北朝鮮との外交は「封じ込め」一択、それを助ける日英同盟
ここ数日、外交に関する重要な報道が相次いでいるという事情もありますが、少し立ち止まって、いくつかの報道をまとめておきたいと思います。とくに、「日英同盟」が復活の兆しを示していることについては、私は両手を挙げて歓迎したいと考えているのです。
目次
外務省の姿勢に問題あり?
「経済協力優先」の共同通信・再掲
今週日曜日、当ウェブサイトでは『改めて主張する、日本は「圧力一辺倒」で北朝鮮の破綻を待て』のなかで、共同通信が報じた「拉致交渉を巡り、政府内で圧力一辺倒ではなく、まずは経済協力を前面に打ち出し信頼醸成を図るという新方針案が浮上している」とする記事を紹介しました。
該当する共同通信の記事は、これです。
拉致交渉、政府内に新方針案浮上/経済前面に信頼醸成、反対論も(2018/8/18 02:00付 共同通信より)
この記事について、私自身は次のように論評しました。
- 共同通信が報じた「複数の日本政府関係者」とやらが本当に実在するのかは別として、外務省などにこの記事が報じたような考え方を持つ人間がいても不思議ではない。
- 実際、外務省では「帰国した拉致被害者を全員、北朝鮮に送り返すべきだ」などと主張した田中均氏のような人物が高官を務めていた前科もあるからだ。
- そもそも論として北朝鮮は無辜の日本人を拉致し、自国で監禁するなどの犯罪者集団であり、これに加えて麻薬製造、贋札使用、保険金詐欺、大量破壊兵器開発などを続けるなど、「テロ国家」と呼ぶのが相応しい
- 犯罪組織と「経済協力を前面に押し出し」「信頼醸成を図る」とはまったくもって意味不明だ
そのうえで、北朝鮮が2002年9月17日付の日朝平壌宣言の精神をまったく守らず、核開発を続けてきた時点で、わが国は北朝鮮を「交渉相手」として「信頼する」のは不適切である、というのが私自身の主張です。
青山繁晴参議院議員、「誰が言ったか分かっている」
私がこの共同通信の記事を当ウェブサイトで紹介したのは日曜日ですが、翌・月曜日に、少し時間があったのでインターネットの大人気番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』を視聴したところ、出演した青山繁晴参議院議員が、
- 「複数の日本政府関係者」とは「複数のただの外務省だ」
- 「外務省の誰がやったのかもわかっている」
- 「総理官邸には(そのような考えを持つ人は)1人もいない」
と語気を荒げて批判しました。
これを視聴して私も「わが意を得たり」と思ったのですが、青山氏は次のように続けます。
「共同通信は平壌に支局を置いているくせに、金一族の独裁体制の宣伝に使われているだけ、肝心なニュースは何1つとってこない」
確かにご指摘の通りですね。
青山氏は「北朝鮮が自民党や外務省に裏工作を仕掛けている」と指摘したうえで、共同通信については「事実上、北朝鮮の先兵だ」と強く批判しているのですが、私自身も青山氏の発言を踏まえ、改めて共同通信の記事を読んでみたら、確かに「北朝鮮の機関紙」の記事かと思ってしまいます。
北朝鮮を利する者は日本国内にいる!
このように考えていけば、私には共同通信を含め、「北朝鮮を利する者が日本国内にいる」としか思えないのです。
とりわけ、国会で北朝鮮に有利な質問を繰り返す、立憲民主党の逢坂誠二衆議院議員や有田芳生参議院議員、謝蓮舫(村田蓮舫)参議院議員、日本のメディアでありながら日本を貶める報道を続けてきた朝日新聞、日本の役人でありながら北朝鮮に配慮してきた外務省などの責任は重大です。
ただ、もう少し究極的に考えることが必要です。
逢坂誠二、有田芳生、謝蓮舫などの各氏を国会に送り込んだのは、誰ですか?
実売部数が400万部にまで減ったと噂されているとはいえ、朝日新聞を購読して支えているのは、誰ですか?
外務省に対して怒りの声をあげないのは誰ですか?
答えはわかりますね?
