「議論すること」を議論する

本日は珍しく、私自身がウェブサイトを運営していて感じたこと、気付いたことを、随筆風にまとめてみました。

議論自体が重要な理由

最近、原爆忌や終戦記念日などで、インターネット番組も、相次いで「日本を深く考える」という特集を組みました。こうした中、これらの番組を視聴し、また、自分自身のウェブサイトに頂いたコメントを拝読していて、いろいろと思うところがありました。

異なる思想の方からのコメントは大歓迎

私自身の思想は、政治的には右派、経済的には左派と見られることもあるようですが、私は「日本に対する愛情を持ち、自由・民主主義・法治主義の理想を掲げつつ、政治・経済・軍事は現実に即して対応すべきだ」とする思想の持ち主であり、そのような思想からすれば、いまのところは政治思想的には保守、経済思想的にはリフレ派と似た主張になってしまうのは、当然といえます。

ところで、以前から公言している通り、私は、このウェブサイトを「自分自身の意見を誰かに押し付けるため」に運営しているのではありません。そして、当ウェブサイトにはときどき、私と全く異なる思想の持ち主の方からもコメントを頂きます。このようなご意見は、非常に貴重です。極端な話、「反天皇制」「反日」「緊縮財政主義」「増税原理主義」「反民主主義」を掲げる方からのコメントであっても、私は歓迎したいと思います。極端な話、真逆の意見を持つ人とも、冷静な議論を通じて意見交換をすれば、何か自分にとって役に立つ情報や着想を得ることもあるからです。

実は、私には在日韓国人の友人がいます。以前から当ウェブサイトをご覧になっている方であれば、私が日韓ハーフでありながら、個人的に韓国を嫌っていることはご存知だと思います。しかし、それでも個人レベルでは、韓国人の友人と親しく付き合っているのです。ただし、私は「親日的日本人」、彼は「反日的韓国人」という立場であり、政治的な議論については、別に相手の立場に配慮しません。私は彼に対し、

  • 「日本が嫌なら韓国に帰れば良いのに」、
  • 「戦時中に日本が韓国に悪いことをしたというのは韓国人のでっち上げだ」

など、容赦なく畳みかけています。

ただ、それでも交友が続いている理由は、おそらく、お互い感情的にならないからです。この友人は、韓国人にしては珍しく、冷静な議論ができる人物です。たとえば彼も、

  • 「韓国人の立場からすれば、安倍政権が倒れてくれた方が、韓国にとっては都合が良い」
  • 「安倍政権はパチンコ業界に対して圧迫を加えている」
  • 「日本が憲法を改正したら、自主防衛できるようになるから、日本から見た韓国の価値がなくなる」

などと、素直に口にします(余談ですが、彼の実家はパチンコ屋の換金ショップを経営しているそうです)。私が安倍政権を強く支持している理由は、彼のこうした発言により、安倍政権が日本の国益のために邁進していることに気付いたからです。

そして、彼が時々口にする「韓国の立場から見た日本」という観察は、私にとっても非常に有益です。たとえば、「サイレント・クレーマー」に関する議論は私のウェブサイトにおける人気コンテンツの1つですが、もともと

「日本人はサイレント・クレーマーだ」

というヒントをくれたのは、実はこの韓国人の友人なのです。

その意味で、私は「異なる思想の友人」が必要だと思っており、交友関係が同じ思想の持ち主で固まってしまうのももったいないと思います。

議論を拒絶する相手とは付き合う価値がない

ただ、左翼活動家の人にありがちなのは、単なる誹謗中傷になってしまうケースです。たとえば、当ウェブサイトでもときどき、

こんな極右的なサイトでデマをばら撒き、嫌韓を煽るのはやめろ!

