昨日の『トルコとの100億ドルスワップ報道に「驚いた」日本』や先ほどの『「飛ばし報道」だけでトルコリラの暴落を防いだ日本円』などで、トルコの「スワップ報道」騒動を取り上げました。ただ、これらの関連報道を調べていくなかで、頻繁に見かけたのが、「多国間通貨スワップを推進せよ」、という主張です。支援を受ける側にとっては、二国間スワップのように「支援する国・される国が明確」なスワップではなく、多国間スワップのように「誰が援助しているのかわからない」というスワップの方が都合がよいのだと思いますが、はて、支援する側であるわが国はこれをどう考えるべきでしょうか。

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2020/05/22 11:05追記

図表2の「BIRCS通貨」に記載のインドの通貨が「インドルピア」となっていましたので、「インドルピー」に修正しております。在タイ隠居老人様、ご指摘大変ありがとうございました。

スワップ論

当ウェブサイトではかなり以前から、国際的な金融協力という観点からの「スワップ取引」について、諸外国の事情も含めて深く調べ、『【総論】4種類のスワップと為替スワップの威力・限界』などでもまとめてきたのですが、これをあらためて一覧にしたものが次の図表1です。

図表1 国際金融協力の世界におけるスワップ
用語概要当ウェブサイトの略し方
①二国間通貨スワップ二国間の通貨当局同士が締結する、お互いに通貨を交換する協定Bilateral Currency Swap Agreement を略してBSAと呼ぶことがある
②二国間自国通貨建て通貨スワップ二国間の通貨当局同士が締結する、お互いの自国通貨同士を交換する協定Bilateral Local Currency Swap Agreement を略してBLCSAと呼ぶことがある
③多国間通貨スワップ多国間の通貨当局同士が参加する、お互いに通貨を交換する協定Multilateral Currency Swap Agreement を略してMSAと呼ぶことがある
④為替スワップ相手国の通貨当局を通じて民間金融機関に対して短期資金を貸し出すための協定Bilateral Liquidity Swap Agreement を略してBLAと呼ぶことがある

(【出所】著者作成)

これに関連し、昨日、当ウェブサイトでは「トルコ国内で唐突に、日本とトルコが100億ドル相当の通貨スワップを締結する予定だと報じられた」、という話題を紹介しました(『トルコとの100億ドルスワップ報道に「驚いた」日本』参照)。

ただ、これについては今朝の『「飛ばし報道」だけでトルコリラの暴落を防いだ日本円』でも説明したとおり、おそらくはトルコメディアによる、利下げによる通貨暴落を防ぐための「飛ばし報道」という可能性を疑っても良いと思います。

ただ、それと同時にこの話題について調べてみると、いくつかの国のメディアに「いまこそ多国間通貨スワップ協定を締結すべきだ」、といった主張が散見されました。

当ウェブサイトではアジア諸国などの新興市場諸国が先進国(米国や日本など)との通貨スワップを欲している、という話題をしばしば取り上げて来ましたが(たとえば『インドネシア、米国に対しても通貨スワップ締結を要求』など)、冷静に考えると、このテーマは奥が非常に深いです。

そこで、そもそもなぜ、新興市場諸国が通貨スワップを求めて来るのか、そして「多国間通貨スワップの仕組みと問題点」とは何かについて、考えてみました。

そもそも通貨は対等でない

管理通貨とそれ以外の通貨

議論の前提として紹介したいのが、「管理通貨とそれ以外の通貨」という考え方です。

ご存知の方も多いと思いますが、現代の世界で多くの国が採用している「管理通貨制度」とは、その国・地域の中央銀行(や通貨当局)が基本的には好きなだけ自分の国・地域のおカネ(紙幣など=自国通貨)を発行することができる、という仕組みです。

ただ、刷ることができるのはあくまでも自国通貨であって外国通貨ではありません。

たとえば、日本銀行はその気になれば無制限に日本円という通貨を発行することができるのですが、米ドルやユーロ、英ポンドなどの通貨を発行することはできません。発行できるのはあくまでも自国通貨である日本円だけです。

外国通貨(たとえば米ドル)の紙幣を自由に印刷することができる国といえば、映画『ルパン三世 カリオストロの城』に出てきた架空の「カリオストロ公国」か、実在する国でいえば北朝鮮くらいなものでしょう。

