【夕刊】韓国のリーガル・リスクは高すぎる

先日も『【速報】朴槿恵氏に有罪判決』で触れたとおり、韓国の朴槿恵(ぼく・きんけい)前大統領に対し、金曜日、有罪判決が下されました。韓国という国は非常にリーガル・リスク(法的リスク)が高い国だということを、いわば全世界に見せつけた格好となっています。本日は少し視点を変えて、「リーガル・リスク」という点から日韓関係を考えておきたいと思います。

韓国はリーガル・リスクの塊

法治国家の原則をかなぐり捨てた韓国

先日、『【速報】朴槿恵氏に有罪判決』で触れたとおり、韓国の朴槿恵(ぼく・きんけい)前大統領に対し、金曜日、有罪判決が下されました。罪状は、彼女の個人的友人である崔順実(さい・じゅんじつ)氏に国家機密を漏洩していたなどの「国政壟断事件」が中心ですが、それだけではありません。

朴槿恵氏自身が企業に対して賄賂を要求したとうい収賄容疑や、大統領としての権限を悪用した職務乱用など、検察が求刑していた18件の容疑のうち16件を有罪と認めた、ということです。実に懲役24年の実刑判決と日本円に換算して18億円もの罰金が言い渡されました。

ただ、検察側が裁判所に提示した証拠については、証拠力が非常に弱いものや、法的根拠があいまいなものもいくつか見られます。とくに、権限乱用など、通常の先進国では有罪にするのが難しいのではないかと思える罪状についても、韓国の裁判所は有罪判決を下したのです。

法治主義国家においては、とくに刑罰を課す場合、絶対に守らなければならない鉄則が、2つあります。

1つ目は、「罪刑法定主義」です。これは、国が個人に刑罰を加える場合、「法律に書いていない罪」を加えることはできないというものです。北朝鮮のように、独裁者・金正恩(きん・しょうおん)の気分次第で殺害されるようなことは、法治主義国家においては許されません。

2つ目は、「遡及効の禁止」です。これは、ある行為を犯罪とする法律が成立した場合、その法律が成立する前の行為を犯罪として裁くことはできないとするものです。

しかし、韓国はこの2つの鉄則を、完全に破りました。朴槿恵氏に対する有罪判決は、あきらかに罪刑法定主義を犯すものです。また、韓国には「親日派の子孫を罰する」という法律を作った前科がありますが、これは遡及効の禁止を犯すものです。

もはや韓国が法治主義国ではなく、下手をすれば北朝鮮や中国と同じ、権力者の気分次第で罰せられる、日本とは似て非なる社会になったことは明らかです。

中央日報の「掌返し」

この朴槿恵氏に対する判決について、韓国国内の「保守派メディア」を自称する『中央日報』(日本語版)が昨日、興味深い社説を公表しています。

【社説】正しい権力は時代の使命だ=韓国(2018年04月07日10時53分付 中央日報日本語版より)

リンク先の記事は中央日報にしては長文ですが(笑)、論理性のなさはいつもどおりです。ただ、朴槿恵政権が始動して以来、韓国のメディアは朴槿恵氏を、さまざまな観点から褒めそやしていました。

たとえば、朴槿恵氏は2013年4月に米国を訪問後、2番目の訪問国として中国を選びましたが、これを「米中両国を味方につけて歴史を反省も謝罪もしない日本を叱り飛ばす朴槿恵」の外交力を褒め称えました。

しかし、やはり「水に落ちた犬を徹底的に叩く」という国民性なのでしょうか、この社説は朴槿恵氏が汚職などの犯罪を行ったという前提で執筆されているように見受けられます(もっとも、社説の中には、「誤謬と偏見の判決という批判(がある)」と指摘するなど、いちおう、バランスを取っているようですが…)。

批判覚悟で言うならば「自業自得」

もちろん、ほぼ言い掛かりに近い罪状で大統領を罷免され、懲役24年という途方もない罪を負わされた朴槿恵氏のことは、客観的に見て気の毒だとも思います。しかし、朴槿恵政権時代に日韓関係の悪化がさらに進んだことを考えるならば、1人の日本人としては、彼女にはあまり同情できません。

それよりも、同様に検察当局に逮捕・拘留されている李明博(り・めいはく)元大統領に対しても、同じような運命が待っているのかと思うと、なんとも呆れてしまいます。

韓国では、1988年の民政移管後、盧泰愚(ろ・たいぐ)元大統領を含め、7人の大統領が輩出されています。しかし、少なくとも金泳三(きん・えいさん)以降の大統領は、「親中派」か「親北派」かという特徴はあれども、全員一致している共通点があります。それが、「反日」です。

