日本政府、「韓国は協議に応じない国だ」と世界に宣言
昨日の『日本産フッ化水素、韓国が全世界にばら撒いていた?』では、当ウェブサイトがかなり以前から提示している、フッ化水素などを巡る「不適切な事例」に関する仮説を数字面から検証してみたのですが、せっかく対韓輸出管理について取り上げたついでに、一昨日の産経ニュースの記事についてもチェックしておきたいと思います。というのも、日本政府が全WTO加盟国に向けて、「韓国は輸出管理に関する対話に応じない国だ」と報告したからです。
目次
韓国が日本産のフッ化水素を世界の無法国家にばら撒く?
当ウェブサイトでは昨日、過去の日本のフッ化水素(厳密には「HS番号2811.11-000」)の輸出データをもとに、近年、大量のフッ化水素が韓国に輸出され、昨年7月の輸出管理厳格化措置発動後も、韓国以外の国への輸出量が大きく増えていない、という事実を紹介しました。
日本産フッ化水素、韓国が全世界にばら撒いていた?
一昨日の『数字で読む、韓国が「日本産の」フッ化水素に拘る理由』では、財務省の普通貿易統計などを手掛かりに、なぜ日本政府が昨年7月に韓国に対する輸出管理の適正化措置を講じたのかについて考察したのですが、本稿はその「補足編」です。<<続きを読む>>
―――2020/07/09 05:00付 当ウェブサイトより
といっても、ここから判明するのは、あくまでも「数字」の話だけであり、「韓国が包括許可の仕組みを悪用して日本から必要量以上に大量のフッ化水素を輸入し、一部のテロ支援国家などに密輸出していた」、というストーリーは、あくまでも当ウェブサイトの仮説に過ぎないという点には注意してください。
ただ、このような仮説を立てると、さまざまなことがすっきりと説明できるのもまた事実でしょう。
たとえば、なぜ韓国が日本に対し、「輸出『規制』(※)」の撤回を執拗に求めるのか、という疑問は、この仮説はうまく説明してくれます(※輸出「規制」とは、輸出管理適正化措置を韓国側が誤記し続けているもの)。
具体的には、
「日本産のフッ化水素についての包括許可を復活してくれないと、韓国が一部の無法国家に対してフッ化水素を横流しして儲けることができなくなるからだ」
という仮説ですね。
韓国政府の支離滅裂な言動には「ウラ」があるのか?
そして、このように考えると、韓国政府や韓国メディアが頻繁に唱えている、次のような支離滅裂な「輸出『規制』」論も、素直に理解できます。
韓国政府の輸出「規制」論
- ①日本の対韓輸出「規制」措置は強制徴用問題に対する報復である
- ②韓国は順調に「脱日本化」を進めているため、日本の輸出「規制」では困っていない
- ③日本の輸出「規制」はノージャパン運動を通じむしろ日本に打撃を与えている
- ④韓日両国はお互いを必要としているので、日本は速やかに輸出『規制』を撤回すべきだ
(※「強制徴用問題」とは自称元徴用工問題のこと。)
もっとも、個人的には、②と④が猛烈に矛盾しているように思えてならないのですが、ここでは無視しましょう。こうした矛盾にいちいちツッコミを入れていると、韓国の思考に追いつけなくなるからです(もっとも、追いつきたいとも思いませんが…笑)。
なお、韓国が「輸出『規制』」の撤回を日本に対してしつこく求め続けている理由は、彼らなりの歪んだ先進国意識にある、といった仮説も有力ですが、これについては下記記事もご参照ください。
鈴置論考が解く、韓国が「輸出規制撤回」を求める理由
当ウェブサイトでは日本政府が昨年7月1日に発表した対韓輸出管理適正化措置について、いくどとなく取り上げて来ました。というのも、韓国政府側がこの輸出管理適正化措置を「輸出『規制』だ」、「貿易報復だ」、などと事実と異なる批判を加えたうえで、この措置の白紙撤回をしつこく求めて来ているからです。ただ、冷静に考えてみたら、「なぜ韓国が(実害もないにもかかわらず)執拗にこの措置の撤回を求めて来るのか」については、これまで突っ込んだ考察をほとんど加えて来ませんでした。
<<…続きを読む>>
―――2020/05/20 05:00付 当ウェブサイトより
産経「日本政府がWTO会合で反論」
さて、産経ニュースに一昨日、こんな記事がありました。
韓国の輸出管理体制に懸念 日本、WTO会合で反論
―――2020.7.8 23:18付 産経ニュースより
掲載されたのは産経ニュースですが、配信したのは共同通信です。そして、昨日昼過ぎにウェブサイトを検索してみたのですが、不思議なことに、この話題を配信しているのは産経系のウェブサイトだけでした(探したりないだけかもしれませんが…)。
記載されている内容を要約すると、「8日に行われた世界貿易機関(WTO)の日本の貿易政策に関する審査会合で、日本は輸出管理厳格化措置を発動した理由を『韓国の輸出管理体制と運用の脆弱性への懸念』と説明した」、とするものです。
(余談ですが、原文では「半導体材料の輸出管理厳格化」、と、日本政府が発動した措置があたかも韓国の半導体産業を狙い撃ちにしたかのような書き方になっていますが、こんなことを書くから産経のデスクから「共同通信は毒水を垂れ流すインフラ屋」という苦言が出て来るのではないでしょうか?)
