安倍総理の施政方針演説、敢えて採点すれば70点

昨日、安倍総理は第198回国会の冒頭で施政方針演説を行いました。文字に起こすと13000文字と長大な文章ですが、なかなか読みごたえもありますし、私自身、読んでいて賛同、共感できる部分もあれば、そうでない部分もあります。もちろん、忙しい社会人がこうした「安倍演説」をじっくり読めるのかといえば、事情は人それぞれでしょう。そこで、本稿ではあくまでも私の主観ではありますが、「安倍演説」を読んで気付いた点、感じた点についてお伝えしたいと思います。そして重要なことは、「読みっぱなし」ではなく、「気付いたこと、感じたこと」を、短くても良いのでコメントとして世に出すことではないかと思うのです。

「安倍演説」を読む

昨日も「速報」と称して少しだけ取り上げたとおり、安倍晋三総理大臣は28日、国会で施政方針演説を行いました。その内容が首相官邸ホームページに掲載されています。

第百九十八回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説(2019/01/28付 首相官邸HPより)

文字数にして約13000字と長大な演説ですが、お世辞抜きで、なかなか読みごたえがあります。さすが歴代最長政権を目指すだけのことはありますね。ただ、私が読んでみて、「素晴らしい」と思う箇所と、そうでない箇所が混在している演説でもあります。

本稿では、私が「平成最後の施政方針演説」を読んで感じたことを、ざっくばらんに申し上げてみたいと思います。

経済政策は中途半端だが…

平成最後の施政方針演説:天皇、皇后両陛下に言及

さて、安倍総理は演説の冒頭で、大きな自然災害が相次いだ平成の時代に、被災地の現場に必ず天皇、皇后両陛下のお姿があった、と述べました。

これは非常に大事な指摘です。

とくに阪神・淡路大震災にわざわざ言及してくれたことに対し、神戸出身である私は感銘を受けました。というのも、これは当時の村山富市首相の無為無策、被災地におけるマスコミの横暴など、私自身がウェブ評論活動を行ううえでの、忘れられない「原点」の1つでもあるからです。

しかし、両陛下は被災地を率先して訪問され、避難所で履物を脱がれて被災者にお声掛けをされたことで、被災地がどれほど勇気づけられたかわかりません。

また、東日本大震災では当時の菅直人首相の無為無策を差し置き、天皇陛下がわざわざテレビカメラの前で国民に向けてお言葉を発表されたことは、私を含めて多くの日本国民を勇気づけたのです。

ちなみに「安倍演説」では触れられていませんが、安倍総理自身、当時は一介の衆議院議員に過ぎませんでしたが、自ら率先して物資をトラックに詰め込み、秘書とともに被災地を回っていたというエピソードは、意外と知られていません。

当時の自分自身の活動には何も言及せずに、大災害を受けて国民に寄り添う両陛下への感謝を述べるあたり、いかにも安倍総理らしいと思います。

アベノミクスは中途半端に

ところで、安倍演説で触れられているのは、いわゆる「アベノミクスの三本矢」です。

確かに安倍総理が就任して6年間で、GDPは10%以上成長し、国、地方をあわせた税収は28兆円増加し、来年度予算における国の税収は過去最高の62兆円に達しました。

しかし、「6年間で10%」ということは、「毎年約1.25%」ということです。野田政権時代に成立した消費税率引き上げで盛り込まれた付帯決議「経済成長3%、インフレ2%」には、まったく到達していません。本来、正しい経済政策を採用していれば、毎年2~3%の経済成長は実現できたはずです。

では、いったい何が間違っているのでしょうか?

実は、安倍総理が「三本矢」と主張する政策については、事実上は「金融政策一本足打法」です。

確かに日銀は2013年4月以降、大胆な金融緩和政策(QQE)を採用しましたし、これにより中途半端ながらも日本経済はデフレ基調から脱しつつありますし、有効求人倍率は全都道府県で1倍を超えている状況です。

経済学の理論では「フィリップス曲線」と呼ばれる相関関係が知られています。これは、「インフレ率が上昇すれば失業率は低下する」という経験則であり、日銀が「インフレ目標」を掲げてQQEを実施したことと、有効求人倍率の上昇は、明らかに「フィリップス曲線」の理論そのものです。

消費増税はアベノミクスを殺す

しかし、2本目の矢である「財政政策」を巡っては、明らかに大失敗に終わっています。

まず、災害復興の財源は、増税ではなく国債発行によって賄うのが筋であるはずですが、野田元首相が主導した、東日本大震災からの復興を目的とした「復興所得税」については、現在に至るまで廃止できていません。