たとえば、故・金泳三元大統領は、1995年に江沢民(こう・たくみん)中国国家主席(当時)の前で、日本を「ポルジャンモリ」と罵りました。これは、朝鮮語の単語で、目上の人間が目下の人間を叱りつけるときの罵倒語だと伝えられています。

また、故・金大中(きん・だいちゅう)元大統領は日韓W杯開会式で天皇陛下に対し無礼を働きましたし、故・盧武鉉(ろ・ぶげん)元大統領は有名な反日派で、徹底的に日本を侮辱しました。

また、「日本海」の呼称を「東海」と言い換える運動を全世界に展開するなど、日本を貶めるサイバー団体が設立され、活動が活発化したのも、両元大統領の時代だったとされています。

VANKが「日本海」拡散阻止運動を開始(2002年12月31日12時49分付 中央日報日本語版より)

こうした「反日」に傾き過ぎた韓国社会を戻す役割を果たせるのが、本来、「保守系」を名乗っていた政治家です。李明博元大統領、朴槿恵前大統領は、ともに自他ともに認める保守派政治家であり、せめて日本との関係を好転させる努力をしていたならば、私もこの両名に同情くらいはしたかもしれません。

しかし、李明博元大統領が実際にやったことは、あまりにも日本をバカにしています。時の野田佳彦首相を騙して「日韓通貨スワップ(BSA)協定」を700億ドル規模にまで拡大させ、その後、島根県竹島に不法上陸し、天皇陛下を侮辱する発言を行い、いわば通貨スワップを「食い逃げ」たのです。

また、朴槿恵前大統領に至っては、わが国の安倍晋三総理大臣との首脳会談を拒絶。就任後1年も経過した2014年3月に、ようやく「日米韓3ヵ国会談」が実現したものの、朴槿恵氏は韓国語で話しかけた安倍総理を無視するなど、徹底的な非礼を働きました。

さらに、朴槿恵氏は2015年11月、日中韓3ヵ国首脳会合で訪韓した安倍総理に対し、晩餐会どころか昼食会すら開催しないという非礼を見せつけました(※ただし公平のため、これは「むしろ安倍総理が断った」とする報道もある点については申し上げておきましょう)。

正直、歴代大統領が親中なのか親北なのかは知りませんが、「日韓関係を悪化させること」だけには執心していたことは間違いなさそうです。

日韓関係は落ち着きどころを探る

私は、朴槿恵氏の裁判がこれで結審するとは思いません。ただ、現段階で見る限り、韓国は法律の運用面においては先進国ではないことが、改めて明らかになったと言わざるを得ません。

朴槿恵氏にあれほどいい加減な罪状で有罪判決を下してしまうような国ですから、日本企業が遡及効により戦時損害賠償を求められる可能性は極めて高まったとも言えます。要するに、リーガル・リスクが高すぎるのです。

もちろん、どこかのネトウヨが主張する、「今すぐ日韓断交」という感情論は、生産的ではありませんし、現実的でもありません。しかし、少なくともまともなビジネスマンであれば、「こんな国とはお付き合いするのは嫌だな…」と思うはずです。

実際、『【再】日本人ビジネスマンの8割「韓国不要」ほか』でも触れたとおり、2015年秋時点で日本人ビジネスマンの8割が韓国を「嫌いだしビジネス上も不要だ」と答えたとする調査結果もあります。やはり落ち着きどころとしては、日本の側からはこの国とのお付き合いを徐々にフェード・アウトしていくというのが自然な流れでしょう。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. とらじろう より:

    正直、右翼と呼ばれるほど愛国者でもないが、中韓の一方的な日本断罪に反発してネットの掲示板に書き込んでいる人が多いのではないかと思います。
    そもそも「ネトウヨ」という言葉、日本語が変だし本当に日本のネット発祥なのでしょうか?

