「内閣支持率62.4%」の衝撃と解散総選挙の可能性
辞めるとなったら急に支持率が上昇した――。じつに、不可解です。口の悪い人が「マスメディアの世論調査は世論『操作』だ」と皮肉る理由でしょう。先週金曜日の『あの朝日新聞の調査で「71%が安倍政権を評価」』の「続報」として、本稿では読売新聞とJNNという2つの世論調査を新たに追加して、「菅義偉政権」のスタートダッシュと「政権発足直後の解散総選挙」の可能性について、改めて考察しておきましょう。
世論調査は世論操作?
武漢コロナ禍の影響で安倍政権に対する支持率が急落していたはずなのに、安倍総理が先月28日に辞任する意向を示したことを受け、突如として一部メディアの世論調査で政権支持率が上がり始めたという話題は、先週金曜日の『あの朝日新聞の調査で「71%が安倍政権を評価」』でも触れました。
先日来取り上げているとおり、現時点で当ウェブサイトが把握している、安倍総理辞任表明後の内閣支持率は、次のとおりです(図表)。
図表 内閣支持率(2020年8月28日以降)
メディアと調査日 | 支持率(前回比) | 不支持率(前回比) |
---|---|---|
日経(8/29~30) | 50.0%(+12.0) | 37.0%(▲13.0) |
共同通信(8/29~30) | 56.9%(+20.9) | 不明 |
読売新聞(9/4~6) | 52.0%(+15.0) | 38.0%(▲16.0) |
(【出所】各メディアなどを参考に著者作成)
図表中には、前稿と比べ、読売新聞の調査結果を追加しています。前月比でみて、日経で+12ポイント、読売で+15ポイント、共同に至っては20ポイントを超える上昇です。
口の悪い人は世論調査のことを世論「操作」などと呼ぶようですが、やはり、こうした世論調査結果を眺めていると、そもそもマスメディアによる内閣支持率調査というものを、本当に信頼して良いのかどうかが大いに疑問です。
安倍政権の大失敗という決めつけ
日本のマスメディア(やごく一部の自称保守論客など)は、安倍政権が武漢コロナ対策に「大失敗した」ということにしたくてたまらないようですが、人口当たりの死亡者数が主要国と比べても圧倒的に低い状況ひとつとってみても、これを「大失敗」と呼ぶのはいささか決めつけが酷すぎる気がします。
ただ、百歩譲って武漢コロナ禍で安倍政権の対応に問題があったにしても、2009年9月から2012年12月にかけての民主党政権の負の遺産を払拭し、主要国との外交関係を改善し、消費税の税率を2度にわたって引き上げた政権が、「無能」であるはずなどありません。
(※もっとも、当ウェブサイトとしては消費税の増税については大失策と見ているのですが、その点については別稿で随時議論したいと思っています。)
このように考えていくと、「安倍総理の辞任表明直前までの支持率低迷自体、マスメディアによる世論操作の賜物ではないか」、「政権支持率の急騰も、人々がこうした世論操作から覚醒したことに伴う現象ではないか」、という疑問は払拭し切れません。
いずれにせよ、当ウェブサイトとしては、マスメディア各社が実施する世論調査については今後も積極的に取り上げるつもりではありますが、それと同時に、世論調査には全幅の信頼を置くべきではないという点についても、留意したいと思う次第です。
JNNに至っては支持率が62.4%に!
