ウマが合わないが、付き合わなければならない相手 |
付き合う必要はない | ③ウマが合うが、付き合う必要はない相手 | ④ウマも合わないし、付き合う必要もない相手 |
(【出所】著者作成)
つまり、人間関係には「ウマが合うか、合わないか」、「付き合う必要があるか、ないか」という軸で区切って、4つの種類がある、というわけです。
問題が集中するのは②の部分
このように整理すると、人間関係は非常にスッキリ整理されると思います。
①のような人間関係に恵まれた人は、本当にハッピーです。「職場の上司や学校の先生がとても良い人だった」という事例で考えればよくわかるとおり、①のような関係があれば、人間関係に関するストレスからほぼ解放されるからです。
一方、③のような人間関係は、「べつに付き合う必要はない」けれども「ウマが合う」というパターンです。学生時代から続く友人、恩師、昔の職場の上司などがその典型例ですが、こうした関係は人間を豊かにしてくれます。したがって、このような関係も大切にしている人は多いと思います。
これに対し、④のような人間関係は、おそらく真っ先に消滅します。たとえば、職場で嫌な上司、嫌な同僚、嫌な部下と付き合わざるを得なかった場合、自分か相手がその職場を辞めてしまえば、多くの場合、そのような相手とは今後一生涯、コンタクトを取ることはないでしょう。
そして、世の中の「人間関係の悩み」と呼ばれるものの、おそらく99.9%が集中しているのが、「②ウマが合わないが、利害関係上付き合わなければならない相手」だと思います。なにせ、相手と我慢して付き合わなければならないため、大変なストレスを感じるからです。
余談ですが、「嫌いな上司ともうまくやっていく方法」などの書籍、書店や図書館にいけばいくらでも見つかるでしょうし、「出世する人」というのは得てして「嫌な相手とも要領良く付き合って行ける」という才覚を持っている人なのかもしれません。このあたり、別稿で詳しく議論しても面白いかもしれませんね。
外交関係もこれとまったくおなじ
ただ、本稿はべつに人間関係について深く議論するつもりはありません。この考え方を持ち出した理由は、「外交関係においても、人間関係におけるこの4つとまったく同じ考え方が成り立つ」、という点を説明するためにあります。
もちろん、そういうことをいうと、「外交を我々一般人の人間付き合いの延長で軽々しく論じるな」、といったお叱りが来る可能性があることは承知しています。しかし、結論的にいえば、こうした「お叱り」こそ、ピント外れです。
「外交」と聞くと、なんだか難しいと思う方が多いと思いますし、「専門的な人たちが専門的な言葉を使って議論する世界の話だ」と感じる人も多いでしょう。なぜなら、外交とは国と国との付き合いのことですが、非常にスケールが大きく、一般人にとってはなにか遠い世界に思えてしまうからです。
しかし、「外交は難しい話だ」、「一般国民が軽々しく議論すべきではない」、「外交は外務省やマスコミ、学者などに任せておけば良い」、といった認識は、大きな間違いです。そして、むしろ「したり顔」で外交を論じている外交専門家の方こそ、結論を誤っていたりすることもあります。
改めて申し上げるまでもありませんが、外交は私たち一般人にとって容易に理解できるものであり、また、外交こそ、私たち一般人が私たち自身の知性と感覚に基づいて深く議論しなければならない分野のひとつです。
たしかに外交は非常に大きな話ですが、普段から当ウェブサイトで申し上げているとおり、外交とは決して難しいものではありません。なぜなら、国も結局人間の集合体だからであり、人間関係の延長で議論すれば、私たち一般人であっても容易に理解できる代物だからです。
価値と利益で読む外交
図表1の「ウマが合う/合わない」を「価値を共有する/しない」、「利害関係がある/ない」を「戦略的利益を共有する/しない」に書き換えたのが、図表2です。
図表2 価値と利益で見る外交
価値を共有する | 価値を共有しない | |
---|---|---|
戦略的利益を共有する | ①価値と利益を共有する相手国 | ②価値を共有していないが利益を共有する相手国 |
戦略的利益を共有しない | ③利益を共有していないが価値を共有する相手国 | ④価値も利益も共有しない相手国 |
(【出所】著者作成)
図表2では人間関係でいう「ウマが合う/合わない」を「価値を共有する/しない」に、「付き合う必要がある/ない」を「戦略的利益を共有する/しない」に置き換えています。このような図を作ることで、外交の方向性を簡単に見極めることができるのです。
そもそも、外交とは本来、「仲良しごっこ」ではありません。「国益」、つまり「国民が平和で幸せに暮らすこと」を実現するための手段です。そのためには、「②価値を共有しないが利益を共有する相手国」とうまく付き合うことが必要です。
では、どうやってそんな国とうまくやっていくのでしょうか。
最も重要なアプローチは、価値を共有する国(①や③のような国)との連携を深め、②の国に対する交渉力を高めることにあります。
日本が「自由主義、民主主義、法治主義(または法の支配)、人権尊重、積極的平和主義」などを掲げて①や③のような国と連携すれば、②のような国、つまりこれらの価値観を共有していないけれども、国益上は断交などできない相手国(たとえば中国、ロシア)の横暴を抑え込むことが可能です。
当然、日本が連携すべき相手国は、日本と価値を共有する西側諸国(米国、欧州、豪州など)であり、これらの国との関係を深めれば、そのことが中国やロシアに対する関係を強化することにつながるはずです。
日本はどの国と付き合うべきか
日本が大切にしている価値観とは
さて、日本政府がもっと上手に情報発信して欲しいと思う分野のひとつが、この外交です。
日本ではあまり知られていませんが、日本という国は一部の外国で深く尊敬されています。個人的見解ですが、その理由は、日本という国が歴史と伝統を大切にしながらも、現代的な価値観を尊重し、かつ、それらを実践しているからだと思います。
皇室を戴き、独自の伝統文化と食事、最先端の技術が詰まった街づくり、ひっきりなしにやってくる新幹線、美しい自然と調和した人々の生活、そして自由・民主主義を実践する法治国家であること――。
もちろん、現代の日本社会にもさまざまな問題がありますが、それでも石油などの資源の輸出国でもない日本が、人々の勤勉と技術革新により世界第3位の経済大国として存在していること自体、世界に対して模範となっているのでしょう。
そんな日本が大切にしている価値観といえば、自由主義、民主主義、法治主義(あるいは法の支配)、基本的人権の尊重、積極的平和主義などを挙げることができます。
あるいは、もっと簡単な言葉でいえば、「ウソをつかない」、「ルールを守る」、「努力をする」、「困っている人を助ける」といった行動が尊重される社会だ、ということでもあります。いわば、社会構成員の高度な信頼を前提として社会を構築していくことができる、というわけです。