次に、野田元首相が仕組んだ2014年4月の消費増税については、結局、先送りができませんでした。現在の税率は8%(国税6.3%、地方税1.7%)ですが、これを今年10月には10%(国税7.8%、地方税2.2%)に引き上げようとしているのです。

しかも、複雑怪奇な軽減税率を設けるなどして、税制そのものも、とうてい「簡素」とは言い難い代物になろうとしています。

安倍総理は演説で消費増税を巡り、「国民の皆さまのご理解とご協力」をお願いする、と述べているのですが、正直、日本経済を殺しかねない消費増税の強行を「理解しろ」などと言われても、理解できるはずなどありません。

また、今回の増税については「頂いた消費税を全て還元する規模の十二分な対策を実施する」などと述べているのですが、これこそまさに「語るに落ちる」でしょう。増税すれば経済が落ち込むことを知っているからこそ、このような発想が出てくるのです。

「増税分を全額国民に還元する」くらいなら、最初から増税すべきではありません。

ちなみに最近だと、財務省がゴリ押しする「財政再建が必要」といったロジックがインターネット上で論破され始めているためでしょうか、「持続可能な社会保障制度」を増税の名目にし始めているようであり、「安倍演説」でも「財政健全化」と並んで「社会保障改革」に言及されています。

しかし、現在の日本に必要なのは、「税率の10%への引き上げ」ではありません。

むしろ減税、あるいは消費税法の廃止です。

「安倍演説」では貧困世帯への給付、児童手当増額などの成果を自賛したうえで、少子化対策としての教育無償化の意義を強調しているのですが、「子供を産み、育てやすい社会」の実現は確かに必要ではあるものの、優先順位を間違っているのです。

経済政策は「総花的」だが、電波利権に切り込むことは歓迎

さて、経済政策の下りについては、「総花的」、つまり「あれもこれも」と盛り込みすぎている印象がありますが、共感できる部分とそうでない部分があります。

私が全力で支持したいのは、「電波改革」です。

安倍演説では「電波は国民共有の財産である」として、「経済的価値を踏まえた割当制度への移行、周波数返上の仕組みの導入」と述べているのですが、これは放送法改革を念頭に置いているのでしょうか?

もしそうだとしたら、偏向報道ばかりで放送法を守ろうとしない地上波テレビ局に対する強烈な牽制であり、テレビ局と同一資本に属する新聞社にとっても、非常に都合が悪い話です。

新聞やテレビの多くは、この点を取り上げずに無視するのではないかと思いますが、私はこの部分については全面的に支持したいと思うのです。

一方、まったく支持できない部分は、「インバウンド4000万人目標」です。

「安倍演説」では「観光立国」という節を置き、訪日外国人旅客は6年間連続で過去最高を更新し、現在は3000万人の大台に乗ったと自賛しています。しかし、「安倍演説」では触れられていませんが、入国者の4分の1は中国人、4分の1は韓国人です。

中韓両国の観光客は、その圧倒的多数が善良な市民であることは事実ですが、ごく稀には困った犯罪者も含まれていますし、近い将来、朝鮮半島で動乱でも発生しようものなら、観光ビザで多くの難民が朝鮮半島から流入しかねません。

「2020年までに観光客4000万人」目標については、やはり、勇気を持って撤回して頂きたいものです。

戦後日本外交の総決算

「自由貿易」でトランプ政権を牽制?

さて、安倍政権に対する批判めいた記述が続きましたが、やはり安倍政権の「得意分野」といえば、間違いなく外交です。

真っ先に言及されているのがTPPと日欧EPAであり、また、「自由貿易」というキーワードです。安倍総理は「自由貿易が大きな岐路に立っている」と述べるのですが、聞く人が聞けば、暗に米国・トランプ政権を批判しているかのように見えなくもありません。

ただ、自由貿易が大切であるという点については私も原則としては共感していますが、「自由で公正な経済圏」には「自由・民主主義・法治・人権重視」といった価値観を共有する相手を厳選する必要があります。その意味で、TPPやEPAに言及したことは、非常に適切です。

ただ、外国との経済協力の下りで不安材料がないわけではありません。安倍総理は昨年秋の訪中によって「日中関係は完全に正常な軌道に戻った」と述べているのですが、これは少々認識が甘すぎます。