といったコメントが書き込まれることがあります。非常に抽象的な悪口を書かれても、あまり建設的ではありません。これについて、先日頂いたコメントを眺めていて、もう1つ気付いたことがあります。それは、「言論の自由」を勘違いしている人たちがいる、という事実です。

左翼活動家のブログなどを見ていると、最初から自分たちの思想が100%正しい、という前提で活動を行っており、「異なる意見を持つ人議論」を拒絶する傾向があります。その典型的な事例が、今年6月に行われた「レイバーネット」なる左翼活動家集団によるデモ事件です(これについて詳細は『パヨク撃沈!アリの一穴を空けた「虎ノ門ニュース」』もご参照ください)。

これは、大人気のインターネット報道番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』のスタジオ付近に、「レイバーネット」が動員したデモ隊が出現した事件ですが、このデモ隊は、「虎ノ門ニュース」のスタジオに向けてデモ行進をしたものの、スタジオから10メートル以上離れたところでUターンし、自分たちの主張を大声で言い捨てて去って行きました。

日本国憲法下では、どのような思想を持つのも自由ですし、どのような主張をすることも自由です。ただ、レイバーネットをはじめとする左翼活動家らの主張を見ていると、彼らの共通点は「議論を拒絶すること」にあります。聞けば、「虎ノ門ニュース」は異なる思想を持つ人のために、「いつでも席を空けている」のだとか。左翼活動家、あるいは毎日新聞や朝日新聞で極端に偏った論説を書いているような人たちであっても、「虎ノ門ニュース」に「出たい」といえば、いつでも出られるのです。

ところが、彼らが「虎ノ門ニュース」への出演を拒絶する(あるいは我那覇真子さんが送付した公開質問状を無視する)のは、なぜでしょうか?なぜ彼らは議論を拒絶するのでしょうか?

それは、自分たちの主張に正当性がなく、多くの国民からの共感を得ることができないということを、暗黙のうちに理解しているからです。あるいは自分たちが「やましいことをしている」ということを、無意識のうちに自覚しているのです。閉鎖的な空間の中で、同じ思想の人たちで凝り固まり、独善的な主張を繰り返していると、次第に国民の大多数から遊離した、へんてこな主張を掲げ、非常識な行動をとる人間が出てきます。

たとえば、「沖縄の米軍基地反対運動」にしても、最初は基地の騒音被害や米軍による沖縄県民への暴行、危険行為などへの反発があったはずです。しかし、次第に反基地運動が先鋭化。いまでは「米軍基地に敵対すること」自体が自己目的化し、反基地運動自体も東京や大阪の暴力的極左集団に乗っ取られ、数々の犯罪行為をしでかす集団となってしまったのです。

また、最近、東京都心で見かける「反安倍政権デモ」では、「在日韓国人の利益を守れ」、「原発を廃止しろ」、「LGTBへの差別をやめろ」、「沖縄の基地は出ていけ」といった主張が混在していて、いったい何を主張しようとしているのか、よくわからない状況になっています。

最近、「歌と踊りで主張する」人たちを、劣化した左翼という意味で「パヨク」と呼ぶそうですが、彼らは議論そのものを拒絶しているのです。まともに話をして通じるわけがありません。

右翼、保守の思想にも共感できないことがある

ただ、誤解なきように申し上げておきますと、右翼、あるいは保守と呼ばれる人たちの主張にも、どうも疑問を感じざるを得ないものが含まれています。

先日、某インターネット番組を視聴していた時に、ある保守派の論客が出演していました。この方は、他の出演者の方からは「国士」などと持ち上げられていましたが、私に言わせれば、現実を無視した理想主義者であり、彼の主張は単なる空絵事であり、全く共感できません。

彼の主張の要点をまとめると、次の通りです。

  • 安倍晋三(総理大臣)は今年の8月15日も靖国参拝を見送った。これは日本の総理としてけしからん話だ。
  • 北朝鮮に拉致された日本人は、直ちに自衛隊が救出に向かうべきである。
  • 日本国憲法はそもそも軍事占領下で作られたものであり、今すぐ無効を宣言すべきだ。
  • 日本領海に侵入している中国海警の船は、日本の海上保安庁が撃沈すべきだ。