なお、これも主観で恐縮ですが、日本ではウソをついた人やルールを破った人に対するペナルティは非常に弱いのかもしれません。その理由は、日本人は誰に言われなくてもちゃんと社会のルールを守るからであり、厳罰で強制しなくても良いからだ、という言い方もできるかもしれません。
いずれにせよ、日本は「約束をちゃんと守る国」、「ウソをつかない国」、「国民を圧制で虐げたりしない国」、「近隣国を軍事的に恫喝したりしない国」と仲良くすべきであり、そうではない国とは距離を置くか、やむを得ずそのような国と付き合う場合には、相応の準備をすることが必要なのです。
ヒト、モノ、カネで見た日中関係
こうしたなか、「約束を守らない」「ウソをつく」「国民を圧制で虐げている」「近隣国を軍事的に恫喝する」などの条件をことごとく満たしている国がひとつあります。
中国です。
まことに残念な話ですが、日本はその中国と、貿易や産業などにおいて、非常に密接な付き合いをしています。
こうしたなか、拙著『数字でみる「強い」日本経済』や『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』でも触れたとおり、経済活動の4要素(ヒト、モノ、カネ、情報)の流れのうち、比較的簡単に定量化できるのが、次の(1)~(6)です。
- (1)わが国から相手国へのヒトの流れ
- (2)わが国から相手国へのモノの流れ
- (3)わが国から相手国へのカネの流れ
- (4)相手国からわが国へのヒトの流れ
- (5)相手国からわが国へのモノの流れ
- (6)相手国からわが国へのカネの流れ
この(1)~(6)にについて、具体的な日中交流の様子を確認しておきましょう(図表3)。
図表3 日中交流の状況
項目 | 具体的な数値 | 情報源と備考 |
---|---|---|
①訪日中国人(2019年) | 9,594,360人 | 訪日外国人総数(31,882,062人)の30% |
②訪中日本人(2017年) | 約268万人 | 出国日本人総数(17,889,292人)の15% |
③在日中国人(2019年12月) | 813,675人 | 在日外国人総数(2,933,137人)の28% |
④在中日本人(2018年10月) | 120,076人 | 海外在住日本人(1,390,370人)の9% |
⑤対中輸出高(2020年) | 15兆0828億円 | 日本の輸出高全体(68兆4066億円)の20% |
⑥対中輸入高(2020年) | 17兆4776億円 | 日本の輸入高(67兆7369億円)の25.8% |
⑦対中貿易収支(2020年) | ▲2兆3948億円 | 日本の貿易収支は6697億円 |
⑧日本企業の対中直接投資(2019年12月) | 1303.1億ドル | 日本企業の対外直接投資総額(1兆8583億ドル)の7% |
⑨中国企業の対日直接投資(2019年12月) | 48.6億ドル | 日本に対する対内直接投資総額(3103.2億ドル)の1.57% |
⑩金融機関の対中与信(2020年3月、最終リスクベース) | 879.3億ドル | 日本の金融機関の対外与信総額(4兆6905億ドル)の1.87% |
(【出所】①日本政府観光局、②AFP通信記事とJTB総研データ、③法務省、④外務省、⑤~⑦財務省、⑧~⑨JETRO、⑩国際決済銀行)
中国は日本にとって必要な国なのか?
上記(1)~(6)と図表3の具体的な対応関係は、次のとおりです。
- (1)わが国から相手国へのヒトの流れ→②訪中日本人、④在中日本人
- (2)わが国から相手国へのモノの流れ→⑤対中輸出高
- (3)わが国から相手国へのカネの流れ→⑧日本企業の対中直接投資、⑩金融機関の対中与信
- (4)相手国からわが国へのヒトの流れ→①訪日中国人、③在日中国人
- (5)相手国からわが国へのモノの流れ→⑥対中輸入高
- (6)相手国からわが国へのカネの流れ→⑨中国企業の対日直接投資
このうち①、②が短期的な人的交流、③、④が中・長期的な人的交流、⑤、⑥、⑦が貿易、⑧、⑨が投資、⑩が金融機関与信です(※なお、本来なら「⑪中国の金融機関の日本に対する与信」という項目もあるのですが、金額的にほぼ無視できるため、本稿では割愛しています)。
ヒト・モノ・カネの交流をどう見るか
これについては、なかなか興味深いことが判明します。
ことに、昨今のコロナ禍の影響で人的往来は激減しているものの、コロナ禍が始まる前の2019年の時点では、大挙して日本にやって来て、それなりにおカネを落としてくれる中国人は、日本のインバウンド観光業にとって大事な得意先でした。
(※ただし、コロナ禍の影響で、インバウンド中国人観光客はほぼゼロとなっています。)
ただ、日中が隣国同士であるという事情を踏まえるならば、中国を訪れる日本人、中国に住む日本人の数は、意外と少ないといえます。
見方によっては、「日本との関係を深めようとしているのは中国の側である」という考え方が成り立つかもしれません。というのも、「人的交流」で見ると、「中国に出掛ける日本人」よりも「日本にやって来る中国人」の方が、圧倒的に多いからです。
(※もっとも、日中の人口規模がまったく異なることを踏まえるならば、日本を訪れる中国人、日本に住む中国人が、中国を訪れる日本人、中国に住む日本人よりも、人数で圧倒的に多いことも、不自然というわけではないのかもしれません。)
一方、意外と見過ごされるのが、日中貿易です。
よく、「日本は中国との貿易で儲けているから、日本にとって中国は大切だ」、といった言説も見かけるのですが、マクロ的に見ればこれは間違いです。日本は中国に対し、毎年のように貿易赤字を計上しているからです(昨年は2兆円少々でしたが、例年赤字額が3兆円を超えることもあります)。
日本から中国への輸出品は「資本財(生産財)」、「中間素材」と呼ばれるものが多いのですが、逆に中国から日本への輸入品は、最終製品(PC、スマホ、衣服、雑貨類など)が多いのです。
つまり、日本が中国に対し「モノを作るためのモノ」を輸出する一方で、日本こそが中国の作る最終製品を大量に買ってくれる「お得意様」、というわけですね。
さらに、カネの面で見ると、対外直接投資、対内直接投資、対外与信のすべての面において、日中関係は「隣国同士」、「世界第2位と第3位の経済大国同士」という関係に照らすと、不自然なほどに少ないことが判明します。
このあたりは、ちゃんとデータを見なければわからないのかもしれませんね。
日中関係とは何なのか
いずれにせよ、日中関係に関していえば、日本との関係がなければ困るのは中国の側である、という側面が強いといえます。