安倍総理は習近平(しゅう・きんぺい)国家主席との間で、日中3原則(▼①国際スタンダード下で競争から協調へ、▼②たがいに脅威とならない、▼③自由で公正な貿易体制をともに発展させる)に達したと強調しています。

しかし、中国との間での「自由で公正な貿易体制」とは、たちの悪い冗談にしか見えません。

その一方、ロシアについても「国民同士、互いの信頼と友情を深め、領土問題を解決して、平和条約を締結する」と述べているのですが、私自身はむしろ、安倍総理の在任中に無理やりロシアとの領土問題を解決しようとしないで欲しいと思っています。

日米同盟と地球儀俯瞰外交

一方、安全保障面から重要なのは、米国との関係です。

安倍総理は「わが国の外交・安全保障の基軸は、日米同盟である」と指摘し、日米同盟がかつてなく強固なものになっていると主張。あわせて沖縄県の米軍基地問題の解決や、自主防衛力の強化などに言及しており、この点については一切ブレていないことは素直に評価に値します。

そのうえで、サーバーセキュリティや宇宙などの領域で「わが国が優位性を保てるよう」、従来とは「抜本的に異なる速度で変革を推し進める」とのことです(※余談ですが、安倍総理がもし本気でそう考えているのならば、やはり財源としての国債の発行は必要でしょう)。

また、「安倍演説」では、「インド洋から太平洋へと至る広大な空と海を平和と繁栄の基盤とする」と述べ、いわゆる「自由で開かれたインド太平洋」に言及していますが、これも安倍総理だからこそ実現できる、価値と利益の外交の集大成であるといえるでしょう。

改憲に言及せず北朝鮮問題が解決できると思うな

ところで、「安倍演説」では北朝鮮について「核、ミサイル、拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は私自身が金正恩委員長と直接向き合い、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動」するなどと述べているのですが、ここには違和感があります。

私に言わせれば、核、拉致、ミサイル問題を解決する手段は、「交渉」ではありません。「圧力」と、場合によっては「戦争」です。

それなのに、「安倍演説」で改憲について触れられている箇所は、次の箇所だけです。

憲法は、国の理想を語るもの、次の時代への道しるべであります。私たちの子や孫の世代のために、日本をどのような国にしていくのか。大きな歴史の転換点にあって、この国の未来をしっかりと示していく。国会の憲法審査会の場において、各党の議論が深められることを期待いたします。

この下りを読むと、安倍総理が憲法改正を諦めてしまったのではないかという気がしてなりません。

さらに、安倍総理は「北朝鮮との不幸な過去を清算し、国交正常化を目指す」と述べていますが、地球上最悪の人権弾圧国家との「国交正常化」とは、正気の沙汰ではありません。

少し言い過ぎかもしれませんが、日本が朝鮮半島の旧宗主国としての道義的な責任を果たすならば、むしろ積極的に、北朝鮮の金正恩体制を滅ぼすことを目指すべきではないかとすら思います。

韓国の位置付け

ちなみに昨日の『【速報】安倍演説で日韓関係が完全に欠落した意味とは?』では、韓国メディアが「安倍演説で韓国が丸ごと無視された」と報じていましたが、原文を読むと、ちゃんと「韓国」というキーワードが出てきます。

それは、北朝鮮との「不幸な過去を清算し、国交正常化を目指す」という下りで、

米国や韓国をはじめ国際社会と緊密に連携してまいります

と述べている箇所です。

逆に言えば、かつては「基本的価値と戦略的利益を共有する最も重要な隣国」に位置付けられていた韓国は、「北朝鮮との関係で米国と並んで連携する相手」ということですが、米韓同盟が消滅すれば、「北朝鮮との関係で連携すべき相手」からも韓国の姿は消えることになるのかもしれません。

一気に良くなるわけではない

以上の「安倍演説」、僭越ながら私があえて評点を付けるならば、「100点満点中の70点」、といったところでしょうか。

「日米同盟を基軸にしたインド太平洋戦略」、「共通の価値観に基づく自由貿易圏」といった構想については、私自身も熱烈に支持したいと思いますし、経済政策の中にはきらりと光るものも見え隠れします。

しかし、外交では安倍総理が「成果」を急ぎ過ぎているようにも見受けられますし、その割にはハードルが高い改憲への意欲が後退したかにも見えること、北朝鮮との「不幸な過去を清算した上での国交正常化」などのように、私としては到底受け入れられないような内容も含まれています。

