安倍総理「未来志向の日韓関係」発言の真意と「毒まんじゅう」
非常に残念な話ですが、私は日韓関係がいずれ破綻する可能性がきわめて高いと考えています。その証拠に、最近、日韓関係が行き詰まりを迎えている証拠はいくらでも出て来ます。こうしたなか、安倍総理は一昨日、「日韓共同宣言20周年」の式典に参加し、「未来志向の日韓関係を築きたい」と発言しました。安倍総理の真意はいったいどこにあるのでしょうか?
目次
共同宣言20周年の話題
安倍総理の発言を中央日報が報じると…
韓国メディア『中央日報』(日本語版)に、安倍総理の発言が大きく報じられています。
安倍首相「韓日関係発展のために文大統領と協力」(2018年10月10日07時58分付 中央日報日本語版より)
中央日報によると、安倍総理は9日、東京で開催された日韓共同宣言20周年記念シンポジウムのあいさつで、次のように述べたのだそうです。
- 先月ニューヨークで文在寅大統領と日韓首脳会談を行い、日韓パートナーシップ宣言20周年を祝うとともに、未来志向の日韓関係を発展させていくことを改めて確認した
- 日韓関係の発展のため文在寅大統領と共に努力していきたい
- 日本と韓国の若者が相互に交流し合うことで友情を育み、未来に向かって夢を紡ぎ合っていくことができるよう、未来志向の関係を築き上げていきたい
中央日報がこのように報じると、日韓関係が非常に良好であるかのように見えてしまうのが不思議です。
また、この中央日報の記事を読んで、早とちりな人は、「安倍(氏)はまた韓国に譲歩するつもりか!」、「韓国なんかと未来志向の関係を発展させられるわけないだろ!」と口汚く罵るのかもしれません(某匿名掲示板などではそのような書き込みも散見されます)。
しかし、果たしてこの記事が報じた安倍総理の発言は、安倍総理が韓国に無条件に譲歩するという意向を示したものなのでしょうか?
別にウソはついていないが…
結論から言えば、中央日報の報道に間違いは含まれていません。実際、安倍総理の発言は、首相官邸のウェブサイトにもその全文が掲載されており、これを読んで確認すると、先ほどの中央日報の記事で紹介された発言は、すべて含まれています。
平成30年10月9日「日韓パートナーシップ宣言」20周年記念シンポジウム(首相官邸HPより)
つまり、安倍総理は「未来志向の日韓関係を発展させていく」「日本と韓国の若者が、相互に交流し合うことで友情を育み、未来に向かって夢を紡ぎ合っていくことができるよう、未来志向の関係を築き上げていきたい」と確かに述べているのです。
ただ、中央日報は「ウソはついていない」ことは事実ですが、どうも重要なくだりを無視しているのではないかとの疑念もあります。それが、これです。
「この金大中大統領が小渕総理と首脳会談を行うために来日される際、当時、今日この後講演をされる高村先生は、外務大臣であったと記憶しておりますが、当時私はまだ若手の、当時はもっと初々しい議員だったんですが、若手の議員でございまして、言わば政権に対してプレッシャーをかける側にいたわけでありまして、高村大臣にいろんなことを言いに行ったことを今急に思い出したところでございますが、しかし、そういうものを、そういう様々な世論等と圧力を乗り越えて、大所高所から責任者は決断していくことによって初めて両国の関係は未来志向となり、前進していくのではないかと、こう思う次第でございまして、当時大変、高村、当時の外務大臣に失礼なことを申し上げたことを改めておわびを申し上げたいと、こう思う次第でございます。」(※下線部は引用者による加工)
この下線部について、まだ若手だった安倍晋三衆議院議員が、当時の高村外相に対し、いったい何を言いに行ったのでしょうか?おそらく、「不必要に韓国に対して譲歩するのは間違っている」などと申し入れたのでしょうか?内容が知りたくてなりません(※もっとも、だいたい想像はつきますが…笑)。
それはさておき、全文を読んだうえで、安倍総理が言いたかった内容を私なりに解釈すると、
- 1998年当時は日本側でもこの日韓共同宣言に対して世論などの強い反発が出た
- 私、安倍晋三も当時は政権に対してプレッシャーをかけた人間の1人だった
- しかし、当時の小渕首相と金大中大統領は、大所高所から両国関係の改善を決断した
- そうであるならば、私・安倍晋三と、韓国の文在寅大統領も、反発を乗り越えて両国関係を未来志向にしていく共同責任を負っているはずだ
というニュアンスが浮かび上がって来るのだと思います。
日韓共同宣言20周年という祝賀行事の場で、わざわざ自分自身が高村元外相に対してプレッシャーをかけたと明言すること自体も異例ですが、全体を通して安倍総理は文在寅(ぶん・ざいいん)政権に、「日韓関係が後退したら、その責任はお前にもあるんだぞ」というメッセージを伝えた格好です。
慰安婦合意は「毒まんじゅう」
ところで、この20年における日韓関係で、間違いなく1つの重要なターニング・ポイントがあったとすれば、それは2015年12月28日の『日韓慰安婦合意』でしょう。私自身の文責でこれを要約すると、ポイントは次の4点です。
- ①慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感し、安倍晋三総理大臣は日本国を代表して心からおわびと反省の気持ちを表明する。