そう、私たち日本国民です。
「そんなバカな!」と思う方もいるかもしれませんが、これは事実です。
冷静に考えてみてください。日本は民主主義国家であり、私たち国民は日本国の最高権力者です。私たちが国政選挙で選挙権を行使し、選ばれた国会議員は「国権の最高機関」である国会で国民の代表者として行動するのです。
朝日新聞が虚報を垂れ流し続け、私たち有権者の選挙権の行使を歪めて来た罪は大きいですが、勇気を持って「朝日新聞の報道は間違っている」と叫んだ人も数多くいます。そのような声を無視して、いまだに400万人が朝日新聞の購読を続けていること自体、国民意識の変革が道半ばの証拠です。
さらに、外務省や財務省などの官僚機構に対し、私たち国民が直接、意見を伝えることは困難ですが、そうであるならばなおさら、国会議員に強くなってもらうしかありません。私が、
- 変な報道を続ける新聞を読んでいる人は、その新聞を解約しましょう。
- 変な報道を続けるテレビを見ている人は、そのテレビを見ないようにしましょう。
- 選挙にはきちんといきましょう。
といつも申し上げている理由は簡単で、私たち日本国民が変わらなければ、結局、日本が変わることはないからなのです。
明るい兆候が次々と
ただ、私たち日本国民が変わりつつあるという意味では、間違いなく、明るい兆候がでています。それが、『慰安婦問題巡り、日本の外務省が少しずつだが変わり始めた!』でも紹介した、外務省の動きです。
たとえば、韓国の「慰安婦問題」を巡って、外務省が発刊した『外交青書2018』(ただし『要旨版』22ページ)には、次のような記載があります。
「日本政府としては、引き続き、様々な関係者にアプローチし、日本の立場(例えば、「軍や官憲による強制連行」、「数十万人の慰安婦」、「性奴隷」といった主張については、史実とは認識していないこと)について説明する取組を続けていく。」(下線部は引用者による加工)
これは、「韓国のいいなり」だった外務省が、日本の国益を重視し始めたという意味で、非常に良い兆候です。また、外交青書の記述書き換えに加え、昨日も紹介した、次の産経ニュースの記事も再掲しておきましょう。
日本、慰安婦指摘に反論 「性奴隷は事実に反する」と主張 国連差別委員会 委員から謝罪要求の声も(2018.8.17 22:13付 産経ニュースより)
これは、ジュネーブで開かれた「国連人種差別撤廃委員会」の対日審査で、日本政府代表の外務省の大鷹正人・国連担当大使が「性奴隷」という表現を巡り、「事実に反し、不適切」だと抗議した、とするものです。この報道が事実ならば、大鷹正人氏に喝采を贈るべきです。
この2つの件はどちらも韓国の話であり、北朝鮮の話ではありません。
しかし、マス・メディアが「もりかけ問題」でスキャンダル報道に終始している間に、日本は確実に良い方向に向けて変わり始めているのです。そのことについては、正当に評価してあげる必要があります。
日英同盟の「復活」?
北朝鮮船舶の「瀬取り」を監視
日本外交が「良い方向に変わっている」という意味では、もう1つ、本日の韓国メディア『中央日報』(日本語版)に、非常に興味深い記事を発見しました。
「日英、年末に太平洋公海で北船舶の瀬取り合同監視へ」(2018年08月21日07時16分付 中央日報日本語版より)
これは、読売新聞が昨日報じた記事を中央日報が論評抜きで伝えたもので、概要としては、英海軍護衛艦(フリゲート艦)「アーガイル」の訪日に合わせて、日英両国政府は今年11月から12月にかけて北朝鮮船舶の「瀬取り」の合同監視を行う方針で調整している、とするものです。
ただ、私自身の検索方法が悪かったのか、読売新聞の元記事については見つけることができませんでしたが、この報道が事実なら、非常に歓迎すべきことです。なぜなら、日本と英国は同じ「海洋国家」同士、連携できる部分が多くあるからです。
中央日報によれば、英海軍が北朝鮮船舶の監視を行うのは今年に入って3例目であり、朝鮮戦争当時に締結した朝鮮国連軍地位協定に基づき、在日米軍基地を使いながら北朝鮮船舶の瀬取りを監視する予定だとしています。
英国がTPP参加という可能性
英国といえば欧州連合(EU)からの離脱(BREXIT)交渉の難航が伝えられているものの、EUからの脱退後は、環太平洋パートナーシップ(TPP)への参加を模索しているとも伝えられています。このTPPの当初参加国は次の12ヵ国でした。
「▼オーストラリア、▼ブルネイ、▼カナダ、▼チリ、▼日本、▼マレーシア、▼メキシコ、▼ニュージーランド、▼ペルー、▼シンガポール、▼米国、▼ベトナム」
しかも、現在のTPPは米国が抜けてしまったため、米国を除いた残り11カ国が参加する、いわゆる「TPPイレブン」という形での先行発足が予定されており、日本がこの経済同盟の盟主のような地位を獲得している状況にあります。
太平洋から離れた英本国がTPPに参加を希望していると言われれば違和感を抱いてしまうかもしれませんが、実は、TPP参加国のうち、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの3ヵ国は、英国王(現在はエリザベス二世女王)が国家元首を務める「同君連合」です。
英国が環太平洋諸国の自由貿易圏への仲間入りを目指しているのならば、日本、アジア、太平洋地域としては、我々のルールを守るという前提で、EUから離脱した英国を仲間として受け入れるというのも面白い発想でしょう。
「2+2」、実は軍事協力が進んでいます
ところで、「軍事力を使った国際紛争」を一般に「戦争」と呼ぶことが多いと思いますが、私に言わせれば、「外交」とは「軍事力を使わない戦争」です。そして、外交と軍事は表裏一体の関係にあります。こうしたなか、2012年12月の第二次安倍政権発足以来、とくに増えているのが「2+2会談」です。
これは、日本と外国とあいだで、「日本の外相と防衛相の2人が相手国の外相、防衛相2人と会談を行う」、というもので、私が調べた限りでは、
という具合に、米国、ロシア、英国、フランス、オーストラリアとのあいだで、それぞれ「2+2会談」を開催していることが判明します。
考えてみれば、日英協力には1902年に成立した日英同盟以来、100年を超える歴史があります。同じ立憲君主国であり、同じ島国であり、同じ海洋国家であるという点から、地理的な距離をこえ、さまざまな観点から協力できるのではないでしょうか?
