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肉も食えないレバノン兵 恨みつらみはゴーンにどうぞ

以前より当ウェブサイトでは、レバノンがカルロス・ゴーン被告を匿っていること自体、日本の司法に対する深刻な挑戦であると申し上げて来ました。ただ、レバノンは今年に入り、12億ドルの外貨建て国債をデフォルトさせた国でもあります。この点、日本政府は否定しているものの、現地メディアによれば、「日本がIMFによるレバノン支援に反対している」といった報道もあったようです。これに加え、最近ではIMFによる支援が遅れていることで、レバノン経済が混迷の度合いを深めているという報道もあるようです。

「逃亡犯を取り戻すための経済制裁」という考え方

本稿は、ちょっとした「小ネタ」です。

以前、日産自動車のカルロス・ゴーン被告がレバノンに逃亡した件について、当ウェブサイトでは「レバノンへの経済制裁や断交も躊躇すべきではない」と申し上げたことがあります。

ゴーン逃亡、レバノンへの経済制裁・断交も躊躇するな

新年早々、特別背任などで起訴され、保釈されていたはずのカルロス・ゴーン被告が、自身の「母国」(?)であるレバノンに逃亡したという話題が入って来ました。<<…続きを読む>>
―――2020/01/02 06:00付 当ウェブサイトより

この記事に対しては、一部の読者の方からは「あまりにも過激ではないか」という批判もあったのですが、ただ、刑事事件の被告人でもあるカルロス・ゴーンの国外逃亡という行為は日本の司法システムに対する深刻な挑戦でもあり、とうてい看過できるものではありません。

その意味で、当ウェブサイト的には「やや過激かな」と思ったのですが、あえて「国家としての威信をかけてでも、逃亡犯は経済制裁を課してでも取り戻し、刑事裁判を受けさせねばならない」と申し上げた次第ですが、ただ、日本がわざわざレバノンに経済制裁をかけなくても、レバノンは「自爆」したようです。

レバノンのデフォルトと「国債デフォルトの3条件」

武漢コロナ騒動の影であまり目立たないのが、「レバノン国債のデフォルト」という話題です。レバノンといえば日本で刑事訴追されている被告が逃げ込んだ国としても有名ですが、そのレバノンが額面12億ドルの外貨建て債券の償還に失敗する模様だ、と報じられています。<<…続きを読む>>
―――2020/03/09 13:45付 当ウェブサイトより

今年3月、レバノン政府が発行した12億ドルの外貨建国債がデフォルト状態に陥るなど、レバノンは深刻な財政危機にあるようなのです。まさか、日本が制裁をしなくても勝手に潰れることになるとは、世の中よくわからないものですね。

国債デフォルトの3要件

ちなみに金融評論家という立場から見て、このレバノン国債のデフォルトは、「外貨建てで外国市場などで発行されている場合には、たとえ国債であってもデフォルトすることがあり得る」という、非常に良い事例になったとも考えています。

普段から申し上げているとおり、国債がデフォルトするためには3つの要件を満たさなければなりません(いわゆる「国債デフォルトの3要件」)。

国債デフォルトの3要件
  • ①国内投資家が国債を買ってくれない状態
  • ②外国投資家が国債を買ってくれない状態
  • ③中央銀行が国債を買ってくれない状態

この3つの状態が出現しない限り、国債がデフォルトすることはありませんが、外貨建て国債の場合は、たいていの場合、①と③の条件が自動的に満たされてしまっています。

したがって、ロールオーバー(借換)のタイミングで、上記②、すなわち外国人投資家が国債の借り換えに応じてくれない場合には、今回のレバノンのように、たかだか12億ドルであってもあえなくデフォルトしてしまうのです。

なお、この話題については、当ウェブサイトの新刊書『数字でみる「強い」日本経済』にも織り込んでいますので、アマゾンなどで予約済みの方は楽しみにしておいてください。

サイレント型経済制裁

ところで、このレバノンのデフォルトに関しては、今年5月頃に当ウェブサイトで、「レバノンがIMFに支援を要請している(らしい)」、「IMFがその支援に応じるかどうかはレバノンが日本にゴーン被告を引き渡すかどうかで決まる(かもしれない)」、などとする話題を紹介しました。