- ②韓国政府は元慰安婦の支援を目的とした財団を設立し、日本政府はその財団に対し、政府予算から10億円を一括で拠出する。
- ③韓国政府は在韓国日本大使館前に慰安婦像が設置されている問題を巡って、適切に解決されるように努力する。
- ④上記②の措置が実施されるとの前提で、日韓両国政府は、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認し、あわせて本問題について、国連等国際社会において互いに非難・批判することを控える。(※下線部は引用者による加工)
この慰安婦合意を巡って、私自身は当時、強く憤りましたし、首相官邸や岸田文雄外相のフェイスブックなどにも直接、意見を申しあげました。私が特に憤った点は、上記4点のうち、最初の下線を付した
「慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である」
という下りです。
この表現は、河野洋平による1993年のいわゆる『河野談話』にも含まれているものですが、これを前提条件なしに自然に読めば、誰だって「当時の日本軍は朝鮮半島で女性を誘拐して強制連行し性的奴隷にしていた」と勘違いしてしまうでしょう。
ただ、それと同時に、この慰安婦合意には間違いなく、1つの効果がありました。それは、10億円を韓国に渡したことで、慰安婦問題が日韓間の外交イシューではなくなり、純粋に韓国の国内問題に変わった、ということです。
合意の中には「日韓両国政府は、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認する」とあります。韓国内で合意を蒸し返そうとする動きが出たら、即座に「慰安婦合意の着実な履行が必要だ」と言い返せば済むのです。
そして、ここから先はあくまでも私の推測ですが、安倍総理は韓国政府が将来において、この合意を反故にすることは間違いないと踏んでいたのではないかと思います。これが、「慰安婦合意は毒まんじゅう」とする仮説です。
日韓関係破綻は韓国の責任
中央日報の「取材日記」の不見識
これについてもう少し詳しく検討する前に、ここでもう1つ、安倍総理の発言に関連した中央日報の記事を紹介しておきたいと思います。
【取材日記】政治的リーダーシップは韓日両国に必要だ(2018年10月10日09時39分付 中央日報日本語版より)
タイトルに「取材日記」とありますから、この記事は、中央日報の東京特派員が取材する過程で感じた内容を綴ったものなのでしょう。この東京特派員は、「取材日記」の中で、次のように指摘します。
「安倍首相は20年前の共同宣言発表当時は日本国内の世論の反発が大きかったという点を想起させ、「世論の圧力を乗り越えて、大所高所から責任者は決断していくことによって初めて両国の関係は未来志向となり、前進していく」とし「政治リーダーシップ」を注文した。/安倍首相が述べた「世論の圧力に流されない責任のある決断」とは誰が聞いても文在寅(ムン・ジェイン)大統領を意識した発言であり、必ず言いたかった言葉のようだった。約200人ほどの小規模な行事だったが、安倍首相が出席した理由でもあった。」
この点については、まったくそのとおりでしょう。
安倍総理は確かに、世論などの圧力を乗り越え、大所高所から決断することが重要だと述べましたし、これに対して文在寅政権側の対応を見ていると、直近の旭日旗騒動にしても、徴用工訴訟を巡るハンドリングにしても、稚拙のヒトコトに尽きます。
しかし、この「取材日記」は、思わぬ方向に暴走します。
「日本国内では慰安婦財団の解散が合意違反という世論が強い。強制徴用者に対する大法院(最高裁)の判決も1965年の韓日協定違反に向かうという懸念が強い。/安倍首相の言葉のように外交関係が難しいほど「政治的リーダーシップ」が必要なのは事実だ。ただ、それは韓国の大統領だけでなく日本の首相にも該当する。」
「安倍首相は2015年の韓日慰安婦合意を国内の反発の中でも下した政治的決断だったと話している。しかしその後に続いた「(慰安婦被害者へのおわびの手紙は)毛頭考えていない」「軍が関与した強制連行はなかった」などの発言は合意の趣旨を弱め、韓国国民の感情を悪化させる結果を招いた。政治家の靖国神社参拝が韓日関係悪化の原因になったことも否定できない。」(※下線部は引用者による加工)
いったい何様なのでしょうか、この記者は。国際法に関する入門書を1万回読んでから出直せ、と言いたい気持ちでいっぱいです。
いちおう、補足しておきますと、この「お詫びの手紙」構想とは、2016年9月頃に韓国側の慰安婦財団から安倍総理に対し、日韓合意には含まれていない「お詫びの手紙」を手渡すことを求めた件をさしています。
ただ、安倍総理はこれについて「(追加措置は)毛頭考えていない」と発言。当時の朴槿恵(ぼく・きんけい)政権下で外交部長(※外相に相当)を務めていた尹炳世(いん・へいせい)が、安倍総理の手紙拒否は「韓国国民の心を傷つけた」と「逆ギレ」したというオチも尽きました。
【「慰安婦」日韓合意】/韓国外相、安倍首相の手紙拒否は「韓国国民の心傷つけた(2016.10.13 17:53付 産経ニュースより)
こうした「お詫びの手紙」事件を持ち出すあたり、この「取材日記」を執筆した東京特派員は、勉強不足であり、不見識も甚だしいと思います。
毒まんじゅうの毒が全身に回る!