一見すると、どれも正論に見えます。しかし、私にいわせれば、いずれの主張も現実から遊離しています。この保守派の論客、それなりに人生経験も積んでいらっしゃるにしては、どの主張も幼すぎます。あるいは、保守派の仮面をかぶって、保守派を貶めるために、わざと極論を主張しているのではないかとすら思えるほどです。

たとえば、日本の内閣総理大臣が靖国参拝すらできない状況については、もちろん、私も日本人の1人として、非常に忸怩たる思いがあります。もどかしく、悔しい思いでいっぱいです。

しかし、それでも私は、「靖国参拝をしない」という安倍総理の判断を尊重すべきだと思います。もちろん、決してそれを「是」とするつもりはありません。しかし、現職総理の靖国参拝見送りは、中曽根康弘元首相以来の悪しき伝統ですが、それを安倍総理1人の責任にすることは筋が違うからです。

歴代の日本の政権がうかうかしている間に、中韓両国は、世界中に向けた情報戦で勝利を収めつつあります。英フィナンシャル・タイムス(FT)は靖国神社のことを「Yasukuni WWII Shrine」と表現したことがありますが(※この時はさすがに私も抗議しました)、「靖国神社は第二次世界大戦の戦犯を礼賛する施設だ」とする誤った認識は、いまや世界中で広まっています。

つまり、今この瞬間にかんして言えば、安倍総理が靖国に参拝してしまうと、中国が

ほら見たことか、日本は再び軍国主義への道を歩もうとしている!

と大声で日本を批判することが目に見えています。

同様に、「日本国憲法の無効宣言」、「自衛隊の北朝鮮派遣」、「中国船舶の撃沈」は、どれも勇ましい発言に見えますが、いずれも現実を無視した妄言です。日本は法治主義国家であり、内閣総理大臣といえども法律を破ることはできません。この保守派の論客、安倍総理には何でもできるとでも勘違いしているのでしょうか?正直、私は深く幻滅しました。

民主主義はもどかしい!

もちろん、現在の日本政府や日本社会には、さまざまな問題が含まれています。

米軍基地の問題にしてもそうですし、原発再稼働問題にしてもそうですが、何をするにしても、異なる主張・利害を持つ人たちを説得し、動かしていかなければ、社会を動かしていくことなどできません。そこで、いっそのこと軍事クーデターでも起こし、独裁政権を打ち立てれば、どんなにすっきりすることでしょうか。

都市部の区画整理にしても、遅々として進まない成田空港の整備にしても、強い権力者が「俺はこうする!」と宣言し、それが実現するのだとしたら、確かに楽です。

実は、そのような国が、日本のすぐ隣にあります。それは――、そう、「中華人民共和国」という名前の国です。

中国では、全ての土地が中国共産党の持ち物です。人民の権利は極端に制限されています。あれほどまでに迅速に高速鉄道網が出来上がったのも、立派なインフラが整っているのも、中国共産党独裁政権のおかげです。

これを「バカらしい」と笑うのは簡単です。しかし、日本国内には、民主主義を全否定し、独裁主義体制を構築しようとする勢力は、間違いなく存在します。

典型的な事例は中国共産党と同じ「共産党」という名称を冠した組織、つまり「日本共産党」です。日本共産党は、党内の指導者を選ぶのにも党員の選挙が行われている訳ではなく、あくまでも中央の執行部の独裁体制が維持されています。

逆に、右翼勢力の中にも、「天皇独裁の復活」なるとんでもない主張をしている人たちが存在します。しかし、民主主義を否定し、独裁体制にするという意味からすれば、「共産党独裁」も「天皇独裁」も、究極的には全く同じことです。

そして、独裁体制にすれば、部分的にうまくいくことはあるかもしれませんが、やがて確実に社会は行き詰ります。現在の中国にしたって、1990年代からの飛躍的な経済発展は、国内の貧しい人民を労働力として搾取し、「世界の工場」となることでもたらされたものです。実際、2010年代に入って中国の経済成長は鈍化しており、国内の経済格差、環境破壊、公務員の汚職も深刻な状況となっています。

