硬派メディア、「安倍総理が文喜相氏の基金案に共感」
昨日、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に、安倍総理が文喜相・韓国国会議長の提案する自称元徴用工問題の「財団」を通じた解決案に「共感した」とする話題が報じられています。というっても、オリジナル記事を報じたのは中央日報ではなく、わが国の毎日新聞だそうです。こうしたなか、河村建夫氏が日韓間の「パイプ」を自認していることは間違いないと思いますが、その「パイプ」が機能しているかといわれれば、それは非常に微妙でしょう。
新聞はますます怪文書化するのか?
以前、『毎日新聞「野党に活気、安倍政権終わりつつある」』という記事で、「果たして怪文書のたぐいに8%の軽減税率を適用するのはいかがなものか」と問題提起したことがあります。
たとえば『あれは不動産屋が発行する「科学否定のオカルト紙」?』や『科学を否定する人たちが八ッ場ダム称賛を嫌がる?』などでも触れたとおり、新聞が報じる内容があまりにも低レベルすぎ、正直、「社会で何が起きているかを知る」という意味では、もはや新聞が用をなさなくなりつつあるからです。
もともとは優秀だった新聞が最近になって劣化して来たのか、それとも新聞の論説というものがもともと低レベルであり、そのことがインターネットの発達によってばれたのかは知りませんが、結論的にいえば、新聞の主張が信頼できないと感じる人が増えていることは間違いないでしょう。
そういえば、最近は安倍政権打倒を目指して虚報に精を出すメディアのことを、「硬派メディア」と呼ぶらしいですね(『朝日出身者「支持率下がらないのは国民の側にも問題」』参照)。
中央日報経由で毎日新聞の記事を知る
さて、昨日、毎日新聞にこんな記事が掲載されていました。
日韓の2本のパイプ=古賀攻(2019年11月27日付 毎日新聞東京朝刊より)
といっても、リンク先は有料会員限定記事であり、毎日新聞にカネを払わなければ読めません。「まぁ、どうせ大したことは書かれていないんだろうな」くらいの想像はつくのですが、それでも「怖いもの見たさ」(?)もあり、読めるなら読んでみたいという気もします。
(※近所の図書館に行けば毎日新聞を紙媒体で毎日綴っているので、読もうと思えば読めるのですが、毎日新聞ごときに貴重な時間を費やしたくないという私の気持ちも理解してください。)
こうしたなか、この毎日新聞の記事を、昨日、韓国メディア『中央日報』(日本語版)が紹介してくれていました。
「安倍首相、文喜相議長の徴用解決法案に共感…韓国との情報共有を指示」(2019.11.27 14:02付 中央日報日本語版より)
というわけで、中央日報の孫引きという形ですが、いちおう、どんなことが書かれているのかをチェックすることはできます(※最近、読売や朝日、毎日など、日本のメディアに有料会員限定記事が増えてきたためでしょうか、皮肉なことに中央日報を通じて日本のメディアの報道を知ることが増えている気がします)。
中央日報によると毎日新聞は次のように報じたそうです(※用語については当ウェブサイト風に修正しています)。
「安倍晋三総理大臣は20日、官邸を訪問した河村建夫日韓議連幹事長から「(自称元徴用工問題に関する)文喜相案」について説明を聞いたところ、『強制執行以前に法整備があれば良い』と述べ、秘書官に在日韓国大使館との情報共有を指示した。」
…。
はたして、安倍総理が本当にこんなことを言うのでしょうか?