さらに、「自国通貨ならば常に好きに発行できる」というものではありません。

たとえば、香港の場合は貨幣価値が米ドルに「ペッグ」(固定)されており、香港ドルを発行する銀行は、7.8香港ドルあたり1米ドルを香港金融管理局(HKMA)に預託しなければならないため、香港ドルはHKMAが保有する外貨準備の範囲でしか発行できません。

※おもしろいことに、香港の場合、紙幣はHKMAではなく、民間銀行である香港上海銀行、香港渣打銀行(スタンダード・チャータード銀行)、中国銀行(香港)の3つの銀行が発行しており、紙幣のデザインは3種類ずつあります(政府紙幣である10香港ドルを除く)。

また、共通通貨を採用している国の場合は、自国通貨ですら自由に発行することができません。

たとえば、ギリシャはユーロ圏に加盟しているため、ギリシャの通貨はユーロですが、ギリシャの中央銀行はユーロを発行することはできません。ユーロを発行する権限を持っているのは、あくまでも欧州中央銀行(ECB)です。

余談ですが、ギリシャ国債が実質デフォルトした理由は、ギリシャ国債が「国債デフォルトの3要件」(①自国投資家が買ってくれない、②外国投資家が買ってくれない、③自国中央銀行が買ってくれない。詳しくは『増税から1ヵ月 数字で読む「財政再建論の大間違い」』等参照)を満たしたからです。

日本国債の場合は、理屈の上ではどう頑張っても絶対にデフォルトすることができないのですが、この関連論点等については、『日本経済を客観的な数字で読んでみた結果を総括します』などをご参照いただければ幸いです。

通貨にも「実力」がある

以上、「管理通貨制度を採用している場合、自国の通貨であれば自由に発行できる」というのは、たいていの経済学の教科書に掲載されている論点なので、ご存知の方も多いでしょう。

ただ、ここでもうひとつ、国際政治、国際経済を読むうえで欠かせない論点が、「外国通貨(外貨)」です。外貨とは、読んで字のごとく、「外国のおカネ」のことですが、当ウェブサイトなりの分類では、世界にはだいたい2種類の通貨が存在しています。「ハード・カレンシー」と「ソフト・カレンシー」です。

著者の定義で恐縮ですが、「ハード・カレンシー」とは「国際的な商取引や資本取引などで広く使われていて、その通貨で決済や売買をする際に法的・時間的な制約が少ない(つまり使い勝手が良い)通貨」のことであり、「ソフト・カレンシー」とは「ハード・カレンシーの要件を満たさない通貨」のことです。

ハード・カレンシー
  • その通貨の発行国・地域に留まらず、国際的な商取引や資本取引などで広く用いられ、その通貨で決済や売買をする際に、法的・時間的な制約が少ない通貨
ソフト・カレンシー
  • ハード・カレンシー以外の通貨

ハード・カレンシーとソフト・カレンシーの分類例

ハード・カレンシーのなかでもとくに「強い」通貨が米ドルであり、これにユーロ、日本円、英ポンド、スイスフラン、カナダドルなどが続きます。ユーロが発足する以前であれば「G10通貨」という分類もあったのですが、現在の「ハード・カレンシー」といえば、だいたいこの6つさすと考えて良いでしょう。

また、準ハード・カレンシーと呼べる通貨には、たとえばカナダドルや豪ドル、NZドルなどの先進国通貨、デンマーククローネやノルウェークローネ、スウェーデンクローナなどの北欧通貨、さらには香港ドルやシンガポールドルなどがあります。

ただ、「ハード・カレンシー」と「ソフト・カレンシー」の線引きは曖昧であり、香港ドルやシンガポールドルがハード・カレンシーと呼べるのかどうかを巡っては、少なくとも国際規制当局者の間でコンセンサスのようなものが形成されているとは言い難いでしょう(※著者私見)。

以上をまとめておくと、次のようなイメージでしょうか(図表2)。

図表2 世界の通貨を分類すると…?
区分カテゴリー備考
ハード・カレンシー基軸通貨米ドル
IMFの自由利用可能通貨ユーロ、日本円、英ポンド
その他のハード・カレンシースイスフラン、カナダドル
準ハード・カレンシーオセアニア通貨豪ドル、NZドル
北欧通貨デンマーククローネ、スウェーデンクローナ、ノルウェークローネ
アジア通貨香港ドル、シンガポールドル
ソフト・カレンシーBRICS通貨ブラジルレアル、ロシアルーブル、インドルピー、中国人民元、南アフリカランド
上記以外のG20通貨サウジアラビアリヤル、メキシコペソ、アルゼンチンペソ、韓国ウォン、インドネシアルピア、トルコリラ
その他のソフト・カレンシーその他多数(たとえばタイバーツ、マレーシアリンギット、ベトナムドン など)