ただ、韓国側が日韓慰安婦合意を覆そうとしたことは、2016年9月の「お詫びの手紙」騒動だけにはとどまりません。
たとえば、2016年12月末には釜山の日本総領事館前に慰安婦像が設置され、激怒した安倍政権は翌週の2017年1月6日に、日韓通貨スワップ協定の再開交渉や日韓ハイレベル経済協議などを打ち切るという対抗措置を打ち出しています。
私の仮説では、韓国は外国からかなりの外貨建ての借金をしていて、しかも外貨準備高にはかなりのウソが含まれている可能性があります(外貨準備統計の正確性については『外貨準備統計巡る韓国のウソと通貨スワップ、そして通貨制裁』でも取り上げていますので、ご参照ください)。
こうしたなかでの通貨スワップ再開交渉の打ち切りは、韓国にとっては極めて痛い打撃となります。通貨危機への不安が払拭されないことで、国際的な資本市場では、じわじわボディブローのように韓国の資金調達力を削いでいくことになるでしょう。
また、2017年5月に発足した文在寅政権は、慰安婦合意を検証するタスクフォース(TF)を立ち上げ、その年の暮れにはTFが検証結果を発表。日韓両国政府の水面下の交渉や、公表されていない合意事項なども含めて、重要な事実を勝手に公表してしまうということをしでかしてしまいました。
まさに「墓穴を掘る」という表現がぴったりだと思います。なぜなら、これによって韓国は今後、水面下の外交交渉ができなくなったからです。政権が変われば勝手にその内容を公表されてしまうような国と、外交交渉などできません(詳しくは『慰安婦合意TF:自ら墓穴を掘った韓国政府』などをご参照ください)。
韓国がこの日韓慰安婦合意を反故にしようとすれば、そのことで韓国自身の信頼が傷つくことになりますし、韓国が合意を履行しようとすれば国民情緒面での反発にも直面します。
つまり、韓国はにっちもさっちもいかない状況に追い込まれつつあるのです。
自業自得の韓国外交
ただ、誤解して欲しくないのですが、私は別に日韓関係の断絶を望んでいるわけでもなければ、韓国の破綻を望んでいるわけでもありません。日韓両国は隣り合っているわけですから、ともに手を取り合って未来に向かって発展して行ける関係になるのが理想的であることは間違いありません。
しかし、それと同時に、私は韓国が日本と価値や利益を共有する関係にあるとは考えていません。韓国が国家破綻してしまえば、多くの人が不幸になりますが、それと同時に、日韓関係の破綻を避けるために、日本が無理に配慮する、という必要もないと思います。
日本はあくまでも、「こちらから日韓関係を破綻させる」ということは避けるべきでしょう。
ただ、それと同時に、日本が誠意を尽くし、日韓関係が破綻しないようにマネージするという努力を続けているにも関わらず、それでも韓国の方から日韓関係を破壊するような動きが出てくるようであれば、結果的に日韓関係が破綻しても仕方がないと考えているのです。
そして、もし韓国で通貨危機や経済危機などが発生すれば、生活苦に陥った韓国人が大挙して日本にやってくる可能性もありますし、韓国におカネを貸している日本の銀行などに巨額の損失が発生するかもしれません。その意味で、日本が第一にやらねばならないことは、
- 日韓関係の決定的な破綻を防ぎ、韓国政府と最低限の意思疎通ができる状態を維持すること。
- 韓国経済が破綻した時に備えて、日本の国内法や体制をしっかりと準備しておくこと。
の2点なのです。
オマケ:通貨危機と砂上の楼閣
ついでに本日の「オマケ」です。以前から韓国では通貨危機をテーマにした報道がたくさん流れていますが、昨日はこんな「コラム」も発見しました。
韓経:【コラム】100円=1000ウォン時代の「祝福」=韓国(2018年10月10日08時53分付 中央日報日本語版より)
中央日報に掲載された記事ですが、記事の配信元は韓国経済新聞です。記事の書き出しは、こうです。
「8月の息が詰まるような猛暑の中で飛び込んできたニュース。トルコ・リラ暴落で海外ブランドを半額で買える機会ができたとのことだった。俗っぽい言葉で「他人の不幸は自分の幸福」とでもいうか。リラはとうとうポータルサイトのリアルタイム検索ワード1位に上がった。」(※下線部は引用者による加工)
「他人の不幸は自分の幸福」!
