1998年に小渕政権下で韓国と交わされた「日韓パートナーシップ共同宣言」から、今年で20年が経過します。韓国・外交部はこのほど、一方的に「20周年の作業部会」を設置したそうですが、その割に、本当に彼らが日本との関係を改善する意思があるのか、疑わしい限りです。
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欠陥だらけの日韓パートナーシップ宣言
今年は、1998年に、当時の小渕恵三首相と金大中(きん・だいちゅう)韓国大統領(いずれも故人)が「日韓パートナーシップ共同宣言」を行ってから、20年目の節目だそうです。
外務省のウェブサイトによると、この宣言は1998年10月に国賓として来日した金大中大統領との間で合意したもので、できるだけ分かりやすく抜粋・要約すると、
- 21世紀の確固たる善隣友好協力関係を構築していくために、過去を直視し相互理解と信頼に基づいた関係を発展させていく
- 日韓両国は、自由・民主主義、市場経済という普遍的理念に立脚した協力関係を、両国国民間の広範な交流と相互理解に基づいて今後更に発展させていく
- 日韓関係を政治、安全保障、経済及び人的・文化交流の幅広い分野において均衡のとれたより高次元の協力関係に発展させていく
など、合計11項目からなる宣言です。非常に長く、まとまりもなくて分かり辛い文章ですが、私なりに分かりやすく噛み砕けば、「日韓両国は相互信頼に基づき友好関係を発展させていく」ものの、「日本は永遠に過去を謝罪し続ける」、という、何とも矛盾した宣言です。
もし日本と韓国が相互信頼している相手であれば、日本が一度、韓国に謝り、韓国がその謝罪を受け入れたら、過去の清算はそれで永遠にお終い、です。なぜなら日本は法治主義国家であり、法治主義国家においては約束、契約のたぐいを守る必要があるからです。
日韓両国で何らかの合意が取れた場合、それは両国を縛る約束です。決して蒸し返してはなりませんし、それを蒸し返した瞬間、韓国は国としての信頼を失います。
私は、そもそも日本が韓国に謝るような「悪事」などしていないと思います。それでも当時の韓国が「日本が謝ってくれたら気が済む」と言っていて、政治判断として日本が「韓国に謝罪する」と述べたのならば、そのこと自体は、日韓両国が受け入れなければなりません。
それなのに、小渕元首相は、
「両国国民、特に若い世代が歴史への認識を深めることが重要であることについて見解を共有し、そのために多くの関心と努力が払われる必要がある」
などと言い放っているのです。要するに、若い世代に永遠にいわれのない責務を課したのと同じであり、私は小泉元首相が結んだ「日朝平壌宣言」とともに、小渕元首相の手によるこの「日韓パートナーシップ共同宣言」についても、撤回すべきだと考えています。
韓国の一方的求愛
韓国政府、勝手に20周年の作業部会を設置
ところで、この「日韓パートナーシップ共同宣言」を巡り、こんな話題があります。
対日交流活性化へ作業部会=共同宣言20周年で韓国政府(2018/05/28-15:52付 時事通信より)
これは、韓国政府側がこのパートナーシップ宣言から20周年を迎え、日本との「文化、人的交流の活性化策を検討する作業部会を設置した」という、驚きの報道です。当たり前ですが、これに対応する日本政府の動きはありません。韓国側が勝手にやったことです。
時事通信によると、この部会は「2ヵ月以内に提言をまとめ、提言内容の実現に向け日本側と協議する」としています。しかし、日本政府がこれにどう対応するかについては、いっさい報じられていません。時事通信も日本側のメディアであれば、菅義偉官房長官のコメントを取ってくるくらいのことはしてほしいものです。
日本政府、沈黙を守るのが正解
さて、これについては私が調べたところ、現時点で日本政府からの反応は出ていません。ただ、私自身、別に日本政府の意見を代弁する立場にはありませんが、あえて忖度するならば、「沈黙を守る」という姿勢を守るのが正解だと思いますし、実際、日本政府はそうすることでしょう。
外務省の韓国に関する下りを読むと、
「日韓間には困難な問題があるが、これらを適切にマネージし、様々な分野で協力を進め、日韓関係を未来志向で前に進めていくことが重要」
とあります。日韓関係については、まさにこの「マネージ」という言葉に尽きると思います。
現在の日本政府からみて韓国とは、「価値を共有する国」でも「利益を共有する国」でもありません。私の言葉で置き換えるならば、「さまざまな課題が決定的に悪化しないよう、適切に管理する」という相手国に過ぎません。
このように考えていくならば、韓国政府が何か提言してきたら、そのあとで対応する、というスタンスであろうと思われますし、そうした受け身の姿勢が正解です。現段階で日本政府の内部では日韓交流活性化に向けた施策を積極的に立案しようとする機運があるとは考えられませんし、また、そうすべきでもありません。
本件については沈黙を守り、しばらくは様子見で良いでしょう。
韓国の支離滅裂な行動は健在
韓国の「具体的行動」とは?
