「外交に弱く、派閥に振り回される菅政権」は本当か?
本日午後2時から、東京・グランドプリンスホテル新高輪で自民党の親総裁が選出される予定です。といっても、事前の予測では菅義偉内閣官房長官が圧勝の勢いであり、今週の臨時国会で「菅義偉政権」が誕生することはほぼ確実でしょう。こうしたなか、某国メディアには「どうせ派閥に振り回されて指導力がない」、「外交に弱い」といったダメ出しが出ているようですが、これについてどう考えるべきでしょうか。
目次
菅義偉氏圧勝の公算:焦点は「その次」
本日午後2時から、東京・グランドプリンスホテル新高輪で自民党の両院議員総会が開かれ、総裁選の投開票が行われます。事前の報道などを読む限りでは、内閣官房長官である菅義偉(すが・よしひで)氏が圧勝すると考えて良いでしょう。
自民新総裁、菅氏選出へ 議員票圧倒、地方票も上積み―14日投開票
―――2020年09月13日20時40分付 時事通信より
【総裁選ドキュメント】菅氏が66票程度固め過半数確保の見通し 自民党関係者が明らかに
―――2020.9.13 21:45付 産経ニュースより
時事通信の昨日の記事によれば、菅氏は国会議員票(394票)の7割を固めたそうであり、また、産経ニュースの昨日の記事によれば、地方票(141票)のうち、現時点で66票程度を固め、最終的には過半数を確保する見通しなどとしています。
こうしたなか、個人的な関心は、「菅義偉氏が総裁選で勝利するかどうか」ではなく、「どれだけの票を固めるか」という点にあります。もう少し踏み込んで言えば、岸田文雄氏や石破茂氏に「来年以降、あらためて総裁選に出馬する」という道があるのかどうか、です。
もともと、今回の総裁選は、安倍晋三総理大臣の辞任に伴うものであり、菅氏がどれほど圧倒的な得票で自民党総裁に選ばれたとしても、任期は1年です。もし菅義偉政権が1年間のつなぎに終わるのであれば、「ポスト安倍」を狙っている人たちにとっては、この1年間が勝負、というわけです。
このように考えていくと、今回、両名が総裁選に立候補したことで、少なくとも「ポスト安倍」の候補者として名乗りを上げたという実績ができたわけであり、それ以外に「総理大臣」という野心を抱いている人にとっては、両名にリードを許した、という見方もできなくはないでしょう(※石破茂氏に関しては微妙ですが…)。
後継者争いは熾烈化
もっとも、両名の得票が国会議員票、地方票のいずれか(あるいはその双方)で「惨敗」といえるような惨状に終わった場合には、むしろ彼らが流れを読み誤ったか、党内基盤が弱かったという証拠にもなりかねませんし、下手をすると却って総理の座を逃したという結果を招くのかもしれません。
とくに、菅義偉政権が1年以上長続きするようであれば、将来のリーダーを目指す人たちにとっては、菅内閣に入閣したり、自民党の役職に就いたりしてじっくりと仕事に取り組み、成果を上げることで、「ポスト菅」に名乗りを上げるという道が出てきます。
とくに、菅氏自身が今年72歳と高齢であることから、「今から10年間の長期政権を目指す」というのも非現実的でしょう。早晩、「ポスト菅」問題が浮上することは間違いありません。
個人的には、茂木敏充外相や河野太郎防衛相、世耕弘成・参院幹事長、萩生田光一文科相などが「野心」を抱いているのではないかと思います(※ただし、世耕氏が総理に名乗りを上げるためには、衆院への鞍替えが必要でしょう)。
あるいは、持病が寛解すれば、安倍晋三総理が再々登板、という可能性だって出て来るでしょう。つまり、「菅長期政権」なら、「ポスト菅」を強く意識した後継者争いが熾烈化するでしょうから、岸田、石破両氏の立場はますます苦しくなるかもしれません
むしろ最大の焦点は衆院解散の有無
こうしたなか、菅義偉政権が誕生するのはほぼ間違いないとして、「次の展開」として注目しているのは、衆議院議員総選挙です。産経ニュースによると、麻生太郎総理(※安倍政権下で副総理兼財相)は昨日、新潟県内で講演し、衆院解散に言及したのだとか。
麻生副総理「すぐに衆院解散かも」 次期首相下、タイミングが大事
―――2020.9.13 17:21付 産経ニュースより
麻生総理といえば、2008年9月に福田康夫元首相から政権を譲り受け、すぐに解散総選挙に踏み切ろうとした矢先に、リーマンブラザーズの経営破綻に端を発する世界的な金融危機が発生し、解散できなかったという経験を持っている人物でもあります。
