今年もそろそろ韓国で「日韓スワップ待望論」が出てくる時期ではないでしょうか。といっても、昨日の『やっと中央日報が通貨スワップに言及 よほど都合が悪いのか』で触れたとおり、どうも韓国側では日韓通貨スワップなどの話題を抑制的に取り上げているふしがあります。その理由についてはよくわかりませんが、ただ、例年だと、春先に韓国側で「韓日友好のあかしとして韓日スワップを結ぼう」、「韓日協力が必要だ」、「韓日スワップの雰囲気が醸成されつつある」、といったトンチンカンな報道が相次ぎ始めるものです。本稿では、かつて存在していた日韓通貨スワップの概要を振り返るとともに、日本が韓国を救済してやったあとで韓国から何をされたのか、客観的な報道を発掘しておきたいと思います。
目次
報道から感じる不自然さ
UAEスワップと中央日報の反応
中東のアラブ首長国連邦(UAE)と韓国が通貨スワップ協定を締結したという話題については、昨日の『通貨スワップと韓国経済の「黒字倒産」リスクについて考える』などで紹介しました。
この記事を執筆した時点では、肝心の韓国メディアの反応が見えなかったのですが、昨日午前11時前になって、韓国メディア『中央日報』(日本語版)が、これを記事にしました(『やっと中央日報が通貨スワップに言及 よほど都合が悪いのか』参照)。
該当する中央日報の記事は、これです。
韓国、UAEと54億ドル規模の通貨スワップ再契約(2019年04月15日10時52分付 中央日報日本語版より)
中央日報の反応は、予想どおり、「これで韓国が外国と締結する通貨スワップの規模は1328億ドルになった」、「韓国はスイスやカナダなどの基軸通貨国とも通貨スワップを締結している」、だのといった事実誤認が多数出て来て、思わず苦笑してしまいました。
(※なお、どのあたりが事実誤認なのかについては、昨日の記事で詳しく触れましたので、ここでは繰り返しません。)
UAEスワップ、扱いが抑制的
ただ、非常に不思議なことに、この中央日報の記事は、韓国メディアにしては実に抑制的ですし、韓国の他のメディア(朝鮮日報、東亜日報、聯合ニュース、ハンギョレ新聞)も、私が確認した限り、このUAEとの通貨スワップについて、日本語版ウェブサイトでは取り上げていません。
(※もっとも、韓国語版だと毎日経済新聞やハンギョレ新聞など、複数のメディアがこの話題を取り上げているため、韓国メディアが通貨スワップの話題をすべて無視した、というわけではなさそうですが…。)
これは、過去に韓国が外国と通貨スワップ協定を結んだとき(や、失効する、しないの瀬戸際に立ったとき)の大騒ぎと比べると、非常に大きな差異です。
たとえば、韓国銀行が2018年2月、スイスとのあいだでたかだか100億スイス・フラン(100億米ドル前後)の通貨スワップ協定を締結した直後には、韓国メディアは「基軸通貨国(?)のスイスとスワップを締結した」と大喜びしました(『日韓スワップ:スイスで韓銀総裁が日本に秋波』参照)。
また、インドネシアとの通貨スワップ協定を更新したときにも、韓国メディアはこれを大々的に取り上げましたし(『インドネシアとのスワップに喜ぶ韓国』参照)、カナダとの為替スワップのときには、これを「通貨スワップ」と呼んだほどです(『【速報】カナダ・韓国間の為替スワップは通貨スワップではない!』参照)。
さらには中国とのスワップが失効したときには、それこそ「狂喜乱舞」というしかないほどの報道でした(『人民元 狂喜乱舞も落ち着いて 日本に擦り寄る韓国哀し』参照)。
こうしたかつての韓国メディアの狂喜乱舞ぶりと比べれば、今回のUAEとの通貨スワップに関する韓国メディアの反応は、あまりにも拍子抜けするほどあっさりしたものです。
UAEディナール建てでドル換算した金額が50億ドル少々と比較的少ないこともさることながら、「日本語版に」通貨スワップ待望論を掲載しないこと自体、いつもの韓国メディアの厚かましさと比べれば、むしろ不気味な気がします。
もっとも、中央日報は当ウェブサイトが昨日紹介した記事をトップページに掲載するときに、記事のリード・タイトルを
に変え、さりげなく日韓通貨スワップ待望論をにおわせているのですが、中央日報のいつも通りのこうしたせこい手法を見ると、ある意味で不思議な安心感が漂っている気がするのは、私だけではないでしょう(※ただし、記事の内容についてはまったく同じです)。
過去に存在した通貨スワップ
ところで、なぜ韓国は日本とスワップを再開してもらえると思っているのでしょうか?
