まだやってたの? 自称元徴用工の株式売却は破滅への道

ここ数日、韓国の話題ばかりで恐縮ですが、自称元徴用工問題などを巡る韓国メディア側の報道から、小ネタ的な話題を1つ紹介しておきたいと思います。当ウェブサイトでは一貫して、自称元徴用工側の狙いが「徴用工基金設立」にあるとの見方を示してきましたが、相変わらず原告側は飽きもせず、「売却するぞ、売却するぞ、今度こそ本当に売却するぞ~」を地で実行しているようなのです。

自称元徴用工判決:株式の売却手続

当ウェブサイトでは何度も取り上げていますが、「自称元徴用工の問題」とは、「戦時中に日本によって徴用されて強制労働させられた」と自称する者たち(いわゆる自称元徴用工)が相次いで韓国国内で日本企業を提訴している問題のことです。

ただ、昨年、韓国大法院(※最高裁に相当)が新日鐵住金(現・日本製鉄)や三菱重工に対して敗訴の確定判決を下したにも関わらず、幸いなことに、日本企業側は自称元徴用工側への損害賠償には応じていません。

こうしたなか、昨日はこんな記事を発見しました。

韓国裁判所 差し押さえ資産の売却巡り審理本格化=徴用訴訟(2019.07.01 11:41付 聯合ニュース日本語版より)

韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)によると、日本製鉄の原告側が差し押さえている合弁会社(PNR)の株式について、大邱(だいきゅう)地裁浦項(ほこう)支部は、差し押さえた資産の売却を認めるかどうかを決定する審問手続に入ったそうです。

過去に当ウェブサイトでも触れたとおり、日本製鉄のPNRにたいする持分差押えは昨年末に申請され、今年初めごろには差し押さえが完了しました。しかし、聯合ニュースによれば、その差し押さえた株式の売却手続が実際に申請されたのは、5月1日のことです。

個人的には、「審問手続」だの何だのいわず、「差し押さえたのならさっさと売却すれば良いのに」となどと思ってしまいますが、いちいち「あの手続が始まった」「この手続が始まった」などとネチネチ報じるのは、差し押さえた資産の売却が非常に困難であることの裏返しでもあります。

売却するぞ、売却するぞ、今度こそ本当に売却するぞ~

ちなみに、非上場株式の売却がなぜそこまで難しいのかについては、以前、『時間もカネもかかる 非上場株式の競売が困難である理由』などで触れたとおりですので、本稿ではこれについて繰り返しません。

時間もカネもかかる 非上場株式の競売が困難である理由

事実として抑えておかねばならないことは、韓国の会社法制は日本の会社法制を丸ごとコピーしたものであるということです。ということは、おそらく韓国側には、非上場株式の売却をスムーズに進めるための法技術を持った人は、ほとんどいないのではないでしょうか?

実際、聯合ニュースによれば、

代理人団は、法律上では債務者が外国にいる場合は審問の必要がないが、裁判所が審問を決定したため意見の提出を待つ期間が追加されると説明。売却命令が出され、差し押さえ資産が現金化されるまで7~8カ月以上かかるとの見方を示した

という記述があります。

私の記憶が確かなら、当初、代理人側は「売却を申請してから現金化するまでの3ヵ月程度」などと述べていたと思うのですが、いつのまにその期間が7~8ヵ月に延びたのでしょうか。

この手のニュースを見ていると、やはり、「売却するぞ、売却するぞ、今度こそ本当に売却するぞ~!」という、韓国側の「瀬戸際外交」的な、そしてチープな脅しを、冷めた目で眺めてしまうのです。

瀬戸際外交は破滅への道

さて、当ウェブサイトでは、自称元徴用工らの原告団の狙いが、「非上場株式の売却を通じた原告らの救済」にあるのではなく、「日本企業と交渉することにある」、と、一貫して申し上げて来ました(※これについては『「仲裁委員任命期限」が近づく まずは観光ビザから始めよう』等もご参照ください)。

「仲裁委員任命期限」が近づく まずは観光ビザから始めよう

ただ、この自称元徴用工問題を巡っては、すでに「日本政府が慰安婦財団的な解決策を図る」という段階はとうの昔に終わっていて、今、この問題にこだわることは、韓国自身にとっても破滅への道ではないかと思います。

