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国際関係アナリスト・北野幸伯氏の優れた論考

「ロシア政治経済ジャーナル」(RPE)というメルマガで有名になったのが、北野幸伯さんです。この人物は、独自の視点と鋭い切り口で優れた論考を次々と世に送り出してきた方ですが、語り口調は平易でわかりやすく、説得力もあります。そんな北野氏が昨日、『ダイヤモンドオンライン』に興味深い説を寄稿されています。それは、『「裏切り者」韓国を冷遇するトランプ、八方塞がりの文在寅の末路』という論考です。いったいどのようなことが書かれているのでしょうか?

北野氏の優れた論考

北野幸伯(きたの・よしのり)さんという人物がいます。

この方は「ロシア政治経済ジャーナル」(RPE)というメルマガを主催されているほか、数多くの著書も刊行されており、国際政治に興味がある人からは非常に高い支持を受けているようです。

かくいう私自身も北野氏の著書を数冊持っており、その独自の視点と鋭い切り口、そしてなによりも分かりやすくて説得力のある論説に驚いてきた人間の1人です。

北野氏の経歴の特徴は、自身が「1996年に日本人で初めて、ソ連時代に『外交官・KGBエージェント養成所』と呼ばれたロシア外務省付属『モスクワ国際関係大学』(MGIMO)を卒業(※)」という点にあります。

(※ただし、この経歴はダイヤモンドオンラインの著者紹介ページの記述をそのまま紹介しています。)

そして、北野氏の論考には「ロシア」を通じて国際社会のリアリティを探求するという姿勢に独自性があり、正直、下手な学者さんの論考よりもはるかにおもしろくてためになるのです(※といっても、私自身は北野氏の主張のすべてに賛同しているわけではありませんが…)。

そんな北野氏が執筆し、ダイヤモンドオンラインに寄稿したのが、次の記事です。

「裏切り者」韓国を冷遇するトランプ、八方塞がりの文在寅の末路(2019.5.7付 ダイヤモンドオンラインより)

いったいどのようなことが書かれているのでしょうか?

米中露の力関係

キツネとタヌキの化かし合い

リンク先の記事は、ウェブページ換算で6ページにも及び、かつ、内容も非常に濃く、かなり読み応えがあります。

ただ、当ウェブサイトを訪れて下さるような方からすれば、知的好奇心を刺激するには十分な内容だと思いますので、もしご興味があれば、是非、リンク先記事を直接読んでみてください。

ここでは、私自身が気になった下りを抜粋して紹介します。

まず、米国と北朝鮮の関係は「キツネとタヌキの化かし合い」だ、というのが北野氏の説明です。

ご存知のとおり、北朝鮮は「段階的非核化」(北朝鮮が一部だけ非核化すると、国際社会は一部だけ経済制裁を解除する、という繰り返し)を主張していて、かたくなに「CVID」あるいは「FFVD」方式での非核化を拒絶しています。

(※「CVID」とは「完全な、検証可能な、かつ不可逆な方法での廃棄」(Complete, Verifiable and Irreversible Dismantlement)、「FFVD」とは「最終的で完全かつ検証可能な非核化」(Final、Fully Verified Denuclearization)のこと。)

しかし、米国(や日本)は、過去の6ヵ国協議などで北朝鮮に何度も何度も騙されてきたという苦い記憶をベースに、かたくなにCVID・FFVD方式での非核化を主張していて、両者は平行線をたどっているのです。

これについて北野氏は、きわめて重要な指摘をします。

答えは「米国を信じることができないから」だ。/そして、その責任は米国自身にある。

この指摘は本質的です。

というのも、実際に過去にCVID方式での核放棄に応じたリビアのカダフィは、悲惨な最期を遂げたからです。2010年の「アラブの春」の波がリビアにも訪れた際、欧米諸国が反カダフィ派を支援したため、結局、カダフィは排除されてしまいました。

