政府への勧告を10年以上サボる日本学術会議に行革論
菅義偉総理大臣による「任命拒否」騒動を受け、日本学術会議や彼らの擁護者である特定メディア、特定野党が連日のように大騒ぎしていますが、その一方でまことに興味深い現象が生じています。それは、彼らが騒げば騒ぐほど、私たち一般国民が同会議の存在に注目し、根掘り葉掘り、さまざまな情報を探すようになる、ということです。こうしたなか、読売新聞は本日、日本学術会議が2010年以降、法の規定に基づく勧告を行っていないとして、政府・自民党内で同会議を行革対象とする方針だと報じています。
キジも鳴かずば撃たれまい
日本学術会議が新たに任命した105人のうち6人が菅義偉総理大臣によって任命拒否されたという話題については、当ウェブサイトでもこれまでずいぶんと取り上げて来ました。
一部メディア、あるいは一部政党などは、菅総理がこの6人の任命を拒否したことを巡って、「人事権の乱用だ」、「任命しない理由を説明せよ」などと主張していますし、極端なケースだと、「違憲で違法だ」など支離滅裂な主張も見られます(『存在感なき特定野党の言動を、久しぶりにまとめてみた』等参照)。
ただ、これについてはすでに『「キジも鳴かずば撃たれまい」日本学術会議の自業自得』などでも、「彼ら自身が大騒ぎすればするほど国民の関心が日本学術会議に向かい、結果的に日本学術会議のさまざまな問題点が表ざたとなるように思えてならない」と予想したのですが、その予想は見事に当たりました。
この問題が騒ぎになり始めてからもう1週間以上が経過するのですが、事態はいまだに収束せず、それどころか、日本学術会議側に不利な話題が次々と出て来ている状態で、そのなかでも最たるものは、日本学術会議の提言のなかに、日本の国益を毀損するものが多数含まれていたのではないかとする疑いです。
たとえば、あの「レジ袋有料化」については、同会議の大西隆元会長が東京新聞への寄稿で「日本学術会議が提唱していた」と胸を張ったとする話題については、昨日の『レジ袋有料化も日本学術会議の提唱がきっかけ=元会長』でも取り上げたとおりです。
しかし、一部のジャーナリストらからは、このレジ袋有料化自体、減らせる海洋プラスチックのごみの量も限定的であり、かつ、レジ袋の使用量を減らすことが石油使用量を減らすことにつながらないとする主張も出て来ています。
「増税」がらみでいえば、この日本学術会議は2011年3月に発生した東日本大震災を巡り、「復興税」での財源調達を示唆していたという事実もあります(日本学術会議・2011年9月30日付『東日本大震災被災地域の復興に向けて』P8など)。
日本学術会議こそ、学問の自由に介入していませんか?
さらには、『「解体論」も飛び出す日本学術会議、中国との関係は?』でも触れたとおり、日本学術会議はこの大西隆会長時代の2015年(平成27年)9月7日、中国科学技術協会との協力に関する覚書を結んでいたりもします。
中国科学技術協会との協力覚書署名式
平成27年9月7日、中国科学技術協会(中国・北京)において、大西隆日本学術会議会長と韓啓徳中国科学技術協会会長との間で、両機関における協力の促進を図ることを目的とした覚書が締結されました。
→日本学術会議と中国科学技術協会の協力覚書
→要旨
―――日本学術会議ウェブサイト『その他の二国間交流』より
【参考】日本学術会議ウェブサイト・スクリーンショット
(【出所】日本学術会議ウェブサイト『その他の二国間交流』)
こうしたなか、数日前にはこんな報道もありました。
北大・永田教授、学術会議の圧力に言及 防衛省の制度への応募が禁止に
北海道大学の永田晴紀教授(工学研究院 機械・宇宙航空工学部門 宇宙航空システム)が6日、自身のツイッターに投稿し、防衛省の安全保障技術研究推進制度に応募していた同大が、日本学術会議の圧力で辞退していたことに触れた。<<…続きを読む>>
―――2020.10.07付 デイリースポーツより
これは、防衛省の安全保障技術研究推進制度に応募していた北海道大学が、日本圧力会議の圧力でこれを辞退していたとされる、同大の永田晴紀教授のツイートを取り上げた記事です。
当ウェブサイトとしては現在のところ、この話題については、永田教授のツイート以外に事実関係を確認していないので、この報道が事実だと決めつけるつもりはありません。
しかしながら、万が一、この報道が事実なのだとしたら、とんでもない話です。つまり、日本学術会議とは、そもそも論として日本のためになる研究・提言をしている組織ですらないという可能性が出て来るからです。