そして、麻生総理が衆院解散に踏み切ったのは、任期満了直前の2009年7月のことであり、マスメディアの偏向報道の結果、2009年8月の衆院選では自民党が歴史的大敗を喫しました(※このこと自体、当ウェブサイトを立ち上げるきっかけのひとつでもあります)。
そんな麻生総理のことですから、これは「解散総選挙かもしれない」、ではなく、「解散総選挙をした方が良い」、という菅氏に対するメッセージと受け止めるべきでしょう。
菅義偉氏が長期政権を目指すのであればなおさらそうでしょうし、1年間の選挙管理内閣に徹するにしても、自民党の勢力をある程度維持して次期政権に渡す必要があるからです(もちろん、武漢コロナ禍が終息していない中での解散総選挙にはそれなりの批判も伴うかもしれませんが…)。
中央日報「菅政権、派閥に振り回され、外交に弱い」
さて、その菅義偉氏を巡っては、なぜか隣国のメディアも注目しているようです(といっても、その取り上げ方にはいつもながら悪意を感じますが…)。その典型例が、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に掲載された、次の記事でしょう。
麻生派「了解なく人事をするな」…菅氏、今から派閥に振り回される?
―――2020.09.14 09:28付 中央日報日本語版より
中央日報の主張を要約すると、「菅義偉氏が全体の7割の票を確保して圧勝する見通しだが、党内基盤が弱い菅氏は派閥に振り回されるとの懸念が出ている」、といったところでしょう。
あるいは、「派閥に振り回され、強い指導力が発揮できずレームダック化してさっさと退陣して欲しい」というニュアンスを記事全体から感じ取ってしまうのは、気のせいでしょうか。
中央日報は毎日新聞や朝日新聞などの報道を引用しつつ、菅氏が圧勝する勢いであることについて、
「党内の圧倒的支持を菅氏が受けているが、これは各派閥が新首相就任後に予定されている自民党人事と改閣で不利益を受けないために積極的な支持表明をしている側面が大きい」
などとしつつ、その支持を取り付けたことの対価として、ポスト(閣僚人事など)で派閥の影響力を無視することができない、などと述べているのです(暗に、「菅義偉総理も派閥に振り回されて、指導力を発揮できない」、とでも言いたいのでしょうか)。
さらに、中央日報にはこんな記述もあります。
「7年9カ月続いた安倍第2次政権の間、一貫して官房長官を務めてきた菅氏は内政には明るいが、外交には弱いという評価を受けている。」
これは安倍総理が外交に強かったこととの対比で、菅「総理」は安倍総理ほどの外交力を発揮することはできないだろう、という見方でしょうか。もっとも、このあたりはわが国のメディアにも一般的に見られる認識であるため、「菅氏を貶める悪意に基づいた記述である」、などと決めつけるのは尚早ですが…。
派閥と無縁な総理っていましたっけ?
ただ、ここで逆に2点ほど不思議に思うことがあります。
ひとつは「歴代の自民党の総理大臣で派閥の影響力を無視した人は、果たしていたのか」、という疑問点であり、もうひとつは「菅義偉氏は内閣官房長官として外遊の機会がなかっただけではないか」、という疑問点です。
前者に関しては、もともと日本の政治が議院内閣制に基づいて行われているのに加え、総理大臣の権限は諸外国の首脳と比べても非常に弱く、指導力を発揮するのがなかなか難しい、という事情を無視しているように思えてなりません。
安倍晋三総理大臣の場合も、自民党の細田派の出身ですが、盟友の麻生太郎総理を副総理兼財相として入閣させることで麻生派を取り込み、竹下派や二階派などにも配慮しつつ、政権運営してきたという事実を忘れてはなりません。
(※ついでに申し上げれば、安倍政権下で不祥事を発生させた政治家は、昨年の参院選の選挙違反容疑で逮捕された河井案里参議院議員や統合型リゾート汚職を巡る承認買収の疑いで逮捕された秋元司衆院議員など、二階派に集中しているように思えてなりません。)
二階派出身の政治家(閣僚など)に足元を何度か掬われそうになりながらも、安倍政権はここまでうまく続いてきたのですから、その安倍政権下で官房長官を務めてきた菅氏であれば、このあたりの事情もよくわきまえているであろうことは想像に難くありません。
「外交に弱い菅」は本当か?