話にならない文喜相氏の提案
この文喜相氏の基金案とは、当ウェブサイトでは昨日も『韓国国会議長による自称元徴用工問題「解決」策が判明』で触れたとおり、日韓両国の政府、企業、国民が資金を拠出し、自称元徴用工らへの「慰謝料」に充てる、という提案です。
正直、「お話にならない」とはこのことかと思うような代物ですが、中央日報によると河村氏は22日の中央日報とのインタビューで、駐日韓国大使と安倍総理の最側近である今井尚哉補佐官兼首席秘書官が意思疎通を続けていると明らかにしたのだそうです。
また、河村建夫氏といえば、BSフジの『プライムニュース』で「文喜相氏が上皇陛下に手紙を書いた」などと述べた人物でもありますが、『やっぱりウソだった?文喜相国会議長「お詫びの手紙」』でも述べたとおり、後日、やはりウソだったという疑惑も濃厚になっています。
また、文喜相氏の自称元徴用工財団設立案を巡っては、河村氏はもともとこれを絶賛する立場であったということは、かなり以前から何度も報じられているところでもあります(※たとえば次の中央日報の記事などがその具体的証拠です)。
安倍首相と会談した河村氏「徴用解決策は『文喜相氏の案』しかない」(2019.11.22 10:32付 中央日報日本語版より)
しかし、2015年12月の慰安婦合意で設立した慰安婦財団を、韓国側によって一方的に解散された安倍総理が、いまさら「インチキの歴史問題」で財団方式に騙されるものなのでしょうか。
河村さんが「パイプ」?まさか!
一方、昨日の中央日報の記事には続きがあって、古賀委員のコラムには次のようなくだりがあったそうです(※表現については、大意を変えない範囲で適宜修正しています)。
「25日、河村幹事長と李洛淵(り・らくえん)韓国首相は電話会談を行い、李洛淵氏は『日本の言い方は冷たい』と述べたところ、河村氏が『もう少し配慮するよう伝えましょう』と応じた。これについて『韓国はGSOMIA継続カードで日本の対韓輸出規制を元に戻したい』というホンネがあるが、日本側は『輸出管理とGSOMIAは別次元』と強調していることを受けたものだ。」
ちなみに毎日新聞のコラムの「2本のパイプ」とは、河村氏と李洛淵氏、秋葉剛男外務審議官と趙世暎(ちょう・せえい)外交部第1次官のことを指すのだそうです。
しかし、河村氏が日韓議連幹事長として、ときどき官邸を訪れて安倍総理と面談していることはおそらく事実だとしても、河村氏の発言が安倍総理の耳に届いているかどうかはまったく別問題でしょう。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
さて、最近、日韓関係について議論するのに疲れてしまいました。
正直、日韓関係においては、
- ①韓国が国際法や約束をきちんと守る方向に舵を切ることで、日韓関係の破綻を避ける
- ②日本が原理原則を捻じ曲げ、韓国に対して譲歩することで、日韓関係の破綻を避ける
- ③韓国が国際法を破り続け、日本が原理原則を貫き続けることで、日韓関係が破綻する
という3つしか選択肢がないのですが、長期政権の緩みのためでしょうか、安倍政権、いや、政権というよりも自民党内に、「韓国に譲れるところは譲ろう」と言い出す勢力が散見されるのです。
そもそも、自称元徴用工問題を筆頭とする、韓国による日本に対する賠償請求は、次の2つの点において非常に大きな問題です。
- ①日韓間の過去のすべての問題は、1965年の日韓請求権協定において法的に完全に決着が付いており、それを後になってから蒸し返すのは国際法違反である
- ②そもそも自称元徴用工問題を含めた「歴史問題」自体、その多くが韓国(や悪意を持った日本人)によるウソ、捏造のたぐいであり、日本に対する誣告犯罪である
このうち、日本政府やいくつかのメディアが主張している論点は、①です。要するに、過去に何があったかは問わないが、これらの「問題」はすべて1965年の時点で解決しており、それを蒸し返すことは許されない、といった発想ですね。
これについて安倍政権は「過去の問題は決着済み」、「韓国は法と約束を守れ」と言い続けています。こうした安倍政権の対韓外交姿勢は、歴代政権のそれと比べてはるかに毅然としており、韓国の不当な要求には応じないという姿勢で一貫している点については、高く評価して良いでしょう。
しかし、その一方、上記②の論点については、現在の安倍政権の姿勢でも物足りないと言わざるを得ません。なぜなら、韓国(や北朝鮮)は、ウソツキ外交、告げ口外交、瀬戸際外交などを駆使して、全世界で理不尽な主張を繰り広げ、日本を「悪者」にするというプロパガンダを展開しているからです。