もちろん、日本も中国から最終製品を大量に輸入しているため、昨年のマスク騒動のように、いざというときに生活必需品が中国から入って来ない、という混乱の影響を受けることもあります。
ただ、それにしてもとくに産業面におけるサプライチェーンを通じた結びつきは強固であるため、現在の日本にとっての中国は、基本的価値を共有していないものの、戦略的には「断交」ができない相手、というわけです。
当ウェブサイトの持論を申し上げるなら、「今ならまだ中国との関係を弱めることができる」、「今ならまだ引き返せる」、というものですが、逆に言えば、「このまま中国との産業上の関係を強めていくと、カネの面でも中国から抜けられなくなる」、という話でもあります。
本当に厄介な国との関係を深めてしまったものです。
では、日本は中国との関係をどのように管理していくべきなのでしょうか。
その際、私たちが認識しなければならないのは、「外交を通じて相手を変えることはできない」という、歴史が教える鉄則です。
中国は権力批判の自由もなく、共産党一党軍事独裁政権が支配する人治主義国家であり、私たち日本人からすれば、異質な国であることは間違いありません。
しかし、だからといって中国人(あるいは中国という国)に対し、「あなた方は共産主義を捨てた方が良いですよ」、「自由・民主主義は素晴らしいですよ」、「法治主義、人権尊重が必要ですよ」、などと「説得」して社会を変革させることは難しいでしょう。
ことに、中国が連日のように、日本領である石垣市尖閣諸島周辺海域に公船を出没させている現状を踏まえるならば、この国が「国際法を守る」、「話し合いによって紛争を解決する」という意思を持っていないと判断せざるを得ません。
リスク管理が必要
ただ、それと同時に、いくら中国が気に食わないからといって、現代社会においては中国を軍事的に攻め滅ぼしてしまう、といったことはできません。中国が日本領に武力侵攻してきた際に、反撃することは必要ですが、日本がいきなり自衛隊を北京に侵攻させる、といったことは難しいでしょう。
そうであるならば、私たちの国・日本にとって必要なことは、次のプロセスです。
- ①まず、中国が日本とはまったく「異質な国」であることを理解する。
- ②「最悪の事態」(たとえば、中国との武力衝突など)を想定する。
- ③その「最悪の事態」が生じないように管理する。
- ④「異質な国」である中国と少しずつ距離を置く。
- ⑤基本的価値を共有する国々との連携を強化する。
安倍晋三政権は、おそらくこの①~③を、国民から見えないところで実施していたのではないかと思います。そして、④については実際にコロナ禍直後に生産拠点の多様化に対する補助金の支出を決定していたという事実を思い出す必要はあるでしょう。
FOIPに活路を見いだせ
安倍政権の最大の置き土産
こうしたなか、安倍政権の最大の置き土産は、「自由で開かれたインド太平洋」です。 “Free and Open Indo-Pacific” を略して「FOIP」とも呼ばれるのですが、これは地理的にインド太平洋と呼ばれる地域に自由主義、法の支配などの基本的価値を尊重する諸国の連携を作るという構想です。
現在のところFOIPに強く共鳴している国は、米国、豪州、インドですが、日本政府はこのFOIPについて、「理念に共感してくれる国」には幅広く門戸を広げるという姿勢を示しており、無限の可能性を持っているという言い方をしても良いでしょう。
図表4 FOIP
(【出所】防衛省)そして、英国がFOIPに強い関心を抱いているほか、潜在的にはカナダやニュージーランド、フランスなどの「太平洋諸国」(※いちおう、フランスは太平洋に海外領土を保有しています)、さらには台湾や一部のASEAN諸国がFOIPに参加するかもしれません。
究極的には「インド太平洋版NATO」が出来上がるかもしれない、というわけです。
こうしたなか、英フィナンシャルタイムズ(FT)に先日、こんな記事が出ていました。
Joe Biden enlists ‘Quad’ allies to counter China
―――2021/03/07付 FTオンラインより
これは、日米豪印4ヵ国(つまり「クアッド」)の首脳が「中国に対抗するために」オンラインで会談を実施する、という話題です。早ければ今週中にも開催されるそうです。
こうした連携は、日本にとって歓迎すべきものと言わざるを得ません。
日本は周辺国に恵まれず、台湾を除くと近接する国はすべて日本と基本的価値を共有していないのですが、それでも中国をはじめとする「近くの異質な国」よりも、米国をはじめとする「遠くの同質な国」と連携する方が、日本自身には良い結果をもたらすのではないでしょうか。
韓国がFOIPから除外?自業自得
そういえば、もともと本稿で取り上げようと思っていたのは、韓国メディア『朝鮮日報』(日本語版)が土曜日に配信した、次の記事です。
対中けん制「クアッド」首脳会談、韓国抜きで今月初開催
―――2021/03/06 07:03付 朝鮮日報日本語版より
(※朝鮮日報の場合、記事自体は公表されて数日経過すると読めなくなるそうですので、もし読みたいという方がいらっしゃれば、早めにどうぞ。)
朝鮮日報は日米豪印クアッドの会談で、日本が「事実上の事務局となっている」と説明。そのうえで、中国との対立を懸念してクアッド首脳会談に消極的だったインドを説得し、今回の4ヵ国首脳会談に漕ぎ着けた、と報じています。
面白いのは、韓国の文在寅(ぶん・ざいいん)政権が「クアッドに否定的(※)」としたうえで、「バイデン政権発足後に形成される新たな世界秩序に参加できていないとの指摘も出ている」とする記述で唐突に記事が終わっている点でしょう。
(※「韓国がクアッドに否定的」の表現は原文のママです。しかし、「クアッド」は「4ヵ国」という意味ですので、文脈からすれば、本来は「韓国はFOIPに否定的」とでも表現すべきではないかと思う次第です。細かい話ですが。)
ただ、FOIPにコミットしないという選択を取ったのは韓国自身である以上、韓国がFOIPの連携に入れないのも当たり前の話でしょう。
韓国がFOIP入りを目指すとは考え辛いのですが、もしも彼らがそれを欲するならば、「事実上の事務局」である日本は、「FOIPに入るならば、まずは約束を守れ、ウソつくな」とだけ言い放って放置、で十分だと思う次第です。
※もっとも、FOIPとはまったく別次元で、韓国に「約束破りのコスト」を負担させることの議論は必要だと思いますが、これについてはまた別途、随時議論していきたいと思います。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
新宿会計士 様
この記事、雑談専用記事扱いになっていますよ。
韓国人が、「韓国が約束を守っていない」と言う事は、無いでしょう。
FOIPやCPTPPに加盟出来なければ、韓国を加盟させないのは、いじめ、仲間外れだと言うだけだと思います。