それは、過去に韓国にとって非常に有利な通貨スワップ協定が存在していたからです。
ここで、記憶を呼び覚ますために、過去に存在していた日韓通貨スワップについてざっと振り返っておきましょう。日韓通貨スワップについては、かつては米ドル建て(図表1)、円建て(図表2)のものがありました。
図表1 米ドル建て日韓通貨スワップ
時点 | 概要 | 日→韓の上限額 |
---|---|---|
2001年7月4日 | CMIに基づく日韓通貨スワップ開始 | 20億ドル |
2006年2月24日 | CMIスワップの増額 | 100億ドル |
2011年10月19日 | 「野田佳彦スワップ」開始 | 400億ドル |
2012年10月19日 | 「野田佳彦スワップ」終了 | 100億ドル |
2015年2月16日 | CMIスワップが失効 | 0 |
(【出所】日銀、財務省、国立国会図書館アーカイブ等より著者作成。なお、日銀、財務省が一部過去データを抹消しており、国立国会図書館アーカイブも不完全であるため、誤っている可能性もある)
図表2 日本円建て日韓通貨スワップ
時点 | 概要 | 日→韓の上限額 |
---|---|---|
2005年5月27日 | 円建て通貨スワップ開始 | 30億ドル |
2008年12月12日 | リーマン・ショック後のスワップ増額 | 200億ドル |
2010年4月30日 | リーマン増額措置終了 | 30億ドル |
2011年10月19日 | 「野田佳彦スワップ」開始 | 300億ドル |
2012年10月31日 | 「野田佳彦スワップ」終了 | 30億ドル |
2013年7月3日 | 円建て通貨スワップ終了 | 0 |
(【出所】日銀、財務省、国立国会図書館アーカイブ等より著者作成。なお、日銀、財務省が一部過去データを抹消しており、国立国会図書館アーカイブも不完全であるため、誤っている可能性もある)
(※余談ですが、図表2に示した「日本円建ての通貨スワップ」については、厳密には「為替スワップ」ではないかという気もするのですが、私が確認した限りでは、日銀の過去資料など「為替スワップ」という用語は用いられていないため、当ウェブサイトでは一貫して「通貨スワップ」として取り扱っています。)
両スワップにおいて、韓国が引き出すことができるのは、世界の基軸通貨である米ドルと、アジア最強のハード・カレンシーである日本円です。いずれも韓国が「喉から手が出るほど欲しい」スワップだったことは間違いありません。
また、図表1の米ドル建てスワップはともかく、図表2の円建てスワップについては、当時の日本の財務省は、「韓国が通貨危機に陥り、日本円を引き出して市場で売却し、米ドルを買ってくれれば、円安になってくれてうれしい」といったよこしまな発想が存在した可能性もあります(※証拠はありませんが…)。
そして、この日韓通貨スワップの規模は、当時の李明博(り・めいはく)韓国大統領と野田佳彦首相が華々しく「韓日協力」をぶち上げたことにより、2011年10月に、総額700億ドルにまで拡大。
翌年8月に李明博が日本国の固有の領土である島根県竹島に不法上陸し、ついでに天皇陛下を強く侮辱する発言をするというオチまで付けてくれました。さすが野田首相、売国ということではブレない人物ですね。
(※余談ですが、同年の衆院選で民主党が惨敗し、その後、粉々に砕け散ったのは、心の底から本当に良かったと思います。)
日韓スワップを振り返る
中央日報で振り返る、スワップ哀願史
最近、なぜか韓国メディアの日本語版で日韓通貨スワップについての言及が激減していますが、その理由はよくわかりません。ただ、私の考えだと、時期が来れば、再び韓国メディアに「日韓通貨スワップ再開論」が相次いで掲載されるようになると思います。
その根拠となるのが、「中央日報で振り返るスワップ哀願史」です。