中国の機関と研究に関する覚書を締結しておきながら、日本の安全保障研究については妨害しているわけですから、年間10億円という国民の血税を使って、結果的に日本の国益を邪魔しているという言い方をしても良いでしょう。
いずれにせよ、その日本学術会議側は、今回の任命拒否についての理由を明らかにせよ、自分たちが推薦した候補者全員を会員に任命せよ、などと要求しているようですが、これも冷静に考えるとおかしな話です。
もし今回の任命拒否が不当だというのであれば、日本学術会議側こそ、拒否された6人を巡っては、なぜ彼らを新会員に推薦したのかという理由を私たち国民に対して明らかにすべきではないでしょうか。
読売新聞の独自ニュース:「日本学術会議の組織運営見直しへ」
こうしたなか、本日はひとつ、興味深い報道を発見しました。
【独自】学術会議を行革対象に…政府への勧告10年なく、組織・運営の見直し検討
政府が、日本学術会議を行政改革の対象とし、運営や組織について見直しの検討に着手したことがわかった。<<…続きを読む>>
―――2020/10/09 08:58付 読売新聞オンラインより
読売新聞によると、「日本学術会議を巡っては、年間約10億円の国費で運営されているにも関わらず、法律の規定に基づく政府への勧告が2010年8月以来行われていない」として、河野太郎行革相のもとでその妥当性を検討するのだそうです。
ただし、この読売の報道の「法律の規定に基づく政府への勧告」という文章には、若干、誤解を招きかねない表現もあります。この「法律の規定に基づく政府への勧告」とは、「やらなければならない」ものではなく、「勧告することができる」というものだからです。
日本学術会議法 第5条
日本学術会議は、左の事項について、政府に勧告することができる。
一 科学の振興及び技術の発達に関する方策
二 科学に関する研究成果の活用に関する方策
三 科学研究者の養成に関する方策
四 科学を行政に反映させる方策
五 科学を産業及び国民生活に浸透させる方策
六 その他日本学術会議の目的の遂行に適当な事項
したがって、日本学術会議側が、同法第5条に基づく勧告を実施しなかったとしても、べつに違法というわけではありません。
ただ、決して少なくない血税を投入されていながら、2010年8月に科学技術基本法の見直しなどについて提言が行われたのを最後に、政府への勧告がいっさいなされていないというのは、日本学術会議自体の存在意義を検証する良いきっかけであることは間違いありません。
読売新聞はさらに、政府内で、国家公務員である同会議の事務局職員約50人の必要性について「疑問視する声も出ている」としているのですが、消費税の税率を引き上げるくらいですから、政権与党である自民党において、冗費の使途については厳しくチェックしていただくのは当然の話でしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
勧告もそうだけど、諮問への答申もないのです♪
答申がないのは政府が諮問しないからだけど、それって政府自身が必要性を感じてないってことだと思うのです♪
HPみますと
『勧告』はその通りですが『提言』は9月だけで25件出ています。
『答申』はその通りですが『回答』(関係機関から審議依頼に対するもの)はそこそこ出ています。
活動を100%支持するわけではありませんが、事実に基づいた議論をするのがここのテーマだと思っています。
そうですね。今回の記事は「角度が付いて」いるように見えます。
本文ではしっかり説明されていますが、タイトルの「勧告を10年以上サボる」という表現も、義務を怠ったかのように受け取られかねません。
「できる」の項目を見るに、「科学の振興のために政府がこんなことをしてくれると嬉しいなあ」というお願いと読めます。
金融の素人様
ご指摘のとおり提案はかなりの数があるのです♪
だから、学術会議の自発的な意見表明は結構頑張っていると思うのです♪
前にみたときは、提案までは見なくて勧告だけみて自発的な活動がほとんど無いと思っちゃったのです♪
m(_ _)m
だから、日本学術会議の4つの主な役割のうち、
・政府に対する政策提言
については、しっかりやってるのかなとも思うのです♪
そうすると学術会議の意義を考えるためにも、政府に対して、
・学術会議の提案を取り入れた政策はどのくらいあるのか?