大手メディアが堂々とこんな低俗な表現を掲載するとは驚きです。少なくともわが国の価値観とは合致しません。
韓国経済新聞は夏の新興市場諸国(EM)の通貨下落がトルコだけでなく、インドネシア、ロシア、インド、ブラジル、アルゼンチンなどにも波及したと指摘。いずれも「慢性的な経常収支赤字に対外債務が多く政府部門の効率性が落ちる国家が大部分だ」と述べています。
ただ、今のところ、韓国の通貨・ウォンは暴落に巻き込まれていません。これについて韓国経済新聞は、こう主張します。
「リラ暴落を他人事のように考えた韓国人が必ず気にしなくてはならないことがある。飛び石連休を楽しむために8日に休暇を取り日本に3泊4日の観光に行ってきた数万人も同じだ。韓国ウォンの価値はなぜ過去のように打撃を受けないのだろうか。われわれはどんな理由で「100円=1000ウォン時代」を謳歌しているのだろうか。理由は3種類だ。国際競争力を備えた輸出企業、経常収支長期黒字、財政健全性を後押しできる成長率だ。こうした条件がなくなれば4000億ドルを誇る外貨準備高も砂の城にすぎない。」
たしかに、韓国の場合は貿易黒字国ですし、半導体やスマートフォンなどの産業は好調を維持しています。しかし、それと同時に、「4000億ドルの外貨準備」については正直眉唾ですし、足元では雇用政策の失敗で失業者数が増加する兆候が生じているのも気になる点です。
いずれにせよ、韓国でこの手の記事が増えているという事実は、どんなに虚栄を張っていても、やはり韓国人は、本能的な部分では常に通貨暴落をおそれているという証拠の1つではないかと思えてならないのです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
< 更新ありがとうございます。
< 日韓友好20周忌、あえて私はそう呼びたいと思います。それ以前も隣国ながらギクシャクした関係でしたが、98年頃より韓国の反日姿勢、貶める態度は更に酷くなりました。今まで何の問題が無かった事でも、遡って訴える。民主主義の国とは思えない。
< 20周忌と言えども首脳同士、電話一本かけない(安倍首相にしたら対北制裁緩めるなしか無いでしょうが)。他の国例えばG7、東南アジア各国、西欧諸国と比べ、此れほど歪んだ国家関係はありません。
< 韓国は滅亡するまで日本を何かとマトにするでしょう。安倍首相としては、「未来志向」とはマネージする関係であり、相互利益、基本的考え方、自由主義、民主主義ではない国だと、肚を割って膝を積めないということだと思います。
< これだけ日本側から真摯に尽くしても裏切るなら、関知しない。ただ全面的にいがみ合うのは避け、「若者たち」とせめてもの将来に向けた言葉を入れたと思います。無理とは思いますが(うん、無理だね〜 笑)。
韓国の慰安婦合意不履行で小生がいつも思い出すのは幕末から明治にかけて日本が欧米諸国と締結した一連の不平等条約です。
外交が不得手な江戸幕府が結んだ不平等条約を後継の明治政府はそのまま引き継いで条約改正まで奔走していた史実があります。
その過程で数多くの屈辱的な経験がありました。
100年以上も前に理不尽な条約を粘り強く解消した日本とつい数年前に結んだ慰安婦合意を履行できない韓国。
やはり国家の信用というものは(国家に限った話ではありませんが)一朝一夕で出来上がるものではないんだなあとつくづく思います。
いや、まあ、政治家が、「未来志向」と表現する場合は、未来以外の過去と現在がまったく良くないという事実の表現でしかありません。
文中にもありますが、今の韓国の状態は、隣国としては理想的ではあります。
難民が国外に流出するほどまでは荒れてはおらず、貿易黒字や北朝鮮寄りのスタンスで米国のサンドバッグ役を一手に引き受けてくれて、外交的には一方的に敵失でボーナス状態。
関係が悪いので積極的に助ける負担もない。
後は、死に体になって足にしがみつかれる様な事態になったときに、蹴飛ばす勇気があるかどうかですな。
