今年も日韓関係は年初から波乱含み
例年の新春は、普段は議論できない経済の話題などをじっくりと議論したいと思っているのですが、今年に関しては、先にこの話題を議論しておきたいと思います。それは、昨年暮れの続きで、「東アジア外交」について、です。
目次
東アジア外交が大きく動く!
まだ新春ですが、さっそく、昨年からの続きを議論したいと思います。それは、「東アジア新秩序」について、です。
昨年暮れには、韓国政府が設置した、「2015年12月の日韓慰安婦合意」について検証するタスクフォース(TF)の検証結果が発表され、日韓両国のメディアはこの話題を大きく取り上げました。
しかし、こうした話題の裏に隠れて、北朝鮮危機は、依然として続いています。
幸いながら、私が昨年、『12月18日が晴天ならば北朝鮮奇襲か?』の中で提示した「12月18日攻撃説」の予想は外れましたが、それでもこの冬の間に、米軍が北朝鮮に奇襲攻撃を掛けるリスクは続いていると考えています。
今年の官庁は1月4日(木)が「仕事始め」です。
私はまず、「仕事始め」直後の1月5日(金)、あるいは1月8日(月)あたりに、日本政府が再び韓国に対する対抗措置を取るのかどうかに注目していますが、課題はそれだけではありません。
不気味な動きを見せる中国への対処も必要です。
こうした中、中国、韓国、北朝鮮について1度に論じるのは難しいので、本日は韓国と中国に限定して、年初の動き、あるいは日本として必要なことがらについての分析を綴っておきたいと思います。
韓国の盛大な自爆に日本政府はどう対応するのか?
慰安婦合意TFをカードにした安倍政権
韓国は、法的には法治主義、自由主義を標榜する民主主義国家です。しかし、現実には、日本との間で交わした国際的な約束を守らない国でもあります。
その最たるものは、昨年暮れに出てきた「慰安婦合意検証タスクフォース(TF)」です。
このTFの内容と意味については、昨年もずいぶんと議論しましたが(その具体的内容や私自身の見解については『慰安婦合意TF:自ら墓穴を掘った韓国政府』や『慰安婦合意TF、韓国メディアの「逆切れ」』あたりもご参照ください)、私にいわせれば、このTFは韓国政府が自ら墓穴を掘ったものであると考えています。
というのも、そもそも、日本との間の外交交渉で成立した合意を韓国国民に納得させる責任があるのは、韓国政府だからです。
いや、それどころか、「韓国は国際的な信義則を破って、外国との外交文書をたった2年で公表してしまう、信頼できない政府だ」という意味で、いまや日本政府は、韓国政府の不道徳を糾弾する立場にあるのです。韓国風にいえば、「加害者は韓国政府、被害者は日本政府」です。
また、TFの検証結果は、ざっくりいえば、「当時の韓国政府の対応がいかに悪かったか」を糾弾する内容です。つまり、「韓国国民には知らせていない裏合意がたくさんあった」、「韓国政府が求めた『不可逆的な謝罪』が、最終的に『不可逆的な解決』に変化てしまった」、といった代物で、いずれも日本政府にとっては実質的に痛くも痒くもありません。
つまり、日本政府にとっては「TFを公表されたことにより、実質的には痛くも痒くもないにもかかわらず、被害者面して韓国政府を糾弾する立場」を得た格好だとも言えます。
安倍政権が2015年12月28日時点で、今日のような姿になることを予想して、あの合意を主導したのだとしたら、大した先見の明です。ただ、実態はむしろ、安倍政権がそこまで完璧に予想していたのではなく、単に韓国政府が日本政府の予想を上回るほど愚かだったというだけのことではないかと思います。
気付けば外交カードがこんなに!
では、日本政府は韓国政府に慰安婦合意を守らせるために、どのような措置を考えているのでしょうか?