その一方で、菅氏が外相などの経験を有していないことは確かでしょうし、ご本人に「英語力がある」という報道は寡聞にして知りません。
とくに総理大臣ともなれば、G7やG20、ASEAN+3などの主要国際会議に毎年参加する必要がありますし、これらの会談でさまざまな国の首脳と立ち話を交わす際、通訳がいるのといないのとでは大きな差が生じかねません。
このあたり、菅氏がその弱点を補うために、茂木氏を外相に留任させる(あるいは河野氏を外相に復帰させる)のではないか、といった観測報道もあるようですが、もしそのようにするとしても、どうしても限界はあるでしょう。
ただ、それと同時に、「菅氏が第二次安倍政権発足以降、外国を訪問したことが数えるほどしかない」というのは、当たり前の話です。なぜなら、菅氏は内閣官房長官という要職を務めていたのであり、内閣官房長官は基本的には官邸から動かない職務だからです。
逆にいえば、安倍総理があちらこちらに飛び回ることができたのも、菅氏が官邸にドッシリ構えているからこそ可能だったわけであり、また、産経ニュースの次の記事によれば、菅氏は過去に37回ほど行われている日米電話首脳会談では、1回を除いてすべて同席していたと明らかにしています。
【総裁選公開討論会詳報】(13)菅氏「重要な外交の政策決定には全て絡んできた」
―――2020.9.12 19:48付 産経ニュースより
菅氏の外交手腕が未知数であり、不安材料も多いことは間違いないにしても、「その能力がない」と決めつけるのはいかがなものかと思います
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ついでにいえば、現在は武漢コロナ禍のため、主要な国際会議はたいてい電話・ビデオ会談で行われるのではないかと思います。ということは、英語力が必須な首脳会談後のちょっとした会話などが行われる機会が非常に少ない、ということでもあります。
逆にいえば、安倍総理が体調を崩したのも、もしかすると「大好きな外交」ができなくなり、ストレスがたまったからなのかもしれない、とふと感じた次第でもあります。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(というより、個人的願望丸出しなので)
まず、公式には次期総理が誰になるかは決まっていません。そのため、次期政権がどうなるかは分かりませんが、もしかしたら国民が次期総理に望むのは、自分では選べないことを選んでくれることではないでしょうか。例えば「新型コロナウィルスに感染するには困るが、それで廃業に追い込まれるのも困る」、そのため(どう決めても「勝手に決めるな」と言われることを覚悟で)自分の責任で勝手(?)に決めてくれることではないでしょうか。(新型コロナウィルス感染は短期で結果が出ますが、結果が出るまで時間がかかる問題でも、先送りせずに決めてもらいたいものです)
蛇足ですが、昨日の『そこまで言って委員会NP』からですが、「どの長期政権も、最初から長期政権になるとは思われていなかった」。アメリカの大統領選のことを考えれば、(菅義偉氏が総理になると仮定してですが)次期総理も長期政権になる可能性もあるのではないでしょうか。
駄文にて失礼しました。
もう少し踏み込んで言えば、石破茂氏が党を出て総理大臣を目指す根性が、有るのかが試されます。
以前も書きましたが、外国大使館の日本政府への窓口は、菅さんが担当です。
大使館側にしてみれば、秘書室長が総理大臣になる様な物で、顔繋ぎの必要は有りませんので、スムーズな移行が、行われると思います。
懸念は二階派の動きですかね。
菅さんは、長期政権を目指さずにやった方が、結果として長期になる様な、気がします。
更新ありがとうございます。
菅義偉氏は、535票中7割方集めそうな気がします。この数字を取れたら、2位が幾ら取ろうが、2位3位に次の芽はほぼ無いと思います。
「ポスト菅」は茂木敏充外相や河野太郎防衛相、世耕弘成・参院幹事長、萩生田光一文科相、安倍総理、菅氏の中から生まれて欲しい。
もし菅氏が来年までの1年間なら、手を出さないといけない責務が多すぎて、気の毒です。4年と考えるならそれなりの成果が期待されますし、やって貰わないと困る。
まさか「野田どぜう」みたいな1年間という不様な内容だとは思いませんが(笑)。
中央日報は何時も日本の政局に口出しして、「こうなって欲しい」という願望をモロ、書いてます。が、大概ハズレます(笑)。「党内基盤が弱い菅氏は派閥に振り回されるとの懸念が出ている」(失笑)。