ところで、朝日新聞あたりは「日韓関係の悪化は日韓双方に責任がある。日本も折れるべきところは韓国に折れるべきだ」などと主張するかもしれませんし、保守論客を中心に、「日韓関係の悪化は韓国に全責任がある。もう韓国のことは放っておけば良い」とする意見もあるかもしれません。
しかし、日韓関係が悪化したことについて、「どちらにどういう原因があるか」、「これを改善するにはどうすれば良いか」という点の主張は異なるかもしれませんが、「日韓関係が史上最悪レベル」にあるという点においては、論者の左右を問わず、衆目が一致しているところであると見て良いでしょう。
友人関係でも何でもそうですが、「相手との関係が悪化している」と思えば、「これ以上関係が悪化するような行為は自重する」、あるいは「関係が好転するような行動を取る」というのが、常識的な人間の取る行為です。そして、これは国であっても同じことです。
日韓関係がこれ以上悪化しないようにしたければ、日本は韓国を、韓国は日本を、それぞれ不必要に刺激しないようにすることは当然の責務ですし、一方的な行為であるとはいえ、「日本との文化交流促進の部会」を設置した韓国政府外交部の姿勢は、ある意味で合理的なものです。
ところが、今月23日、韓国の国会議員が、わが国固有の領土である島根県・竹島に、またしても不法上陸したそうです。「支離滅裂」とは、こういうことをいうのではないでしょうか?
韓国議員の竹島上陸に抗議=外務省(2018/05/28-19:08付 時事通信より)
時事通信の報道によると、この行為に対してわが国の外務省は抗議をしたそうですが、正直、韓国がいったい何をやりたがっているのか、さっぱりわからないと思う日本人は相当に多いのではないでしょうか?