注目点は「韓国が対話に応じない」と述べたこと?
もっとも、この日本政府側による「韓国の輸出管理体制と運用の脆弱性」という指摘は、かなり初期の段階から報じられてきたものでもあるので、「今さら」という感もあります。しかし、それと同時に共同通信は、次のようにも報じています。
「日韓両国間での輸出管理制度に関する相互理解や信頼醸成が問題解決に向けた最善の道だとして、韓国に対し協議を続けるよう求めた。」
これは、事実なのでしょうか。
もしそうだとすれば、間接的に、日本政府が国際社会に対し、「韓国が輸出管理に関する政策対話に応じていない」と宣言した、という意味でもあります。もう少し踏み込んで言えば、「韓国が国際社会において、日本から痛烈な反撃を喰らった」、ということです。
なかなかすごい話ですね。
なぜなら、韓国が日本をWTOに提訴しなかったとすれば、日本がこのように述べることはなかったという意味でもあるからです。そして、このこと自体、韓国の国際的な立場を危うくする可能性があります。
それについて考える前に、先日からの当ウェブサイトの仮説を改めて示しておきましょう。
【仮説】韓国は日本産フッ化水素をどうしていたのか?
- 日本が韓国に輸出したフッ化水素が、韓国からイランに密輸出されていた。日本産のフッ化水素はイランからさらに北朝鮮に還流した可能性もある(このフッ化水素はウラン濃縮に使えれば良いのであり、必ずしも半導体製造などに使われる高品質なものでなくても構わない)
- 韓国があえて日本産のフッ化水素をイランに密輸出した理由は、あたかも日本が直接、イランにフッ化水素を密輸出したかに装うため。自国産のフッ化水素だと米国にバレると、韓国自身が米国などから経済制裁を喰らうおそれがある
- 日本は米国から衛星写真などでイランの核施設に日本産のフッ化水素の容器が写っているのを見せられ、韓国から物資の横流しが発生した可能性を疑い、「書類不備」を理由に2018年10月に韓国向けフッ化水素輸出を一時中断した
- 安倍総理がイランを訪問したのは、日本産のフッ化水素など一部の戦略物資が韓国からイランに再輸出されていた事実を確認するという目的もあった
韓国自身の輸出管理上の地位がさらに下がる?