金正恩(きん・しょうおん)がそれを見ていないはずなどありません。よって、私自身は次の下りにも全面的に同意したいと思います。

死の間際、カダフィは「欧米を信じた俺がバカだった!」と後悔したに違いない。/こんな前例があるので、金が米国を信じることができないのは当然だ。

また、1点補足しておきますと、カダフィがCVID方式での核放棄に応じると決意したきっかけがイラク戦争であり、その開戦の流れを作ったのは、ブッシュ政権下で国務次官だったジョン・ボルトン氏です。

そのボルトン氏が現在、トランプ政権下で大統領補佐官を務めていて、「リビア方式での非核化」と言及すれば、金正恩としては警戒しない方がおかしいでしょう。

一方、米国が北朝鮮を信じられない理由も簡単で、それは、北朝鮮が米国と国際社会に対してウソをつき続けて来たからです(※ただし、この下りについては当ウェブサイトで普段から主張している論点とも重なりますので、詳細は割愛します)。

そのうえで北野氏は

結局、どちらが正義ということではなく、米北関係は「キツネとタヌキの化かし合い」なのだ

と結論付けます(※ただし、この点については、モノのたとえとしては優れているかもしれませんが、私個人的にはあまり賛同できません。なぜなら『「国交正常化」?正気ですか、北朝鮮は犯罪者集団ですよ?』などでも述べたとおり、北朝鮮は犯罪国家だからですが、本稿では詳細は割愛します)。

なぜ中露両国は北朝鮮の肩を持つのか

北野氏の論考で参考になる点は、もう1つあります。

それは、「なぜ中露両国が北朝鮮の肩を持つのか」、という私自身の疑問に対し、不十分ながらも仮説を提示してくれているからです。

当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』では以前から、中国とロシアが北朝鮮の核武装を止めようとせず、あえて北朝鮮の肩を持とうとすることを、「究極的には彼ら自身のクビを絞めることになる」と申し上げて来ました。

その理由は、次の2つの点において、核拡散のリスクが飛躍的に高まることです。

1つ目は、北朝鮮が核開発に成功し、核武装国として認められれば、日本(や韓国?)が対抗的に核武装する可能性が上昇します。日本が核武装すれば、インドネシア、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、サウジアラビア、トルコなども相次いで核武装するおそれもあります。

2つ目は、北朝鮮が核の小型化に成功し、その核がテロリストの手に渡れば、「北朝鮮核兵器」が北京やモスクワで炸裂する可能性があります。核拡散防止という観点から合理的に考えるならば、中露両国はさすがに北朝鮮に核を持たせるべきではありません。

しかし、なぜか中露両国は北朝鮮の核武装を阻止するどころか、陰に陽に支援している節があります。

これについて北野氏は、次のように説明します。

中国とロシアは大国だが、「天敵」が1国だけいる。いうまでもなく米国だ。中ロにとって、北朝鮮は、「米国の侵略を防いでくれる『緩衝国家』」なのだ。緩衝国家は、弱いよりも強い方がいいに決まっている。

つまり、中露両国は「本音では北の核保有を容認」しているのですが、北朝鮮が核保有した場合に、とくに日本が核武装することをおそれているため、「『日韓に核兵器を持たせないため』に、一応北朝鮮の核保有に反対している」のだと解き明かします。

なるほど。

これはこれで合理的な説明ですし、とくに先ほどの1つ目の点に対しては、きわめて説得力のある答えであるといえるでしょう。

もっとも、先ほどの2つ目の点については、依然として疑問が残ります。なぜなら、実際に北朝鮮が核武装してしまったら、「テロリストへの核拡散」という意味では、中露両国にダイレクトな脅威をもたらすことになるからです。

とくに、イスラム圏のテロリストの手に渡れば、ウイグル人を弾圧する中国共産党に対する怒りが北京で炸裂しないとも限りません。

その意味で、強引にでも北朝鮮から核兵器を取り上げないこと、金正恩体制の温存を図っていることなどを踏まえれば、中露両国の姿勢は近視眼的であり、実に無責任でもあります。やはり、しょせんは中国もロシアも無責任な独裁国家のなれの果てなのかもしれませんね。

すべてに賛同できるわけではない

「米韓同盟継続と北朝鮮の親米化」には疑問

ただ、私自身が北野氏の論考を読んでいて、「まったく賛同できない下り」も、ないわけではありません。

それは、記事のタイトルにもなっている、韓国の文在寅(ぶん・ざいいん)政権に関する記述です。たとえば、次の文章はどうでしょうか?

