ときどき、当ウェブサイトのコンタクト・メールアドレス(info@shinjukuacc.com)に対し、興味深いメールをいただくことがあります。本日は当ウェブサイトに鋭いコメントを下さる読者「埼玉県民」様から頂いたメールをもとに、「広告費から見たメディアの凋落」について考察してみたいと思います。

※本文はお知らせの後に続きます。

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2018/04/07 13:22 追記

図表2で「インターネット」と記載すべきところが「テレビ」になっておりましたので修正しております。

鋭い読者メール

当ウェブサイトにときどき、鋭いコメントを下さる読者の「埼玉県民」様から、4月5日付でメールを頂きました。

会計士様

毎日拝読させていただいております。

以前メールしました、小職が長年定点観測しております、日本の広告費について、電通より2017年版がでましたので、新聞協会の2017年データと併せて分析を更新させていただきます。

なにやら非常に興味深そうな内容です。いったいどのような分析なのでしょうか?

そこで、本日は埼玉県民様からのメールの内容を紹介するとともに、ご提示いただいたリンクから、このテーマについて少し考えてみたいと思います。(なお、本日の記事では、元のメールをそのまま紹介するのではなく、表現の微修正などを行っている点につき、ご承知おきください)。

――↓本文は以下に続きます↓――

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電通のレポート

日本の広告費から見たネットの影響力拡大

埼玉県民様のメールの冒頭には、次の3つのリンクが示されています。

2017年 日本の広告費(2018/02/22付 株式会社電通HPより)
「2017年 日本の広告費」解説―止まらないインターネット広告費の伸長で6年連続のプラス成長(2018/02/22付 電通報より)
2017年 日本の広告費(株式会社電通HPより)

こんなウェブページがあったとは、初めて知ったという方もいらっしゃるかもしれません。これは、広告代理店の株式会社電通が作成している報告書であり、ここからわかることは、「インターネット広告の影響力が拡大している」ということです。

電通HPによると、広告費自体、2017年において6兆3907億円、前年比101.6%と「6年連続のプラス成長」を記録したということですが、少子高齢化の時代にあっても広告費自体は堅調な伸びを示しているということでしょう。

ただ、広告費を押し上げた要因は、インターネット広告費の堅調な伸びであり、「マスコミ四媒体広告費」(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア)については7四半期連続でマイナスとなるなど、ジリ貧状態が続いています(図表1)。

図表1 電通の集計する媒体別広告費の区分
区分 金額と前年比 備考
マスコミ四媒体 2兆7938億円(97.7%) 新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア
 うち 新聞 5147億円(94.8%)
 うち 雑誌 2023億円(91.0%)
 うち ラジオ 1290億円(100.4%)
 うち テレビメディア 1兆9478億円(99.1%) 地上波、衛星
インターネット 1兆5094億円(115.2%) モバイル、PC等
プロモーションメディア 2兆0875億円(98.5%) 屋外/POP/展示・映像等

(【出所】株式会社電通HPより著者作成)

なるほど。

電通の集計区分は、大きく分けて「マスコミ四媒体」、「インターネット」、「プロモーションメディア」の3つですが、これで見ると、インターネットだけが15%以上の伸びを示しており、これに対してマスコミ四媒体は前年割れの状況にあります。

選挙もビジネスも、究極は同じ

これに関する埼玉県民様の解説は、次のとおりです。

選挙とは、個々の候補者や自民党や共産党など政党が投票用紙に候補者名や政党名を書かせるための広告・販促活動だと考えられます。

政党がマクドナルドや吉野家などのチェーン名で候補者は個々の店舗に該当するかと思います。ある一定の日時(投票日)に特定の行為(投票)をさせることが目的で、業態的には宿泊や飲食の予約に似ているかと思います。宿泊や飲食はすでにネット全盛です。

広告主は広告効果に対して広告料を支払いますので広告効果と消費者(有権者)への影響力はほぼ等しい考えて良いかと思います。こちらの数値が客観的な指標かと思います。

なかなか鋭い視点です。

たしかに選挙の場合は、「有権者に対し、一定の日時(投票日)に特定の行動(投票)をさせること」が目的であり、ビジネスの場合も「消費者に対し、自分たちの商品を買わせること」が目的です。そのように考えていけば、選挙もビジネスも究極は同じです。

埼玉県民様は「広告主は広告効果に対して広告料を支払う」と指摘されていますが、広告効果のないものに広告料など支払いません。新聞、テレビなどのマス・メディアの影響力はまだまだ大きいので、広告費がいきなりゼロになることはありません。