  2. 一日本人 より:

    韓国は無くなると思います
    この2〜3年を振り返っても、話題に事欠きません

    韓国人国連事務総長、任期満了で退任
    サードミサイル問題
    日韓軍事協定
    日韓慰安婦合意
    慰安婦像問題で日本側は態度を硬化、スワップ協定廃止
    ローソクデモ
    金正男氏の暗殺
    朴槿恵氏の大統領解任
    サムスンの売り上げがIntelを超える
    韓国人の就職難が日本マスゴミに取り上げられる

    ここにある出来事は、全て、韓国消滅の直前段階をしめすものと見ています
    個人的見解として、サードミサイルだけが、韓国の中国属国化や北朝鮮による赤化統一を防げそうな感じです
    たぶん、これを実現したくて前事務総長氏は朴槿恵前大統領をはじめ、韓国社会の了解をまるで取り付けないまま、サードミサイル配備を強行したのではないでしょうか

    また、サードミサイルの運用には極東米軍の司令部である横田、沖縄からの管制が不可欠ですから、日本を含めた軍事協定を事前に結んでおき、運用に支障が出ないようにする必要があった

    ところが、長年反日で煽ってきた韓国社会を納得させるためには日韓慰安婦合意のような餌が必要で、日本はこの点でババを引かされたと感じます

    もちろん、翌夏のオバマ氏広島慰霊祭参加や、安倍総理のハワイ訪問などで日本のメンツを立てる策も講じてはいますが、韓国のサードミサイル問題のため、日本が不名誉を被った事は残念です

    この、サードミサイルだけが韓国の中国属国化、あるいは北朝鮮による赤化統一を防げる方策でしたから、その当時の大統領を潰し、推進した前事務総長はスキャンダルで黙らせました
    あれほど、天使とか言われていた朴槿恵氏を潰した背景が今回のテーマ、遡及効だと思います
    韓国では日韓慰安婦合意の破棄を求める声が強いそうです
    まさに遡及効ですが、これが韓国社会で勝手に通れば、日韓軍事協定も韓国側の一方的な主張により廃止となります
    この時点で、サードミサイルが韓国に配備されていても、日本からのミサイル管制の正当性、法的根拠が消滅し、ミサイルは利用不可能となります
    サードミサイルによる敵ミサイルの迎撃構想は、それ自体がネットワークです
    法的に正当性を持たないネットワークは、アメリカ軍といえども運用できない
    そのため、サードミサイルを配備しつつ、日本と断交する事で、北朝鮮と中国を表面上納得させるのが韓国の短期的な目標になると思います

    だから韓国側はとにかく難癖つけて日本側を刺激してくるでしょう
    また、そのとき、取り付く島もない冷静な安倍総理麻生副総理では手に負えないため、日本マスゴミを総動員して、政権転覆を狙っています
    その意味で、中国の経済支配と統一問題を餌にした北朝鮮による韓国への揺さぶりは敵ながら見事だと思います

  3. めがねのおやじ より:

    < 夕刊の配信ありがとうございます。
    < 何でも覆る国、何でもありの国、無茶苦茶の国、人心乱れて当然の国。韓国にはビジネスであれ学術であれ国家間であれ、まともなお付き合いは一切出来ませんね。遡って刑罰与えれるなら、恐ろしくて韓国民も安住出来ない。小金貯めて米国他に逃げ出しますよ。ましてや日本企業など、いつ戦時の言いがかりをつけられるか、いつ今の日韓関係をダシに、ペナルティを言い渡されるか、分かったもんじゃない。彼らはウエとシタの関係、甲乙しかない。公平公正平等の意識など、ないんです。特殊な延世大学の保坂氏など反日 日本人モドキだけ残ってればいい。
    < ボチボチではなく、手早く韓国から撤退する事を日本企業、在韓日本人にはオススメしたい。いつ『日本人』という事だけで、拘束されるか、十分あります。また『懸案の日韓関係』など、すべて冷たくあしらう、関係のない隣国で良いと思う。少なくともそれが日本国の為になります。いわば『誅韓論』です。
    < 訪日客も昨年比25%増で推移しているようですが、ビザ免除プログラムの縮小〜廃止を政府は行ない、犯罪者・予備軍の遠征を断ち切って欲しいです。
    < 失礼します。

  4. りょうちん より:

    リーガルマインドといえば、サムスンの自社株誤分配事件は、象徴的ですよね。
    現代の両班とも言えるサムスンの正規社員が、誤分配だとわかっていながら平気で自社株を売り抜けようとする神経w。
    もっとも韓国の場合、エリートから腐っていくのが通常運転なのかも。

  5. 迷言 より:

    菅直人:三権分立とは憲法のどこにも書いていない …

  6. 団塊 より:

    韓民国のリーガルリスク…なんだろう….韓民国の法的リスクでしたか。朴クネ大統領の親族を殺しただけでなく朴大統領を逮捕し無実の罪を押し付けた判決は「韓民国は裁判に法律なんか関係ない」「何がなんでも朴大統領は有罪、財産没収」と喚きたて「韓民国は無法地帯である」と大音響で世界中に喚いている。
    ….こりゃあいかにアメリカを代表する巨大企業GMでも逃げ出すわな。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告