韓国については、「文にあきれた米国は、米韓同盟を解消する」という声も聞こえる。しかし、地政学的重要性を考えると、米国が韓国を切る可能性は低いだろう。

はて、そうですかね?

別に米国が米韓同盟の解消を図る動機は、「文在寅政権に呆れること」だけとは限りません。

実際、文在寅氏よりも「保守的」と見られていた、朴槿恵(ぼく・きんけい)前大統領の場合は、米韓同盟の恩恵を受けている国の大統領という立場で、全力で中国に擦り寄って行ったという「前科」があります。

二股外交は韓国の宿痾(しゅくあ、長く治らない持病)のようなものなのです。

一方、北野氏は朝鮮半島処分について、次のように述べます。

米国は、「文の後に親米政権を作ること」を目指すだろう。結局、米国にとって最もいいシナリオは、まず韓国を米国の方に引き戻し、親米になった韓国を中心に、朝鮮半島を統一することだ。北の核兵器は、その時に没収する。

この下りは、当ウェブサイトの『朝鮮半島8つのシナリオ・2019年4月版アップデート』で触れた、「シナリオ③(南北クロス承認)」か「シナリオ⑦(金正恩の失脚)」を想起させるものです。

米国がこのシナリオの実現を目指している可能性については私も否定しませんが、これが「米国にとって最も良いシナリオ」であるとは思いません。というよりも、万が一、トランプ政権がそんなことを考えているのならば、私は謹んで

悪いことはいわない。やめておきなさい。

と申し上げたいと思います。

文在寅氏と韓国を高く評価し過ぎでは?

なぜ私が北野氏の論考の、この部分に強い違和感を抱くのかについては、結局のところ、北野氏が国際社会のリアリズムに詳しく、「日本を除く世界各国のどの国も合理的に行動する」という前提を置いてしまっているからではないでしょうか?

もっと具体的に言えば、どうも文在寅氏や韓国のことを高く評価し過ぎている気がする、という点にあります。まず、

そして、統一朝鮮には、当然米軍基地が置かれることになる。中ロは、この悪夢のシナリオを回避するために、北朝鮮を守っているというわけだ。/では、文在寅はこれからどうなるのか?彼は、中国、ロシア、北朝鮮から「使えない男」と冷遇される。また、米国にとって彼は「裏切り者」なので、相手にされなくなる。

の下りについては、そのとおりでしょう。しかし、

この八方ふさがりの状況の中でおそらく文は、日本への態度を変え、和解を目指すだろう。これまでの数々の行状を考えると、袖にしたくなる気持ちは当然だ。しかし、対中国戦略を考えると、日本は韓国をバッサリ切り捨てるべきではない。

の下りについては、どうにも賛同できません。なぜなら、前提条件が間違っているからです。

文在寅氏といえば、「韓国版・鳩山由紀夫」だと思えば良いでしょう。彼には国家観もなければ経済観念も外交センスもありません。あるのは「大韓民国を北の偉大な将軍様に献上したい」という歪んだ情熱だけです。

北野氏の前提条件とは、「韓国や文在寅氏は合理的に行動できる」というものであり、その前提条件が正しければ、北野氏の予言は的中するでしょうし、その場合、「日本は韓国をバッサリ切り捨てるべきではない」との主張も説得力を帯びて来ます。

しかし、「文在寅氏が殊勝にも日本への態度を変えて和解を目指す」とは思えませんし、かりに文在寅政権を排除したとしても、民政移管後の韓国の歴代政権がどう振る舞って来たのかを見る限り、韓国が日本に対する態度を改めるとも思えません。以上を踏まえるならば、