しかし、日々、テクノロジーが進歩しているインターネットと、テクノロジーの進歩が止まったままの新聞、テクノロジーの進歩を受け入れずに拒絶するテレビを比べるならば、広告主から見て将来性がインターネットと既存メディアのどちらにあるかは一目瞭然であるといえるでしょう。

新聞の影響力の凋落

さて、埼玉県民様は、新聞の影響力が凋落して来ている証拠として、もう1つ、興味深いデータを紹介して下さっています。

図表2 新聞広告費とインターネット広告費の推移(金額単位:億円)
2000年 2009年 2017年
新聞 12,474 6,379 5,147
インターネット 590 7,069 15,094

(【出所】埼玉県民様メールに基づき著者作成)

こうやって長いタイムスパンで眺めてみると、インターネット広告費の伸長は、一目瞭然ですね。2000年以降の17年間で、ネット広告費は実に25.6倍に伸長。これに対して新聞広告は約4割にまで縮減してしまっています。

これに関して埼玉県民様は、「新聞の影響力が凋落している」と述べます。

新聞の影響力は、2000年(12,474)、民主党政権選挙2009年(6,739)に比べて2017年(5,147)と激減しています。一方ネット広告は2000年(590)、2009年(7,069)に比べて2017年(15,094)と213.52%と倍増しています。

つまり、民主党への政権交代が発生した2009年前後の時点では、すでに新聞とインターネットの広告支出が逆転していたのです。一方、テレビ広告費については、2009年と比べれば微増だとしています。

テレビは2009年(17,139)に比べて2017年推定(19,478)と微増です。新聞の影響力はネット半分以下となっていますが、捏造モリカケ問題での内閣支持率低下をみてわかるように、テレビの影響力(広告費)はいまだにネットを上回っています。

いわば、媒体別の広告費支出から影響力を測定するという手法は、1つの客観的な数値を用いたものとしては、実に興味深いといえるでしょう。

――↓本文は以下に続きます↓――

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マス・メディアは「オワコン」なのか?

「ラストワンマイル」についての議論

以上、「新聞の凋落とネットの台頭」を客観的な数値によって解説して下さったのですが、埼玉県民様のメールは、ここで終わりません。

ただ、最終的に実店舗(投票)に行かせるラストワンマイルの広告手段は、折込チラシ(新聞)に負うところがいまだに大きいといえます。

小選挙区は商圏サイズ的には大型ショッピングモールに近いと思われますので、ネット広告も折込チラシ(新聞)の代替になりえていません。選挙公報や個人チラシも新聞折り込みです。個人的にも牛角やバーミヤンのクーポンが折込チラシにはいっていると店舗に行きます。

この「ラストワンマイル」の議論は、広告とメディアの影響力を議論するうえで、意外と抜けてしまいがちな、重要な指摘です。埼玉県民様は「折込チラシの影響力はまだまだ大きい」と述べているのですが、確かに折込チラシの「生活圏における影響力」は絶大です。

埼玉県民様はその具体的証拠として、昨年10月の衆議院議員総選挙を例に挙げたうえで、次のように指摘しています。

この傾向は今回総選挙でも、沖縄や北海道・新潟・愛知・三重などで東京新聞・中日新聞系の反日記事の新聞が圧倒的シェアを持っている地域の非自民当選者数が自民を上回っていることよりも推測できます。

実際 ラストワンマイルの広告手段として他に代替広告手段のない折込ちらしは2000年(4,546)、2009年(5,444)に比べて2017年(4,170)と新聞広告の現象比べて減少率はそれほど大きくありません。

つまり、単純に、「ネットが万能」「新聞はオワコン」と結論付けることはできない、ということです。

逆に言えば、折込チラシを新聞から独立させることができれば、あるいは折込チラシの出稿者にも使い勝手が良い「地元のコミュニティ・サイト」のようなものが立ち上がれば、折込チラシすらインターネットに代替される可能性がある、ということではないでしょうか?

マス・メディアの言論テロはこれから激化する!