レバノンとゴーン、そして通貨スワップのチラ見せ外交

レバノンといえば、日産自動車の元CEOでもあるカルロス・ゴーン被告が逃げ込んだ国ですが、それと同時に外貨建国債のデフォルトを発生させた国でもあります。しかも、デフォルトした金額はたかだか12億ドルとのことであり、報道によれば、レバノン政府はこれ以外にも100億ドル前後の金融支援を国際通貨基金(IMF)などに要請しているのだとか。<<…続きを読む>>
―――2020/05/31 09:00付 当ウェブサイトより

当ウェブサイトは今年1月時点で、「ゴーン被告を引き渡さなければ日本は経済制裁をチラつかせるべきだ」、と申し上げて来たのですが、「IMFがレバノンに支援をするかどうかは日本が首を縦に振るかどうかだ」、という点は、まさに形を変えた経済制裁(サイレント型経済制裁)と言えなくもありません。

その意味で、結果的に当ウェブサイトの主張内容もごくたまには当たるものですね(笑)。

あるいは、確たる証拠はありませんが、レバノンがたかだか12億ドルの国債でデフォルトした理由は、武漢コロナ禍の影響もさることながら、圧倒的な資金力を持つ機関投資家(たとえば日本の投資家など)から見放された、あるいは日米欧の証券会社から引受を拒絶された、という可能性もあると思います。

このあたりは個人的に興味深いところです(もっとも、下記リンクでも見るとおり、「日本がレバノン支援とカルロス・ゴーンの引渡しを関連付けている」という考え方について、茂木敏充外相自身は否定しているようですが…)。

茂木外務大臣会見記録(令和2年6月2日(火曜日)14時24分 於:本省会見室)【抜粋】

(問)アラブ・ニュース・ジャパンは、日本が国際通貨基金(IMF)を通じたレバノンへの緊急援助への同意とカルロス・ゴーン氏の引き渡しを関連付けているとの在レバノン日産弁護士の発言を報じています。これは日本政府の新たな立場ということでしょうか。日本は、レバノンに対するIMFを通じた緊急援助とカルロス・ゴーン氏の引き渡しを関連付けているのでしょうか。

(答)レバノンがシリア難民の流入や経済危機、そして新型コロナウイルスの感染拡大に直面している現状や、中東地域全体の情勢に鑑みれば、レバノンを一層不安定化させるような状況を作り出すことは、現時点では避けるべきものだと考えております。

―――2020/06/02付 外務省HPより

肉が食えないレバノン軍

さて、貧すれば鈍する、ではありませんが、レバノンの窮状を巡っては、こんな小ネタもあります。

レバノン軍、すべての食事を肉抜きに 食料価格の高騰で

経済危機が深刻化し、食品価格が高騰しているレバノンの軍当局は、勤務中の兵士に提供するすべての食事で肉の使用を取りやめた。<<…続きを読む>>
―――2020年7月4日 23:07付 AFPBBニュースより

AFP通信によると、レバノンでは1990年に内戦が終結して以来、最悪の景気低迷にあえいでおり、食品価格は昨秋以来、少なくとも72%急騰したそうです。軍では兵士に肉すら提供できない状態にあるのだとか。肉が食えなければ兵隊さんも力が出ないでしょうに、大変ですね(他人事ですが)。

さらに、リンク先記事で興味深いのが、「闇レート」という話です。

同国通貨の対ドル公式レートでは、1ドル(約107円)が1507レバノン・ポンドに設定されているものの、闇市場では1ドルが8000レバノン・ポンド超に急落している。

公式市場と闇市場が併存するというのは、まるで北朝鮮やアルゼンチンのような状態ですね(ただし、貨幣制度が崩壊していないという意味では、ジンバブエやベネズエラよりはマシですが…)。しかも、レバノンは食料品の大半を輸入に頼っているらしく、まさに「中東版ベネズエラ」状態でしょう。