究極の目的は、マウンティング
おそらく、韓国側の究極の目的は、日本に対するマウンティング、つまり「韓国の方が日本よりも精神的には上位にある」ということを、陰に陽に、見せつけることにあるのだと思います。日本に対し、永遠に過去を断罪し、謝罪を求め続ける心理も、こうしたマウンティング行為の一種でしょう。
ただ、最近の日本政府が韓国に対してそっけない態度を取っているため、韓国政府としては、とりあえず、形ばかりの日韓友好を追求しようと焦っている、という見方もできるかもしれません。その結果が、
- 方や韓国政府・外交部が一方的に日韓交流活性化の作業部会を設置する
- 方や国会議員という要職にある人物が日本領に不法上陸というパフォーマンスをする
という、支離滅裂な展開になるのだと思います。
日韓関係は「急がば廻れ」
さて、日韓関係は、1998年の小渕元首相の「日韓パートナーシップ宣言」が1つのピークだったと言えるかもしれません。日本政府内で、「日韓友好」が前のめりになり過ぎ、さまざまな面で日韓友好が推進されたものの、その結果、韓国に煮え湯を飲まされるという歴史を繰り返してきたのです。
たとえば、慰安婦問題を巡っては何度も謝罪し、基金を設立して賠償を行ったにも関わらず、韓国側はあの醜悪な慰安婦像を、ソウルの日本大使館や釜山の日本総領事館前に設置するなど、いまだに日本を現在進行形で侮辱し続けています。
私は以前から、「日韓間には相互信頼に基づく対等な友好関係など成り立たない」と考えています。そうなって来ると、日韓関係を継続するためには「韓国に配慮した関係」か、それとも「韓国をねじ伏せる関係」という、非常に不健全な関係とならざるを得ません。
ただ、私自身の持論は、「日韓関係がここまで不正常なものとなってしまった理由は、日本にもある」、というものです。『新版「日韓関係のトータル・ソリューション」を考察する』などでも議論しましたが、韓国に日韓関係を破壊するネタを提供する勢力が、日本国内に存在しているのも大きな問題なのです。
日韓関係とは日本国内の病状を映し出す鏡であり、望ましい日韓関係とは、「急がば廻れ」、です。まずは日本が最低限の自衛力を行使することができるようになること、次いで日本国内の反日勢力(とくに朝日新聞社と日本共産党)の影響力を削っていくことこそが必要です。
本来の日本には、朝鮮半島、中国、ロシアなどは相手にならないほどの実力があります。対馬海峡で朝鮮半島、中国、ロシアと対峙するだけの勇気を、そろそろ私たち日本人は取り戻すべきではないでしょうか?
View Comments (5)
< 昼刊発信ありがとうございます。そういや小渕っていう首相いましたね。新年号『平成』と色紙に書いて映ってた人。それぐらいしかイメージ無かったんですが、『日韓パートナーシップ共同宣言』とやらの毒饅頭、喰わされていたとは驚き。忘れてました(どうでもいいが群馬県は小渕恵三、中曽根康弘といい、福田赳夫、福田康夫と総理総裁を輩出しているが、お隣県のように地元利益還元型ではないですね。それと中曽根氏以外は2年以下の短命内閣)。
< 1998年のパートナーシップの文言自体癇に障るわ。『過去を直視し、相互理解と信頼に基づいた関係~』という事は、日本は過去をずっと反省せよですか。小渕さん、失礼ながら短命内閣で良かった。『特に若い世代が歴史の認識を深める』なんて、今の世論では有りえないです。貴方も晩節を汚すところだった。
< また竹島に上陸する韓国国会議員がいるとは、看過できません。国が大変な【瀬戸際外交】してんのに、何を考えてるのか。価値も利益も共有しない隣国なんだから、『パートナーシップ宣言20周年』などで求愛してきたら、『追って沙汰する』でいいのでは。何もしない。国内の親韓議員だけマークで宜しいと思います。
< マウンティングしてくる国など追っ払えばいいんです。そっけなくする。相互関係による平等な友邦にはなりえないんですから、釜山や済州島に紅旗翻ろうが、日本は対馬、竹島、日本海を護る軍事力を持てば解決します。版図がシナグループになろうが、所詮独立民族ではない、他人頼りの朝鮮人が住んでいる国など一朝あらば蹴散らしましょう(侵略ではありません)。