を聞いてみたい気がするのです♪
それなりに、提言が政策に取り入れられていれば、少なくとも政策提言という役割には意義があると思うのです♪
仮に、政策への反映がほとんど無くても、立案の過程でいろんな案を比較検討することには意味があると思うので、その時は、追加で
・学術会議の提案を政策立案にどう生かしたのか
を聞きたいと思うのです♪
「全く使い物にならなかったので放置した」とか「存在を知らなかった」なんてのは、流石に答えないと思うけど、「提案の時期を逸していた」みたいな回答ばかりだと、日本学術会議の提案って何なの?って思っちゃうのです♪
流石にそんな事にはならなくて、「ある程度政策に反映した」とか、「政策検討時の対案として議論の深化に役立った」みたいな結論になるだとは思うのですが・・・・
提案の数がそれなりに多いから、政府の方も、審議依頼して回答を貰うって使い方じゃなくて、事前に根回しして提言を出してもらって検討のきっかけにするみたいな使い方をしてるのかなって思ったのです♪
元インサイダーによる暴露記事です。
日本学術会議、いっそ改組されたら?
老人会・蛸壺温床・政策提言僅少の「日本ガス抜き会議」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62372
騒ぎに乗じて私怨を爆発させたようにも見えます。
どこまで真に受けるかは読み手の判断と言うことで。
まあ、長年タダ働きされたら腹が立つでしょうが、他分野での実績と稼ぎもあるようですし。なぜもっと早く辞めなかった? という疑問も湧きます。
阿野煮鱒 様
ご紹介頂いた記事は、生々しい体験談のようで面白かったのです♪
真っ当に政策まで結びつける提言を書こうとすると、そりゃ大変なんだろうなと思います♪
ただ、以前仕事でお付き合いさせていただいた学者の先生なんかみてると、60代過ぎてもエネルギッシュな方ばかりだったのです♪
だから、老人ばかりで仕事が出来ないってのは、ちょっと言い過ぎなのかなって思ったのです♪
更新ありがとうございます。
読売新聞の報道は存じませんでした。素早く拾ってくれて、興味深く読みました。さすが読売!(と、読売を上げとこ 笑)。
日本学術会議はドツボにハマりましたネ〜。いやここ1週間、楽しませて貰いました。で、買い物袋持参の次はなんだ?(笑)ナニナニ。学術会議を行政改革の対象とし、運営や組織について見直しする?河野大臣、動きが早い!
菅首相にハッパかけられたのか茂木外務大臣といい加藤官房長官といい、皆さんスピード重視ですね。
年に10億円の国費が出てて、法律に基づく政府への勧告が2010年8月以来無い(爆笑)。「勧告をしない自由を発動」か?(笑)また50人もの事務職員って何をしてたんだろう。
河野行政・規制改革相お願いします。学術会議は全部ちょん切って下さい。仕事無いなら必要無いではないか。
日本学術会議の日本社会への貢献あるいは反貢献について。下記には妄想が含まれていますのでご注意願います。
昨日の元会議長の投稿記事についての話題から、”プラスチック 日本学術会議 提言”で検索したら、雑談の投稿で紹介されていた、今年の4月7日の提言のpdfの下に下記の記事を見つけました、素早く記事になっていて面白いなと感じました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-04-08/2020040812_01_1.html
この提言は40ページもあってサマリーくらいしか読む気力はないのですが、ちょっと疑問に思うところがあります。提言はマイクロプラスチックが有害かどうかは分からないけど予防的に規制した方が良い、海のマイクロプラスチックスープの起源と影響を研究しましょうね、プラスチックの添加剤の有毒性も心配だし。と言っているように読めます。
有害性のこういう研究って、濃度が薄いからかなり難しいと思うのです。低線量の放射線の影響を知ることの難しさと似ている気がします。研究手法も提言しないとあまり意味が無いと疑問に感じます。
でも、こんな機会が無いとこのような提言を読む機会は無いので、洗剤にマイクロプラスチックが使われているとか、洗濯をすると布からマイクロプラスチックが発生するとかの知識が得られて興味深いですね。
軍事研究の拒絶についての提言について。
生物兵器の研究をして来なかったせいで、PCR検査能力が足りなく、おかげで今のところ医療崩壊が発生しないことは、学術会議の日本社会への偉大な貢献である。
お時間つぶしまで。
政府も学術会議も組織としての箔付けに互いに利用し合っていて、その中での無理なしわ寄せが各メンバーに来てしまっているように感じられます。
なあなあになっていたところを見直し、推薦条件、任命(拒否)条件を明快にし、スッキリとした組織に仕立て直すのがよいのではないかと思います。そのあたりの提言を、学術会議地震が出すのは難しいのでしょうかね?