河野太郎外相は昨年12月の時点で、「企業に不当な不利益が生じた場合には、韓国に対する何らかの制裁措置を講じる」ことを匂わせて来ました(たとえば河野太郎外相が昨年12月24日の臨時記者会見(モロッコ)で述べた次の発言)。

韓国側は李洛淵総理を中心に対応策を検討していただいております。これは韓国側の中でも難しい問題というふうに理解をしておりますので、日本としては日本企業に不当な不利益が生じない限り静観をしたいというふうに思っております。」(※下線部は引用者による加工)

どうも河野外相のいう「日本企業への不当な不利益」とは、資産売却のことを意味しているようですし、また、のちほど公表する予定の『経産省措置は「韓国セカンダリー・サンクション」の走り?(仮題)』でも述べるとおり、日本政府は7月1日に経産省が打ち出した措置について、「対抗措置ではない」と明言しています(※リンクは記事公表次第、つながります)。

ということは、もし韓国側で日本製鉄の株式持分の売却が発生してしまえば、日本側からあらたな経済制裁の措置が講じられる可能性が極めて高い、ということです。

韓国の原告団がいつまでも資産売却措置にこだわっていれば、そのこと自体、韓国という国ごと経済制裁の対象とされかねない、という意味では、まさに「瀬戸際外交」は破滅への道なのではないかと思います(※もっとも、私個人的には、その「あらたな経済制裁の措置」を見てみたいという気もしますが…)。

読者コメント一覧

  1. カズ より:

    「一日延ばしは、時の盗人」
    「明日やろうは、バカ野郎」
    ↑先人の残した偉大な言葉?

    「明日があるさ明日がある」
    「やめられない止まらない」
    ↑やるやる詐欺のことです。

    差押え資産の売却は決定打。
    対抗措置を発動のスイッチ。
    原告団は黒歴史に名を刻む。

    *****

    原告団は最初から基金の開設が目的なんだから、現金化するなんてこれぽっちも考えてないはずなんですよね。

    誰も黒歴史の責任者として教科書に名を残したくはないですからね。

    ま、仮に原告の高齢を理由に現金化してしまったとしても「司法の判断に従っただけ」と、責任転嫁してしまうんでしょうけどね。

  2. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    【やるならやればあ〜?】としか言いようがありません。無駄無為な時間を潰す韓国人(嘲笑)。ずーっとやっとけッ!兵糧尽きるまで。これこそ、逆城攻めじゃ(笑)。

  3. 匿名2号 より:

    お疲れさまです。
    6月末に韓国政府から出た「1+1で金を出すなら2国間協議に応じる旨を検討する用意がある」案、これで日本政府は当事者としての韓国政府をあきらめた感がありますね。
    G20で外相会談が行われていますが、そこで「今後の信頼関係」についての話もあったのではと。輸出規制に関して韓国外交部、青瓦台が未だ沈黙していますから。
    この問題での日本の目標は
    1.韓国政府を仲裁委付託のコースに応じさせる
    2.韓国政府に確定判決後の混沌を整理させる
    3.韓国政府にこれ以上の裁判も含め、枠組みさえ不透明な「強制労働問題」を拡大させない
    などですかね。どれも全く容易ではありませんが。
    朴政権時の慰安婦合意同様、問題を拡大させる一方解決からは逃げ続けた文政権の逃げ道を断つ覚悟がありそうです。

  4. 一読者 より:

    現時点で、日韓関係については、
    「韓国側が一方的に、日本に対して(二国間協議を行うような)信頼できる国では無い」
    ことを、「韓国政府が」「国内外に」「国際法に基づいて」意思表明したことが素晴らしいと思います。
    今まで「韓国政府は、用日するために、日本に対してはギリギリ友好国であるように取り繕ってた」
    という、舐めた態度とられてましたからね。
    日本は
    「誠に遺憾ながら、日本としてはそのつもりが一切無いけど、韓国様がそうおっしゃるなら仕方ありません。
     日本も、韓国様と足並み揃えて、「信頼できない国」を前提につきあい方変えさせていただきます」

    と、堂々と言えるわけです。
     
    何が面白いって、未だに、韓国政府もマスコミの国民も
    「自分たちが、世界に対して、後戻りも言い逃れもできないレベルでそのような意思表明をした」
    という認識が、一切ないことですけどね。

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