韓国メディアのなかでも『中央日報』が優れている点が1つだけあるとすると、中央日報は基本的に自由に過去の記事を参照することができる、という点です。このため、たとえば今から10年前の、次のような記事を読むことも可能です。
「韓国が厳しい時、日本が最も遅く外貨融通」(2009年07月07日08時07分付 中央日報日本語版)
リンク先の記事は、当時の韓国の企画財政部長官が日本経済新聞とのインタビューで騙った内容を紹介したものだそうですが、この長官とやらの発言を、箇条書きにしておきましょう(※日本語表現については整えています)。
- 韓国が最も厳しい時に外貨を融通してくれたのは、米国、中国、日本のなかで、日本が最後だ
- 世界第2位の経済大国なのに、日本は出し惜しみをしている」と述べた
- 日本は周辺国が大変な時は率先し、積極的に支援の手をさしのべてほしい。アジア諸国が日本にふがいなさを感じるゆえんだ
…。助けてやって、これですか。
日本は2008年12月12日に、日銀の円建て日韓通貨スワップ(図表2)を30億ドルから200億ドルにまで拡大してやり、CMI米ドル建て日韓通貨スワップ(図表1)の100億ドルとあわせて総額300億ドルを提供してやっていたにも関わらず、「支援が遅い」などと恨み言を言うのです。
私が仮に当時の日本の財相だったとしたら、「今すぐ打ち切ってやりたい」と思ったに違いありません。
実際、当時の政権を率いていたのは麻生太郎総理ですが、奇しくもその麻生総理は2012年12月以降、安倍政権下で副総理兼財相として入閣しています。こういう記事を読むと、かつて煮え湯を飲まされた麻生総理が日韓通貨スワップ再開を決断する可能性は、非常に低いような気がするのです。
日韓両国、700億ドルスワップで合意!
それはさておき、中央日報の記事を読み込んでいけば、韓国側で日韓通貨スワップに関する議論が定期的に湧いてきたことが理解できると思います。そこで、先ほども触れた「野田スワップ」が成立したときの一連の報道を振り返っておきましょう。
<韓日首脳会談>通貨スワップ700億ドル規模拡大に合意(2011年10月19日15時00分付 中央日報日本語版より)
【社説】韓日通貨スワップ、金融市場安定効果ある(2011年10月21日08時24分付 中央日報日本語版より)
「700億ドル野田スワップ」が成立した直後、中央日報は社説で、とりあえず「歓迎する」と言ったのですが、二言目にこんなことを言い放っています。
「もちろん世の中にタダのものはない。通貨スワップのためにウォン安が止まり、輸出競争力が低下するという心配もある。韓日首脳会談で歴史など政治的に解決が難しい問題を伏せるための日本側の術策、韓日自由貿易協定(FTA)を早期に推進しようという意図という分析もある。正確な内幕は分からないが、たとえそうだとしても通貨スワップの締結はよかった。2カ月ほど前、米国債の格下げで国際金融市場がどれほど揺れ動いたかを考えると分かることだ。」
スワップを結んでもらっておきながら、「歴史問題などから目をそらす術策」、「政治的意図」などと日本を批判しているのです。どうして素直に「日本が韓国との通貨スワップを結んでくれて助かった」といえないのでしょうか?非常に大きな謎です。
また、当時の世界の金融市場では、東日本大震災に続き、欧州債務危機問題からリスク資産売りが続いており、韓国の通貨・ウォンもリスク資産と見られて売り浴びせられる危険性がありました。しかし、このスワップのおかげで、ウォン相場は一気に安定しました。
【解説】韓日通貨スワップ、規模が拡大した背景は(2011年10月20日09時46分付 中央日報日本語版より)
いわば、「世界最強の通貨ポジションを持つ国・日本」との巨額の通貨スワップが締結されたこと自体、さっそくその翌日には全世界の投機筋に対する強いアナウンスメント効果として働き、それだけで市場を牽制した格好です。
恩をあだで返した韓国のことを忘れるな!