もちろん、「歴史問題」で日韓が対立したときに、米国は日本の味方になってくれないという事情があるため、安倍政権としてもあまり歴史問題をつつきたくないという事情があることは承知しています。
しかし、やられっぱなしで何もやり返さないことは、中・長期的にみて、日本に不要なナショナリズムを発生させることにつながりかねませんし、そうなれば日米関係にも微妙な影を落とすかもしれません。
このように考えていくと、日韓関係について議論するのに「疲れている」暇などないのかもしれませんが…。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
韓国のこれまでの所業というのを一切忘れるという前提ですが
・施行後1年半で時効になる
・慰安婦も一緒に
という点は評価出来ますね。慰安婦を含めることで例の日本政府のお金の残りを注ぎ込む大義名分は出来ます。
(これまでの所業を忘れてたのをここで思い出すw)まあ多分施行後1年半で時効になるのは日本の責任でなく財団そのもの支払いだけなんだろうなぁとか(今回の立法でどうなってようと関係ない)
まあ考慮に値しませんね。あと、被害者さまに全力で潰されて消えるとも思われます。慰安婦たちは30年の闘争wをゼロリセットされますし、徴用工たちはせっかくあやふやな立場だったのを司法が認めてくれた実績が消されますし。
「韓国のこれまでの所業というのを一切忘れる」というのが非現実的
私も途中で我に返りましたよ笑
早速、偽被害者団体が、反発しています。
徴用被害者団体「『文喜相案』は日本に免罪符」法案の廃棄を要求
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191128-00000001-cnippou-kr
法案の内容に、「日本が謝罪する」「日本が事実を認める」が含まれていませんので、偽被害者を説得する為に、日本への譲歩を要求して来る事は、容易に想像出来ます。
文3号としては、これで現金化の先送りと、日本への問題解決のポーズを見せる事で、時間稼ぎをするでしょう。
韓国は、解決しようとしている訳では、有りませんので、お忘れ無く。
更新ありがとうございます。
文議長、河村氏、毎日新聞、中央日報と来ては、最早信頼には値しないですね。「安倍総理が秘書官に指示した」なんて、今の状況ではあり得ないこと。
政権与党として激しく非難されるどころか、次期選挙で惨敗しますよ。嘘の上塗り、日本を動揺させようという韓国側と、売日の河村氏らが深く考えず、「日本は冷たい」と言われて、つい、言質を与えたと思います。二階氏も臭いですね。
河村氏らは懲りない。辞めさせるしかない。
昨日も書きましたが、朝鮮日報は正反対の報道をしています。
日本「ムン・ヒサン案、検討する価値なし」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191127-00080001-chosun-kr
会計士様、皆が韓国疲れしています。
が、このまま彼等の横暴を許すわけにはいきません。
本サイトの役割も重要です。
どうぞ御自愛の上、韓国問題の論考、適宜の更新をお願いします。
はじめは韓国に怒ってました。
今はまともに相手してません。
ですので一応怒りも然程になりました。
安倍政権がおかしなことやってると 国民が逐一見ていますから つぎの選挙でお仕置きされます。保守層はこれまでは憲法改正のために相当我慢してきたのでしょうが その見込みもないとわかった以上今後はお仕置きにためらいはないでしょう。無党派層は言うに及ばず・・。怖い国民ですねえ。
GSOMIA破棄延期以来、
フェイクニュース祭りになってますね。
予想はしてましたが(苦笑)
更新お疲れ様です。
硬派メディアというか紅派メディアですけどねw
韓国は礫石混合のネタをばらまいて、日本の反応を伺っているのだという気がします。撒き餌のようなもので、どれかに食いつかないか…と期待しているのではないでしょうか。
もちろん、自分の都合に合わせて事実を捻じ曲げるのが彼らのお家芸ですから、「そうだったらいいのに」が「そうに違いない」に脳内変換されているだけという可能性が高いのですが。
日本政府には「そんな餌で俺様が釣られクマー(AA略)ズザザザ」と成らない様、固く低いスクラムを組んで押し切って欲しいと切に願います。
自転車の修理ばかりしている様へ
>礫石混合
確かにww
門外漢様
小ネタに気づいてくださりありがとうございます。