そうして、コウモリの米中二股外交を続けて行くんだと思います。
米中の争いのためか、このところ中国の地方政府は盛んに日本企業誘致に力を入れているようです。日本企業用の土地や専門の部署まで設けて用意周到です。
しかし、二度と騙されるのは御免だと考えるのは自分だけでしょうか。中国に工場を作れば、あっという間に技術を抜き取られ日本より安い価格で世界中に売りまくるし、巡りめぐって軍事技術となって尖閣諸島を圧迫しています。
日本には政経分離と思っている経営者が多いようですが、現代では政治・経済・軍事は一体であり、中国に合弁企業を作るということは、中国の産業・軍事技術を助長し日本に銃口を向けることを助けているのに等しい行為だと思います。「中国国内10数億人の市場が待っている」等の売り文句は目くらましであり、中国国内市場に販路を広げられるのは日本のノウハウを吸い取った中国企業しかできません。
日本の技術を特許や契約で守れると思ったら大間違いで、国際法など一顧だにせず尖閣諸島で銃を突き付けている相手が、特許や契約を守ることを期待するのと同じです。この30年の教訓を省みず、いまだに中国の「熱烈歓迎」の甘言に騙され、一時の利益に目が眩む経営者がいるのは残念です。
今年の全人代において掲げられた目標は、軍事・経済で まさに「世界制覇」を表しており、障害となるものは躊躇せず制裁する姿勢を隠していません。我々が知っている日中国交正常化した頃の中国からは大きく変貌しました。
匿名29号様
お気持ちは理解できますが、かなり偏ったご意見ではないかと感じましたので、私が知る限りの知識で事実関係を確認したいと思います。
>米中の争いのためか、このところ中国の地方政府は盛んに日本企業誘致に力を入れているようです。日本企業用の土地や専門の部署まで設けて用意周到です。
こちらは明らかな事実誤認です。昨今の米中の争いは一切関係なく、30年ほど前から日本企業誘致のために日本企業用の土地や専門の部署まで設けており、10年ほど前迄は中国の各地方都市が競って来日し、日本全国で日本企業を対象とする企業誘致説明会を開催していた時代がありました。
いわゆる「第1次対中投資ブーム」は中国の改革・開放政策が始まり、深圳などの経済特区が設置されたことに起因する1980年代半ばに始まり、1989年の天安門事件で終息しました。
「第2次対中投資ブーム」は1992年に鄧小平が「南巡講話」を発表し、改革・開放政策が国策の骨幹として定められたことに始まり、1997年のアジア金融危機等によって次第に減速し、1999年頃には終息しています。
「第3次対中投資ブーム」は2000年~2007年頃まで。2001年12月に中国がWTOに加盟し、「世界の工場」として脚光を浴びた時代です。
「第4次対中投資ブーム」は2011年~2013年頃まで。リーマンショックによる円高傾向が対中投資を後押ししました。
第4次対中投資ブームの終息後、しばらく日本企業の対中投資の低迷期が続きましたが、このところかつてほどの勢いはありませんが、大手企業を中心に対中投資の拡大が見られるようです。
>日本には政経分離と思っている経営者が多いようですが、
日本の企業に勤める者の実感として、中国を「政経分離と思っている」経営者はどこにいるのでしょうか・・・。もちろん「ゼロ」だと言うと一見民主党のフルアーマー代表と同類になってしまうので避けますが、未だに「日本はかつて悪いことをした」という贖罪意識が根底にある経営者が散見されるのは事実です。
>日本の技術を特許や契約で守れると思ったら大間違いで、国際法など一顧だにせず尖閣諸島で銃を突き付けている相手が、特許や契約を守ることを期待するのと同じです。
これはあながち間違いではありませんが、経済活動と軍事・政治に係る話を意図的に混同すると、客観的な事実を見誤りかねません。
中国企業は全般的に遵法意識が低く、中国共産党は中国の憲法の上に存在していることは紛れもない事実であり、中国でビジネス展開をする以上、技術や特許が流出するリスクが確実に存在します。それらのリスクを如何にして軽減し、利益を最大限に伸ばすためにはどうするのかが、日本企業が常日頃から頭を悩ませていることです。
日本企業が日本国内の商売だけで完結できるならば、企業はわざわざ多くのリスクを負ってまで海外展開をしません。中国にカントリーリスクがあるから現地法人を設立してはいけない、まして中国企業でなければ販路を広げられないというのは極論に過ぎないと思います。
また、日本の国益を左右する世界唯一の超大国・アメリカですが、アメリカに現地法人を設立している企業はどうでしょうか?アメリカはエゴむき出しで自動車市場の開放を迫り、日の丸半導体産業を力づくで抑え付けてK国の台頭を招き、レクサス暴走死亡事故の原因を全面的にトヨタに押し付け、アメリカ全土で最大級のバッシングを展開した後、リコールと多額の和解金という結果で終息しました。このように、特亜3国特有の話ではなく、西側先進国における経済活動であっても数多くのリスクが存在することは避けられません。
>今年の全人代において掲げられた目標は、軍事・経済で まさに「世界制覇」を表しており、障害となるものは躊躇せず制裁する姿勢を隠していません。我々が知っている日中国交正常化した頃の中国からは大きく変貌しました。
このご意見には全面的に賛同します。
最後にまとめです。企業がにリスクを恐れて業務を拡大できなければ、その企業は市場に淘汰されて姿を消すのみです。もし、日本企業が企業が次々と淘汰されていくならば、日本の国力は奈落の底へとまっしぐらです。私が言うのもおこがましいですが、技術というものは、世に問うた時点で陳腐化が始まります。よって、中国に技術を盗まれることを過度に恐れるのではなく、盗まれた技術を打ち負かす新技術を常に開発し、中国に対する抑止力を常に向上させていくことの方がよほど重要です。これは企業の努力だけでは片手落ちであり、政府の外交戦略、民間のソフトパワーなどを結集して、オールジャパンとして立ち向かっていくことが求めらていると私は考えます。
その役割の一端を担っているのが新宿会計士様のこのブログですね。
>こちらは明らかな事実誤認です。昨今の米中の争いは一切関係なく、
見解の相違はあれど、大方の方向性は同じようです。自分も1980年代より中国の仕事に関わっており全く知らないわけではありません。
>中国に技術を盗まれることを過度に恐れるのではなく、盗まれた技術を打ち負か
>す新技術を常に開発し、中国に対する抑止力を常に向上させていくことの方が
>よほど重要です。
言うは易く、です。技術移転をする度に必ず言われてきましたが、 では半導体ではどうなのでしょう。また日本が先発して今は中国に市場を席捲されている太陽光パネル他については、日本の技術者が怠慢または無能だったからということになります。