ということは、もしかして「肉が食えない」ことに怒りを感じたレバノン兵が「カルロス・ゴーンや岡本公三らの身柄と日本円の札束を交換しろ」とばかりにレバノン政府を突き上げれば、もしかすると、犯罪者らを日本に連れ戻して日本国内で罰することができるのかもしれません。

ちなみに「食えない」のは肉だけなのでしょうか。スイーツ、コーヒー、コメ、味噌、漬物とかは大丈夫なのでしょうか(おっと、レバノンは中東でしたっけ)。いかんせん、「食い物の恨み」は恐ろしいと言いますからね。

犯罪者を匿う国には然るべき処遇を

もちろん、レバノンという国をしっかり守っている兵隊さんたちが肉すら食べられなくなるという状況は、シンプルに気の毒だと思いますし、当事者としてはおそらく笑い事ではないのでしょう。

ただ、私たち日本人の立場からすれば、犯罪者(厳密には裁判で刑が確定したわけではないので「被告人」)を匿うような無法国家には、それなりの処遇が与えられて然るべきだ、という話でもありますし、逃亡された国の国民という立場からすれば、笑い飛ばしてやるくらいでちょうど良いと思います。

それよりも気になるのは、今年5月末から6月頃に相次いで報じられた、「カルロス・ゴーンの身柄を日本に引き渡さないかぎり、日本がレバノンに対するIMFの支援に反対する」という話題です。というのも、これについてはその後、あまり続報はないからです。

ただ、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の次の記事によると、IMFとレバノン当局の協議はずいぶん難航しているようですし、IMFの支援が遅れるごとに、レバノン経済が置かれた状況も厳しさを増しているようです。

As IMF Talks Drag, Lebanon’s Economy Spirals

Critical bailout talks between Lebanon and the International Monetary Fund may be ‘hitting the rocks,’ according to a former economy minister and central banker, Nasser Saidi. Infighting between the government and the central bank threatens to derail badly needed emergency funding to prop up the country’s faltering economy, analysts say.<<…続きを読む>>
―――2020/07/02 13:07付 Voice of Americaより

この点、VOAの記事で「日本」という単語は出てきませんし、表向き、日本政府は「レバノンをいたずらに不安定な状況に置くのは望ましくない」と述べているため、日本がIMFのレバノンに対する支援を妨害しているという事実は確認できません。

しかし、レバノンが素直に犯罪者の引渡しに応じていれば、少なくとも日本としては、レバノンに対し、もう少し金融支援をやりやすくなるのではないかと思います。その意味で、金融大国である日本をわざわざ怒らせるようなことをするとは、他国ながら愚かな判断だと思う次第なのです。

新宿会計士:

View Comments (50)

  • 表向きの邪魔はいっさいしないけれど、日本はレバノンの救済には消極的だろうというのは諸外国理解してるので確実にあしかせになっている。
    トルコの危機ではスワップ報道を認めないまでも静観して、飛ばし記事に効果でるくらいにはアシストしてあげた。

    似たようなことが韓国にもおこるでしょう。さすがに日本が韓国のWTOトップ候補の支持をしないのは一目瞭然だし、全会一致のWTOで韓国候補の当選はないでしょう。

    今までは韓国と仲悪そうに見えても国際的な場面ではアシストしてあげたりスワップしてあげたり。なんだ「トムとジェリー状態か」と諸外国に理解されちやってたんでしょうね。
    これからはそれはない。レバノンが一番先に日本の方針転換の犠牲になったかも。

  • 日本は IMF のレバノン支援に反対せずとも、積極的に賛成することもないでしょう。
    犯罪者引き渡しを条件にする必要もないと思います。
    カルロス・ゴーンや岡本公三らが、「レバノンにいるより日本で刑に服する方がまし」と自発的に出頭するまで放置すればよいのではないでしょうか。