つまり、韓国はこうやって日本に助けられたわけですが、韓国国民と李明博は、日本に対して感謝したのでしょうか?
まず、韓国国民からの答えは、日本大使館前に設置された、日本を侮辱する慰安婦像です。
駐韓日本大使館前に「13歳の慰安婦少女」の平和の碑(2011年12月15日08時23分付 中央日報日本語版より)
2011年12月14日、韓国の市民団体は日本大使館前での「水曜集会」の第1000回目を記念し、「13歳の慰安婦少女」という歴史に存在しないウソの存在を捏造し、すべての日本人を侮辱する目的で日本大使館前に、あの醜悪な慰安婦像を設置しました。
ちなみにこの慰安婦像は、空き地になり、雑草が生い茂る日本大使館跡地を睨みつけるように、未だに建っています(『「大使館新築放棄」の続報と日本企業が強く意識すべきリスク』参照)。
一方、李明博は2012年8月15日、みずから韓国が不法占拠中の日本固有の領土である島根県竹島に不法上陸。あわせて天皇陛下を侮辱する発言を行いました。
李大統領、独島上陸に続き天皇に謝罪要求…日本「悪影響、数年続く」(2012年08月15日09時24分付 中央日報日本語版より)
これについて中央日報は「悪影響は数年続く」と述べていますが、実際には「数年」どころではなく、現在でも継続しています。いや、朴槿恵(ぼく・きんけい)、文在寅(ぶん・ざいいん)両政権を通じ、もっと酷くなったという方が正確でしょうか。
国民から深く尊敬される天皇陛下をあそこまで侮辱したことで、さすがに温厚な日本人も、「韓国を許さない」と感じているのではないでしょうか。いずれにせよ、韓国は2011年の「700億ドル野田スワップ」に対し、感謝するどころか侮辱で返してきたという事実を、私たちは忘れてはなりません。
日韓スワップ消滅の時代
期限延長が近づくと…
ちなみに、ここで韓国側に1つの誤算が生じます。それは、当時の日本の野党・自由民主党で総裁選が行われ、総理大臣経験者でもある安倍晋三氏が総裁に選出されたことです。
このことは、野田首相と民主党に対して強い圧力として働きます。さすがに、通貨スワップを締結しておきながら、その相手からとことん舐められていたことは、日本国民から民主党政権に対する信認が地に堕ちる原因の1つともなったからです(※もちろん、それだけではありませんが…)。
そして、700億ドルスワップの期限である2012年10月に入ると、「日本が通貨スワップを延長してくれないかもしれない」という憶測を、中央日報は「日本の通貨スワップ圧力」と報じたのです。
日本の通貨スワップ圧力…「韓国からの要請ないなら中断」(2)(2012年10月04日08時37分付 中央日報日本語版より)
記事の中でさりげなく、
「通貨スワップは日本の立場でも必要だった。円高圧力を緩和でき、日本円の国際的な位置づけを高めるカードとして活用されるからだ。」
という下りが含まれているのは「ご愛嬌」ですが、実質的に見て、この通貨スワップには日本に対するメリットなど皆無でした。結局、日本は「韓国からの要請がなかった」として通貨スワップの更新に応じず、2012年10月末をもって日韓スワップの規模は130億ドルに戻ってしまいます。