技術は長年に渡る努力の結晶であり、その上に更に新技術を開発するには少なくとも5~10年かかります。その間に市場を失い、復権することは難しくなります。開発に関わったことのあるエンジニアとして強調しますが、現実はそう簡単にはゆきません。(お前がボケだったのだろうという意見はさておいて)
>リスクを如何にして軽減し、利益を最大限に伸ばすためにはどうするのかが、
>日本企業が常日頃から頭を悩ませていること
成功している企業もあるでしょうが(自分が思いつくのはユニクロとか)、全体としてみるとどうなんでしょう。この際棚卸ししてみるのも良いかもしれません。
また、アメリカ・欧州も勿論強権的であり煮え湯を飲まされてきたのは百も承知ですが、今はそんな比較論を論ずるより、銃口を日本に向けている中国を第一に考えるべきでしょう。銃口を突き付けている相手に対して「リスクヘッジをよく考えてパートナーシップを築いてゆこう」とのご意見に聞こえて仕方ありません。
>政府の外交戦略、民間のソフトパワーなどを結集して、オールジャパンとして
>立ち向かっていくことが求めらている
誰も反対できない美しい結論ではありますが、政治家の答弁の如く現実味が感じられません(個人の感想です)
匿名29号様
ご返信ありがとうございます。
>技術移転をする度に必ず言われてきましたが・・・
>日本の技術者が怠慢または無能だったからということになります。
2001年12月に中国がWTOに加盟するまで、当時の対中技術移転に関する法規制は「外国企業に半強制的に技術を移転させ、かつその技術に瑕疵がある場合、技術を提供した外国企業に責任がある」という全くアンフェアなものでした。これに対し、日本・アメリカの政府機関(在中大使館・領事館を含む)、商工会議所、経済団体等が中国政府に申し入れををすると共に、企業向けにも技術移転に関する問題点とその回避に関する各種セミナーが頻繁に行われていました。
中国がWTO加盟するための前提条件として、こうしたアンフェアな規制を徐々にですが撤廃することを承諾させました。いまでこそ技術移転に関するアンフェアな法規制は撤廃されていますが、いわゆる産業スパイによる技術の流出は続いているものと認識しています。
また、私はエンジニアではありませんが「技術者が怠慢または無能」と言い切ってしまっては、日本の技術者に対して少し言葉が過ぎるように感じます。彼らは技術開発に責任を負っているのであり、中国の技術移転に関するアンフェアな法規制に対して異を唱える立場にはないでしょうし、産業スパイに対する対応についても、会社の決定がなければ技術流出防止策に対する部門予算もつきません。
また、日本という国の最大の長所であり、最大の弱点であることの一つに「性善説」があると思います。また、反日野党やマスゴミなどがスクラムを組んで日本の国益を毀損する蠢きをやめず、日本の国益を守る各種法律の制定に対し断固として邪魔しつづけています。
こうしたことが重なって、日本企業というより、日本社会全体において「尖端技術」に対する脇が甘く、気が付いたときには特亜諸国のコピー品が世界を席巻してしまっていることは誠を以て忸怩たるものです。
>今はそんな比較論を論ずるより・・・
私の主張の根底は決して「中国とパートナーシップを築く」ことではありません。
もしトップが中国にある現地法人を全て解散させることを決断し、中国企業との取引を止めることを決定したとしても、それに代替できる市場とある程度の規模の売り上げが確保できなければ、企業の存続に係る大問題に発展しかねません。私の勤める会社固有の問題かもしれませんが、中国リスクだけに特化して企業の経営方針を決めることはなかなかできることではないようです。
ところで、中国で成功している日系企業・・・。少なくともユニクロだけではないと思いますが、何を以て成功しているのか?という基準がないと一概には判断がつかないですね。
一例として挙げてみますが、対中投資の中身に注目してみるの面白いかもしれません。
おそらくご存知の通り、過去の対中投資ブームに「猫も杓子も対中投資」という時代がありました。個人的な感覚ですが、当時は日本企業による新規設立による対中投資額が既存の現地法人への増資の対中投資額を上回っていたと思います。
しかし、大手企業の新規企業設立案件も数年前には一服し、資金的にも人材的にも1~2社しか現地法人を設立できない中小企業の対中投資ブームも既に過去のものになっています。
確固たる裏付け資料がありませんが、おそらく最近の対中投資は既存の現地法人への増資が大半を占めているのではないでしょうか。企業の経営判断として、既に一敗地にまみれている中国の現地法人にむやみに新規増資を繰り返すケースはゼロではないにせよ、恐らく主流ではないでしょう。となると、(あまり大きな声では言えないが実は)成功している会社、又はなんとか経営を維持しているが、更なる業務拡大を目指して増資をするケース等が該当しそうです。それらが対中投資全体のどれぐらいの割合を占めるのかが検証できれば、中国で成功している日系企業の実情が見えそうです。
私が若かりし頃、自他ともに認める親中派の筆頭格のような存在でした。しかし、時は流れて年を取り、悪夢の権化・民主党政権時代にようやく目が覚めて、現在は日々新宿会計士様のブログなどを閲覧しながら勉強を重ねているところです。
中国や韓国から速やかに撤退せよ!これも「言うは易し、行うは難し」の一例に過ぎません。
学生時代に「ポスト鄧小平。中国の香港化と香港の中国化。果たして未来の回答はどちらだ?!」と大学のゼミで和気あいあいと議論していた頃が懐かしいです。なぜ全体主義・強権主義を前面に出す国へと変貌してしまったのでしょうか。これまで羊をかぶって隠し続けていた中国共産党という闇の一面が、経済発展と共に表面化してきただけかもしれませんが、やるせないものです。
それゆえに、一方的な決めつけではなく、多方面から相手を知り、自らができることを常に考えて、一つ一つ実行していくしかないと考えております。
> なぜ全体主義・強権主義を前面に出す国へと変貌してしまったのでしょうか。
枝葉の部分に横から失礼します。
天安門事件で武力弾圧を決断したのは鄧小平でした。胡耀邦が提唱した自由化路線に断固反対していたのが鄧小平であり、彼が共産党一党独裁を譲る気がないのは明らかでした。そんな鄧小平が推進する「改革開放」が民主的であるはずがありません。全体主義・強権主義を維持したまま西側が謳歌する経済発展だけをつまみ食いしようという狙いです。
かつての私の職場でも、90年代には皆「これからは中国だ、中国だ」と大はしゃぎで、幾つかの現地法人設立へと傾注しました。私は、「共産党一党独裁国家が推進する資本主義なんて、根本的に矛盾している。こんなのは絶対に長く続かない」と主張し、おかげで傍流に流れました。