  • カルロスゴーンやレバノンの例えでホトトギスを出すのはホトトギスに大変失礼なことですが(会計士様のまねっこをしてみました)

    ①鳴かぬなら殺してしまえほととぎす
    ②鳴かぬなら鳴かせてみせようほととぎす
    ③鳴かぬなら鳴くまで待とうほととぎす

    日本にできそうなのは③かな。レバノンに対してもIMFに対してもレバノンが日本の要求を受け入れるまで放置して欲しい。

    • 閑居小人様

      ④啼かぬには 啼かぬ訳あり ほととぎす

      というのもありますね。

      • 門外漢さま

        >④啼かぬには 啼かぬ訳あり ほととぎす

        この句とっても気に入りました。
        何度も読み返すと詠み人の知性を感じます。自分もこんな句を詠みたいです。

    • 閑居小人 様

       こんなのもありますよ。
       
      鳴かぬなら それもまた良し ほととぎす ー松下幸之助
      鳴かぬなら それでいいじゃん ほととぎす ー織田信成

       自然に任せるだけでも案外なんとかなると思います。自分の蒔いたものを刈り取らない限り、ゴーンが安住の地に落ち着く事はないでしょうから。

      • とある福岡市民さま

        松下幸之助の句は彼の優しさを感じます。
        織田信成の句は現代っ子ですね。

        ゴーンは日本人ではないので日本人らしい矜持はないと思うので、安住の地は恐らくインフェルノかと・・・。

  • 食べられないものはスイーツと頭にあるあたり、新宿会計士さんは甘いものがお好きなのではないかという考察を投稿する次第であります。笑

    美味しいですよね、甘いもの。

    • 豆鉄砲様

      横レスすみません。

      名古屋の庶民のソウルフードと言えば、スガキヤのラーメン(330円)。

      名古屋文化圏に生まれ育った人で「スガキヤ」を知らない人は99.9%ないと断言できる(?)チェーン店です。

      そしてスイーツでお勧めしたいのはスガキヤの「クリームぜんざい」(240円)。

      庶民の味方・スガキヤが誇るロングセラーの一品です。店舗で座って食べても良し、テイクアウトも良し。名古屋にお越しの際はぜひお試しあれ・・・(※この投稿は個人の感想です)

      スガキヤ「クリームぜんざい」
      http://www.sugakico.co.jp/menu/sweet_menu/entry-892.html

      • 名古屋の住人 様

        今から30年ほど前、出張で名古屋駅、東山線の地下街で寿がきやのラーメン食べました。
        感想はしょうゆ味で、ヤスっ〜でした。
        ワタシは味噌煮込みうどんが好きです。

        駄文でした。

        • タナカ珈琲様

          コメントありがとうございます。

          スガキヤのラーメン、公式サイトによると「和風豚骨スープ」だそうです。

          しかし、他都道府県の方からすれば「豚骨スープ???」と、「?」が無限大につきそうですが、しょうゆ味でもとんこつ味でもない、「スガキヤラーメン味(?)」として地元民の老若男女を問わず、絶大な支持を集めています。

          スガキヤ よくある質問
          http://www.sugakico.co.jp/faq/entry-450.html

          味噌煮込みうどんと言えば、山本屋本店と山本屋総本家が有名ですが、地元民でもその違いがよくわかりません。どちらも冷凍食品の味噌煮込みうどんをスーパーなどで売っていますが、山本屋本店の方が少し安いぐらいの違いしかありません。

          ググってみたら、こんなサイトがありました。このサイトでも触れていますが、もしどちらに行くべきか?と聞かれれば、「家(職場)から近いところ」「目的地に近いところ」程度で決めています。

          名古屋の山本屋本店と総本家の違いは?
          https://kosodate-journey.com/yamamotoya-honten-souhonke-difference/

          肉も食えないレバノン兵はそっちのけで、むしろ雑談専用掲示板に投稿する内容ですが、どうかご容赦のほどよろしくお願い致します。

  • >レバノンを一層不安定化させるような状況を作り出すことは、現時点では避けるべきものだと考えております。

    未来的には、もっと追い込んでいくかもよ!