正月休みが明ける4日以降、日本政府が取り得る措置を列挙しておくと、知らぬ間に外交カードが非常に増えていることに気付きます。その1つが、平昌(へいしょう)冬季五輪です。
まず、韓国政府は現在、安倍総理に対して平昌五輪への参加を強く要請していますが、これは韓国が国家的威信を賭けている国際イベントだからでもあります。よって、安倍総理が韓国に行くのか、行かないのかを、五輪直前まで表明せずに留保するだけでも、韓国政府に対する大きな心理的圧迫材料に使えます。
また、平昌五輪で議論するならば、選手の皆様には大変申し訳ないのですが、日本が冬季五輪そのものに参加しないという選択肢もあり得るでしょう。しかも、「北朝鮮との軍事的衝突リスクが高まる中、平昌は北朝鮮から80kmしか離れておらず、選手団の安全が確保できないから不参加にする」とでもいえば、日本国民の理解も得られるはずです。
つまり、日本には平昌関連で、すでに2つも外交カードが手に入ってしまっているのです。
それだけではありません。
韓国メディアによると、現在、駐韓日本大使の一時帰国措置が再び発動されるのではないかとの警戒が広がっているようです。私個人的には、米軍による北朝鮮攻撃のリスクがかつてないほど高まっている中で、駐韓大使の帰国措置は発動すべきではないと考えていますが、重要なのは「韓国政府側が日本の大使の一時帰国措置発動を恐れている」という状態そのものです。
大使の一時帰国措置の可能性があると報じたのは読売新聞だそうですが(※ただし、私はその原文を確認していません)、これが事実であれば、安倍政権が読売新聞を使って観測記事の形でわざとリークしたのかもしれません。これはなかなか賢いやりかたです。民間報道機関に報道させることで、公式には「言った、言わない」を明らかにせずに、韓国に心理的圧迫を加えることができるからです。
ほかにも、日本独自の措置として、日韓間の往来について、たとえば外務省の「海外安全情報」を通じて、韓国全土に「渡航延期勧告」などを発動する、韓国国民に対する観光ビザ免除プログラムを変更する、など、実効性のある制裁措置はいくらでもあります。それも、本当にそれらを発動するのではなく、「発動するかもね」と示唆するだけでも、相当の圧迫効果があります。
さらに、韓国政府が「慰安婦合意を守る」と確約すれば、韓国が懇願して来た「日韓通貨スワップ協定」の再開をチラつかせるのも手でしょう(※ただし、私は日韓通貨スワップ協定を再開することそのものには反対ですが…)。
つまり、日本政府は韓国に対して、たとえば、
- もし韓国政府が慰安婦合意を破棄するならば、大使の一時帰国措置や韓国人向け観光ビザ免除プログラムの変更に踏み切るぞ
- もし韓国政府が慰安婦合意を破棄するそぶりをみせれば、安倍総理が平昌を訪問しないどころか、日本は平昌五輪そのものをボイコットするするぞ
- もし韓国政府が慰安婦合意を絶対に守ると確約すれば、日韓通貨スワップ協定の交渉を再開してやっても良いぞ
など、さまざまなパターンの圧迫を加えることができます。
現在の日本には一方的にたくさんの外交カードを持っている状況なのです。これを有効活用すべきです。
日本外交の正しい姿とは、「慰安婦合意のゴールは1ミリたりとも動かない」という姿勢を堅持し、韓国政府に対してひたすら「慰安婦合意を誠実かつ着実に履行しろ」と言い続け、必要に応じて潤沢にある外交カードを1枚ずつ切っていくだけで良いのです (※)。
(※もちろん、私個人的には韓国側から慰安婦合意を破棄させるのが理想だと思っていますが、ここではその議論はひとまず置くことにしたいと思います。)
朝鮮半島有事の対応は頭が痛い問題だ
では、これに対して韓国側は、日本に対して外交カードを持っているのでしょうか?