中国が現在、南シナ海や東シナ海への侵略行為を積極化していることは事実ですが、私はこれについて、経済成長の鈍化による国内の不満を外に向けさせるしかないという事情もあるのだと思います。中国は共産党一党独裁国家ですから、人民が政府に不満を持った時、政権交代は暴力的な革命でしかなしえないのです。

日本だと、国民が政府に不満を持てば、「自民党にお灸をすえる」と称し、2009年8月の時のように、有権者の選択により政権交代を実現することもできます(ただし、2009年の政権交代で「お灸を据えられた」のは、自民党ではなく日本国民自身でしたが…)。

だから議論が必要なのだ!

いずれにせよ、私は民主主義の信奉者です。民主主義がもどかしいということをわかっていながら、それでも現状、民主主義以外に最善の政治体制はあり得ません。

私は、世の中に存在する様々な主張の全てに賛同するわけではありません。しかし、民主主義を機能させるためには、様々な主張が自由闊達にぶつかり合うことが必要だと考えており、その意味で、「言論の自由」とは、民主主義を機能させる必要な条件なのです。

私が当ウェブサイトを運営しているのは、「インターネットを活用すれば民主主義がさらに深化するのではないか?」という仮説に基づくものであり、当ウェブサイトのコメント欄を自由としている理由は、ウェブサイトの管理人である私自身の意見と異なる意見も含めて、自由に議論してもらうためです。

このウェブサイトを含め、インターネット上を通じた自由闊達な議論が深まれば、それは日本をより良くすることに貢献するはずです。その最初の試金石は、2018年12月までに確実に行われる衆議院議員総選挙ですが、これについては、また別稿にて議論したいと思います。

読者コメント一覧

  1. 激辛大好き より:

    いつも参考になるお話ありがとうございます。残り少ない脳を結集してコメントさせてもらいます。
    法政大学の山口次郎教授は「安倍に言いたい。お前は人間じゃない! たたき斬ってやる!」と演説した。教授とは思えない過激な発言にはあきれたが、論理の無さも露呈した。なぜ、安倍首相は人でないのか?人でなければ鬼か獣だとも言うのか?彼は主張だけしか言わず、何の理由説明もない極めて非論理的な演説をした。
    安倍総理を批判する人は「安部政治を許さない」と主張するが、なぜ許さないのか、どうしてだめなのか何一つ説明しない。なぜ、どうしては幼児が発するごく自然の問いかけだ。こんな当たり前の質問にも彼らは答えない。だから私は彼らを侮蔑を込めてパヨクと呼ぶ。
    論理的な話は命題に伴って根拠となる理由説明が不可欠だ。その命題に異を唱える人は、説明の矛盾を指摘する。それに対して命題を主張した人はより合理的な説明をし、できなければ論理が破綻する。このようにして議論はすすむ。
    しかしパヨクはただ自分たちの意見を主張するだけで、根拠の説明など一切ないか薄弱な理由しか語らない。そしてこちらが反対でも言おうものなら、差別、偏見、人権問題などと論旨をすり替えて攻撃してくる。蓮舫氏の代表辞任騒動で、朝日新聞が二重国籍を問題にするのは人種差別だと彼女を擁護した。これなど論理を欠いた典型的な記事だ。国会議員が二重国籍でも何の問題もないことを説明すればよいのに、人種差別だとすりかえた。これではパヨクと議論は進まない。

    それに引き換え、ここにおいでになる左翼さんは論理的な話をされるので参考になります。

  2. spaceman より:

    あるお笑い芸人の「終戦記念日 僕は国よりも自分のことが好きなので絶対に戦争が起きても行きません」というTweetが話題になっていましたね。「なぜ左派の人たちは『戦場へ行く』の発想になるのか。なぜ今住んでいる街、今いる場所が戦場になると思わないのか」という批判が出ていたそうです。