ここに示した仮説には、正しいかどうかの保証はありません。というよりも、あくまでも状況証拠だけをもとに組み立てたものに過ぎませんので、当然、要所要所で事実と異なっている可能性がある点には十分な注意が必要です。
もっとも、昨日の議論でも触れたとおり、韓国が日本から正当な理由に基づく以上の量のフッ化水素等を輸入していた疑いは極めて濃厚ですので、経産省のいう「不適切な事例」が、日本産の物資の軍事利用とある程度関わっているという可能性を疑うのは、さほど不自然なことではありません。
そして、上記仮説が正しいのだとすれば、日韓のWTO紛争を通じ、少なくとも韓国以外のワッセナーアレンジメント参加国などの間で、韓国における輸出管理上の「不適切な事例」についての情報が何らかの形でもたらされる可能性すらあります。
そうなると、場合によっては韓国が日本以外の国からも、輸出管理上の地位をさらに落とされる、という展開も考えられるのです。
「キジも鳴かずば撃たれまい」、ということわざが日本語にありますが、まさに韓国が日本の措置を「輸出『規制』だ!」、「すべて無効だ!」などと大騒ぎしたことで、却って西側諸国の注目を浴びてしまったことが、韓国にとって吉と出るとは限らないでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
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新宿会計士さんにしては、表題を盛った感じがしますね。
WTOに出てくる各国代表は、良くルールを知って出て来ていると思います。
皆んな本心は、日韓の二国でやってくれと、思っているでしょう。
更新ありがとうございます。
まさにブーメラン炸裂ッですネ(笑)。ハナシは逸れますが、ソウルの市長が遺体で見つかったとか。何もなければ(無いはずないが)よいのですが、とても興味があります。
で、韓国は「輸出に困ってないなら、文句を言うな!」ですネ。死にものぐるいで、日本を懲らしめ輸出管理をやめさせようと韓国はしたが、日本側が「韓国が輸出管理に関する政策対話に応じていない」と宣言した。
もう随分前から、対話に応じよと言ってるのに無視。逆に罵倒する。韓国が国際社会において、日本から痛烈な反撃を喰らったという表現は、正しいと思います。
更新お疲れ様です。
産経の記事ですが、有り体の内容であったのでネタにしませんでした。
西側の輸出管理体制を敷いている国は、誰も韓国の肩を持っていませんので。
(恐らくG20サミット期間中に、情報は伝達されていたのではないかと)
これで、日本は一般の国に対して大々的にアラームを上げたことになるでしょう。
癇国をグループCかDに落とす下準備と見ました(特A[特ア]でもいいんですけど)。
それが、日本企業の資産売却への牽制なのか背中を押す為かは判断しかねます。
「癇国が破綻しても日本は助けない」と世界に伝えている可能性もありますね。
イーシャ様
「癇国」、、イイですね!
「癇国」でしたか。
ちなみに私は「姦国」或いは「姦酷」が正式表記だと思い込んでいました。
「韓国に対し協議を続けるよう求めた」と
「韓国が対話に応じない」は、同義ですが、
受け取り方に差がでます。
人の能力には差がありますよね。
ハッキリ「韓国が対話に応じない」と書けば良いのに。
お疲れさまです。
日本頑張れ。
パラオ、インドネシア、ラオス。日本が泣き寝入りしているのを横目に強く出ることは、気持ち的にも難しいのではないかとおもいます。
日本が犯罪国に当然の権利として厳しく対応するのは、他の被害国にも正しい方向を示せて私は良いとおもいます。
中央日報に「韓国企業、過去に中国に米国製「レーダー部品」販売…最近公開された理由は?」という記事が掲載されました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/24ae31e6b80b2c5620638adf9b89d30dc597afde
日本も裏付けがあるのであれば、堂々と裁判所に起訴し、公開して公論化した方がいいのでは?と思います。
この問題は韓国自身でひそかに核開発をしている可能性はないのでしょうか?
韓国は核開発をできる潜在能力は十分にあります。
確か依然IAEAの査察で問題を指摘されたことがあったと思います。
また、表立って核開発をしていなくとも、すぐに製造できるようにその一歩手前でひそかに開発しているということはないのでしょうか?
現時点で開発をしていないとしても開発するために備蓄しているということはないのでしょうか?
もし備蓄することが無理だとすると、この考察に一歩踏み込んで、核の開発製造物資を闇製造している国家に流してその見返りに核兵器それ自体を返還させようとしているとは考えれませんか?
米国との関係が悪化している中、北朝鮮に対抗するためにはどうしても核は必要だと思うはずです。
対抗と言うより統一後に共存するためには核を必要としていませんか?
あまりに現実離れしていますし、突飛ですが可能性は排除できないのではないでしょうか?
政治問題ですのでこちらの論考とは合いませんが疑惑はないのでしょうか?
>韓国自身でひそかに核開発をしている可能性はないのでしょうか?