さて、この「急な支持率上昇」という世論調査結果が、もうひとつ出てきました。
JNN世論調査、内閣支持率62.4%
最新のJNNの世論調査で、安倍内閣の支持率は政権末期としては異例の62.4%に達しました。<<…続きを読む>>
―――2020/09/07 06:56付 TBS NEWSより
TBSなどのJNNが実施した調査では、内閣支持率は62.4%と前月比27.0ポイント上昇する一方、不支持率は36.2%で、前月比26.0ポイント低下しています。
安倍政権に批判的なTBSの調査でさえ、ここまで高い支持率が出て来るというのも異例な気がしますが、それと同時に、支持率と不支持率の上下幅がほぼ一致しているというのも興味深い話ですね。
また、TBSは「政権末期としては異例」などと述べていますが、政権支持率が60%を超えたままで退任するというのも、今回の辞任が「不祥事が続いた末に追われるように政権を投げ出した」のではなく、あくまでも「病気のためにやむを得ず退任する」という点を踏まえれば、ある程度は合理的に説明がつきます。
もっとも、インターネット上では、「メディア各社はこれまで、政権支持率をわざと低く誘導していたが、いよいよ総選挙も近いとみられるため、慌てて修正に走っているだけであり、実際の支持率はこんなものじゃないか?」といった意見も見られるようです。
さらには、JNNの調査では、「7年8ヵ月続いた安倍政権の実績」については「非常に評価する」、「ある程度評価する」が71%に達していた、などとしており、まさに先週の『あの朝日新聞の調査で「71%が安倍政権を評価」』でも触れた朝日新聞社の世論調査と似たような結果が出ていると言えるでしょう。
野党支持率と解散総選挙
さて、当ウェブサイトでは先週、『18日に衆院解散なら「野党はめちゃくちゃ困る」!?』のなかで、万が一、菅義偉政権が発足した直後に「菅総理」が衆議院の解散総選挙に踏み切った場合、野党は大変に困った状況に置かれる可能性があるのではないか、と申し上げました。
これに関連して、インターネット上の情報を注意深く探っていくと、たしかに解散総選挙という話題がいくつか出てきます。
安倍首相の側近大臣 永田町に解散総選挙の「怪文書」どんどん出回っていると明かす
―――2020/9/6 08:52付 『デイリー』より【株式会社神戸新聞社配信】
神戸新聞社が「this.kiji.is」というウェブサイトに配信した記事によると、萩生田光一文科相はフジテレビ系『日曜報道THE PRIME』に出演し、永田町で解散総選挙の日程を巡る怪文書が「どんどんどんどん」出回っている、などと述べたのだそうです。
また、共同通信によれば、自民党の鈴木俊一総務会長も6日放送のBSテレ東の番組に出演し、「新政権発足直後の衆院解散・総選挙の可能性」に言及したのだとか。
新政権発足直後の解散言及 自民・鈴木総務会長
―――2020.9.6 11:57付 産経ニュースより【共同通信配信】
これについては当ウェブサイトでも報告したとおり、一般に内閣支持率は政権発足直後が最も高いという点などを踏まえ、野党側がグダグダになっているあいだに一気に勝負を仕掛けるのが、政権としてはひとつのやり方ではあるでしょう。
もちろん、武漢コロナ禍が終息していないなかでの総選挙には、批判もあると思います。
しかし、どのみち衆議院は来年10月に任期満了を迎えますし、それまでに武漢コロナ禍が終息しているという保証もない以上は、いずれ選挙を実施せざるを得ません。
また、これからの世の中では、「集近閉(しゅう・きん・ぺい)」の状況を作らないようにコントロールしながら事態に対処していかねばなりませんが、それは選挙とて同じであり、それならば小康状態にある現在の法が良い、という判断も成り立つでしょう。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ちなみに、先ほども引用したTBSの記事によれば、3人の候補者のうち、ポスト安倍にふさわしいのは菅氏が48%を占めてトップであり(石破茂氏は27%で2位、岸田文雄氏は6%で3位)、この調査結果を信頼するならば、菅政権発足直後の勢いに乗った解散総選挙はひとつの手でしょう。
また、自民党の支持率は43.2%と「第2次安倍政権発足後最高」だそうであり、これに対し野党の合流新党に「期待する」は30%、「期待しない」は62%だったそうです。
「政権発足直後の解散総選挙」という当ウェブサイトの勝手な見方が、あながちピント外れではないという証拠といえるかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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なんとなくですが…
いまのうちに支持率高く出しておいて、管さん就任後の支持率を低く見せかけるようなコスいことしようとしているのかなぁ、とも考えてしまいました。
政権末期に劣る支持率、期待されぬ菅政権。
なんて見出しが目に浮かびます。
メディアが談合し一旦正直な率に戻して置いて、揚げ足を取りながら先々の支持率が漸減傾向に持っていこうとするメディアの作戦変更だと思います。スタート時点(解散総選挙も)で支持率が高ければ高い程、揚げ足取りの効果も顕著ですから、コロナ対応の様に政府を叩ける下地を確保したいという思いでしょう。メディアの陰湿で醜悪な企みを察知出来るかどうか、日本国民とメディアの戦いの幕が切って落とされたと思います。
菅官房長官が毎日新聞の取材に「外交は持続性が重要。
約束したことをきちんと守るところから信頼関係が
生まれる」と答えた。
これに韓国のマスコミは「遠回しに文大統領を批判したニダ!」と反応。
https://news.v.daum.net/v/20200907030151228
韓国でも約束を守ってないという自覚があったの
でしょうか??