じつは、韓国側は日本に対し、めぼしいカードを持っていませんが、数少ないカードをあえて1つ挙げるとすれば、「有事協力カード」があります。
これは、「朝鮮半島有事の際に、日本人を含めた在留外国人の安全をどう確保するかの協議に応じること」ですが、これも「外交カード」というよりは、「諸刃の剣」です。
確かに日本政府としては、在留邦人らに対する安全確保は、頭の痛い問題です。
外務省のウェブサイトによると、韓国に滞在する「永住者」と「長期滞在者」の合計は38,045人(2016年10月1日時点)です ((このうち永住者は10,261人、長期滞在者(3ヵ月以上の海外在留者であって、いずれわが国に戻る邦人)は27,784人)) 。
また、韓国観光公社のウェブサイト(※韓国語)によると、1ヵ月当たりの日本人の入国者数は、平均20万人弱であり、この入国者の多くは短期滞在の観光客などであると考えられます ((もっとも、韓国はトランジット目的の仁川国際空港利用者を入国者としてカウントしている疑いがあり、これについては当ウェブサイトでも、『韓国観光統計:中国人に飲み込まれる韓国観光』などで指摘しています。)) 。そして、代表的な韓国旅行のパッケージ・ツアーは2~3日と短く、訪韓日本人観光客の平均滞在日数も2~3日であると考えると、1日当たりの滞在人数は平均2万人程度でしょう。
つまり、韓国に常時、日本人が6万人前後、滞在している計算です。
韓国国内の人口分布から考えると、そのうち少なくとも半数の約3万人が、ソウル市およびその近郊に滞在していると見るべきですが、ソウル市は北朝鮮国境からわずか40km程度しか離れておらず、北朝鮮の砲門は人口密集地帯であるソウル市周辺に向けられていると考えられます。
仮に戦端が開かれ、北朝鮮が韓国に向けて一斉に射撃をすれば、少なくない犠牲者が生じるかもしれませんし、戦闘の混乱で現地滞在邦人との連絡が取れなくなる事態も考えられます。
しかし、これは日本だけの問題ではありません。欧州、豪州などからも、外国人がやってきて、韓国に滞在しているからです。
ということは、朝鮮半島有事に際して、地理的に最も近い日本政府に対し、欧州連合(EU)や豪州から自国民の救援要請が寄せられる可能性もあるのです。
したがって、韓国政府が有事の際の軍事協力について、日本との協力を拒み続ければ、そのこと自体、韓国がEUや豪州などからも批判を浴び、世界中の先進国をも敵に回しかねないことを意味しています。
その意味で、この問題は韓国政府にとっては「外交カード」ではなく、「諸刃の剣」ともなりかねないのです。
貧すれば鈍する
そして、「有事協力」以外の日本に対する外交カードを、韓国政府はほとんど持っていません。
いや、それどころか、韓国は1948年の建国以来、かつてないほど、日本の協力を必要としているのです。
理由は非常に簡単。文在寅(ぶん・ざいいん)政権が、米国と中国を同時に敵に回してしまったからです。
厳密に言えば、中国については「怒らせた」というよりも、「軍門に下らされてしまった」と表現した方が良いでしょう。
文大統領は中国に対し、昨年11月、一方的に「三不」を表明させられました。これは、
「▼高高度ミサイル防衛システム(THAAD)を追加配備しない、▼米国のMD(ミサイル防衛システム)に参加しない、▼日米韓3ヵ国軍事同盟を締結しない」
という3本からなる一方的な約束事です。
これに加えて12月の訪中では、習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席との間で、次の4つの原則に合意しました。
- ①朝鮮半島での戦争は絶対に容認しない
- ②朝鮮半島の非核化原則を確実に堅持する
- ③北朝鮮の非核化を含むすべての問題は対話と交渉で平和的に解決する
- ④南北間の関係改善は最終的に朝鮮半島問題を解決するのに役立つ
これは、米国を激怒させるに十分な内容です。
というのも、米国は中国との間で、「北朝鮮が先制攻撃して来たならば、米国が非核化のみを目的とする限定的な北朝鮮攻撃を行っても、中国は中立を維持する」という約束事ができていたからです(これについての詳細は『「北朝鮮攻撃」で問題は解決しない』の中の『朝鮮半島有事における米中談合は終わっている?』あたりをご参照ください)。
米国にすれば、「韓国ごときが中国と勝手に戦争についての約束をするな!」とでも言いたい気持ちでいっぱいなのではないでしょうか?