皆、今回菅氏を押すのは、当然それに見合うポストが欲しいから。それが政治力学だ。更に「次の次はウチの○○を宜しく」という意味合いだ。5年或いはそれ以下で、根こそぎバッサリ屠殺する朝鮮人には分からんだろうね。
ちょうど楽韓さんの方で「慰安婦合意でアメリカを引っ張り込んだのは菅氏だった→外交能力は期待できるかも?」という話題があがっていますね。慰安婦合意自体は新宿会計士様は否定的かと存じますが、アメリカに仲介させたという要素については好手だったと言って良いのではないでしょうか。
ともあれ、対韓外交においては「合理的な判断と計算ができる」方なら、誰がやっても安倍路線の継承になると思います。それができるのが限られてくるというのはお寒いですが。
安倍さんみたいなおかしなパフォーマンスはやらないほうが良い、安倍さんの場合側近が引導渡す為に振付師が無茶振りさせた、それを見破れなかった安倍さんが一番悪い。
どうもこの政権の振付師は演出がクサすぎる、河野が竹の時計をしてて、左翼が「金時計自慢するな、金権政治いい加減にしろ」といえば「国際会議の引き出物で竹製ですが何か?」というやりとりがあり、返しが上手い!さすが河野太郎!みたいなサクラがウジャウジャ湧いてきて、この感覚・・・クサいと思いませんか?、中国の女性外交官との自撮りや、やたらと強気の態度をアピールするとか、裏の意図があるのか?。
このクサさの根源は経産省側近官僚と思われ、官僚にマーケティングは無理、菅政権になればこの胡散臭い経産官僚は距離を置かれるだろうし、「はしゃがぬように似合わぬ事は無理をせず」を自覚してるなら乗せられないと思う、しかし一度パンケーキで目立ったがあんな情報要らない、国益で動いて成果出したのならドヤ顔でアピールしてもみんな認めると思います。
記者会見はどうせ官僚の作文を読むだけなのは規定路線なので変な演出はかえって白けるだけだと言いたい。
> 安倍さんみたいなおかしなパフォーマンス
具体的にはどのことですか? 安倍さんの「パフォーマンス」は無数にあるので、何を差しているのか見当が付きません。
匿名様へ
超大国でもない限り、外交にパフォーマンスは必要ではないでしょうか。(それをおかしいと見るかどうかは、見る人次第では)
駄文にて失礼しました。
匿名様
>安倍さんみたいなおかしなパフォーマンスはやらないほうが良い
匿名様がこのコメントを通じて何を仰りたいのか、よくわかりませんでした。
私は政治家に求められる重要事項は「結果責任」であると考えています。歴代の政権が取り組んできた様々な課題には、短期間で「結果」が出るものもあれば、新型コロナ感染症対策や外交政策等のように数年~数十年の時間軸で取り組まざるを得ないものもありますね。
そして、それらの「結果」が出るまでの過程において、安倍総理をはじめとする現政権の閣僚の立ち居振る舞いが、見た目にくさい「演出」であろうとなかろうと、大根役者のような拙い「演技」見えようとも、それは引きこもり中年様が仰るように「あくまで個人個人の受け取り方」に強く左右されうる枝葉の類であり、ことの本質ではないと思います。
このWebサイトのコメント欄に投稿するのであれば、HNを記載することが最低限のマナーです。もし書き忘れたのであれば、コメントの返信の形で名乗ってはいかがでしょうか。
先週金曜日にニューズウェーク日本版に掲載されたコラムがなかなか興味深いです。
https://www.newsweekjapan.jp/che/2020/09/post-6.php
韓国人から見た自民党総裁選、といった感じの内容ですが、特に最後の段落『日本の総理というポストの「宿命」』がなかなかすごい。
以下、一部『抜粋』します。
『韓国の対日観は日本の総理が 保守だろうがリベラルだろうが、韓国に対して優しいだろうが、冷たいだろうがあまり変わらない。
(中略)
つまり、日本の総理が誰になったとしても、その人が永遠に口を噤んででもいない限り、あるいは口を噤んでいたとしても、韓国から大なり小なりの批判を浴びずにいることなど不可能だ。
(中略)
結局、歴史的にも複雑な関係にある韓国の隣に位置し、市場経済と自由民主主義を推進する国家のリーダーであり続ける限り、韓国から叩かれるのは避けられない宿命なのだ。』
韓国との関係改善など、日本にとってどれほど無駄でばからしいか、よくわかるコラムです。
崔碩栄氏は、いわゆる「希少種」ですね。日本に住んで、優れた著作を何冊も書いています。
彼もいずれは、元歯医者さんと同じく、韓国籍を捨てるのではないでしょうか。
阿野煮鱒 様
コメントありがとうございます!