河野大臣の起用がここにきてすごく効いているように見える。
「今、この6名が任命されなかったという問題が、学術会議の存在の意味のほうに議論が移っているように、私はさまざまな報道を見ていて、やはりそこはちょっと議論が基本的には違うと思っている」(日本学術会議前副会長 渡辺美代子氏)
まあ、R4、野党、マスゴミ含めて「任命拒否問題」に落とし込みたいんでしょう。
上級国民なる物が、存在していたり、十分に機能していない政府機関が有れば、問題だというのが、国民の意識だと思います。
ましてや中国と強い関係が有ったり、共産党との関係が有れば、日本の国益上、深刻な問題です。
立憲とアカヒが、揃って同じ事を言えば、「それは間違いで、国益を毀損する」マーカーだと、日本人は気付きました。
便利って言えば、便利。コンビニエンスアカヒ。
学術会議問題を国会ネタにする野党の動機は、こんなところにあったりして……
『日本学術会議問題で、法律家は法に従って議論しているか?』
http://shinodahideaki.blog.jp/archives/36171555.html
>いやあ実は選挙では勝てそうもないので、民主主義のルールを回避し、「学問の自由」云々といった話を持ち出して問答無用の攻撃をして、印象操作でとりあえず内閣支持率の低下を目標としよう・・・、といった態度は、邪道であり、有権者に対する裏切り行為である。
https://twitter.com/Japangard/status/1314458635750129671
坂東 忠信
@Japangard
日本学術会議の学者先生方、おめえら冗談は頭だけになさって下さいよ。
懇意にお付き合いしてやがる中国科技協会56人の中に、モロ軍人と解放軍兵器開発企業ドローンプラットフォーム技術関係者がいらっしゃいますよね。
それで自衛隊には協力しないとか、頭がおバグりになられてらっしゃるのでは。
中国サマの軍事研究は、別に問題ないアルヨ。中国サマの軍事力は、世界平和のための軍事力アルからね。それに、中国サマを少しでも批判すると、マスゴミのご機嫌を損ねるアルヨ。
日本学術会議が覚書を結んでいる中国科学技術協会の正体と習近平の狙いに関し、遠藤誉先生が昨日10月9日付で論考を発表しました。記事から要点を勝手に纏めて転載します。
1.「日本学術会議と中国科学技術協会」は「必要に応じて推薦された研究者を受け入れる」。2013年3月15日の提携書では、中国工程院も中国科学技術協会と「科学技術サービス・人材育成などの面で提携を深化する」と謳っている。
2.日本学術会議は菅総理による任命拒否に対して「学問の自由が侵された」と主張している。しかし日本学術会議は日本政府が毎年10億円以上の経費を注ぎ込んで運営されている機関であり、会員が自腹で会費を支払って成り立っている「政府とはいかなる関係もない、独立した学会」とは違う。国民の税金で「食わせてもらっている組織」である。
3.日本人の多くは、自民党の二階幹事長を筆頭として、中国の「シャープパワー」にやられてしまっており、自分が「中国の操り人形」になっていることさえ自覚できないでいる。知識層も、高い思考力を持っているはずなので、どうか中国の老獪な戦略とシャープパワーに気が付いて欲しい。日本国民よ「現実を直視しようではないか」。
記事全文はこちらからご確認下さい。
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20201009-00202299/