それだけではありません。
米国に関していえば、昨年11月にドナルド・トランプ米大統領が訪韓した際、文在寅氏が米軍基地に「サプライズ」で勝手に押しかけ、トランプ氏が激怒したとのうわさもあります。
さらに、晩餐会では日本近海でしか取れないはずのトヤマエビを「独島エビ」と勝手に名付けて料理に出し、米国側に調整もなく、自称元慰安婦を招いてトランプ氏とハグさせるということをやってのけました。
(※余談ですが、このトランプ氏の訪韓はネタばかり豊富ですが、韓国メディアの社説はあまりにもピント外れであり、これに関する私自身の感想は『不覚にも素直に凄いと思ってしまった…』にも綴っています。よろしければご参照ください。)
ここまでやらかしておいて、米国が韓国を「信頼し得る同盟国」として扱うと考える方がおかしいでしょう。韓国政府もそれを理解しているためでしょうか、日本に米国との橋渡しを期待している節もあるのです。
頼みの綱は日本だけ!
韓国はもともと、経済的には日本に、軍事的には米国に、それぞれ強く依存してきた国です。しかし、近年、経済面での中国依存が急激に深まっている状況です。
現在、韓国経済の内訳を分析すると、日本と比べて貿易依存度(貿易高÷GDP)が極めて高く、とくに輸出依存度については40%前後に達しています。その中でもとくに重要な輸出先は中国ですが、2015年のデータで見て、GDPが1.4兆ドルしかないのに、中国に対する輸出高はその10%、約1400億ドル程度に達しているのです。
ただ、金融面で見ると、韓国は中国ではなく、日本に依存しています。
韓国は自国通貨が国際金融市場で通用しておらず(いわゆる「ソフト・カレンシー」)、外国との経済活動を行うためには、外貨(とくに米ドル)が必須です。それなのに、韓国国内には国際的な大規模金融機関(いわゆるG-SIBs)が1社も存在しておらず、外貨調達は専ら日本の金融機関に依存している状況です。
つまり、国家としての存立基盤を、国防面では米国に、経済面では中国に、金融面では日本に、それぞれ深く依存している状況にあります。
先ほど指摘したとおり、韓国は中国に属国として組み込まれつつある一方で、米国を激怒させる言動を繰り返しており、このままでいけば、米韓同盟の将来すら危うい状況にあります。
韓国が米韓同盟を維持するためには、米国との橋渡しが必要です。その橋渡し役として韓国が期待している国こそが、日本です。
逆に言えば、韓国が日本から切り捨てられれば、米韓同盟も破棄され、金融面でも非常に危うい状況に陥りかねない、ということです。
もちろん私は、日本政府が直ちに日韓断交に踏み切るとは考えていません。日本政府のことですから、粘り強く最後まで韓国との国交を維持しようと努力することでしょう。2015年12月の日韓慰安婦合意も、「最低限、日本として譲れるところ」まで譲ってあげたものであり、日本としての温情と見るべきです。
しかし、現在の韓国政府や韓国の言論界に、そこまでの危機意識は感じられません。
いやむしろ、「どうせ日本は最後の最後で韓国を助けてくれる」、とタカを括っているところすらあるのです。
その証拠が、韓国の「保守派メディア」の代表格である東亜日報が昨年暮れに掲載した、次の社説です。
文大統領「韓日合意は重大な欠陥」…安倍首相「合意1ミリも動かない」(2017/12/29 11:17付 東亜日報日本語版より)
この社説の詳細については、すでに『安倍政権は東アジア秩序の再構築を目論む?』の中の『開いた口がふさがらない東亜日報社説「日韓関係はどうなってもよい」』で触れているので、詳しくは繰り返しません。社説の最後にある、次の文章だけ、再度引用しておきましょう。
「日本が韓日関係がどうなってもいいという態度に出るなら、韓国が執着する必要はない。」
要するに、日本は韓国の事情を「忖度(そんたく)」して、多少のことは大目に見ろ、それすらできないならば韓国は日本との関係を終わらせるぞ、という、一種の「脅し」です。