> さて、最近、日韓関係について議論するのに疲れてしまいました。
新宿会計士さま、これが朝鮮人の論法なのですよ。
「反日種族主義」が脳内深く根付いて居る朝鮮人にには朝鮮人の錯誤は何度でも出して構わないし、論理の筋立てはどんな珍妙であっても構わない。日本人ならば一発アウトで退場モノのトンデモ理論、有り得ないデタラメでも「韓国を利する」ための話なら「愛国的」でたまさか日本人の側が粗忽でそれに引っかかったらそれは大成功。釣り人が魚を待って日がな釣竿を池に垂らす様に朝鮮人はデタラメを日本に持ってくるのです。
「三権分立」という近代国家の必須要件に縛られてると責任逃れしつつ、自称徴用工判決をなにがなんでも押し通そうとしているムンちゃん。その一方で,国際間の条約、公的協定を一国の裁判所が国内事情だけを酌んでチャラにするなんてことがまともな国なら許されるはずもなかろうという批判に曝されたら、答えるすべもない。完全にデッドロックに乗り上げて、ダンマリを決め込むかと思えば、いきり立って逆ギレ。竹槍歌だ、亀甲船だと勇ましい限りだったのが、一転気色悪いほどに満面に笑みをたたえてすり寄ってくる。まあ支離滅裂な対応に終止せざるを得なくなって、自業自得とはいえ見ていて気の毒になりますね。ムンヒサン案なんて、豪ほども苦境を脱する助けになる代物じゃないし。
ムンちゃんがこのジレンマを同時に解消する方策は、たったひとつしかないように思えます。つまり、現政権の言いなりに動く裁判所にさっさと差し押さえ資産の売却命令を出させて、それを政府が原告に約束されてる賠償額相当の値段で買い上げる。どうせ入札になるんだから、政府が応札して悪い道理はないでしょう。これで「三権分立」の件はクリア。その上で国際法侵犯の事態を避けるために、被害企業に押さえたブツをすぐさま返却する。これしかないでしょう。
もっとも、カネになると分かったら、「オレも昔徴用されたんだ」とか、「死んだ私のおじいさんが」とか、自称被害者が、それこそ30万人どころか国民の一割くらいも名乗り出てきそう。まあそれも仕方ないでしょうね、なにせ国民に寄り添い、原理原則を曲げないムンちゃんのことだもの。国庫がスッカラカンになったとしても、以て瞑すべしとしなきゃ仕方ないでしょう。
会計士様、いつもありがとうございます。
お疲れなのは重々承知ですが、疲れて黙ったら相手の思うつぼです。
嘘もつき続ければ真実になるし、相手の沈黙は同意という文化なのでしょう。
言われたら常に言い返すという事を止めるべきではありません。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
自分でも「まさか」とは思いますが、毎日新聞は、全部ではないにしろ
取材する記者を削減するために、(既成事実化するために拡散してもらい
たい)持ち込み記事を、印刷して各家庭に宅配する、印刷業への転職を考
えているのでは、ないでしょうか。
駄文にて失礼しました。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
すみません。追加です。
蛇足ですが、新聞記者という肩書は、自分で思うほど、日本社会から知
的に優れていると、思われているのか疑問です。
駄文にて失礼しました。
やがて、やるやる資金化の連中が本当に非上場株の売却手続きにはいります。
そのときに、しっかり制裁させて頂きましょう。
売却にともなう被害額だけでなくちょっと多めに精細しとけば、260億円くらいになるんでは。
制裁関税、出入国課税、ビザ義務化、入国者のスキャンと指紋提出義務化、離着陸とか寄港の料金引き上げ、帰化申請時の韓国への通報サービス、預金口座開設時の軍役履歴確認義務、陸韓国製品消費税軽減税率除外
うーん、決定的なものが思いつかない。
新宿会計士さま、更新ありがとうございます。
>「果たして怪文書のたぐいに8%の軽減税率を適用するのはいかがなものか」と問題提起したことがあります。
新聞を軽減税率の対象にしたのは全く筋が通らない話でしたよね。
少なくとも同じく印刷物として定価販売が認められている書籍と同じ税率にすべきでしたし、今からでも書籍扱いに変更すべきですね。
それ以前の問題として、新聞の定価販売を許すのはせいぜい当日のみ(朝夕刊2回発行地域での朝刊は同日の夕刊発行まで)にすべきですし、販売店への押し紙は明確に禁止して独禁法違反として新聞各社を摘発すべきなのは言うまでもありませんが。(でもそれをやると「権力による弾圧だ!」とか例によって大騒ぎするでしょうね)