    という文章だと思うのですが、そんな語法をレバノン人は理解できるでしょうかw
    アラブ文化圏の人間に理解できたら、あんな立場にはなっていないですね。

  • 仮に、ゴーンの逃亡自体は本人の責任(又は逃がしてしまった日本の責任)であっての、明らかに法を破って逃亡してしている人物を「匿う」という行為はレバノン政府の責任。
    逃亡犯である事が明らかである以上、身柄の引き渡しは行ってしかるべき。

    「匿う」という行為が正当化されるとしたら、それを行うだけの理由が必要。
    EX)公正な裁判が行われずに、引き渡したら直ちに処刑が行われる場合などの人道的な理由etc

  • マサカ、とおもいますが、予行演習。
    ドッカのあの国が経済破綻した時にIMF支援を阻止、、、
    お上品な害夢省には出来ないと思います。
    ゴーン以外に岡本公三もいますし、警察庁、公安調査庁辺りが出てくると面白い結果が付いてくる。
    と、妄想しています。

  • 更新ありがとうございます。

    昨日の読者のコメントで、「圧倒的な資産を持つ経済大国の日本に、逆らってまで韓国を支持する国は無い」という人のがありましたが、形は違えど、日本を怒らすバカモン国家はやはりありました!(笑)

    ゴーンさえ日本に渡せば、多少はイロを付けて有利な話も出来たのに、今のままならIMFに圧力をかけていると見られるかも知れませんネ(笑)。それは無いでしょうが。しかし12億ドルでデフォルトか〜。

    会計士さんのこのゴーンに対する以前の論稿で、『一部の読者の方からは「あまりにも過激ではないか」という批判もあった』とか。いるんですね〜やっぱり(嘲笑)。あ、また幇間のめがねのおやじが来た!って思われるから、辞めとこ。

    でも、ゴーンの国外逃亡は日本の司法システムに対する挑戦です。看過できません。

    で、ベネズエラじゃないレバノンですか、食い物だけが魅力なはずの軍隊で、肉なし。そら、怒るわな。なんなら短気起こして直接、レバノン軍が岡本やゴーンを射殺するか、レバノン政府に突き上げ、食い物と金との取り引き材料にするかですね(笑)

    日本になびいていれば、何も問題なく過ごせたのに。中東人ってホントに分からないです。

    • > 中東人ってホントに分からないです。

      私にとってイスラム世界、なかんずくアラブ世界は精神的距離が遠いですね。もちろん物理的にもですが。

      でもアラブの国々では日本は人気なのです。“Planet Japan(日本は別の惑星のようだ、の意図で)”とか言って持ち上げられます。かつては「おしん」が大流行したり、今でも日本のアニメは人気だし、伝統と先端技術が共存する高い民度の国として認識されているようです。

      そしてお決まりの台詞「日本人はムスリムではないのに、日本ではイスラムの理想が体現されている」

      これ、逆説的に「イスラムだからそんな状態なんじゃないの?」と感じてしまいます。儒教社会が中国や朝鮮を作り出すように、イスラム教があんな国家群を作り出すのではないか、という疑念です。

      でも歴史を振り返れば、十字軍がやってくるまでのイスラム社会は、ギリシャ文明を継承した豊かで平和な社会だったのですよね。文明度においても経済力においても、ヨーロッパを上回っていたと言われています。

      イスラム教=社会を低迷させる教え、ではなく、何かが変質したのだと思いますが、その辺りがピンと来ません。

      • > 「日本人はムスリムではないのに、日本ではイスラムの理想が体現されている」

        ゴルバチョフ書記長(当時)が、「日本は世界で最も成功した社会主義国だ」と言ったのと似た様な話ですかね。

      • 阿野煮鱒 様

        > 何かが変質したのだと思いますが、その辺りがピンと来ません。

         私は逆で、「変質しなかったから」ではないかと思います。
         圧倒的な力を持つ敵に破れ去った後、どのような態度を取るかでその国や組織の隆盛が変わります。