実際、埼玉県民様からのメールを読むと、インターネットが広告媒体として急伸しているということは事実であるものの、テレビの影響力はまだまだ大きく、「マス・メディアが一斉に退潮しつつある」という単純なものではない、ということがよくわかります。

もちろん、インターネットが社会的影響力を増していけば、新聞・テレビを中心とするマス・メディアの相対的な影響力は低下していきます。しかし、ある日いきなり新聞やテレビが消滅するということはなく、むしろ彼らも社会的影響力を残そうとして、これから壮絶な抵抗を始めるであろうことは想像に難くありません。

今週、『【夕刊】森友問題は形を変えた北朝鮮のテロ?』、『【夕刊】野党の存在意義はないですね』などの記事でも取り上げましたが、森友学園問題などがその典型であり、これは野党だけでなく、マス・メディアが国民世論に影響力を残そうとして抵抗している証拠と見ることもできるかもしれません。

奇しくも、埼玉県民様のメールには、次のような指摘があります。

振り返ってみると2009年というのは新聞の影響力がネットと均衡した最後の年でありました。朝日新聞を主体とする捏造報道で、民主党が政権奪取をできたラストチャンスだっとようです。ネット広告費が、テレビ広告費を超えれば、親中・従北捏造メディアによる言論テロによる倒閣チャンスはなくなります。

言い換えれば、広告費だけで見れば、現状ではまだインターネットがテレビを下回っており、新聞・テレビを合わせれば、インターネットよりも影響力が強いという状況にあることは間違いないでしょう(もっとも、テレビの視聴者層自体がレベル・ダウンすることで、政治的影響力が低下している可能性もありますが…)。

いずれにせよ、安倍政権が放送法第4条撤廃や日本国憲法改正などを打ち出している以上、マス・メディアによる「言論テロによる倒閣運動」は、これからますます激化すると考えられます。

捏造メディアは社会から退場を!

ただし、もう1つ忘れてはならない点があります。それは、インターネット広告費の伸び率が大きく(2017年の成長率は15%!)、今年と来年、15%の成長率を維持すれば、2018年には1兆7358億円、2019年には1兆9962億円、2020年には2兆2956億円(!)に達します。

埼玉県民様は

ネット広告が現行の成長率15%を維持すれば、2020年にテレビを超えます。東京オリンピック開催と併せてそれまで安倍首相にがんばってもらいたいと思います。

と主張していますが、これについてはまったくそのとおりでしょう。

マス・メディアによる倒閣運動が激しさを増してきた理由は、まさに、今年(2018年)は安倍総理の自民党総裁としての2期目が満了し、3選されるかどうかの分かれ道にあるからです。今年9月の総裁選を乗り切れば、マス・メディアの敗北と、私たち日本国民の勝利の確率が上昇します。

私は安倍政権を手放しに誉めそやすようなことをするつもりはありませんが、それでも、朝日新聞やNHKを含めたマス・メディアが仕掛けてくる倒閣運動には強く反対します。安倍政権が日本国民のためにならない政策を打ちだすなら、選挙で倒せば良いだけの話です。

捏造メディアの倒閣運動は、絶対に許してはなりません。そのことを、強く申し上げておきたいと思います。

――↓本文は以下に続きます↓――

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押し紙の実態

さて、当ウェブサイトでは以前、一般社団法人日本新聞協会の『新聞の発行部数と世帯数の推移』というデータを、『温故知新:出張族が見た朝日新聞の押し紙問題』という記事のなかで取り上げたことがあるのですが、そのときの表をこちらに再掲しておきましょう(図表3)。

図表3 新聞の部数の増減
項目 2000年時点 2017年時点 増減 増減率
合計 53,708,831 42,128,189 -11,580,642 -21.56%
種類別 一般紙 47,401,669 38,763,641 -8,638,028 -18.22%
スポーツ紙 6,307,162 3,364,548 -2,942,614 -46.66%
発効形態別 セット部数 18,187,498 9,700,510 -8,486,988 -46.66%
朝刊単独部数 33,702,727 31,487,725 -2,215,002 -6.57%
夕刊単独部数 1,818,606 939,954 -878,652 -48.31%
世帯数 47,419,905 56,221,268 8,801,363 18.56%
1世帯当たり 1.13 0.75 -0.38 -33.63%

(【出所】一般社団法人日本新聞協会ウェブサイト『新聞の発行部数と世帯数の推移』より著者作成)

これについて、埼玉県民様のメールでは、この日本新聞協会のリンクに加え、次の記事のリンクを提示。

新聞の販売部数などの推移をグラフ化してみる(2017年後半期まで)(最新)(2018/03/31 05:09付 ガベージニュースより)
全紙前半年期比マイナス、日経は3.4%の最大下げ率…新聞の販売部数などをグラフ化してみる(2017年後半期・半期分版)(2018/03/31 05:07付 ガベージニュースより)

そのうえで、メールでは次のように指摘されています。

販売店の収入源であるチラシ配布の料金ベースは朝刊の配布数なので、朝刊単独部数の減少率(▲6.57%)は、スポーツ紙やセット部数(それぞれ▲46.66%)、夕刊単独(▲48.31%)などと比べて、異常に少ないことが明らかです。