そうなんですね。
早速調べてみます。
私はこの方を存じ上げなかったのですが(そういえば字面は見たことある気がします)、コラムからはそこはかとなく自国を憂いているような、もしくは諦観のようなものを感じました。
極めて常識的な記事を書いてて、逆に心配になってしまうレベルでしたが、いつもの人でした。崔碩栄氏の他の記事を見てみたのですが、どこか他のサイトで全文転載されていたのか、全て既読記事でした。
ものすごくアタリマエのことでも、「韓国人が書いている」となるとものすごい説得力が発生します。
あれですね、鳩山元総理が突然正論をツイートしたときの衝撃に似ています。月一くらいで正気に戻るから目が離せないです。
(以下鳩山元総理のツイッターから引用)
Yukio Hatoyama @hatoyamayukio 8月30日
野党の皆さん、安倍政権の間どこにおられたのですか。共産党だけは頑張ってましたが、長期政権に最も貢献したのはあなたがたでしたね。仲間同士でケンカしたり選挙が近くなったらくっついたりでは、国民の皆さんはうんざりだと思いますよ。まあ私にだけは言われたくないと思っているのでしょうけれど。
Yukio Hatoyama @hatoyamayukio 7月1日
小池都知事さん、東京アラートの数値基準を引っ込めましたね。お上手ですね。でも、何故だか都民はみんな分かってますよ。都知事選の最中に東京アラートを再び出すことになるからですよね。あなたは都民の命よりオリンピックファーストでしたね。今回は都民の命より再選ファーストなんですね。
Yukio Hatoyama @hatoyamayukio 5月22日
昨日も申したが、黒川検事長が辞任に当たって、「緊急事態宣言が出ているときに軽率なことをした」と辞任をされた。そうではない。緊急事態であろうがなかろうが、賭け麻雀という違法行為をしたから辞任すべきなのだ。マスコミが甘いのは、彼らも違法行為である賭け麻雀をやっているからではないか。
Yukio Hatoyama @hatoyamayukio 3月19日
香川県議会が子どもがゲームをする時間を1時間とする条例を作った。我が家もかつてゲーム好きの息子に1時間までと約束させたことがある。基本は家庭で決めることだ。香川県議会は3年前税金で海外旅行して殆ど遊んでいた過去をお持ちだ。子どもたちより前に自らを律するほうが先決ではなかったか。
鳩山由紀夫氏は、おそらく個人としてはけして悪い人でもなければ、根っからのバカでもないと思っています。
ただ、唯一これだけは絶対にやってはいけないという職業が政治家ということだったのでしょう。日本にとっても、そして本人にとっても、実に悲しむべきミスチョイスだったということですね。
ケロお 様
コメントありがとうございます!
>>ものすごくアタリマエのことでも、「韓国人が書いている」となるとものすごい説得力が発生します。
上記コメントに同意いたします。
有名な方とは知らず、一般的な韓国人には書けない内容に驚き、引用させて頂いた次第です。
(ブログ主様のこの記事の論旨とはズレておりますがご容赦ください)
総選挙のタイミング、本当に難しいと思います。早期にやるのがスジ且つ自民党にとって有利、というのは確かでしょう。多少の批判もさほど気にすることはないでしょう。ただし解散から選挙当日までコロナ感染が落ち着いていれば、の話です。
日本に限らず、しばらくは大丈夫かな?と思うころに増加に転じ、各国翻弄されているところです。菅さんもその見通しの難しさを痛感していることでしょう。
解散し選挙期間に入った途端、感染者数がグングン上がり続けた日には、街頭や政見放送で何を言っても、否、言えば言うほど逆効果、政権交代まではないにしても議席数の大幅減は必至と思います。コロナは全国民の生命・生活にダイレクトにヒットするので一旦負のモードに国民が陥れば非常にマズい結果になる恐れがあります。そうなれば早々に菅政権はレームダック。
コロナは本当に厄介です。
コロナ対応 特に春節中国人を止めなかったことや国賓招待にこだわったことなどで安倍首相にさえ物足りなさを感じているのに コアな保守層が菅さんに満足できるはずはありません。安倍首相の継承をアピールしている以上今は様子見でしょうが 何かの機会 例えば国賓招待などで一気に欲求不満が噴き出す可能性が高いです。