そもそも、韓国に「約束を守る」という概念はあるのか疑問です。
更新ありがとうございます。
JNNの調査と、あの朝日新聞の調査が共に「71%が評価する」って出来レースかな(爆笑)。
それはともかく、新政権発足直後の衆院解散・総選挙に打って出れば、野合野党には厳しいと思います。後は菅義偉氏の器量ですね。
どっちにしてもATMや野合野党は、ない事ばかり証拠を出せ!と言って来ます。いつものバカ記者相手のように、シレッと肩透かし食わしときましょう。ナニ、支持率は意図的に下げられますから(笑)。
与党は新総理、野合は新党、共産党も解散上等となれば、国民の声を聞くべきでしょう。
「大義なき解散ニダ」byえだのん。
野党は、消費税減税打ち出せば、話になるのに。
だんな様
立憲(合流野党)は支持母体のうちの官庁系労組が消費減税を嫌ってるのだと思います。
税収減→緊縮財政→人員・給与削減の連鎖を想定してのことではないでしょうか?
消費減税は開けたくても開けられない箱なのかもですね。
カズ 様へ
連合の産別議員は国民と立民に別れました。
連合そのものが、御用組合を母体にした旧態依然たる組織ですから、もうそろそろ賞味期限切れだと思います。
これで選挙に突入なら、まともに動員なんか出来ないでしょう。
門外漢 様
くっついたり離れたり・・。理念より利害に正直な人たちなんですよね。きっと。
安倍総理の体調を考えると、国会の長時間対応とか首相動静の公開とかが不安です。
一旦菅さんに総理職を譲るとして、副総理兼外務大臣として、さらに外交に対する権限を首相から大胆に委譲を受けて事実上の「共同総理」みたいな体制出来ないですかねー
G 様へ
それができるなら、野党から「何故辞任する必要があったのか説明せよ!」となるでしょう。
閣外で、トランプ専任調教師みたいなのが良いと思います。
社会調査には誘導型アンケートというのがあるそうです。
例えば「あなたは安倍首相を支持しますか?」という設問の頭に「モリカケ問題で官僚の忖度が疑われている安倍首相ですが』という否定的なニュアンスを貼り付けて、それでもあなたは支持するんですか?と不支持へと誘導させるやり方です。
如何にも姑息なやり方ですが、ATMやその他マスゴミと云われているメディアには、こういう形式のアンケートが多いという説を社会調査専門家の本で読んだことがあります。
それ以来この手のメディアのアンケートの類には、眉に唾して臨むようにしています。
こういうアンケートや言葉のマジックに弱い情報弱者が世間には大勢いることを、東京都知事選や山本太郎を当選させ続けてきた東京都議選を見て感じたものです。ただ大村秀彰氏のような人物を知事にしてしまった愛知県民も、人様のことを偉そうにいえた義理ではありませんが。(笑)
愛知県東部在住 様へ
企業のマ-ケット調査などは死活がかかってますから、可笑しなバイアスがかかれば経営判断を誤ります。
設問を変えて、場所や時期もずらせて、複数回実施して分析するようなことをします。
それをマスコミに求めても仕方ありませんけど。
門外漢 様
返信ありがとうございます。
安倍退陣が社是だと噂されている新聞社の行うアンケートでは、「可笑しなバイアス」をかけないと、上司から業務怠慢だと叱責処分を受けるのかもしれませんね。(笑)
>社会調査には誘導型アンケートというのがあるそうです
知っています。
「大川隆法がブッダの生まれ変わりだということを知っていますか?」
↓
・知っていた ・今知った
ってヤツですねw
りょうちん 様
返信ありがとうございます。
「大川隆法がブッダの生まれ変わりだということを知っていますか?」
↓
・知っていた ・今知った >
この他の選択肢として「一般常識だと思っていた」なんてのもいいかもしれません。(笑)
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(というより、マスゴミと違って自分は間違う存在であると自覚しているので)
内閣支持率が62.4%ということは、次期内閣でも安倍総理の政策を、そのまま続けて欲しいということになるのでは、ないでしょうか。
蛇足ですが、新型コロナウィルス感染対策を尋ねるのに「ビフォーコロナに戻らなければ0点とするのか」、「死者が一定数以下なら100点にするのか」を決めなければ、答えようがないのではないでしょうか。
駄文にて失礼しました。
今、衆院解散なら野党は負けますが、それは来年でも変わらないでしょう。なのであまりメリットがありません。
解散してしまえば、しばらくは解散出来なくなります。これは総理の武器を一つ手放す事です。解散権は野党に対するだけでなく、党内に睨みを効かせる手段でもあります。
さて、総理が当面の解散権を手放して得をするのは誰でしょう。
また自民党が圧倒的な議席数を獲得すると、有権者の約半数を占める無党派層が何となく危険な印象を持つ可能性は高いと思います。結果としてその次の選挙では議席を減らすと予想します。
まだ改憲への動きが具体的でない段階で切札を切ってしまって良いのでしょうか。タイミングを逸しませんか?