その後、安倍晋三総理大臣、麻生太郎副総理兼財相という「黄金のコンビ」が復活。2013年7月3日には日本銀行の円建てのスワップ(30億ドル相当額)が失効し、2015年2月16日にはドル建てのスワップ(100億ドル)も期限切れを迎えてしまいました。
現在に至るまで、日本と韓国との間にはいかなるスワップ協定は存在していませんが、次のとおり、日韓スワップ待望論は、しつこく出てくるのです。
韓日通貨スワップから結ぼう(1)(2016年01月11日11時19分付 中央日報日本語版より)
韓経:韓米・韓日通貨スワップ締結に弾み?(2016年06月27日09時02分付 中央日報日本語版より)
たとえば、『韓日通貨スワップから結ぼう』とする記事では、2015年12月に日韓慰安婦合意が妥結したことで「韓日通貨スワップ再開の話が出ている」と指摘。
「1997年12月の通貨危機当時、林昌烈(イム・チャンヨル)経済副首相が日本財務省を訪ねて資金支援を要請したが門前払いされ、結局、国際通貨基金(IMF)に手を出さなければならなかった苦い記憶がまだ鮮明に残っている。」
と、さりげなく事実に反して日本を侮辱する内容も記載されていますが、これも韓国メディアのいつものことです。また、英国の欧州連合(EU)離脱(いわゆる「ブレグジット」)直後には『韓経:韓米・韓日通貨スワップ締結に弾み?』という記事の中なかで、
「韓米・韓日通貨スワップ締結に関心が集まっている」
などと記載されています。
その後は2016年8月に韓国から日韓通貨スワップ再開要請があり、日本は協議に応じたものの、韓国側では「新しいスワップの規模は500億ドルになる」、といった観測報道も独り歩きしました(『日韓スワップ「500億ドル」の怪』参照)。
しかし、2016年12月末には釜山の日本総領事館前の公道上にも慰安婦像が設置され、その1週間後の2017年1月に日本が対抗措置として日韓通貨スワップの再開交渉を打ち切り、現在に至っています。
そろそろ出てくる?日韓通貨スワップ待望論
ただ、例年4月下旬から5月ごろ、つまりG20やASEAN財相会合などの時期が到来すると、韓国銀行の李柱烈(り・ちゅうれつ)総裁あたりが「日本との通貨スワップ再開論」を唱えはじめたりするのがお決まりのパターンです。
実際、昨年も春先から「日本との通貨スワップ再開」に関する記事が韓国メディアにちらほら出現し始め、5月頃にピークを迎えて、やがてフェードアウトする、という展開が見られました。
韓国、米利上げ時に通貨危機の可能性…日米との通貨スワップ必要(2018年03月19日13時47分付 中央日報日本語版より)
韓経:【社説】醸成されつつある韓日通貨スワップ再開の雰囲気(2018年05月07日07時47分付 中央日報日本語版より)
韓国メディア、韓日通貨スワップ「歓迎」…「早いほど良い」(2018年05月08日15時04分付 中央日報日本語版より)
それにしても何ですか、「醸成されつつある韓日スワップ再開の雰囲気」って(苦笑)。
日韓通貨スワップを結ぶべき?
さて、確かに日韓通貨スワップを結べば、韓国にとっては金融危機、通貨危機に巻き込まれる可能性が減ります。一方で、韓国が通貨危機に巻き込まれれば、金融、市場が不安定化し、韓国企業と取引している日本企業に悪影響が及ぶかもしれません。
では、日韓通貨スワップ協定を、締結すべきなのでしょうか?