文が近づいていきたら、日本は文に「慰安婦問題を二度と蒸し返さない宣言」「徴用工問題解決」などを約束させ、実行させるべきだ。日本は、まったく困っていないので、妥協する必要はどこにもない。

という下りには、大きな問題があると言わざるを得ません。韓国に「歴史問題を二度と蒸し返さない」と宣言し、実行する能力があるくらいなら、最初から徴用工判決問題などは起きていませんし、韓国が日本を必要としているほど、日本は韓国を必要としていないからです。

ただし、このあたりについては反論しはじめると収拾がつかなくなりますので、詳しくは拙稿『「用日派」のホンネは「克日」 日韓友好が成り立たない理由』や『日韓協力がなくても日本はまったく困らないという具体的証拠』などもご参照ください。

知的好奇心の大切さ

秀逸な論考はもっと増えて欲しい

以上、北野氏の論考のなかで、韓国や北朝鮮について触れたごく一部の箇所については、あまり賛同できない下りもあるのですが、しかし、北野氏の論考は総じてわかりやすくて説得力もあり、非常に参考にある秀逸なものであることは間違いありません。

もちろん、「韓国ざまみろ」、「韓国は崩壊すべき」、「日韓断交だ」などと短絡的に威勢よく叫ぶ人から見れば、北野氏の論考には物足りない部分もあるのかもしれませんが、客観的に見て、この北野氏の論考には参考になる箇所が多々あります。

実際、本稿で紹介した以外にも参考になる部分はたくさんあり、すべてを紹介したい気持ちも山々ですが、キリがないのでこのあたりにしておきます。惜しむらくは、この手の秀逸な論考が既存のマスコミ媒体(とくに新聞やテレビ)ではほとんど掲載されない、という点にあるのではないでしょうか。

そういえば、優れた韓国観察者である鈴置高史氏は日本経済新聞社の元編集委員でしたが、現在は退職され、旧『日経ビジネスオンライン』が『日経ビジネス電子版』に切り替わるタイミングで、同氏の大人気シリーズ『早読み深読み朝鮮半島』も終了してしまいました。

(※ただし、非常に幸いなことに、同紙の論考は『デイリー新潮』で読むことができます。最新論考は『ウォン安が止まらない韓国、日米との関係悪化で“助け舟”も絶望的の自業自得』です。)

令和時代、新しい風はインターネットから!

本稿でも、北野氏の論考の一部に対しては批判めいたことを書いてしまいましたが、なにも世の中の文章のすべてに無条件に賛同する必要はありません。

必要なのは、個々の読者が自分自身で考えながら論考を読むという姿勢であり、その意味で、本当に有益な記事とは、「一から百まで正解が書いてある論考」ではなく、知的好奇心を刺激する記事なのです。

実際、北野氏の論考には、「賛同できる」「賛同できない」を通り越して、読むだけで知的好奇心を掻き立てられる魅力があります。そして、論拠を明らかにし、具体的証拠とともに、自説を展開していくというスタイルは、当ウェブサイトとしても是非、参考にさせていただきたい部分でもあります。

こうした優れた論考ほど、新聞・テレビよりも、インターネット上で読めるという時代になりつつありますし、平成時代末期に加速したインターネット化の流れは、令和時代では不可逆に進むことは間違いないでしょう。

新宿会計士:

View Comments (43)

  • 更新ありがとうございます。

    北野氏は、『世界を俯瞰できる眼と行動力と、分析力に定評がある』と自他共に認められているのでしょう。でもKGBの教育訓練を受けた事からも、西世界の事情の分析が甘いような気がします。KGBは関係ないか(笑)。