(【出所】著者作成)

自国通貨が使える幸せ

もちろん、この図表2の分類は著者による勝手なものですし、ユーロを「準基軸通貨」ないしは「基軸通貨」と呼ぶ人もいる一方、「カナダドルは豪ドルやNZドルと同格ではないか?」などと疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。あくまでも「ざっくりした分類である」、とご理解ください。

ただ、ひとつ間違いない点があるとすれば、私たちの通貨・日本円が世界のなかでもとくに地位が高い通貨である、という点でしょう。そして、わが国では日常生活から大規模な商取引に至るまで、たいていの場合、日本円だけで事足ります。

わが国では店で買い物をするときやレストランで食事をする際に、「日本円という通貨を受け付けてもらえない」ということは、まず発生しません。「キャッシュレス決済」を受け付けてくれない店はありますが、日本円の現金があれば、まず間違いなく問題ありません。

いや、もう少し正確にいえば、米軍基地に隣接する地域などを除けば、日本国内では日本円以外の通貨は使い物になりません。

外貨での支払いを要求する国

しかし、政情不安定な国や経済が不安定な国の場合は、自分の国の通貨が使えない、ということはときどき発生するようです。

たとえば、有名なところではアフリカの国・ジンバブエがハイパー・インフレ抑制の失敗により通貨制度が崩壊し、自国通貨・ジンバブエドルの発行が2009年に停止してしまったというケースもあります(『レファレンス協同データベース』参照)。

また、個人的経験で恐縮ですが、前世紀にギリシャを訪問した際に、お土産としてギリシャ名産品を買おうとすると、当時のギリシャの通貨「ドラクマ」を受け付けてもらえず、日本円で直接支払ったという体験をしています。

そういえば、2000年代初頭にエジプトを訪れた際にも、エジプトの通貨「エジプトポンド」ではなくユーロ紙幣の方が好まれましたし、2010年代前半に南米のウルグアイを訪れた際にも、勘定書に米ドルとユーロの金額が書かれていたのには、新鮮な衝撃を受けた記憶もあります(図表3)。

図表3 参考画像:ウルグアイのレストランで食事をした際の請求書

(【出所】著者撮影)

ちなみに画像の『$ uru.』がウルグアイペソでの請求額、『$ arg.』が隣国・アルゼンチンの通貨「アルゼンチンペソ」での請求額、『dólares』が米ドルでの請求額です。店によっては請求額をユーロに換算したものが掲載されているケースもあります。

また、日本に近いところでいえば、マカオではマカオパタカももちろん使えますが、それだけでなく、香港ドルや人民元がそのまま利用できることも一般的です(もっとも、香港ドルは、外為市場ではマカオパタカに比べて微妙に価値が高いにも関わらず、マカオ市内では等価で使われてしまっていますが…)。

さらには、一部の国では自国で通貨を発行せず、外国通貨をそのまま自国の通貨として採用してしまっている国もあるようです(たとえば南洋のツバルやナウルは豪ドルを、ニウエはニュージーランドドルを、パラオや東ティモールは米ドルを、それぞれ通貨としてそのまま使用しているそうです)。

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スワップの必要性と問題点

どうして外貨が必要なのか

つまり、その国の通貨が通用する条件としては、

  • ①政情が安定しているかどうか
  • ②経済が安定しているかどうか
  • ③近隣国に強い通貨を持つ国があるかどうか
  • ④貿易依存度が高いか、低いか

…などに応じて変わるのでしょう。

わが国の場合、政治も経済も安定していることに加え、また、日本自身がGDPで世界3番目の経済大国であるという事情もあり、ほぼ自国通貨のみしか使えないのですが、中国に近接する香港やマカオ、韓国や北朝鮮などの場合は、日常生活では自国通貨だけでなく人民元も通用しているようです。

また、南米諸国や中東諸国などの場合、そもそも政情や経済が不安定であり、自国通貨だけでなく近隣国通貨や米ドル・ユーロなどの基軸通貨やハード・カレンシーが好まれる、という事情もありそうです。

日常の取引ですらこうなのですから、金額の大きな取引(とくに輸出入取引、国境をまたいだ債券の発行、対外直接投資などの資本取引)では、ソフト・カレンシー国は自国通貨で取引ができないケースが多いです。