その答えを、わざわざここに示す必要があるとも思えません。というのも、昨年時点でも日韓間(あるいは日米韓3ヵ国間)では、次のとおり、「韓国発の」さまざまな懸案を抱えていたからです。
- 2015年12月の「日韓慰安婦合意」を誠実に履行しようとしないこと。
- 慰安婦問題を蒸し返そうとしていること。
- 全世界で慰安婦像の設置を強行していること。
- 高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の運用を妨げていること。
- 竹島を不法占拠していること。
- 北朝鮮に対する「最大限の圧力」という国際的な協調を乱したこと。
- 仏像を日本から盗み出して返そうとしないこと。
- 「徴用工問題」というありもしない問題を捏造して日本を糾弾していること。
- 日本海という呼称を「東海」という名称に勝手に書き換えようとしていること。
- 旭日旗を「戦犯旗」などと呼んで侮辱していること。
ここまでの状況が揃っていて、なぜ韓国メディアが「日韓通貨スワップの雰囲気が醸成されている」と言い放ったのか、まったくもって意味が分かりません。そして、今年に関しては、少なくとも次の5つの話題も付け加わっています。
- 2018年10月11日に行われた国際観艦式で日本の自衛艦に招待状を発送しておきながら旭日旗の掲揚を禁止したという「旭日旗騒動」
- 2018年10月30日の大法院(※最高裁に相当)判決で新日鐵住金(※現・日本製鉄)が敗訴したことを皮切りに、自称元徴用工らが日本企業に対し損害賠償を求める訴訟で日本企業敗訴が相次いでいる「徴用工判決問題」
- 2018年11月21日に慰安婦財団の解散を一方的に宣言した問題
- 2018年12月20日に日本の排他的経済水域(EEZ)内で韓国海軍駆逐艦が海自P1哨戒機に火器管制レーダを照射したとされる問題と、それに伴い見え透いたウソをついて日本を愚弄し、さらには「低空威嚇飛行」問題を勝手に捏造した問題
- 2019年2月以降、韓国の文喜相(ぶん・きそう)国会議長が天皇陛下を「戦犯の息子」「日王」などと呼称して侮辱している問題
こうした状況で日本が韓国との間での通貨スワップ再開に言及でもしようものなら、安倍政権が吹き飛ぶ可能性すらあるでしょう。
むしろ経済制裁の材料に
さて、以上の議論をまとめましょう。
- ただでさえ外貨ポジションが脆弱な韓国は、常に外貨不足に悩んでいて、世界最強の通貨ポジションを持つ日本の支援により、過去に何度も危機を乗り切ってきた
- 2008年にスワップを300億ドルに拡大してやったときには「支援が遅い」と恨まれ、2011年にスワップを700億ドルに拡大してやったときには大使館前に慰安婦像を設置され、現職大統領が日本領に不法上陸し、天皇陛下を侮辱した
- 日韓通貨スワップ消滅後、日韓間の懸案は、増えることはあっても減ることはない
つまり、どうせ韓国を助けてやっても、必ず恩をあだで返されるのです。
「日韓友好のあかしに日韓通貨スワップ」とやったところで、どうせまた大統領が天皇陛下を侮辱し、竹島に不法上陸して終わりでしょう。それだったら日韓通貨スワップを再開するよりも、韓国との取引を現金決済にするなどして、国を挙げて与信リスクを減らす方向で検討すべきです。
そして、韓国が通貨危機に陥った機会をうまくとらえて、「日本は韓国と日韓通貨スワップを締結しない」とわざわざ宣言するくらいの仕返しをやるくらいの方が、ちょうど良いのではないかと思うのです。
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日間通貨スワップは、底なしのウォン下落=通過危機を防ぐ強固な岩盤を作り、思う存分ウォン安を利用して輸出ドライブをかけることができる韓国経済のカンフル剤になる訳です。
逆に言えば、日本の輸出企業のビジネスチャンスを奪い日本の経済成長の芽を摘むことになります。
民主党政権時に円高デフレを強力に「推進」し日本経済を瀕死の状態に追い込んで韓国経済をアシストしていたことを思い出せば分かります。
今度の韓国通過危機の際には決して手をさしのべることなく破綻に追い込み、韓国が自力で構造調整するよう生暖かく見守るべきです。財閥解体は、文在寅の悲願でもあるので。
それが韓国のためです(笑)。