    上記のようなTweetを平気でしてしまう人というのは、平和を望んでいるのは自分たちだけだと思い込んでいる。逆に安倍さんをはじめ現実路線の人々を「戦争をしたがっている」と思い込む。集団的自衛権もテロ等準備罪も、すべてその方向を向いていると信じてしまうわけです。

    誰も戦争なんかしたくありませんよね。死にたくないし、銃や剣で人を殺めるなんてやりたくない。国政を預かる立場の人ならまずは人的被害や経済的損失が頭をよぎるでしょう。最悪国土や主権を失う事態まで。だからこそ、そんなことにならないようにするためにはどうするのが最良かを考えているわけで。

    戦争抑止にはいろんな考え方があっていい。もちろん「第九条を守ることが最大の抑止力」という考えもあっていい。それならその理由を論理的に説明して反対意見を論破すればよいだけです。(実のところ、このへんは、本当に議論になりませんね。肝心なところで彼らは必ず逃げます。「九条に愛はないのか」と叫んでいるかのようです。)

    それでも否応なく戦争を仕掛けられたら、自分自身以上に、親やパートナーや子どもたちを守るために何ができるのか──と考えるのが、まあ、想像力というものですが、どうやら彼らにはそれがないようです。自分が他国へ行って命令一下外国人を殺しまくるというような想像しかできないのでしょう。

    要するに彼らは、左派でもなんでもなくて、コトバは悪いですが、単なるバカなんです。だから、丸山真男なんかを嚆矢とする以前の「左派」と彼らを同列に扱うのはすごく抵抗を感じます。

    1. 左翼 より:

      今日のspacemanさんのご意見を読んで、(我が意を得たり)、と思いました。

      たぶん、私もブログ主さんもここのコメント主の皆さんも、右翼であれ左翼であれ、民主主義の信奉者であるという意味では全く同じだと思います。そして、民主主義の本髄は(議論すること)にあります。戦後左翼論壇の丸山真男、大塚久雄のような思想家達の議論は、政治思想という確固たる信念に基づいて議論が展開されていたのであり、右翼の皆さんも、西欧政治思想史という立場から、是非、これらの学者の書物を読んでほしいと思います。

      ところが、最近の(パヨク)たちは、不勉強極まりないです。憲法9条の議論になると、必ず逃げます。リアリズムが伴っていない理想主義など無意味です。

      ちなみに左翼、イコール9条擁護派、と思われる方も多いかもしれませんが、それは違います。以前私はここのコメント欄に書きましたが、私は左翼と自称していますが、(安倍首相も支持してませんし、)でも現実に即して問題を考える必要はあると思います。(子供たちを戦場に送るな)、もわかるのですが、今住んでる場所が戦場になったらどうするのか、という考えには思い至らないから、こういう浮世絵事ばかり言ってるんだと思いますよ。

      私は、議論すること自体を議論するという、教のブログ主さんの姿勢には全く共感します。コメント自由っていうのも(ブログ主への批判も含めて)自由というのも、ブログ主の姿勢が一貫している証拠だと思います。

  3. 神田友紀 より:

    毎日の更新、ありがとうございます。

    私はイデオロギー的にはリバタリアニズムを自認しており、国家の役割は個人の自由を守るための調停・治安維持・(他国の侵略に対する)防衛のための小さな政府・夜警国家が理想的であるという思想の持ち主です。一般に、リバタリアンはむしろ左派思想に近いと認識されているかと思います。
    それでも私がこういう場で右派論客の方に強く賛同するのは、現代の左派の論客(のような人たち)の多くの論が、非合理的・主観的・理想論的な主張に基づくものであり、議論するに値すらしていないからです。