このようなソフト・カレンシー国の企業が外国と取引をする際には、常に外貨を持っておくことが必要であり、これらの企業の多くは米ドルなどの通貨で資金調達をすることが一般的です。

だからこそ、多くの新興市場諸国の場合、自国通貨の価値が乱高下するのを嫌がります。企業にとっては、生産計画を立てるにしても、販売計画を立てるにしても、投資計画を立てるにしても、通貨の価値が安定していないことには見通しが立たないからです。

逆に、日本のように貿易依存度も低く、「日本円」という自国通貨だけで多くの経済活動が完結する国の場合、為替変動(円高、円安など)は一部の輸出入企業や外貨投資をやっているような人でもない限り、ほとんど為替変動を気にする必要などないのです。

外貨準備が足りなければスワップが必要

ここから、新興市場諸国の場合の難しさの一端を知ることができます。

多くの新興市場諸国の場合、外国企業から投資してもらい、工場を建ててもらうことなどで経済を発展させ、完成した製品を外国に輸出するなどして経済発展する必要があるため、そもそも国際的な取引を大量に行う必要があります。

それなのに、自国通貨は国際的に通用しないため、必然的に外貨でおカネを調達しなければなりません。

また、自国の通貨の価値が下がれば、自国企業にとっては外貨建ての借金の価値が上昇(つまり債務負担が上昇)してしまいますし、自国通貨の価値が上がれば、自国企業にとっては輸出競争力が減ってしまいます。

さらには、うまく経済発展させていくためには、国内の通貨供給量やインフレ率などをコントロールしていく必要があります。経済が発展しているときは、得てしてインフレ率も上昇しがちなのですが、これを利上げなどによっていかにうまく抑えていくかがポイントです。

しかも、新興市場諸国にありがちなのは、大統領が人気取りのために、中央銀行に対して利上げしないように圧力を加える(あるいは利下げを強要する)、というケースですが、これについては『「飛ばし報道」だけでトルコリラの暴落を防いだ日本円』あたりで取り上げた話題と重なるので、論点としては割愛します。

だからこそ、これらの新興市場諸国は先進国などの通貨スワップを欲しがるのでしょう。

「支援されている」とは言わせない

ただし、750億ドルの日印通貨スワップのケースがその典型例ですが、通貨スワップとは多くの場合、通貨ポジションが強い国(たとえば日本)から通貨ポジションが弱い国(たとえばインド)に対する一方的な支援である、という側面があります。

日印通貨スワップの場合も、形のうえでは「対等」を装っていますが、実際に日本がインドに対して750億ドル相当の資金を支援要請するということは、非常に考え辛いです。

つまり、誰がどう見ても「日本からの支援である」ということがわかってしまえば、国際的な投機筋に対しても「インドは日本との通貨スワップで外貨準備を750億ドル増やしたぞ」、というアナウンスメント効果も得られるのです。

逆に言えば、スワップを締結している国同士では、一種の援助関係が成立してしまう、ということでもあります。あくまでも一般論としては、支援を受ける国としては面白くないと思っているかもしれません(※インドが日本に対し、そう感じている、というわけではありません。あくまでも一般論です)。

だからこそ、二国間ではなく、多国間でのスワップ協定にして、「誰が支援国であるか」が分かり辛い仕組みというものを作りたがるのかもしれませんね。

実際、わが国が参加している多国間通貨スワップ協定のひとつが、「チェンマイ・イニシアティブ・マルチ化協定」(CMIM)と呼ばれる仕組みです(図表4)。

図表4 日本が参加する多国間通貨スワップであるCMIM
拠出額引出可能額
日本768億ドル384億ドル
中国(※)768億ドル405億ドル
韓国384億ドル384億ドル
インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン各 91.04億ドル各 227.6億ドル
ベトナム20億ドル100億ドル
カンボジア2.4億ドル12億ドル
ミャンマー1.2億ドル6億ドル
ブルネイ、ラオス各0.6億ドル各3億ドル
合計2400億ドル2400億ドル

(【出所】財務省『CMIM 貢献額、買入乗数、引出可能総額、投票権率』。ただし、中国については香港との合算値。中国以外のIMFとの「デリンク」割合は30%。また、香港はIMFに加盟していないため、中国の引出可能額に占める「IMFデリンク」割合は他の国と異なる)