東亜日報の考え方が現在の韓国の政権と近い立場にあるとは思いませんが、これは韓国社会に蔓延する「日本に対する甘え」が凝縮されているような文章です。
私はあえて、この言葉をそっくりお返ししたいと思います。
「韓国が日韓関係はどうなってもいいという態度に出るならば、日本は韓国に執着する必要はない。」
と。
中国リスクへの警戒が必要だ
中国が事態に介入
韓国の慰安婦合意TFについては、正直、私の中では「韓国は自分で墓穴を掘った」という結論でおしまい、です。
「日本が憎い」、「日本との慰安婦合意は納得できない」――。そういった韓国国民の国民感情に照らして、慰安婦合意について文句を言いたければ、韓国国内で文句を言う分には勝手にやっていただければ良いと思います。しかし、日本としてそれを受け入れる必要性など一切ありません。
日本としては韓国に対し「慰安婦合意を守れ」と言い続けるだけで良く、かつ、必要に応じてカードを1枚ずつ切ればなお良し、です。
ただ、ここで警戒しなければならない要素があります。それが中国です。
昨年末、こんな報道が出ています。
慰安婦、日本が対応を=中国(2017/12/29-19:18付 時事通信より)
時事通信は中国外務省の華春瑩(か・しゅんほう)副報道局長が、今回の日韓両国の対立については「日本が対応すべき課題だという認識を強調した」と報じています。
これについては、実はとても警戒しなければなりません。
なぜならば、中国政府は現在、「朝鮮人慰安婦問題」を日本に対する歴史カードとして積極的に使い始めているからです。
従来、中国政府が日本を貶めるために利用していた材料とは、「南京大屠殺」(※)です。
(※日本では「南京大虐殺」として知られていますが、正しい中国語の表記は「南京大屠殺」です。こちらの表記のほうが、より残虐性が強調されるように思うため、中国における日本糾弾の動きを正しく掴んで頂くためにも、私はあえて、中国風に表記することにしています。)
しかし、残念ながら、世界はこの「南京大屠殺」に、それほど注目してくれません。
なぜなら、80年も前の「戦争犯罪」であり、証拠も乏しく、また、「屠殺」されたといわれる人数は30万人に「過ぎない」からです。むしろ世界の目は、それよりも、広島・長崎の原爆の残虐性にこそ注目してしまうのです。実際、英米メディアなどを読んでいても、南京大屠殺については、中国に対して冷ややかな論調が目立ちます。
そこで、習近平政権としては、南京大屠殺については徐々にフェード・アウトし、これに代わって日本を貶めるための題材を探している節があります。
これこそが、「従軍慰安婦事件」なのです。
20万人という被害者の人数もさることながら、戦場における性奴隷という「人道に対する犯罪」でもあり、かつ、「被害国」である韓国から、どんどんと被害者が名乗り出ているという事情もあるため、中国としても乗っかりやすいのです。
中国を甘く見るな!
もちろん、南京大屠殺にしろ、従軍慰安婦にしろ、どちらも朝日新聞による捏造記事が発端となっているものであり、本来ならば日本の外務省あたりがきちんと仕事をしていれば、ここまで大きくなる前に叩き潰せていたはずのものです。
(※余談ですが、その意味で、私は外務省こそ万死に値する組織だと考えています。)
それはさておき、中国が慰安婦問題を使って日本を糾弾する目的は、非常に簡単です。
それは、第一義的に、米国市民の間で日本に対する不信感を植え付け、徐々に日米同盟に亀裂を入れることで、最終的には日米を離間させ、もって「中国夢」(沖縄県の中国領への編入、日本を中国の影響下に組み込むこと、など)を実現させることにあるのです。
韓国が日本に対して仕掛けている歴史戦は、せいぜい、韓国がちっぽけな自尊心を満足させるためのものに過ぎません。
しかし、中国が日本に対して仕掛けている歴史戦は、それとは全くスケールが違うものであり、日本としては絶対に軽視してはならない部分なのです。
カウンター・プロパガンダは「今すぐ」始めよ!
では、日本はこれに対し、どう対処すれば良いのでしょうか?