    インターネット上のいろんな言論空間を見ていて思うのは、右派・左派の対立軸で語られることが多いのですが(そして私も便宜的に右派・左派で語ってしまいがちですが)、左右の対立よりもむしろ、思想・価値観の自由主義と全体主義の対立で考えるべきだと思っています。
    左派(と呼ばれる)既存メディアや活動団体などのスタンスは、まさにこのエントリで会計士様が書かれている通り、自分たちの思想こそが絶対正義であり、他人の意見を聞かず、むしろ自分たちの思想を押し付ける。私はこういう、思想・言論の多様性を認めない姿勢こそ、民主主義の敵であり、批判すべき対象と考えています。

    ただし、非常に残念なことに、現代の(多分戦後日本の)左派には、上記のような思想一元主義者が多く、まともな議論ができる左派が非常に少ない、というのが現状だとも認識しています(私が寡聞なだけかもしれませんが)。
    左派・右派の垣根を越えて、互いに論を交わせる場(そしてそれができる論者)が増えることを願ってやみません。

    1. ムルムル より:

      読んでいて大変面白いコメントでした。小さい政府を目標とする政治思想ってリバタリアンと呼ぶのですね。
      私は共和制・帝政ローマの様な社会制度を理想としてたので左派に近い物には近寄らなかったんですが小さい政府は自由主義に分類され左派よりだったのは初めて知りました勉強になります。(無知なだけなんですが

      安全保障の最低限の軍事力保持に関しては私は反対です。理由はローマが例ですがローマは同盟国には最低限の軍事力の保持しか認めていなかったのですが結局民族の大移動には対応できず失敗しています。
      蛮族侵入の理由と失敗は有りますが置いときます、ともかく盟主頼りの安全保障は非常に脆く、最低限の軍事力では受け身になってしまい自国が戦場になるリスクが高いので私は他国に侵攻できる軍事力を最低限と位置付けた方が良いかと思います。
      それに侵攻能力を日本が身に付ければ米国よりも当事者として積極的に動く姿勢をアジアの国々に見せる事に繋がりアジアの国々に対する外交力が非常に増すと考えます。

  4. 神田友紀 より:

    >ムルムル様
    コメントありがとうございます。私の表現に幾分誤解を与えるような部分があったようなので、少し補足させてください。

    リバタリアニズム=自由至上主義です。個人の自由を最優先にする考え方で、国家に対するスタンスには人によって、国家というのは個人の自由を縛るものだからいらないよね(=無政府主義)という考えと、個人の自由を守るためには最低限の機能が必要だよね、という考え(私は後者寄りです)があります。
    前者のようなしばしば国家を否定する姿勢と親和性が高いので、左派寄りとみなされがちのようです。

    また、軍事力については私も、防衛力を確保するためにある程度積極的に攻められるだけの力は必要と考えています(「防衛のための小さな政府」という表現が悪かったですね)。
    実は私も、塩野七生さんの著作を何冊か愛読しており、政治に関心を持ったのも「ローマ人の物語」を読んで共和制・帝政ローマのシステムが当時としては優れたものであり、必ずしも現代の民主主義が至高の手段ではないのでは、と思ったことがきっかけでした。
    ムルムル様の仰る通り、国境線を守るだけでなく、他国に攻められる能力があると“示す”ことが、相手に攻めさせないためには必要だというお考えには、完全に同意します。

    本エントリからやや脱線した話でお目汚し失礼しました。

    1. 神田友紀 様、ならびに他のコメント主様

      コメント大変ありがとうございます。

      本エントリからやや脱線した話でお目汚し失礼しました。

      とありますが、そんなことはありません。当ウェブサイトの「読者コメント」欄は、読者の皆様に、お気軽にご意見やご感想を書き込んで頂くものであるとともに、皆様でご自由に議論して頂くための場です。議論が発展していけば、他の読者の方にとっても有益な情報となることもあります。したがって、当ウェブサイトの記事を読み、感じたこと、気になったこと、お叱り、その他のコメントを、どうか思いつくままにご自由に記載して下さい。

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      新宿会計士

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