この仕組みだと、支援を受ける国(たとえばASEANのいずれかや韓国)がスワップを引き出そうとしても、相手国(たとえば日本)に対してさほど引け目を感じることがありません。

だからこそ、某国からはときどき「CMIMの規模を拡充しよう」だの、「デリンク割合を引き上げよう」だのといった提案が出て来るのかもしれませんね。

「メキシコ、アルゼンチン、韓国、インドネシア、トルコ」

ただし、冷静に考えていくと、やはり「G20スワップ」などの構想は、非現実的です。

先ほどの図表2確認しましたが、G20とヒトクチに称しても、参加している国は雑多です。

  • ①基軸通貨国…米国
  • ②ハード・カレンシー国…ユーロ圏、日本、英国、カナダ、オーストラリア
  • ③BRICS諸国…ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ
  • ④上記以外…サウジアラビア、メキシコ、アルゼンチン、韓国、インドネシア、トルコ

なかでも一番中途半端なのが、①~④のうち、④のカテゴリーの国でしょう。

そういえば、アルゼンチンは過去に何度も外貨建て国債のデフォルトを発生させていますし、韓国、インドネシアは過去にIMFのお世話になったこともあります。さらに、今回の通貨危機に直面しかかっているトルコも、この④のカテゴリーの国です。

つまり、G20と称しても、世界を「支援する側」(米国、ユーロ圏、日本、英国など)と「支援される側」(とくにメキシコ、アルゼンチン、韓国、インドネシア、トルコなど)を同じグループに属するものとして取り扱うには、やはりかなりの無理があると思わざるを得ないのです。

まとめ:やはり二国間スワップが基本

以上の議論を通じて、あらためて感じるのは、「通貨」という面において、日本がいかに強い国であるか、という点です。

まず、日本円という通貨そのものがハード・カレンシーであること。

日本円建ての通貨スワップや為替スワップを欲しがっている国はそれなりに多いでしょうが、その理由は、日本円という通貨が世界で広く取引され、通用しているからにほかなりません。

そして、日本が140兆円という巨額の外貨準備を保有していること。

世界広しといえども、米ドル建てのスワップを提供することができる国は、おそらく米国以外では日本か北朝鮮くらいなものではないかと思います。

そして、支援を受ける側としては多国間通貨スワップ(CMIMやG20スワップ)などの仕組みを欲しがるのだと思いますが、私たちの血税を裏付とする貴重な外貨準備からスワップを提供するならば、やはり二国間スワップにこだわるべきではないかと思う次第です。