いつも楽しく拝読しております。
私は典型的な嫌韓ネトウヨでして、韓国の経済破綻や、北主導での南北統一が実現する日を待ち焦がれているものですが、余りに待ち続けたため、却ってその日が来ないのではないかと悲観するようになりました。
少なくとも、韓国経済破綻に関しては、何度訪れてもたいしたことはないと思っています。1997年のIMF騒ぎ、2008年から2009年の通貨危機の際も、喉元過ぎればでいつの間にか復活しています。間もなく米国が通貨で韓国にお仕置きするという説もありますが、それが実行されたところで、ゴキブリ並の生命力を持つ韓国は、一時的なダメージだけでやり過ごし、いつの間にかしぶとく復活するだけだと予想します。
私の悲願?であるところの北主導での南北統一ですが、まず、朝鮮戦争の終結宣言に韓国が加わる資格が無いことからもわかるように、米国および周辺の強大国の利害が一致しない限り実現しません。日本は当事国ではありませんでしたから蚊帳の外ですが、米国に対して強く要望するところがあるでしょう。直裁に言えば、米中露日の利害が一致するような形での南北統一はあり得ないと思います。
現在の韓国政府が多少の迷走を繰り返したところで、北朝鮮の核開発を劇的に推進するものでもなく、南北和平に対する現実的回答になるわけでもなく、誰からも信頼されないまま泳がされるだけではないかと。要するに、どうでも良い連中なのです。米中露日が意を決してきっちりと問題解決するだけのヒトカネモノを投入するのが勿体ないくらいどうでもいい連中なのです。南北朝鮮の人々は。
そんな風に諦めながらコリアウォッチを続けています。
そりゃ未来志向って言いますよ。過去と現在が悪すぎて、これまでの日韓関係がどうだったかって安倍首相一言も言ってませんもん。他の人も書いてるとうり、安倍さんの、発言は日韓関係が悪いと間接的に言ったようなもんでね。
日本に旅行した韓国人に聞かれたことがあります。「日本は非常に楽しかったが、一つだけ許せないことがあった。それは私を朝鮮人と呼ぶことだ」と。よくよく考えてみると、韓国では北朝鮮のことを「北韓(韓国語でプッカン)」と言います。日本人は北朝鮮のことを「北韓国」とは言いません。一応、日本では1945年までの呼び方が定着しており、韓国も北朝鮮もまとめて「朝鮮」と言うみたいな誤魔化しでお茶を濁しておきました。その子(女の子)は日本に就職するといって、日本語学校に通い始め、小生と日本語の勉強もしていたのですが、音信不通になりました(日本語検定に落ちたんだと思います)。恐らく彼女は見下されていると感じたのでしょう。
韓国人も日本人も一緒だな思える部分もあります。小生も40年以上昔、田舎から中国・四国方面に旅行した時に「日本語喋れるんですね」などとかなり失礼な言葉をかけられたこともありました。それでも友好的に接し、怒りは堪忍袋に収めて日本の都市で就職し現在に至ります。日本人は怒りを抑えることができる民族であり、それをお互いに気遣いながら生きていける民族です。韓国人でもたまにそのような方はおります(稀ですが)。気遣いのできる韓国人はその殆どが日本で学び、暮らした経験のある人たちです。韓国の政治家や役人等は日本で学び、暮らした経験のない人が殆どでしょう(もしあれば、親日派扱いされかねません)。従って、堪忍袋やお互いに気遣うといったことはできないのです。
実際に韓国人を見下している日本人はたくさん見てきましたし、それに気付く韓国人も大勢います。小生は自身のこともあり、あまり見下すことはしないようにしていましたが、それでも韓国製造業のレベルの低さに愕然とし、ついつい横柄な態度を取ったのではないかと反省する次第です。
韓国と日本の未来とはいかようになるのか、小生も興味津々ではあります。どうにか良い関係にしようと小生一人が頑張っても微々たるものですが、できるだけ両国に真実を伝え少しでも良くなる方向に行ければ幸いだと思う所存でございます。
駄文にて失礼します