可能性どころか、十分な状況証拠があります。
韓国は、その置かれた状況に比して過大な軍備であるVLS(垂直発射官)搭載潜水艦を合計9杯建造予定で、その1番艦は既に進水、今年中に就役します。
ではそのVLSでは何を発射するのか? もちろんSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)です。
表向きにはその弾道ミサイルの弾頭が通常弾頭か核弾頭かは韓国当局によってはもちろん明言されていませんが、弾道ミサイルは巡航ミサイルに比して命中精度が低く、通常弾頭では折角のSLBM装備の効果が激減し意味がないことを「日経ビジネス」寄稿時代の鈴置氏も指摘しており、故に韓国は核武装準備を進めていると「ほぼ、言い切れます」と断言しています。
「韓国が目論む『2020年の核武装宣言』」
https://business.nikkei.com/atcl/report/15/226331/082200063/
また、その対象国は北朝鮮などではなく日本であろうとの分析記事を、なんと朝日新聞がWeb記事にしています(もっとも、執筆者は朝日の記者ではなく外部の軍事社会学者ですが)。
「臆測呼ぶ、韓国が強力な最新潜水艦を開発する理由」
https://globe.asahi.com/article/12260549
(誤解を避けるために追記しておくと、後者の記事では核弾頭についてはむしろ想定しておらず、通常弾頭を想定した分析になっています。)
あ、しまった。
☓ 垂直発射官
○ 垂直発射管
Microsoft IME に比べれば少しはマシなものの、google IME も変換精度は悪い。
ブログ主様
情報戦としてみると、日本政府の発表はよいカウンターパンチだと思いますね。
コロナでも感じたのですが、日本政府は情報の扱いが下手だと思います。
まあ、マスコミが反政府活動をしているようなものですから、やりにくいのでしょうが。
>産経記者「共同通信は毒水を流すインフラ屋」と苦言か
まあ元は「共に同韓通信」ですから。
>そして、このこと自体、韓国の国際的な立場を危うくする可能性があります。
なりません(笑)。
WTOでの日本政府の反論は評価するとして、その反論があたりまえに受け取られるかは疑問です。お聞きになりました?WTO事務総長?の立候補にアフリカ某国と韓国が立候補しているとのこと。
アフリカ某国が有力とのことですが、要は中国ということでしょう?もうどこから手を付けたらいいのか判らないぐらいぐっちゃぐっちゃになってます。
アメリカと違って、日本はこのぐっちゃぐっちゃの国際機関を見捨てずに再建するスタンスらしいのですが、出来ますかしら?再建。
いえ、私自身は、TPPやEPAを纏め上げた安倍政権であればと期待しておりました。過去形です。如何せん、安倍総理の任期は1年と少し、安倍総理自身が4期目を狙わないとおっしゃる。であれば、不可能でしょう?
安倍さんの評価高過ぎて、、
安倍さんの最大の功績は本邦初の国家安全保障戦略を作成したことと内閣官房に国家安全保障局を立ち上げたことで、語弊はありますが、それ以外は国家安全保障局員が日々頑張っているだけなのです。その国家安全保障局を立ち上げて運用したことで、すべきことが明白になり、経済安全保障の認識不足でやっていなかったこと、かつ、縦割り行政の弊害で出来なかったことを頑張ってるのが現在です。イージスアショア問題が契機ですが、国家安全保障戦略と武力行使についての議論も与党議員と一部野党議員では活発でタブーのない議論になってきました。国家安全保障局は海外情報機関のカウンターパートになっていますから、海外からの日本の現状についての突き上げが強烈で動くしかないような雰囲気になっているようです。なので、誰が首相になっても自発的に(外圧ですが)回っていくと思っています。立憲の誰かとか、石破さんとか、、の変な人がトップになって意味不明な国家安全保障戦略に書き換えたり、同盟国等の意向を完全無視しない限りは大丈夫だと思いますよ。WTO問題は誰が首相になっても基本的に国家安全保障局が中心となって経済安全保障問題として対応を考えるので安心されてください。むしろ、安倍、麻生体制下では消費税引き下げや規制緩和で経済再生という選択はできなさそうなので、そろそろ安倍さんから卒業すべきなのかなと思いますけどね、、
経済安全保障~知的財産流出防止
https://youtu.be/wcb2x7SXNVo
テーマは違いますが、この動画はオススメです
匿名様 私も安倍さん一人に縋りたくはございません(笑)。
ただ、内政はともかく、外交は長期政権である安倍総理であるからの諸外国の信頼が期待できると思っております。特に今回話題とした国際機関の改革は、諸外国の協力を取り付けなければできません。日本もそうですが国家運営ってお金とか生臭いところがございましょう?そのやり取りの最中に日本のトップの顔が変わったとしたら、信頼のおける話が続けられますか?軍隊が許されない日本は国際機関に依って進みたいのでしょう?がこのままでは、国際機関は日本が依れる存在ではありません。
ましてや、仮想敵国である中露、半島国家は長期政権となっております。
同盟国であるアメリカのトランプ大統領は壊す一方で、作ることができません。
国際間の舵取りが難しいこの時に、このままでは日本号は中共号に体当たりされて沈むか、半島の船幽霊に乗っ取られる運命かも知れません。この状況でも、匿名様は、大丈夫だと思われますか?