改憲発議を視野に入れた時の為に解散は取っておく方が良いように思います。
(来年までに内々でロードマップを作ってくれ!という願望込みで)
私はやれるときにやるのが王道なのかなと思ってます。
任期満了や任期満了間際の選挙は勝率悪いのをどう考えるかですね。
憲法に関しての追い風は、維新が都構想住民投票とのダブル選を歓迎しそうで、結果恩を売って憲法改正発議への賛成を取り付けやすいというのはあります。
あとは公明党の都合でしょうかね。コロナで都知事選やってますから総選挙できないってことはないはずですし
Gさん
維新は成長が遅くて待ってられません。主要な変数と見做さない方が良いと思います。
改憲については旗幟を鮮明にしていますから、賛成せざるを得ないように型に嵌めるのは容易。
W選挙で大勝して衆参共に2/3を確保するのは発議のお膳立てが出来てからです。まあ参院改選迄の3年間で決められるなら良いんですが。
一気に事を進めようとする場合、衆参で2/3を確保すれば発議は出来るけれど、現状の国民意識では国民投票で僅差で負ける気がするんです。
自民党がもっと具体的に意欲を見せて、その上で総選挙を勝ち、更に発議直前まで仕上げてW選挙、大勝して発議な流れが必要かと思ってます。
実は次の次の総裁選を見据えて、自民党に入党しました。
改憲に本気な総裁候補に投票するのと、石破のラストチャンスを阻止する2つの意味で。
1年出遅れました。
gommerさま
私も「次の次の総裁選」目指して自民党に入りたいと思ってますが、党員の紹介が必要なんですね。仕組みそのものはなりすましの牽制として妥当と思われるので、素直に紹介者を探します(一応地元選出議員にメールしてみましたが忙しそうで返信まだです。選挙は近い?)
G様
上の方に書かれていましたが、選挙になってやはり安倍さんの体調が耐えられるのかが心配です。
国会拘束なども大変でしょうが、選挙応援に果たしてどれだけ安倍さんがかかわれるか?
もちろん、この支持率爆アゲで安倍さんのストレスはかなり軽減されただろうとも思いますので、体調も上向きになられたのではと思うのですが。
ただ辞任の理由の一つに、次の選挙に耐えられる体力があるのかが不安、というのがあったみたいです。
≫消費税の税率を2度にわたって引き上げた政権が、「無能」であるはずなどありません。
アッハッハッハッハッ!
以上です…
普段そうで無いところほど内閣支持率を爆上げし、
解散風を吹かせようとしているようにも見えます。
仮にそうであったとしても、本意は不明です。
新内閣早期解散で与党議席が少しでも減れば、
早期解散反対派があげ足を取る算段ですか。
匿名 様へ
夕刊フジの予測によると、今解散なら自民は「微減」だそうです。
ただ前回は野党がグダグダで自民は出来過ぎだったので、今回は野党共闘が上手くいくと想定しての厳しい見積もりをして、その結果なのだそうです。
ま、善戦以上ということなのでしょう。
野合野党も減少、維新の躍進というご託宣でした。
立憲パートナー&国民サポーターが行う、非公式アンケートという形をとった代表選ネット投票です。
https://note.com/yatou9/n/n04c3a0001042
投票しているのは立憲支持者だけではないでしょうけど、枝野さん・・・スルーしちゃうんでしょうねぇ。
type d 様へ
民意を聞くことに五月蠅い党ですから、投票結果を尊重する・・・筈です・・・がww
むしろこの御祝儀相場の間に選挙を行わないなら、
新首相としての資質が疑われますね
大阪都構想の住民投票が11.1に決まったらしいですが、
それと同日かその近辺までにしないとダメでしょう
来年だって五輪の予定やら色々ある訳ですし、
任期満了が近づけば、マスゴミに「追い込まれ感」を演出されます
前回選挙から約3年という期間は、平均か少し長い位で、
すこぶる自然な解散時期でしょう
ここで思い切って消費減税を掲げて欲しいのですがね
「消費減税はしない方向」みたいな発言をした様ですが、
本心はどうなのかはまだ分からないと思いたいものです
消費減税を掲げなくても、野党(維新以外)が末期のゴミなので、
確実に勝利するでしょうが、新政権への期待感はかなり減少してしまいますね
アサヒなどは時々大きなミスをしでかします。ひと昔前はいわゆる慰安婦報道の「ミス」を認めちゃいましたね。今回もひょっとすると 普段やってる調査結果の「修正」作業のミスに違いありません。(笑)