あれから二十数年、中国は私が予想したよりもずっと上手く行き、長続きしました。負け惜しみかもしれませんが、それでも私は人生の一部を中国と関わって過ごすことにならずにすんで良かったと思っています。
国の経済が発展し、人々が豊かになって行けば、自由を求める人の数は増えていきます。今の中国は、それを相変わらずの全体主義・強権主義で押さえ込んで共産党一党独裁体制を維持する方針です。対外的に強硬なのも、内政の延長と考えれば自然です。諸外国に柔和であれば、国民はそれと同じ態度を政府に求めます。西側諸国は、中国に一層の民主化と人権の尊重を求めていますから、それに同調するわけには行きません。
> 中国共産党という闇の一面が、経済発展と共に表面化してきただけかもしれません
私の意見は、名古屋の住人様と同じ認識を違う言葉で申し上げているだけだと思います。経済発展したからこそ、中国共産党はより強権的に振る舞う必要があるのでしょう。
今後どこまで中国が現体制を維持できるかはわかりません。米中対立に上手く折り合いをつけられれば、結構長続きできる予感がします。近年米国で起こっている不穏な動きを見るに、中国の工作は相当に米国に浸透しているように見えます。北朝鮮が地道に韓国で工作を続け、ついに親北政権を生み出したように、近い将来、米国に「中国のことしか考えない大統領」が生まれるかもしれません。
清の皇帝が満州に去り、紫禁城を新たな征服王朝である国民党一派が占拠し、それを中国共産党が追い出し、次の王朝支配が始まっただけ。民衆の生活は何も変わらない。そう見れば、昔も今も未来も、中国人民は辛抱強く独裁政権下で生きていけるかもしれません。
匿名29号 様
私は名古屋の住人様のご意見が、誰も反対できない美しい結論、つまりは空論だとは思えません。
かつての世代がそうであったように、一会社員、もしかしたら一経営者も、儲けの誘惑に抗うには相応の理由が必要です。「日本に銃口を向けることを助けているのに等しい行為」だから巨額の商談をフイにできる者がどれだけいるのでしょうか。
私が思うに、いなかったから今日の世界があるのでしょう。
1989年、We Didn’t Start the Fireとビリージョエルは歌う通りに、つまりはみんなそう、と。
だから、「政府の外交戦略、民間のソフトパワーを結集して、オールジャパンとして立ち向かうこと」、即ち世論とか政策方針といったもの、共通理解の醸成が求められるのだと考えます。
最近の外国からの研究費の開示義務付けなどもこの一環なのでしょう。
敷衍すればクアッドも規模の差でしかないのかもしれません。
逆にいえば、指導者の鶴の一声で皆が一概に貿易や交流を差し止めるほど日本は中国じみた国ではない、ということです。
故に、日本はこの支柱なくして強固な共産党支配下の中国には抗し得ないのではないかと思うのです。
ご指摘ありがとうございます。
「誰も反対できない美しい結論=つまりは空論」という意図で書いたのではないのですが、舌足らずでもありました。
誰も反対できない美しい結論=教科書の一文を切り取ってきたようであり正論ではあるが、それを実現するための方策や費用・時間を考えると現実味が感じられなかったので、もう少し具体的なことを言ってくださいよ、という意味でした。つまり「即中国から撤退せよ」などの意見と同じく、言うは易く行うは難しの類と変わらない印象を受けた所以です。
名古屋の住人様
冷静なご意見参考になります。もうひとつ冷静ついでに、
軍事・経済で まさに「世界制覇」をめざす意図を隠そうともしない、昨今の中国の姿勢への匿名29号さんの言及について、
>このご意見には全面的に賛同します
とされていますが、この点もどうなんでしょう。
昨夜、BSフジLIVEプライムニュースに、おなじみの真田、鈴置コンビが出演されたので、視聴したのですが、前半は西村経済再生大臣を交えての日本経済のはなし。後半、ゲストがお二人だけになってからの話題が韓国、中国情勢でした。ちょっと意外だったのは、中国への言及が、外交、軍事に係わるものではなく、この国が現在抱える経済的難題に集中したことでした。十分な時間が割かれなかったため、もっと聞きたいことも多かったのですが、要はかつて日本が経験したのと同様、人口ボーナスによって生まれる高度成長の時期は過ぎ、今まさに人口オーナスに時期に入り始めていること。そして、ほぼ必然と見て良いと二人の識者とも見解が一致していましたが、バブル崩壊が間近に迫っていること。そんなことが強調されていました。
お二人の見方では、中国経済の舵取りを実質的に担う指導層は、それを十分に認識しており、何とかソフトランディングに向かわせるべく注力していること。また、成功するかどうかはともかく、それが現在この国の最大目標となっているだろうということでした。「鉛筆なめなめ」年成長率6%などという数字を出すことの意味など、もはやなくなっていることを自覚しつつも、実情に合った低い数字を出すことがためらわれる中で、このコロナ禍が起きたのは、むしろ、もっけの幸いだったのではないかというような話もされていました。
習近平が「大国の夢」などと真顔で語り、一帯一路、ABBIなどの大風呂敷を広げた時期。あれは一時的な飛躍的経済発展の美酒に酔い、盛唐の魅力に惹かれた周辺国家の朝貢が絶えなかった、あの過去の栄光を思い浮かべていたのだと思います。そして今、それは夢幻と消えようとしている。外向きに肩肘張ってことさらに見せつけているあの「戦狼外交」は、実は煽りすぎて国内で膨れ上がった期待が、裏切られたバレたときに、自らに降りかかる反感を避けんがための、苦し紛れのポーズではないのか。真田、鈴置両氏の話を聞いていて、そんな感想を持ちました。
多かれ少なかれ中国に仕事で関わりのある方々の意見を多くいただき感謝します。人によりまた立場により意見の相違があるのは当然であり、今後中国にビジネスで関わろうとしている方々がより深く考えるようになればと思います。
でも如何に中国の姿勢を捉えようとも、今年の中国の防衛費は日本の4倍の22兆円余りもあり、また海警法を布いて武器を装備しながら毎日のように東シナ海で他国漁船を追い散らしている現実をお忘れなく。
すみません、冷静と称する方々へ もうひとつ余計なことを。
中国の仕事に関わったものとして、サラリーマンだから会社のいう事に従った、政府が旗を振って煽ったとか、ビジネスチャンスに他国に乗り遅れるからなど色々と言ったところで、結果的に今日の中国を富ませ周辺諸国へ狼のような姿勢をとらせる結果を招いた責任の一端は、いくら言い訳しようとも免罪とはならず、負うべきであり繰り返してはならないと考えています。
慰安婦問題とともに日中関係も次の世代に負の遺産を引き継いでしまいました。
ご返信をいただいた皆様
いろいろな角度からご意見をいただき、大変勉強になりました。
阿野煮鱒様の「対外的に強硬なのも、内政の延長と考えれば自然です。諸外国に柔和であれば、国民はそれと同じ態度を政府に求めます。」。