本当の理想論をいえば、「慰安婦問題も南京大屠殺もウソである」という事実を、世界中に広めなければなりません。そして、世界中で建立が進んでいる、あの醜悪な慰安婦像を、片っ端から破壊し、あるいは「韓国人売春婦像」とでもプレートを書き換える作業が必要でしょう。
しかし、残念ながら、日本政府にはそれを行うことができません。
なぜなら、2015年12月、安倍政権が「日韓慰安婦合意」を成立させたことにより、日本政府が自ら慰安婦問題を否定することが、難しくなってしまったからです。
そして、私が「日韓慰安婦合意」を批判する根拠も、その一点にあります。
ただ、中国政府としては、日本を糾弾するための材料として、たまたま慰安婦問題が目についたため、これに飛びついたという方が実情に近いかもしれません。
ということは、慰安婦問題を否定したとしても、次から次へと歴史戦が仕掛けられると見た方が良さそうです。
いずれにせよ、目下の日本政府が、「慰安婦問題を契機に日米同盟が破壊されるリスク」を回避するためにできることは、ただ1つしかありません。
カウンター・プロパガンダです。
具体的に言えば、中国共産党の歴史的悪事を世界中に広める運動です。
具体的には、現在進行形で行われている人権弾圧(チベット・ウイグル地区の民族浄化、法輪功に対する集団的拷問)について、犠牲者を追悼し、被害者を日本に招いて講演させるなどの活動でも良いですし、あるいは天安門事件や、毛沢東による文化大革命の研究などを、大々的に行うのでも良いでしょう。
要するに、中国共産党に対して、
「慰安婦問題と南京大屠殺問題を世界中に広げるなら、日本も同じことをするぞ!」
と脅すべきなのです。
とくに、慰安婦合意は「韓国政府と」成立させた合意であり、「中国政府と」成立させた合意ではありません。そして、中国政府は対日歴史戦を堂々とやっていますから、日本政府が対中歴史戦を堂々とやって悪い理屈などないのです。
テーブルの下で足を蹴っ飛ばすくらいでちょうど良い
もちろん、現在、安倍政権と習近平政権は、関係改善に向けて急接近していることも事実です。
今年、中国の首相が訪日し、安倍総理も訪中することで調整が進んでいると聞きますが、日本政府・外務省内では、「こうした日中改善ムードに水を差したくない」、言い換えれば「事なかれ主義」が蔓延しやすい状況でもあるのです。
したがって、カウンター・プロパガンダは外務官僚が嫌がるに違いありません。
ただ、仮にそうだとしたら、日本政府が直接行うのではなく、間接的に資金援助を行うという手段も考えられます。日本政府の官房機密費は決して潤沢とは言えませんが、それでも、世界中で法輪功やチベット亡命政府、天安門事件の真相究明団体などに対して物心両面での支援を行い、日本政府の代わりに中国共産党の悪行を全世界に知らしめるのです。
ナチス・ドイツのホロコーストが人道に対する罪として永遠に裁かれ続けるのであれば、文化大革命や天安門事件なども、まったく同じ人道に対する罪に位置付けられるべきです。
私は本気で、中国共産党が世界征服を狙っていると考えていますし、それを許せば人類の歴史が終わるとすら考えています。日米同盟の破壊はその邪悪な「中国夢」の第一歩ですし、一帯一路構想やAIIBも、同じ文脈で捉えるべきでしょう。
したがって、日本政府としては、テーブルの上では笑顔で握手しつつ、テーブルの下で中国政府の足を蹴りあげるくらいでちょうど良いのです。
仕事始め以降に注目したい
日本の官庁の伝統として、正月3が日は休業が続きます。
もちろん、全ての機能が休んでしまうとは思いませんが、安倍総理自身も1月3日まで休暇を取られています。
昨年は「もりかけ事件」で国会が空転するなどの不毛な議論もありましたが、衆院選を終えたこともあり、今年は安倍総理も新たな気持ちで仕事に取り掛かっていただけるのではないかと考えています。