たしかに韓国政府は通貨危機に対応するスワップの準備を意識しているようですね。これは北が対米交渉の期限を年末までにと区切りをつけたからではないでしょうか?もっとも日本政府は相手にしてはいけないでしょうね。誠実さの無い国とは如何なる連携も後々アダとなるからです。
この点は議連の方々に何かしらの表明をお願いしたいところですね。黙っているばかりでは国民は分からない。いったい何がどうなってこうまでややこしくなったのかを説明して欲しい。
まずはそこから日本の対韓政策を練り直す必要がありそうです。スワップに対するスタンスはその一つです。なし崩し的な対応はもう許されないのです。
ある意味韓国も北朝鮮も同じ民族だと思う時があります。日本からの経済援助やSWAPに対し、「日本の貸しはがしがIMFを呼び込んだ」、「日本からの支援は迷惑だけど受けてやった」等と宣う輩は、自らの身は安泰であるが故に政治生命だけを考えてこのような事を言います。一般市民はその時に相当の苦しみを経験しているにも関わらずです。そこに輪をかけて一般市民が思考停止、不勉強な性質を持ち合わせているのでどうしようもないです。
北朝鮮も韓国も一般市民から指導者まで、少しでも上に立てば下を見下せる(搾取できる)と考えている節が多々見受けられます。韓国の労働組合の幹部などはその最たるもので、会社が潰れようが本人らが働いている訳ではないので関係ありません。それどころか他国に資産を移し、活動できなくなれば外国に移民すれば良いのです。これは政治家にも組合幹部も同じです。ただ最近は移民に関する話題がかなり見受けられ、このような権力者のみならず、とにかくこの国から脱出したいと考える若者が増えています。
さて日韓SWAPの件ですが、ここ数年は何の進展もないと予想します。もし、日韓SWAPが進展したなら現在の自民党政権は吹き飛ぶでしょう。いくら親韓派や韓国がどうこう騒いでも、昨年末からの日本に対する韓国の仕打ちは目に余るものがあります。有権者の韓国に対する怒りをわざわざ自民党に向ける必要もありません。
韓国が外貨準備高(特に米$)に不安を持っていることは周知のことと思います。これは何も米$に限った事ではなく日本円も同様です。韓国のとある会社での話ですが日本人に対して支給する給料が日本¥から韓国₩に変更になったそうです。その理由は日本¥を大量に使用すると当局から説明を要求されるそうです。約半年前からそうなったそうで、それまでは何の問題もありませんでした。勿論、他の会社に対しても同様の事があるかは不明ですし、韓国の外貨準備高と関係があるかどうかも分かりません。がしかし、何となく冷めた目で見てしまう小生がおります。
駄文にて失礼します
中央日報は過去の論説を鑑みて、「ウォン安を維持し、輸出競争力を高め、日本政府が歴史など政治的に解決が難しい問題を伏せさせないために日韓スワップをお願いすることなど辞めよう!!」と言えないのでしょうか?
スワップに関して、韓国は日本との締結の可能性を匂わせるだけでも投資家の安心感を得ているような気がしてなりません。
韓国メディアもこの雰囲気で日本が応じるとは思ってないのでしょうか。ただ海外向けに日本がスワップで韓国の裏書きをするかもって言い続けることに意味があるのでは。
麻生さんには無慈悲に世界に向けて日本は何もしないと宣言してもらって市場がどうなるか見てみたいものです。
おっしゃる通りですね。麻生さんが「当面は、韓国とスワップを締結するつもりはない。」と、”言うだけ”で、韓国に対する、反撃効果があります。ぜひ、言ってもらいたいものです。
日本が再三、韓国を気遣ってやっているのに、スワップ締結後は手のひら返しの”上から目線”発言があります。韓国政府も、メディアも心の中では、「助けてもらった」という実感がある(よほどバカではない限り、わかるはず)。しかし、韓国国民に真実を知られれば政権にマイナスなため、このような人でなし発言/行動が出るのではないでしょうか?なぜなら、有名人が親日発言すると、謝罪に追い込まれますよね。
つまり”韓国国民は、反日である”。
日本国内の親韓、反日パヨク達が、”一般国民は、反日ではない”とか、よく言いますが、これは明らかな間違いなのではないでしょうか。少なくとも”好感は持ってない”のではないでしょか?