何より、消費税については、安倍総理でも財務省を抑え込み切れないのか、という落胆を隠すことはできません。

しかし、私は某経済評論家の方と違い、「アベには失望した!」などと短絡的に申し上げるつもりはありません。

長年に及ぶ大蔵省・財務省の「増税至上主義」に基づく霞ヶ関支配、利権構造で多様な言論から目を背けて来たマスコミ、不勉強で与党の足ばかり引っ張る無能で無責任な野党議員――。

こうしたさまざまな問題点に対し、安倍総理は政権を6年以上も持続させ、むしろ粘り強く対処して来たのではないかと思います。

それに、安倍総理がいくら有能だとしても、たった1人で戦後日本の積弊をすべて清算できるものではありません。日本のように完成された民主主義社会で問題を解決するためには、どうしても既得権益との摩擦は避けられませんし、時間もかかるのです。

それには結局、政治家に課題を「丸投げ」するのではなく、私たち国民の側が意識を変革し、意見を形成し、それを政治家らに伝えていかなければならないのです。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』も、「日本の民主主義をより良いものにしていく」ことに、ささやかながら貢献したいという意思で開設しているサイトです。

今回の「安倍演説」については、敢えて「70点」という点数を付けていますが、これはあくまでも私の主観であり、見る人が見たら「消費税を巡って失望した!」と思う人もいれば、「電波利権に踏み込んでほしい!」と思う人もいるでしょう。

実は、こうやって安倍演説を「ああでもない」「こうでもない」と議論すること自体、日本の民主主義の向上に役立っているのです。

安倍総理の演説をどう受け止めたか、どこに注目したかは、それこそ人それぞれだと思いますが、重要なのは、その気持ちをコメントとして書き込み、多くの人に見てもらうことではないでしょうか?

そのことを改めて痛感した次第です。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. とゆら より:

    もっとインド共和国に対しても触れてほしかったなあ。
    演説内を検索するとデフレマ「インド」ばかり引っかかる。

    天皇、皇后両陛下につきましては
    東日本の震災では、その被災地にたつ御背中やお言葉に勇気づけられました。
    ありがたいことです。

    >「インバウンド4000万人目標」
    訪日人数ではなく観光収入を目標にすればいいと思います。
    「インバウンド観光収入5兆円目標」

  2. 匿名 より:

    「日中関係は完全に正常な軌道に戻った」の行は中国に対する牽制でしょうね。
    本来地政学的にあるべき姿は、民主的統一を果たした半島と日本の連携
    そして、極東地域で孤立を余儀なくされる中共は早々と瓦解。

    本来目指すところはこういう状況だったはずだし
    こうなっていれば、本当にの意味でのアジアの春が訪れたはず。

    まぁ今となっては絵に描いた餅にもなりませんが…。

  3. 阿頼耶識 より:

    消費税とは消費を抑えることで節税を可能にした所得税とどこかで聞いた覚えがあります。
    逆に消費することで還元される所得税増額だとどうなるのか、などと考えた事もあるのですが、これは釈迦に説法でしたね。

    私が安倍演説に点数をつけるなら、もう少し辛口に65点と言うところでしょうか。
    全体的に及第点で、不足があると感じる部分もあれば諸手を挙げて賛成できる部分もありますが、それだけに「これだけは何としても!」という強い意志が感じられず全体がぼやけてしまっている印象です。
    どれも大切な事はわかりますが、安倍総理が重きを置いているのはどこですかと疑問に思わずにはいられません。
    だからこそ、この部分はもっと突っ込んで語って欲しかったなどの意見が出るのではないでしょうか?
    この分量と熱量を保ったまま、どこか一点。「何としてもこれだけは」と力が入っている部分があれば、不足に感じられる箇所があれど、不足だが致し方ないと納得もいくのですが。

  4. カズ より:

    百者百様、考え方それぞれなのだから、私たち庶民感覚での70点なら上出来なんだと思ってます。
    政経に厳しい管理人様の感覚で70点なんだったら、充分にクリアできてるのではないのでしょうか?