日本がいつまでも、韓国と対話するからいけないんですよ。
韓国は、日本が対話して欲しいというから、何時でもテーブルに戻れるじゃないですか。
韓国に取って対話するという事は、譲歩する可能性が有るという事です。
テーブルそのものを無くしてしまえば、日本が譲歩する事が無くなるのに。
日韓漁業協定が、良い例だと思いますけどね。
だんな さん
安倍総理が朴大統領相手に「対話のドアは開いている」と言っていた時の事を考えると、韓国が「日本は譲歩するかも知れない」と勝手に思い込んでる状況を続けるのはさほど悪くない気がします。
勝手に期待して、勝手に失望して、勝手に火病って、孤立した後は北朝鮮状態かなと。
クロワッサン様
>「対話のドアは開いている」
こんなの、ちょっと考えればリップサ-ビスだってわかるのにww
「ぶぶ漬けでも」と言われて「頂きます」と言うなよってことです。
素材・部品・設備の国産化「半分は成功」…サムスンが使うフォトレジスト、あと5年は日本に依存
2020/07/08 朝鮮日報
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/07/08/2020070880059_3.html
>実際にフッ化水素でも気体フッ化水素の国産化にはかなりの時間を要する見通しだ。SKマテリアルズが最近、関連技術を確保したことを明らかにしたが、生産量を増やすには追加投資が必要である上、企業がそれを適用するためにはテストも行わなければならない。ある業界関係者は「SKマテリアルズが2023年までに国内シェア70%を目標としているが、現在のシェアは0%に近い」と話した。
>国産化が遅れている規制品目のフォトレジスト、フッ化ポリイミドは、同じ期間に輸入額がさらに増えている。特にサムスン電子がファウンドリーの超微細工程に使用するEUV(極端紫外線)フォトレジストの場合、国産化には5年程度かかるとみられている。現在東進セミケムが開発中のフォトレジストは超微細工程では使いにくいフッ化アルゴン(ArF)を光源としたものであり、当面は日本製への100%依存が続く見通しだ。
*大勢では困ってなくても、核心的に困ってしまう懸念を述べてくれてました。
*韓国の産業界は政府にきちんと足元を見て欲しいのでしょうね。
あくまでも一般論ですが、日本人は揉め事が表面化することを避けたがる傾向があるように思います。裁判だの○○へ提訴などという事態に至る前に、少々無理筋の要求に対しても譲歩することで揉め事の表面化を避けるという処世術ですね。同様に、協議の決裂という事態も嫌います。決裂して何の成果も得られないくらいならば、譲歩してでもまとめ上げるというやり方です。(こういった対応を「大人の対応」と言って賞賛する向きもありますね)
もちろん、何でもかんでも噛みつけば良いなんてことはなく、譲歩や妥協も交渉の内ですが、相手方が揉め事の表面化や決裂を避けるために常に譲歩し、妥協してくることがわかっていたらどうでしょうか?こんなにチョロい交渉相手はいませんよね。残念ながら、ほんの10年ほど前まで、日本の交渉姿勢はこのようなものでした。特に、韓国や中国向けの対応でこのような傾向は顕著でした。
おそらく韓国政府はその頃のようなつもりでいたのでしょう。WTOに提訴するぞとか、GSOMIAを破棄するぞと脅せば日本は慌てて譲歩してくることに違いない、と。これまではずっとそうでしたからね。
しかしながら、ご存知のように日本政府はそのような「脅し」を全く取り合うことなく、ただただスルーし続けています。韓国政府は(手前勝手な)思惑がすっかり外れ、さりとて国民向けに勇ましく宣言した手前引っ込めることもかなわず、支離滅裂さばかり募らせて日本からの嘲笑を浴びる羽目になっています。引くに引けない韓国はこのまま暴走してくれることでしょう。
韓国は、日韓漁業協定交渉が決裂し、今や協議すらも行われなくなったという時点で、日本側の姿勢が変わったことを理解するべきでした。あの時も「決裂したら損をするのは日本の方だ」とさんざん叫んでいましたが、現実としては、日本側の損害ほぼ皆無、韓国では釜山などの漁業が壊滅的打撃を受けています。
今後とも日本としては、国益の観点から利害得失を踏まえて臨むという姿勢を堅持してほしいものですね。