伊江太様の「外向きに肩肘張ってことさらに見せつけているあの「戦狼外交」は、実は煽りすぎて国内で膨れ上がった期待が、裏切られたバレたときに、自らに降りかかる反感を避けんがための、苦し紛れのポーズではないのか。」
匿名29号様の「今年の中国の防衛費は日本の4倍の22兆円余り」
皆様のご意見を聞いて納得したことが一つありました。
未曾有の経済発展を遂げた中国(中国共産党)は、一党独裁の堅持を手放さない限り、自己矛盾が激化の一途をたどることに苛まされそうです。
しかし、あの鄧小平でも手放さなかった「一党独裁」。もし近い将来、中国共産党がそれを手放す時が来たとしたら、時の国家主席は「紂王」とか「霊帝」という諡号がつけられるのかもしれませんね。
「韓国は自分の利益になる約束は守る」が正しいと思います。
選択的に約束を守っているのです。
約束が自分の不利益になる場合は守らなくてよいという考え方が韓国では一般的なのでしょうね。
更新ありがとうございます。
有史以来、日本と中国大陸が隣国同士であるという事情を踏まえるならば、それほど友好関係でもなく、寧ろ中国は化外の島と日本を蔑視し、しかし朝鮮半島の様に属国か奴隷朝貢国家とは扱いませんでした。やはり日本海があって、更に四周を海に囲まれた「日本は天然要塞」だったからでしょう。
中国を訪れる日本人は近年鈍化してました。三峡下りとか一時期人気でしたか、不衛生、安全性の面で日本人が好む観光地とは言えなかった。盛んに日本の旅行会社は中国をPRしてましたがね。
同時に中国に住む日本人の数も意外と少ないのは、仕事で招かれても、大企業のエンジニアや研究職は、単身赴任が多いと聞きます。私も家族など、絶対連れて行きたくない(笑)
夢を見ます。早く、中国が共産党一党独裁から、四散分裂して中型の国家5つぐらいに分散しないかと。クーデターでもいい。チベット新疆ウイグル自治区など、独立出来ればその方が良いでしょう。旧満州もそう。その時、日本は援助を与えるべきでしょう。
中国とは距離を取るべし。「今ならまだ中国との関係を弱めることができる」、「今ならまだ引き返せる」ですから、今以上の経済的付き合いは国も制限かけるべきです。
外交関係を人間関係に置き換えて考える方法は、福沢諭吉が著名な「学問のすすめ」のなかでも勧めています。
外交を「専門的な人たちが専門的な言葉を使って議論する世界の話だ」と主張する人は、権威主義的な考え方が強いのかもしれないので、福沢諭吉の権威をお借りして「福沢先生も勧めていますよ」と説明すれば納得してくれるかもしれませんねw
~学問のすすめ、三篇より~
国とは人の集まりたるものにて、日本国は日本人の集まりたるものなり、英国は英国人の集まりたるものなり。日本人も英国人も等しく天地の間の人なれば、互いにその権義を妨ぐるの断りなし。一人が一人に向かって害を加うるの理なくば、二人が二人に向かって害を加うるの理もなし。百万人も千万人も同様のわけにて、物事の道理は人数の多少によって変わずべからず。
(中略)
自国の富強なる勢いをもって貧弱なる国へ無理を加えんとするは、いわゆる力士が腕の力をもって病人の腕を握り折るに異ならず。
チョット違う側面から、日本は国家安全保障戦略を立ち上げ、まず我が国自身の能力を総点検し(安倍総理)菅政権では各省庁に安全保障を扱う部署を作る様です。
経済面で考えれば、先端技術や人材の囲い込みが始まる事は各国とも同じだと思いますが、日本としてはNSCと企業の連携がどれだけ早く出来るのかがカギになると思います。
>韓国がFOIP入りを目指すとは考え辛いのですが、もしも彼らがそれを欲するならば、「事実上の事務局」である日本は、「FOIPに入るならば、まずは約束を守れ、ウソつくな」とだけ言い放って放置、で十分だと思う次第です。
韓国に対して「韓国である事を止めろ!」と言うのと同義ですね。
スポーツなどで卑怯や卑劣な事をする事を戒める「Do not Korea!」という表現もありますが。
以下のJETROのサイトによると、ずっと日本が対中輸出超過になっています。
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2020/7a3c80fbbd73f456.html
一方、以下の私的なサイトによると、2019年度は日本が対中輸入超過となっています。
https://www.digima-japan.com/knowhow/china/16342.php
新宿会計士様によると、日本が対中輸入超過ということですが、実際どちらなのでしょうね?
いずれにしても、私としては、国家間の輸出入超過額をもって、どちらの国にメリットがあるか否かの判断をする、というのは正直少々違和感があります。
もし国家間の輸出入超過額をもって判断するならば、日本は韓国に対して圧倒的に輸出超過となっており、韓国は日本にとってメリットがある有りがたい国ということになります。
各企業が貿易によって得た利益(最終的に付加価値)の計算は、(売上-仕入等売上原価-販間費ー一部の営業外費用)で算出されるものであり、各企業が得た利益は特定国家間の輸出入額統計とは直接的には関係しません。
例えば簡単な例として、韓国から100万円材料を輸入している会社が1社のみあるA国があったとしましょう。その会社は人件費50万円を使って製品を製造し、200万円で韓国以外のB国の会社に売ったとします。すると利益(付加価値)が、(200-100-50)=50万円とプラスの利益となります。
A国は対韓国では100万円の貿易赤字となっていますが、B国対しては200万円の貿易黒字、利益(付加価値)が50万円発生しています。
つまり、上記例を韓国に当てはめると、韓国は対日輸入超過で貿易赤字になっていて一見日本との貿易は損のように見えますが、その輸入品(主として生産に必要な資本財等)をもってスマホ等の最終製品を製造し、輸入金額及びそれ以外の製造コストをプラスした製造原価をはるかに上回る売り上げを得ており、結果的に莫大な最終利益(=付加価値)を生み出しているわけです。
またその日本からの輸入品は代替できないもので、かつ日本にとってその輸出品を韓国以外により高値で売ることができる潜在的可能性があるならば、日韓貿易によってはるかにメリットを得ているのは韓国ということになるのではないでしょうか?
私としては、基本的に日本企業の対韓貿易においては、輸出品を韓国以外により高値で売ることができる潜在的可能性があるにも関わらず、従来からの韓国との人的な関係、韓国の押し営業の強さ、韓国に対するリスク意識の低さ(既に誤っていますが)等から、ずるずると腐れ縁的に取引しているケースが多いのかもしれないと考えております。
PONPON 様
>新宿会計士様によると、日本が対中輸入超過ということですが、実際どちらなのでしょうね?