※本文は以上です。

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    米中コロナ対立の折、日韓関係決める「3つの守り神」 (61コメント)
  • 2020/05/16 05:00 【マスメディア論
    新聞崩壊?「押し紙」認めた判決契機に訴訟ラッシュも (51コメント)
  • 2020/05/15 16:30 【時事|外交
    トランプ氏「米中断交すれば5000億ドル節約」 (26コメント)
  • 2020/05/15 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事 COVID-19編~7~ (82コメント)
  • 2020/05/15 11:11 【時事|経済全般
    鈴置論考「韓国は反面教師」説を裏付ける安倍発言 (17コメント)
  • 2020/05/15 08:00 【経済全般
    コロナとは経済問題 無駄な既得権を飼う余裕は消える (28コメント)
  • 2020/05/15 05:00 【RMB|日韓スワップ|韓国崩壊
    中国は「使えない中韓通貨スワップ」で韓国を支配へ? (21コメント)
  • 2020/05/14 15:00 【時事|金融
    【速報】ネコと和解せよ (26コメント)
  • 2020/05/14 11:11 【時事|経済全般
    特別定額給付金で「ミス頻発」は「歳入庁」実現の好機 (20コメント)
  • 2020/05/14 08:00 【時事|金融
    米国の対中輸出管理強化と「コウモリ国家」の命運 (20コメント)
  • 2020/05/14 05:00 【韓国崩壊
    慰安婦問題は韓国を滅ぼす「ブーメラン」となり得る! (75コメント)
  • 2020/05/13 15:30 【マスメディア論|時事
    朝日新聞「コロナを日韓関係のリセットの契機に」 (46コメント)
  • 2020/05/13 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/05/13(水) (121コメント)
  • 2020/05/13 11:00 【マスメディア論|時事
    ひとりの医師の誠実な気持ちを踏みにじったテレビ朝日 (52コメント)
  • 2020/05/13 06:00 【時事|韓国崩壊
    韓国政府「日本は5月末までに輸出規制の答えを出せ」 (69コメント)
  • 2020/05/13 05:00 【日韓スワップ|韓国崩壊
    日本に相手にされない韓国、「EUと通貨スワップを」 (22コメント)
  • 2020/05/12 14:30 【読者投稿
    【読者投稿】パチンコ「三店方式」と不都合な真実 (34コメント)
  • 2020/05/12 10:30 【マスメディア論|時事
    ハッシュタグ事件は世論操作手段をネットに移しただけ (72コメント)
  • 2020/05/12 08:00 【時事|経済全般
    インドガス漏洩事故の続報の少なさと「信頼」のもろさ (34コメント)
  • 2020/05/12 05:00 【韓国崩壊
    納得の鈴置論考、安倍発言の真意は「韓国は反面教師」 (59コメント)
  • 2020/05/11 16:30 【時事|韓国崩壊
    慰安婦問題「内ゲバ」:日本は現時点で距離を置くべき (49コメント)
  • 2020/05/11 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事 COVID-19編~6~ (138コメント)
  • 2020/05/11 11:11 【マスメディア論
    サザエさんはどこに行く?コロナ禍が変えるテレビ業界 (22コメント)
  • 2020/05/11 09:00 【国内政治
    共同通信の調査でも維新と立民の政党支持率が「逆転」 (26コメント)
  • 2020/05/11 05:00 【韓国崩壊
    「韓日関係雪解け」演出に見え隠れする韓国の「邪心」 (33コメント)
  • 2020/05/10 12:00 【読者投稿
    【読者投稿】アビガン解禁で、医療崩壊危惧は遠のいた (72コメント)
  • 2020/05/10 09:00 【数字で読む日本経済|金融
    日米為替スワップ「本当の意味」と国債372兆円増発 (7コメント)
  • 2020/05/10 05:00 【外交|金融
    米国の雇用崩壊と大統領選、「公共事業」としての戦争 (33コメント)
  • 2020/05/09 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/05/09(土) (95コメント)
  • 2020/05/09 09:00 【韓国崩壊
    韓国メディア「輸出規制で韓国はまったく困ってない」 (44コメント)
  • 2020/05/09 05:00 【経済全般
    「なぜ繰り返される?」…インドで悲惨なガス漏れ事故 (82コメント)
  • 2020/05/08 23:06 【時事|経済全般
    【速報】米国の失業率が14.7%と戦後最悪を記録 (11コメント)
  • 2020/05/08 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事 COVID-19編(5) (95コメント)
  • 2020/05/08 11:00 【日韓スワップ|金融
    【資料】コロナショックによる為替スワップの実行状況 (4コメント)
  • 2020/05/08 06:00 【韓国崩壊
    韓国の外貨準備「不自然なリバウンド」と為替介入疑惑 (25コメント)
  • 2020/05/08 05:00 【時事|外交
    米中冷戦なら日本はどっち側に着くのか-答えは明白だ (32コメント)
  • 2020/05/07 14:00 【読者投稿
    【読者投稿】在韓日本人が写真で見る「リアルな韓国」 (79コメント)
  • 2020/05/07 12:00 【韓国崩壊
    韓国メディアの本音は「米中二股外交で日本も協力を」 (33コメント)
  • 2020/05/07 08:00 【日韓スワップ|韓国崩壊
    韓国銀、為替スワップ実行を中断:危機は去ったのか? (22コメント)
  • 2020/05/07 05:00 【マスメディア論
    ネット層ほど政権支持率と改憲支持率が高いことの意味 (29コメント)
  • 2020/05/06 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事通常版 2020/05/06(水) (130コメント)
  • 2020/05/06 08:00 【日韓スワップ|韓国崩壊
    韓国メディア「韓日通貨スワップは日本に対する支援」 (94コメント)
  • 2020/05/06 05:00 【マスメディア論
    有名ブロガーも「既存マスコミがコロナで死ぬ」と警告 (54コメント)
  • 2020/05/05 09:00 【外交
    そもそも米朝首脳会談に現れた人物は金正恩だったのか (38コメント)
  • 2020/05/05 05:05 【金融
    アジア危機再来?日本は「真の友好国」とスワップを! (29コメント)
  • 2020/05/04 14:00 【時事|外交
    金正恩危篤説は否定されたのか? (42コメント)
  • 2020/05/04 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事 COVID-19編(4) (240コメント)

  • 著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

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