    ①米国が親米韓国を作るというのは、70年間さんざん懲りて出来れば最少限か、撤退を構想してると思う。

    ②日本が韓国が寄り添って来て、宥和政策を取る。無いです。日本の世情は戻らないでしょう。

    ③半島の分割統治に話が及んでない。

    ひとつひとつの論考は正確な部分もありますが、全体としては、中、露の役割、韓国の現在の八方塞がり、北朝鮮の企みにやや不満が残ります。

  • 例え、如何なる結果になろうと、日本は朝鮮に如何なる恩恵も与えるべきではないと思います🐧

    日本は日清戦争以来、ありとあらゆる恩恵を朝鮮に与え、その結果を経験しました。🐧

      • ペンギン、ペンギン🐧

        完全武装の空挺隊員が後部ハッチから航空機に搭乗する時

        えっちら、オチッチラペンギン歩き🐧🐧🐧🐧🐧

  • わたしも新宿様と同じところで違和感を抱きました。
    北野氏もまた、私と同様多くの日本人と同じように「日本のものさしや常識」で
    朝鮮半島を観てしまうのですね。
    呪縛と言ってもいいほど。

    韓国も違った意味で「日本のものさし」を利用をして自己を判断していますが、
    こちらは韓国固有の反日風土病。

    韓国はこのところ、革命ごっこや統一茶番で盛り上がり、
    国際社会に多大な迷惑を与えていますが、
    日米はそろそろ韓国自身、自らの意思で将来を選ばせるべきです。
    そう迫るべきです。

    ビッグマウスの優柔不断は大迷惑です。

  • 米大統領が北朝鮮への韓国の食料支援に理解
    2019/5/8 00:30  ©一般社団法人共同通信社
     【ソウル共同】韓国大統領府によると、7日の米韓首脳の電話会談で、トランプ米大統領は「韓国が人道的なレベルで北朝鮮に食料を提供することは、時宜にかない、肯定的な措置だ」と述べ、韓国が食料支援を行うことに理解を示した。
    https://this.kiji.is/498517514156901473
    /////////////////////////////////////////
    本当に、末端の人民の口に入るんだったらいいんでしょうが、上層部に搾取されて肝心の貧しい人民には届かないでしょう。
    その前に、この発表は韓国大統領府の誇張/歪曲/半分嘘と、思う。そもそも、北のロケット発射の件で米韓首脳会談したのではないの?日本に先こされて、無理やりアメリカにお願いしたんじゃ?
    いまだにこんな事言う韓国政府には、180度回転して、”さすが”と、ほめたくなっちゃう。ウォンが下落しようが、韓国経済が疲弊しようが、諸外国から無視されようが、くじけずに反日に頑張ってもらいたいです。

    • 絶対嘘だと私も思います。会談が2分なら、電話じゃ2秒でしょ。とてもそんな話する時間ないと思うな。

      • ここまでくると「お見事」としか言いようがありません。逆に感心します。

      • 「ウソでも通れば儲けもん」くらいの「いつもの」感覚なんだろうなあ。バレたらスルー。ウソを追求されたら「そう受け止めた」くらいでごまかす。しつこく食い下がられたら「民族愛はないのかーッ!」と恫喝。いつの間にかなぜか「いつまでも統一の邪魔をする日本が悪い」に論点をすり替える。

  • 私は韓国がダメな国だと思っていますが、相当なしたたかさを持っていると思っています。その証拠に、日本は戦後一貫して、いや戦後だけに限らず、韓国の都合のいいように操られ、すっかり舐められてしまっています。

    朝鮮は歴史上大国に四方八方を取り囲まれて蹂躙されてきただけに、生き延びる知恵というか、人の悪さは天下一品です。

    今は日本も以前より毅然としていますが、気がついたらやっぱり南北朝鮮のいいようにやられていた、ということになるのではないかと心配しています。杞憂であればいいのですが。

    いずれにしても、一筋縄ではいかないでしょうね。

  • >北朝鮮が核開発に成功し、核武装国として認められれば、日本(や韓国?)が対抗的に核武装する可能性が上昇します。
    >北朝鮮が核の小型化に成功し、その核がテロリストの手に渡れば、「北朝鮮核兵器」が北京やモスクワで炸裂する可能性があります。

    要は、これが中露が国連の北朝鮮制裁に応じた理由ですよね。では、一旦応じた制裁を大ぴらではありませんが、破ろうといています。何故でしょう?