< 失礼します。
いつも知的好奇心を刺激する記事の配信有難うございます。
たまには知的遊戯の為に韓国サイドで書いてみましょう。
祝、日韓パートナーシップ20周年(笑)。
管理人様>過去の清算はそれで永遠にお終い、です。なぜなら日本は法治主義国家であり、
管理人様>法治主義国家においては約束、契約のたぐいを守る必要があるからです。
管理人様や普通の日本人には上記の通りですが、韓国様にとってはこうです。
過去の清算は永遠に「必要」です。何故なら韓国と日本は「朱子学的儒教」国家であり、
上位の「徳」治国家である韓国様に下位である「奴隷」国家である日本蹄獣は「永遠に隷属」する必要があるからです。
具体的には今年100歳を迎えた頭文字がBだかNだかで始まる○カソネサンとその前の時代の様に、
日本の最先端の技術や製品は全部韓国様に差し出さねばいけません。
各種核兵器や空母、たくさんの核ミサイル搭載ステルス衛星とその制御システム(宇宙条約?それ美味しいの?)そういったものを4セットづつ作って韓国様に無償で差し出しましょう。
何故4セット?これくらいあれば、韓国様がメンテをいー加減にやって3つ壊れても・・・
「多分1つぐらいは動く」からです。
勿論1兆ドル以上の日本の外貨準備高は総て韓国様のものです。通貨スワップは不要です。
次に○カソネサンが藤尾文部相を更迭したように韓国様が要求すればいつでも誰でも日本人を首にしなければいけません。
AKBだかABEだか忘れましたが、「今の極右首相は即クビ」です。
後は朝鮮半島以外の韓国様固有の領土を日本が自らの責任で取り返さなければなりません。
具体的には中国、ロシア、アメリカ、ヨーロッパの大部分などです。
韓国様に邪魔なそこの住人(男共)を皆殺しにして有形無形の財産を総て韓国様に差し出さねばいけません。
え、アメリカ以外の全世界が総がかりでアメリカ相手に戦争してもアメリカが必ず勝つ?「大和魂とド根性で」アメリカに勝ってください。
さて、米中露欧に勝利できれば韓国様の世界永続支配は間近です。
韓国様が世界中の人間を騙せるように文字が読める若しくは繰り上がり、繰り下がりの計算が出来る人間を皆殺しにしましょう。
韓国様が「論理で常に他人を騙せる」知的レベルなら上記の脚切り線は譲れません。
え、当方がコメントを「書いて読んでいる」?大変だ。当方も「すぐお墓へ・・(Dead End. 笑)」
脳内遊戯終了。
この世界で韓国人が現代の技術文明を何年維持できるのやら(笑)
流石モンゴルに圧迫されたときに南宋で発達した朱子学です。
書いていてアレというか・・・、精神病院直行して脳内検査必須のコメントになりました。
駄文失礼しました。
90年代は韓国にとって日本は一番都合のいい時期でした。
政治的パイプもあって今の自民の額賀さんのような方が
「特別な配慮」をしていました。
韓国は日本にそのころ(パートナーシップ協定の都合のよい日本)に戻ってほしいのです。
文大統領がよく使う、政経分離だとかツートラック戦略というのもその頃の懐古からきていると思います。
その後、いつだったか安倍総理が特別な配慮はもうしないと述べたのは印象的でした。
毎日の情報ありがとうございます。私は群馬県人なので多くの総理大臣を輩出していることは誇りなんですがその割に地元の恩恵ってあまり感じてないです。全国の人気ランキングも下の方で隣の栃木県と競ってますしね。短命の総理大臣が多いのは県民性?なんだか粘りがないみたいです。欲がない?ガッツがない?>あっ、これは自分のことでした。戦国時代も周りの大物大名の草刈り場みたいな感じで周りをやっつけるような大物がいなかった出なかったみたいだし。日本の真ん中にあるのに。かかあ天下で有名になちゃってますがご多分にもれず我が家も>妻は会計事務所で仕事まだ頑張って稼いでいます。頼りにしてます。群馬県人ではないのが残念な安倍さんですが日本の国益のために私心をすてて歴史に残る総理大臣の更なる活躍をライブで見てみたいです。
まあ、正直言って、韓国の経済関連の考察はともかく、もはや政治・文化関連の事柄は「知的」好奇心を要する様な事柄では無い様な気もしますがねw。
痴的好奇心というのがぴったり。