朝刊単独がスポーツ紙やセット部数と同様に仮に46.66%の減少率だとすると、推定実朝刊単独数は17,977,035で押紙の推測数は何と15,725,692になります。この差分が押紙やホテルの無料新聞や家具屋さんの包装紙だと推測できます。

たしかに新聞協会が公表する朝刊の減り方は緩慢であり、実態はスポーツ紙やセット部数、夕刊単独部数並みに、もっと大きく減っているはずではないかとの疑いを抱いても当然でしょう。そして、多かれ少なかれ、新聞各紙は「押し紙」をしているのではないかとの仮説も、必然的に導き出されてくるのです。

いずれにせよ、新聞業界の闇については、まだまだ議論する余地がありそうです。

※本文は以上です。

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    「北朝鮮制裁継続」のトランプ政権、目的は対中封じ込め? (2コメント)
  • 2018/06/25 17:00 【時事|雑感オピニオン
    【夕刊】「日本憎し」も良いのですが… (5コメント)
  • 2018/06/25 11:30 【時事|国内政治
    【昼刊】国民民主党、政党支持率ゼロ%の衝撃
  • 2018/06/25 07:00 【雑感オピニオン
    開設22ヵ月で月間16万PV、「三方よし」の記事 (10コメント)
  • 2018/06/25 00:00 【マスメディア論|時事
    毎日新聞の「軌道修正」と「もりかけ問題」の限界 (2コメント)
  • 2018/06/24 12:00 【マスメディア論|時事
    【夕刊】朝日新聞記者、ウェブ広告のトラップにかかる? (3コメント)
  • 2018/06/24 00:00 【時事|外交
    北朝鮮核問題、「日米両国が裏で役割分担」という仮説 (6コメント)
  • 2018/06/23 12:00 【雑感オピニオン
    【夕刊】快便アドバイザーからの怪コメントとの戦い (2コメント)
  • 2018/06/23 00:00 【時事|外交
    北朝鮮を崩壊させるための人道支援はいかが? (7コメント)
  • 2018/06/22 16:00 【経済全般
    【夕刊】NHKが潰すワンセグ携帯 (6コメント)
  • 2018/06/22 10:45 【時事|金融
    【昼刊】韓国で「トリプル安」は発生するのか? (1コメント)
  • 2018/06/22 07:00 【マスメディア論
    押し紙、再販、記者クラブ。今に通じる過去の議論 (1コメント)
  • 2018/06/22 00:00 【時事|韓国崩壊|外交
    日本は北朝鮮復興に関してはむしろ「蚊帳の外」を目指せ (4コメント)
  • 2018/06/21 15:00 【政治
    【夕刊】既得権にまみれたNHKと「NHKの映らないテレビ」 (12コメント)
  • 2018/06/21 11:10 【時事|外交
    【昼刊】金正恩訪中の2つの目的と日本批判の真意
  • 2018/06/21 08:00 【外交
    危なっかしい米国の北朝鮮外交 (1コメント)
  • 2018/06/21 00:00 【雑感オピニオン
    ブログの社会的役割と経済
  • 2018/06/20 17:15 【時事|国内政治
    【夕刊】パフォーマンス政治家を許すな! (1コメント)
  • 2018/06/20 10:40 【マスメディア論|時事
    【昼刊】米朝会談に「中国ファクター」・福島氏の秀逸な論考
  • 2018/06/20 08:00 【マスメディア論|時事
    「折込チラシ」という新聞業界の経営基盤が崩壊する! (4コメント)
  • 2018/06/20 00:00 【雑感オピニオン
    記事評:説得力のない「筋論の日本、量の中国」という単純比較 (1コメント)
  • 2018/06/19 17:05 【時事|国内政治
    【夕刊】米朝首脳会談の結果、安倍政権支持率が上昇した理由 (4コメント)
  • 2018/06/19 11:00 【時事|韓国崩壊
    【昼刊】民間団体調査で日韓好感度逆転の衝撃
  • 2018/06/19 07:00 【マスメディア論|雑感オピニオン
    ビジネスマンが読み解く「リテラシー」の重要性 (8コメント)
  • 2018/06/19 00:00 【時事|韓国崩壊
    慰安婦問題の落とし前 (4コメント)
  • 2018/06/18 17:00 【時事|外交
    【夜刊】菅官房長官の発言を曲解する輩 (5コメント)
  • 2018/06/18 14:45 【時事|韓国崩壊
    【夕刊】米韓同盟の消滅が見えてきた (1コメント)

  • 著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

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