        1、敵から学習し、アレンジしながら取り入れる

        戦国時代の趙の武霊王、共和制ローマのスキピオ・アフリカヌス、レコンキスタ運動のスペイン王国、三方ヶ原以後の徳川家康、長州藩や明治維新、シャムのチュラロンコーン大王、トルコ共和国のムスタファ・ケマル、戦後の日本、第二次バチカン公会議以降のローマ・カトリック

        2、いつまでも敵、神、同士、運などのせいにして自分を変えようとしない

        ソロモン王の没後のユダヤ人国家、南朝方の公家や武将、分割されたポーランド、室町時代末期の大山崎油座、清朝末期、李氏朝鮮、戦後日本の左派勢力、北朝鮮、シャープ、現代のイスラム諸国やイスラム原理主義

         イスラム教の教えやイスラムの社会情勢は時代に応じて少しずつ変化してますが、基本的なところは7世紀から変わってません。守らなければ神の教えに背く、と考えられたためでしょう。そのため、奴隷解放、西洋の技術の導入、人権意識など、近代化が送れました。その結果、かつては圧倒的に劣位にいた欧米や日本に抜かれ、大差をつけられてました。石油がもたらした富も、すでに存在していたイスラム社会の格差をより大きく、より強固にしてしまいました。
         このような状況で、欧米や日本から学んで改革する事で国力を取り戻そうとする考え方と、イスラムの教えを厳格に守れば7世紀の国力を取り戻せるという考え方の二つが出てきます。インドネシア、ドバイ、20世紀のトルコは前者、イスラム原理主義派は後者、サウジアラビアとイランはその両方といったところでしょう。
         歴史に学ぶのであれば、前者を取った方が賢明かと思われます。ただし、どちらを選ぶかはムスリム次第ですし、その結果発生する困難も受ける必要があるでしょう。

        • すみません。訂正します。

          誤 近代化が送れました。

          正 近代化が遅れました。

      • 阿野煮鱒様

        お返事遅くなりました。失礼しました。何しろ雨が、、止みましたが。
        阿野煮鱒さんが仰る通りです。アラブ社会ではヘンに日本が人気ですが、「ちょっと、本当に理解出来てるの?」と問いたいぐらいです。

        私の住む街では日本では珍しくムスク?があるのですが、たまに通ると(数年に一度 笑)、あの覆面集団や長いカーテンみたいな服装の方が歩いており、ややキケンを感じます(笑)。

        その人達相手の商店もありますが、チキンなので入りません。日本に在住してても、全く打ち解ける事が無いというか、生活スタイルは変えません。

        僅かな気配すら無いと思います。と言って隣国の輩みたいな悪さをする訳じゃない。まっったく謎です。

      • 阿野煮鱒様

        儒教社会とイスラム社会
        過去を理想化するところが進歩のない共通点カト。

      • 難しいことは判りませんが、どのような宗教であれ、聖典と呼ばれるものを作るのは、人間です。神様が作ったものではないですよね。であれば、その教義は一人間の頭の範囲から出ることが無い。

        宗教や政治もですが、原理的になるということは、世界を狭くし、人を追い詰めます。追い詰められた人間はそれを他者への攻撃に向けたり、思考停止して身を守ります。本来、人間の精神を救うための宗教が人をこのように追いやるのは皮肉です。

        であれば、自然を神とした原始宗教のほうがよほど健全だと思うのですよ。

  • キャロル・アントワネット・ゴーン「肉が食べられないなら魚を食べればいいじゃない」
    お粗末でした(ペコリ)

  • 私の場合、レバノンと言えば『8時だョ!全員集合』なんですよね。

    ババンバ バン バン バン、アー レバノンノン
    ババンバ バン バン バン、アー レバレバレバ

    デフォルトするなよ!
    借金返せよ!
    肉食べろよ!

    • 阿野煮鱒様


      おふざけ珍しいですね
      ドリフ5人に掛けて
      座布団5枚です

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