    >「増税分を全額国民に還元する」くらいなら、最初から増税すべきではありません。
    同意です。私は、増税による消費の落ち込みを段階的に緩衝したいのなら、解りにくい軽減税率なんて導入せずに、5ヶ年計画くらいでミニ増税を繰返した方がいいのでは?と、思ってます。
    *****

    今回の演説のなかで、「統計不正問題」への言及がありました。現政権を束ねる長として、深く謝罪しなければならない立場ではあるとは思うのですが、以前の「消えた年金問題」と同じく、安倍政権のみが非難されるべき事象ではないと考えます。

    自民党が下野した時に、不正を見逃したのは誰?
    日々の業務遂行の中で、不正を見逃したのは誰?

    現野党の方や、監督省庁の方にも、ぜひ振り返って欲しいと思います。

  5. 心配性のおばさん より:

    >中国との間での「自由で公正な貿易体制」とは、たちの悪い冗談にしか見えません。

    要は、習近平さんに、「自由で公正な貿易体制」にしなさい。と言っているのだと思います。
    夜郎自大を地で行く習近平さんですから、分かったかどうかはさておき、安倍さんは、そうしないと、トラブルは避けられないですよ。とくぎを刺したのだと思います。

    >無理やりロシアとの領土問題を解決しようとしないで欲しいと思っています。

    私もそれは心配しています。あの国には領土問題で何度も煮え湯(食い逃げ)を飲まされています。
    今回もあの国はそれを狙っています。日本からの経済協力だけを得て、領土問題は米軍基地問題やロシア国内の反対運動を出して、うやむやにする。
    でも、プーチン氏がこの話に乗ってきたのは、それなりの背景があると考えています。その背景を正確に掴んで交渉していただきたいと思います。
    そして、領土問題のはっきりとした進展が見えないとした時点で、潔く、引いていただきたい。撤退も決裂も、外交だと思います。

    私は北方領土の返還には、米軍基地(将来的には自衛隊基地)が必須だと考えています。
    あの国がなにを約束しても信じてはいけません。プーチン氏もそうですが、あの国の国民性から、約束は守りません。
    返還された領土を守るために、防人は必須なのです。そのことを理由に交渉を渋るのであれば、もとより、返還の意志はないとみるべきでしょう。
    国際社会のロシア経済制裁を、不確かな領土返還で裏切ることに、日本の利はないと見ています。

    >この下りを読むと、安倍総理が憲法改正を諦めてしまったのではないかという気がしてなりません。

    安倍さん、息切れしているのですかね。心配です。本来、彼が日本の総理に臨んだのは、民主党政権下でグチャグチャになった外交を立て直し、日本の外交や防衛の足を縛っている憲法を改正することだったはずです。
    憲法改正、特に、九条を、改正しなければ、早晩、安倍外交も行き詰ると思います。世界どの国であっても、自国を守る軍隊を持たない国はないのです。
    安倍さんには、初心を見つめなおしていただきたい。日本をどのような国にしたいのか、そのための優先はなにか。

    私は彼を不世出な政治家であると思っています。それを歴史に証明させるための仕事は、まだ終わっていません。

    >地球上最悪の人権弾圧国家との「国交正常化」とは、正気の沙汰ではありません。

    まったく。拉致被害者を取り戻すための撒き餌だと思います。
    反共最前線としての半島国家(韓国)との「国交正常化」は、当時のアメリカが強く日本に望んだからだと考えています。
    状況が変わって、半島全体が赤化しようとしている現在、拉致被害者を取り戻した後、日本に半島国家と「国交正常化」する理由はありません。
    アメリカもそれを押す理由はありません。

    先にも、言いましたが、私は安倍さんを不世出な政治家であると思っています。
    だからこそ、任期の最後まで、全力を尽くしていただきたい。そして、モリカケに始まる下らない問題で大切な時間を使っていただきたくない。

  6. りちゃ より:

    「持続可能な社会保障制度」別にそういう方針でもいいと思う。

    しかし、しかしだ。
    東京五輪の費用、当初7000億から3兆円へ。予算も気候も偽って誘致した責任は誰が取るのか | マネーボイス
    https://www.mag2.com/p/money/546666

    こんな「穴の開いたバケツに水を入れている」ような体質を変えないなら、消費税を50%に上げたとしても「持続可能な社会保障制度」なんて百年河清をまつだよ。

  7. とある東京都民お( より:

    電力やエネルギー政策も、抜けている・・・。

    原発etcとか、
    再生可能エネルギーの内、地熱(バイナリー・温泉)発電や水力発電、
    及び、海洋温度差発電、海流・潮流発電、高温岩体(EGS)発電、マグマ発電、後は、超臨界地熱発電とか。

    こういったモノの扱いと方針は、どうなっているのか?

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