私が予想する「1月早々の日本政府による韓国への対抗措置」は発動されるのでしょうか?年初の動きには注目したいと思います。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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今年初めての寝ぼけコメントです
私の良く見るみずきさんのバンダービルドのコメントに面白い記事があった。氏曰く「韓国はポピュリズム(衆愚政治)に陥っている」と断定している。遠く昔にプラトンが定義したポピュリズム①大衆的人気に執着し、大衆のニーズに無条件に応えようとする病理現象②個人の能力と成果を考慮しない誤った平等主義③市民としての美徳と節制を軽視し、放縦と無節操が浮上する現象④エリート主義を否定しようとする傾向に当てはまっている。更にアメリカや日本は扇動に踊らないが韓国は左派の扇動に酔いしれていると断定。
言われてみればなるほどと頷く。一昨年のローソクデモから去年ムンジェイン政権誕生までまさに左派の扇動に踊らされたポピュリズムそのものです。プラトンはアテネの没落を予言したが、今は韓国の没落を予言している。韓国人はポピュリズムにはまり、学ぶことを知りません。韓国には外国との合意を守らなければ、その都度痛い目に合うと教え続けなければならない。それだけです。
中国は日本の最大の貿易相手国で重要ですが、覇権への野望はありありと見えます。南京虐殺を過大に言いつのり日本を貶めようとするのもその一環です。当時の南京市が人口10万もいないと言われており、中国側の主張する30万という数字そのものが疑問です。こんな矛盾した話を今なお言い張るのは中国が日本の国際的地位をひずり下ろすためと言える。それなのに今なお中国はチベットやウイグル族を虐待しており、現代版ホローコーストに匹敵する。中国が南京虐殺を蒸し返せば、日本はダライ=ラマやウィグル活動家を日本に招聘すればよい。
3月11日に震災復興記念に各国の大使を招いて、支援に感謝会をしている。台湾は国民一人当たりで世界最大の義援金を日本に送ってくれた。にもかかわらず民主党政権の時は台湾代表を招かず中国大使を招く非礼をした。安倍政権に変わり台湾代表を招き高い席に置いた所、中国大使は以後欠席するようになった。直接的な言葉でなくても中国に警告できる例です。
中国という国は日本の台湾への処遇だけで態度を変えるような国です。中国が日本に圧迫を掛けるようなら、アメリカ、アセアン、オーストラリア、インドとの連携を強化すれば中国を黙らせる。中国周辺の国々が警戒することで中国の覇権主義が崩れるのも可能だ。特にインドはチベット難民が多く暮らし、過去に中国とは戦闘もしており、仲がよろしくない。インドと協力すれば、中国は身動きできなくなる。最近、中国訪問したムンジェインが盛んに南京虐殺を口にしたが、中国幹部は同調してない。習近平も南京虐殺を言わなくなっている。安倍首相のインド訪問が効いていると見てよいのではないか。
1日遅れて恐縮ですが、あけましておめでとうございます。
外務省には今までの怠慢のツケを返してもらい、特にチャイナスクールのハニトラ組には、分けのわからない友好活動に金と時間を割かず、ファクトに基づいたカウンタープロパガンダを積極的に仕掛けてもらいたいですね。 米国や豪州での売春婦像は中国の日米離間の謀略戦をしかけられているのが実態と思われます。 まずは国連の方から来ました詐欺の徹底粉砕です。 事実に基づかない反日プロパガンダには外務省は政府として反論するとともに、杉田さん我那覇さんのようなカウンターアクションをしてくれるNGO等にも支援してもらいたいです。 国内のネット市民は西早稲田系団体や反日弁護士を悪行や虚偽の反日主張を拡散して、まともな企業が顧問契約や弁護依頼しなくなるようにさせましょう。アメリカのように遠征売春婦の刈り込みを行なって、実名写真付きで強制送還するのはナイーブな情報弱にも戦時中も今も変わらぬ遠征売春を認識させることができます。 特に管理者が外国籍であれば、よりわかりやすいでしょう。 マスゴミは報道しない自由を行使する思いますが。 戦時売春は需要旺盛、生命の危機にある戦時下だと遺伝子保存の衝動が高まるようです、供給は独占で、限りがあれば、品質にかかわらず回転の良い非常にうまい商売になる経済活動です。通常はこの種のビジネスにつきもののヤクザのみかじめ料も軍隊管理保護協力があるので、女性たちの搾取も限定され、高額の貯金ができたのでしょう。