JETROと「Digima〜出島〜」の統計データを比較してみました。2017年、2018年ともに両者の数字はほぼ一致していますが、2019年の対中輸出額がJETROの統計と一致していません。あくまで推測ですが、おそらく「Digima〜出島〜」サイトの2019年対中輸出金額に誤りがあると考えられます。
2017年日本⇒中国(輸出) 2017年中国⇒日本(輸入)
JETRO 1,648億6,565万ドル 1,645億2,081万ドル
Digima〜出島〜 1,648億6,565万ドル 1,644億2,370万ドル (ほぼ一致)
2018年日本⇒中国(輸出) 2018年中国⇒日本(輸入)
JETRO 1,802億3,425万ドル 1,735億9,861万ドル
Digima〜出島〜 1,802億3,425万ドル 1,735億3,868万ドル (ほぼ一致)
2019年日本⇒中国(輸出) 2019年中国⇒日本(輸入)
JETRO 1,715億1,465万ドル 1,692億1,830万ドル
Digima〜出島〜 1,347億ドル 1,692億ドル (輸出のみ不一致)
名古屋の住人様
有難うございました。
なお国家間の輸出入金額が大きいということは、貿易黒字赤字関係なく相互補完(依存)関係が強いということなので、中国韓国との関係で頭が痛い問題ですね。
ですが、最終的には、経済(つまり金)で判断するのでなく、武士道精神という日本精神で判断したいものですね。
侮辱、貶めるものは許さないと。。
毎日韓国への憤怒の念を抑えられず、人生とは何か、武士は食わねど高楊枝、でも良いように感じる今日この頃です。
ちょっと危険な思考に陥ってきてるのかも、です。
> 毎日韓国への憤怒の念を抑えられず
確かに危険です。何事も楽しむ余裕がないと、冗談抜きに韓国面に墜ちていきます。
かくいう私も、一時期は毎日憤っておりましたが、家族に不健康な精神状態をたしなめられ、歴史学習や文化考察のダシとして楽しむようにしました。
阿野煮鱒 様
おっしゃる通りですね。
この間マイナンバーカードを申請するために久しぶりに自撮りしましたが、あまりにも不機嫌な怖い顔に自分でも驚愕しました。
毎日不快な韓国ニュース、特に昨今のラムザイヤー教授に対する世界の韓国派の連中の対応を見るにつけ、食事中も、トイレ中も、ほぼ24時間不機嫌です。
精神のバランスをとるために、プライムビデオで美しいヒューマンドラマを観るようにしました。
ですが、国益のために一市民として、韓国の許されざる行為だけはしっかりウオッチしていきたいと思います。
「韓国面に堕ちる」といのをググってください。
PONPON 様 名古屋の住人 様
統計の差異については、ご提示JETROサイトの表7 注1に書いてあります。
香港経由をどう扱うかの違いの様です。
話は変わりますが、”自由”貿易は平和と相互の尊重があってこそ成り立ちます。
そこを弁えない中韓とは少しづつ距離を置くのが正解かと。
ご紹介の朝鮮日報記事を読みました。
QUADを「反中連帯」と表現していますね。「対中」ではなく。
ちょっとした表現の違いですが、本音が透けて見えて非常に興味深いと感じました。
否定する感じで大変申し訳ないのですが、自由で開かれたインド太平洋を殊更に取り扱うのであれば、「ミャンマーのクーデター問題」についても論じてはいかがでしょうか、論じていらっしゃるかもなのですが各表題に見当たりませんので提起しておきますね。
ここ最近の右派の方の発信を見ていると、ミャンマーのクーデター問題についての発信がとても少なく感じます。流石に同じ目線で見るなとお叱りを受けそうですが、例えば、門田隆将氏(@KadotaRyusho)のツイートを「ミャンマー」で検索しても1件たりともヒットしません(関連内容のリツイートぐらいはあるかもですが)。同氏は米国の民主主義に対しては嫌疑を投げ掛けているのですが。愛知県知事のリコール不正問題でも問題の本質を理解してないご様子なのでどうしようもないのかもしれませんが。
日本の自由で開かれたインド太平洋は非民主主義体制自体を否定はしていませんが、普通に考えて国民が弾圧されているような状況は日本政府としても到底許容できません。にもかかわらず、自由で開かれたインド太平洋の支持者でもある日本国民のミャンマーのクーデター問題についての冷めた目線は如何なものかと思います。
何故に日本政府に強い対応を求めないのか不思議です。「ミャンマーを罰することは中国を利することに繋がる」的な言説が影響しているのかもしれませんが、そもそも日本にミャンマーと中国の関係をコントロールするような影響力などありません(皆無だとは言いませんが)。実際のところ、軍や民主派にかかわらずミャンマー支配層が日本に期待するのは、欧米からの圧力を受け流す盾の役割だけかなと思います。
また、日本は、日本の自由で開かれたインド太平洋だけではなく、欧米目線で再構成された自由で開かれたインド太平洋も支持する必要があります。今の状態では、「ミャンマー国民は日本を支持しなくなる」「欧米との意識差が広がり、日本の安全保障に影響する」という感じになっていくことは明らかです。アジア版NATOというのであれば、シックスアイズというのであれば、もう少し他国の立場も考えることが必要ではないのでしょうか。
今までの対ミャンマー政策の積み重ねを色濃く反映した外務省の考えは容易に修正できません、与党議員も同じような考えをしているからです(当方は過去の対ミャンマー政策は一定の評価はしている)。一応でも民主化したミャンマーでクーデターを発生させ、それだけではなく、国民を弾圧し殺害したミャンマー国軍は完全に一線を越えました。我々はミャンマー支配層に対して、今まで同じ対応はできないし、すべきではない、と気付くことが必要です。ましてや、クーデターが落ち着いたとしても、国民を弾圧し殺害した国軍を今までと同じように交流するなんて不可能でしょう。
ミャンマーが抱えている問題自体があまりにも複雑すぎるので単純な対応で済む問題ではありませんが、今のあいまいな対応というか、最低限の価値観すら感じられないと思われるかもしれない対応は、本邦の自由で開かれたインド太平洋構想にとって悪影響しかありません。この問題に対して弾圧され殺害されている一般のミャンマー国民の立場に立てないのであれば、インド太平洋構想なんてやめたら良いのではないかと思います、言葉だけで中身が伴わなかった大東亜共栄圏のようですので(こういう言い方すると強烈な反応や揚げ足取りをされそうですが)。
>ミャンマーのクーデター問題についての冷めた目線は如何なものかと思います。
そう思うならご自身でブログなりSNSなりすればよろしいのでは?
匿名 様
仰る通りですね。”FOIPが価値あるものになるかグダグダで終わるかの試金石”だと思います。現実は対応が難しいのも事実だとは思いますが、日本が追及する価値(自由、平等、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配)を明確にすることは外交のイロハでしょう。
その意味で、特に香港・チベット・ウイグルの各民族に対する非道な扱いとミャンマーのクーデターに対しては、繰り返し非難すべきです。
その上で、中国側に軍を追いやらない為の実利的な対応はあっても仕方がないと思いますが、あくまでも裏でコソコソやる話です。
日本が追及する価値(自由、平等、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配)から最も遠いのが”外務省”であり、茂木大臣の様な気がします。
米国はどんなに腐敗独裁政権であっても「親米」であれば容認します。それが地政学であり、国益だからです。日本もそれに倣うべきかと思います。
所詮道義は偽装だからです。
ただいつも思いますが日本の外交は中途半端ですね。ミャンマーの軍事政権を支持するのか、あくまでクーデターを許さない姿勢を見せるのかはっきりさせるべきでしょう。軍事政権が民衆を弾圧したからこれは永くはないなと考えて見限るのも良いし、逆に軍事政権に恩を売ってミャンマー中枢に食い込むのも良いでしょう。首相官邸と外務省で綿密に協議して決めるべきです。
コピペですが、その辺りのことを書いた記事をサイトに貼っておきます。このコメントに貼っても良いのですが、新宿会計士さんは貼り付けるのを嫌うようですので貼りません。