    >中国とロシアは大国だが、「天敵」が1国だけいる。いうまでもなく米国だ。中ロにとって、北朝鮮は、「米国の侵略を防いでくれる『緩衝国家』」なのだ。緩衝国家は、弱いよりも強い方がいいに決まっている。

    かといって、北朝鮮の核が自分たちに使われる可能性を忘れられるとしたら、あの国の危機管理は、北朝鮮以下ですね。Web主さんの言う無責任を通り越して、能天気と言えます。

    >しかし、地政学的重要性を考えると、米国が韓国を切る可能性は低いだろう。
    >米国は、「文の後に親米政権を作ること」を目指すだろう。

    偉い先生に失礼ですが、私もここの論考が浅いと感じました。たとえ、地政学的重要性があるとしても、政権にかかわらず、常に中国に擦り寄ろうとするあの国に、日米の安全保障は危機にさらされてきました。半島国家は親米にも親日にも決してなることはありません。
    従来の日米政権には、あの国の利権を持つ人物が判断に影響を及ぼしていました。しかし、現在の政権は違います。対中国に対するブレない姿勢に立って、半島国家を視ると思います。
    長期に渡って、あの国の裏切りに耐えてきた日本は、アメリカの利益に添った適切なアドバイスができます。

  • パトリス・ルムンバ大学出身くらいインパクトがあれば面白かったのにw

    金正恩がリビアの二の舞を恐れているというのは新しみはない論考ですね。
    カダフィーも尻尾を巻いて日和ったんなら、大人しくしていればカストロ議長のように天寿を全うできたでしょうに国連でのアレですから、相当疎まれていたのでしょうw

    狐と狸の化かし合いと言うより、大物ヤクザと半グレの抗争というのがぴったりでしょう。
    ヤクザ同士なら任侠道にのっとった手打ちもありますが、共通のプロトコルがないので凄惨な結果にしかならない。

    • >「狐と狸の化かし合いと言うより、大物ヤクザと半グレの抗争というのがぴったりでしょう。
      ヤクザ同士なら任侠道にのっとった手打ちもありますが、共通のプロトコルがないので凄惨な結果にしかならない。」

      お見事な表現!

  • CRBM関係のエントリが意外となかったのでここに書きますが、楽韓さんの紹介した朝鮮語記事で、今回の「飛翔体」発射について、ポンペオが

    >北朝鮮の発射体が米国と同盟国に脅威にならなかったとも強調

    と発言したそうですが、たしかに日本には届かないんですが韓国はバッチリレンジに入ってるんですが、ナチュラルに同盟国扱いしていないんでしょうねw
    いちおう申し訳程度に米国、日本、韓国と列挙はしたようですが。

    • なんなんでしょう?日朝会談と、拉致問題解決待ちなのでしょうか?制裁継続した方が安くつくのは確かでしょうけど。「もちっと本気出してみろ」という挑発でしょうか?

      いずれにしろ韓国は面子丸潰れですね。まあ「半島に春が来た」だとか、このタイミングで独誌に寄稿する文大統領ですから、そんなことは気にも留めてません。ミサイルは飯の催促花火くらいに受け止めたのか、食糧支援をなどと言い出す始末です。
      もう、何が何でも北の首領様に韓国を献上したくてしょうがないのでしょう。早く早く一刻も早くと身悶えする様子がひしひしと伝わってきます。本当にいろいろと楽しみですね。

  • 北野氏の論考、拝見させていただきました。やはり彼の論考は前提(現実と換言も出来ますね)がはっきりあり、そこから読者に賛同の是非を考えさせる、という意味では素晴らしい論考であると思います。

    どこにでもいるしがない学生の意見(というよりかは感想)なのですが、やはり前提が矛盾ないしは崩壊している理論は見るに耐えません。前提があり、そこから導かれる「意見」はどんなものでも貴重です。そういう意味では学校での一部の教員は前提が崩壊しておりそのような状況での「論考」はつまらないです。今の時代に生まれ、インターネットというオープンスペースでの討論が出来ることはとても幸せに思います。

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