慰安婦合意TFの合意事項暴露について1910年の日韓併合における高宗のハーグ密使事件を思い出しました。政府間の合意を自分の判が無いという理由だけで反故にしようと国際連盟に訴えた事件です。幸いどの国も問題にせず追い返しました。今回の合意反故の訴えも同じような結果になるような気がします。
話が変わりますが、海自のヘリ空母「いずも」がF35Bを運用して本格空母化する記事が読売にでました。(報道したのは読売だけでどうも自衛隊幹部のリークみたいです。)そうすると次の日に中国海軍の2隻目の国産空母に電磁カタパルトを搭載するという与太話が報道されていました。カタパルトは2次大戦中からある技術で目新しいものではありませんが、大型ジェット機を打ち上げる技術はアメリカしか持っていませんし、原子力空母の有り余る蒸気でしか実現できません。電磁カタパルトはリニア技術を応用したものですが、リニアの技術よりもそれに必要な膨大な電力をどうするかの方が問題になります。現在の「遼寧」でさえ30ノット以下しか出せないのに更にリニアの電力をどう発生させようとするのでしょうか。旧ソ連は空母を持とうとして結局カカパルトは出来ず、国は崩壊しました。現在の中国もカタパルト空母戦闘群は持てず、その前に崩壊するでしょう。今も昔も中国は軍隊は張子の虎です。(韓国も少中華ですから同じです。)相手が本格的に出てくるまではジリジリと前にでて、相手が出てくると尻尾を巻いて逃げるというのがいつものパターンです。日本もいつでも本格的に出れる体制を示せば彼等はなにも出来ないでしょう。
< 毎日の更新ありがとうございます。
< まだ新年開けたばかりですが、年末年始と日韓の間では観測気球上げた発言、個人的な意見等が報道されてます。日本では訪中中の二階幹事長が韓国のTFについて、「いちいち日本が反発していては物事は成り立たない。相手の立場を考え、理解するぐらいの大きな腹構えがないと近隣国と円満に進めることは難しい」と言った。その後、韓国の朴元淳ソウル市長は日韓慰安婦合意について、「惨事としか言いようがない。協約をするうえで裏合意をするのは堂々たるものではないということであり、再交渉は避けられない」と述べた。これらを一個人の考え、意見とするのは本人の立場から言って、間違いです。二階幹事長は日韓議連の大物、でも安倍内閣、日本政府は『断じて再交渉はない』と言い切ってます。幹事長が敵性国に忖度してどうするのか?私は、こういう輩が多い所が、自民党を全面的に支持できない理由です。この一言で韓国のフラフラ外交は一息つくかも知れない(ないと思いますが)。こんな発言は総理、副総理、外務大臣から「不適切な発言、慎め」ぐらい言えないのでしょうか。もういいトシなんだし、地元の和歌山県民さん、若い人に変えてよ。首相より声がデカイ人など要らない。
< 対してソウルの市長。非公開など、あるのがふつう。今は文大統領が破棄、再交渉を匂わす発言をしているので、こんなこと言っている。姉妹都市の東京都、これだけでも「縁切り」でしょ。小池知事サン、今即、これを断行したら人気回復しますよ!10%ぐらい(笑)。大きいでしょ。でも朴市長は、米国辺りが「合意破棄はケシカラン、すぐ履行せよ!我々の顔をつぶす気か?」と文句言い出したら、すぐ文氏から離れ「文大統領を引き摺り下ろせ!」となる。この辺がこずるい朝鮮民族です。同胞でも平気で寝返る。だから、日本としては「早く履行しろ!」だけでいいと思います。
< 韓国がグズグズしてるから、今週4日5日辺り、日本国から正式発表出そうですね。大使領事召還か、ビザ免除プログラム短縮か、外務省の旅行情報に載せるか、楽しみだ~。
< 以上失礼いたしました。