まとめ:価値共有できる相手と仲良く
外交といえば、どうも学者などの「専門家」が小難しい理論を振りかざしながら、しかめっつらをして議論するものだ、と思っている人が多いことは事実でしょう。しかし、国というものが「人間の集合体」である以上、「外交」は「人間付き合い」の延長線上にあるという点もまた事実です。
酷い言い方をしますと、学者や外交官の中には、ビジネスをしたことがない人間も多くいます。そのような人たちよりも、小規模ながらビジネスを営む身である「新宿会計士」の方が、より、外交を議論する素地があるような気がします。
それはさておき、外交の基本は、「経済的利益」と「軍事的安全」の2点にあります。要するに、その相手とお付き合いをすることで、日本という国としての安全性が確保され、経済的にも発展できるのならば、是非、その国とお付き合いすべきです。そして、その際の視点は、
- 一番目に重視すべきは、価値が共有できる相手
- 二番目に重視すべきは、利益が共有できる相手
です。
その際、日本としては、まずは膨張する中国という軍事的リスクに直面していることを思い出してください。また、その中国と結託して、日本を貶めようとして来ている国が韓国、日本人を拉致したり核で脅したりしている国が北朝鮮、北方領土を奪って返さない国がロシアです。
これに対し、世界一の経済大国にして軍事大国である米国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドを含めた「TPPイレブン」の仲間、同じ海洋国家である英国、そして欧州の要にあるフランスは、いずれも自由・民主主義国であり、法治主義国です。
この、「価値が共有できる相手」、「利益が共有できる相手」という軸から外交を論じると、極めて有益です。どの国と仲良くすべきか、具体的な話については近日中の議論に譲りたいと思いますが、それまでのあいだ、読者の皆様も是非、思考実験をしていただけると幸いです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
< お世話になります。
< 共同通信は、平壌に支局持っていても、常に監視対象で一人で出歩くこともままならない、言わば囲われモンでしょ?日本に送信する原稿をチェックされ、或いは日本から新聞を取り寄せ、『コレハ、アナタノキジカ?』としつこく聞かれる。
< 内容がマズければ即本社にクレーム付けて、特派員をチェンジさせる。昔っから変わらない北朝鮮の隠蔽、綺麗事プロパガンダ体質。
< 西側は他にも支局を置いてるところもあるが、真実を伝えられないメディアばかりです。置く意味ない。でも、北朝鮮としては、お飾りでも駐在させたい。どっちもどっちですわ(笑)。
< 『圧力一辺倒ではなく、経済協力を前面に押し出し、信頼の醸成を図る』、、、綺麗な言葉だが、使う相手が間違いやろ。
< 意見を異にする方もこのコメント欄を利用されたり、覗いたりされてますが、ココは【北朝鮮に対し、最大限の圧力を日本、米国その他自由主義国がかけ続ける】以外の選択肢はありません。韓国は結構だ。どうせアッチだろ。
< 先日の当サイトで、安倍首相が訪問した国一覧が出てて、私が『アフリカ、南米は少ない』とコメントしましたが、ベネズエラがあの通り破綻(笑)。
< やっぱり、いくら在ベネズエラ日本大使を呼びつけ、『河野は間違っている』と非難しても、数日後にドボンですから(笑)、独裁国家に近寄らないに限る。ただ、国連等ではどんなド貧民国でも一票は一票、大型開発プロジェクトでもシナや韓国に軍配上がるのは、ロビー活動と回収不可能な案件でも、取りまくるから。日本も何回も負けているのは悔しい限りです。
< それに比してTPPのメンバー(一部?だが)やはり、いいメンツだし英国入るなら、ウェルカムですね(独は入れないよ)。瀬渡しには威嚇砲撃して下さい。逃げたなら船尾狙えば止まります(笑)。沈か?
< 日本国内に潜む血統的には日本人ながら、日本を貶める議員、有田、逢坂、謝、え?ミョンバク、え?その他ジャーナリスト、評論家、大手新聞屋朝日新聞、貴方がたの発言、行動は厳しく見させて貰います。来年は無いものと思って貰って構わない。