よく日本のTVタレントが「日韓は民間では仲がいい。仲が悪いのは政治だけだ」と言いますが、そんなのは完全に嘘です。
また、韓国系のコメンテーターが「民間の韓国人は日本人が大好き」と言いますが、それも完全に嘘で、あれは一種の日本分断工作でしょう。
韓国では「反日の子孫が生き残っているのが問題である」などと、ナチスのホロコーストのようなことが声高々に語られています。
とある調査では「米国が北朝鮮を攻撃したら日本を攻撃するべき」と考える韓国人が多くの割合を占めることが示されました。
韓国内のTV放送も反日に染まっています。
韓国人は、日本の商品や観光名所が好きなのであって、日本や日本人が好きなのではありません。
単に、手ごろに遊べるアジア内で日本が一番、というだけです。
謝罪と賠償を永久に続けなければいけない馬鹿な民族としか思われていません。
韓国人は「良い人柄を演ずれば日本人は簡単に騙される」とよくわかっています。
笑顔ですり寄ってくる韓国人に、日本人は簡単に騙されます。
日本国内では、韓国内で日本人がどのように扱われているのか、まったく伝わっていません。
近年では韓国の振る舞いがこれだけ問題になっているのですから、韓国内で日本人がどのように捉えられているのか、日本国内でも共通認識をもつべきです。
また、その際には、韓国系コメンテーターを使っていはいけません。
中立を装って、バカみたいな嘘をついてきます。
まったくおしっぉるとおりだと思います。
討論場組など視ると、韓国系コメンテーターは口を揃えたように、韓国人は日本(or日本人)が嫌いなわけじゃない、ただ・・云々と言っていますが、空々しい限りの嘘っぱちです。百害あって一利なし。
そうでないことは、韓国国民を挙げた反日・侮蔑日、そして敵視の実態から一目瞭然。
かれら韓国系コメンテーターは、日本で暮らしていても心は常に韓国益のために。それがために何でもやる。プロパガンダなどお手のものといった感じです。
ディベートに優れた手練れの雄弁家たちでもあるので、そういった訓練を受けたこともないような人の良い普通の日本人は完全に騙されてしまいます。
なので、いわゆる徴用工や慰安婦などの問題は、ねつ造された歴史の下にあることなどに思いをいたす前に、韓国側の主張にも一理ありで日本も譲歩しないといけないのでは、と思う国民も多いのではと思います。
私は韓国クムホ財閥によるアジアナ航空の売却劇の複線として外貨建ての債務の支払いが困難になるような気がします。
以下は日経からの引用です:
『アシアナ航空を傘下に持つクムホアシアナグループは15日、「アシアナ航空の未来のために
同社の売却を決定した」との声明を発表した。関係者によると、同グループは4月25日までに
約600億ウォン(約59億円)の社債を償還できなければ、別途1兆ウォン規模の負債を繰り上げ
償還をする必要が出る。追加の資金手当てを政府系金融の韓国産業銀行などの債権団に求めた
結果、同航空の売却を迫られたという。』
「1兆ウォン」は9億ドル程度でしょうし、また、債務の全てが外貨建てであるかも不明ですが、韓国での外貨の資金繰りに余裕が無くなる引き金になりかねないと思います。
韓国は都合が悪くなると「未来のために」と言いますよね。
韓国人の言う「未来のため」を信じてはいけない、と日本中に流布したい。
真に受ける日本人が結構いますよね。
いつも勉強になり、ためになる投稿ありがとうございます。
韓国が好きな人も嫌いな人も一度目にして欲しい内容だと思います。
どうかヌシ様には継続して訴えて頂きたいと思います。
宜しくお願い致します。