【夕刊】中央日報の「勘違い記事」に見る韓国の危険性

「夕刊」と呼ぶには少し変な時間ですが、それでもあまりにも「ナナメウエ」すぎる記事を発見したので、冷めないうちに話題を提供したいと思います。

中央日報よ、寝言は寝て言え!

「北朝鮮に日本の負担で韓国製原発」というバカ理論

韓国メディア『中央日報』は、過去の全記事を遡って読むことができるほか、誰でも気軽にコメントを打つことができるため、私にとっては貴重な「愛読ウェブサイト」(?)です。また、それと同時に、韓国人の「ナナメウエ」過ぎる思考に接し、頭がクラクラする体験ができるのも、このメディアの魅力(??)です。

その中央日報に、あまりにも馬鹿げている話題を見つけました。

金正恩委員長が核兵器をなくせば韓国型原発を建てよう(1)(2018年03月15日15時27分付 中央日報日本語版より)
金正恩委員長が核兵器をなくせば韓国型原発を建てよう(2)(2018年03月15日15時28分付 中央日報日本語版より)

端的にいえば、現在の韓国で蔓延する、思い上がりと誤解が凝縮されたような記事です。無駄に冗長ですが、かいつまんで内容を紹介すると、

北朝鮮に韓国型原発を建設し、日本に半額の費用を負担させよう

という、極めて厚かましく、現実離れした妄言です。

いちおう念のために申し上げておきますが、これでも韓国国内では「保守系メディア」と呼ばれているのが、中央日報です。そのメディアに、これほどまでに日本をバカにした記事を書かれるとは、日本も落ちぶれたものです。

ただし、ここはムキになって怒るのではなく、「あまりにもバカらし過ぎる」という意味で、あえて笑い飛ばしてやりたいと思います。「寝言は寝て言え」、と(笑)。

韓国社会に蔓延する、きわめて危険な思想

というのは冗談としても、「保守系メディア」から、この手の能天気な記事が出てくることに、韓国社会の病理が凝縮されています。少々厳しいことを申し上げれば、この記事の著者自体、おそらく、「なぜ北朝鮮が核開発を急ぐのか」について、根本的な理解が欠落しているとしか思えません。

安倍総理が昨年9月の国連総会で演説したとおり、世界は北朝鮮に何度も何度も騙されて来ました。一例を挙げれば、1994年の「6ヵ国協議」では、北朝鮮が核の軍事利用を放棄するために、周辺国の負担などを条件に、軽水炉の建設で合意しました。しかし、北朝鮮は核開発をやめませんでした。

北朝鮮に核開発をやめさせるための「アメ」を与えるという戦略自体、間違っていた証拠です。日本も米国も、二度と騙されてはなりません。その意味で、日米が足並みをそろえて「過去最大の圧力」を北に加えていることは、適切な行動です。

ついでに、リンク先の記事から、韓国の危険さを示す記載を抜粋しておきましょう。

「(19)94年(の6ヵ国協議のとき)に比べてより大きな主導権と資金力を確保した文在寅政権は、韓国型軽水炉を激情的に擁護した盧武鉉最高委員の執念と戦略観を教訓にしてほしい。尾が胴を振るという言葉がある。柔よく剛を制すという言葉もある。たとえ韓国型原発が北朝鮮の核兵器能力や米国の先制攻撃力に比べて柔らかい尾のように見えても、先制的、創造的かつ十分に活用すれば胴を振ることも不可能ではない。」(※下線部は引用者による加工)

え?文在寅(ぶん・ざいいん)大統領が「大きな主導権と資金力」を確保した、ですって?私の目には、韓国は主導権を握ってもいませんし、万年、外貨不足に悩んでいて、資金力すらありません。いったい何を根拠に、「大きな主導権と資金力」と主張しているのでしょうか、このメディアは?

この文章を読むと、現在の韓国社会に蔓延する、「運転席」理論という、きわめて傲慢で、きわめて危険な考え方が見え隠れします。「運転席」理論とは、『理解に苦しむ韓国の「運転席」理論』で申し上げたとおり、「朝鮮半島核問題などを巡って、韓国自身が主導権を取り、『運転席』に座る」というものです。

ただ、何度も申し上げているとおり、韓国「ごとき」がこの問題をめぐって主導権を取ることは不可能です。いや、無理やり主導権を発揮しようとしたら、周辺国すべてを引っ掻き回し、混乱させてしまうのがオチでしょう。

日米中露を無視する愚

ところで、私はかねてから、韓国「ごときが」運転席に座ることなどできないと申し上げて来ましたが、これは別に韓国をバカにしているわけではありません。もう少し正確にいえば、米国であれ日本であれ、中国であれロシアであれ、単独で完全に解決できるような問題ではない、ということです。

1994年当時ですら、「6ヵ国協議」という枠組みを使いました。それぞれ異なる思惑を持っている国が、朝鮮半島の非核化という一致した目的(※)のために、北朝鮮に対する軽水炉の供与という結論に達したのです。

(※もっとも、北朝鮮のみが「非核化」という目標を共有していなかったことには注意する必要がありますが…。)

それに、かねてから当ウェブサイトでも主張してきたとおり、かりに米国が北朝鮮空爆に踏み切ったとしても、せいぜい、ピンポイントでミサイル発射基地を叩くのが精いっぱいであり、北朝鮮という国自体を崩壊させることは難しいでしょう(詳しくは『12月18日が晴天ならば北朝鮮奇襲か?』あたりをご参照ください)。

つまり、本気で問題を解決したければ、どうしても「日米中露4ヵ国」で対処しなければなりません。つまり、最初から中国とロシアを巻き込まないと、北朝鮮の核放棄は困難なのです(逆に、韓国が同意しなくても、「日米中露4ヵ国」が合致すれば、北朝鮮という国を消滅させることも可能ですが…)。

今回、韓国が単独で北朝鮮に特使を派遣したことは、こうした日米中露を巻き込むという観点からは、非常に大きな問題があります。とくに、今朝も『滅亡に向かう韓国との関係をマネージする』で議論したとおり、韓国が米国との関係を損ねるならば、北朝鮮核問題の解決はおろか、韓国の存続すら危うくなります。

いずれにせよ日本は、韓国がこのような状態にあることをしっかりと理解し、日韓関係をマネージしなければならないことは間違いないでしょう。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

    < 本日も夕刊配信ありがとうございます。
    < 中央日報も朝鮮日報もハンギョレも他紙も何かと、ムダに修飾語、美麗句、勇敢な軍隊用語が多いですね。これは民族が劣っていると言うことの裏返しか?或いはそういう見栄張り的な言葉が好みなんでしょうか。考えられません、私には。中央日報は読んでコメントもしてましたが、飽きてきた(笑)。記事が余りに低レベルなんで。こんなの1年365日読んでたら脳がダメになります。
    < 「94年に比べてより大きな指導力と資金力を確保した文在寅政権」。ここまで根本的な理解が出来てないと、もはやお笑いです。ヘンな運転席論も、本人はステアリング(ハンドル)を握っているつもりでも、実行力、経済力ナシです。つまりガソリンなし蓄電池なし。いったいどこに行くの?動いてないよ(笑)。「北朝鮮についてのキーは俺たちが握った」とでも韓国は思っているのか、異様な昂揚感、優越感に浸っています。
    < 『金委員長が核兵器を無くせば、北に韓国型原子炉を作ろう。【費用は日本に半分出させよう】』。
    言っときますが、韓国に安全で計画的に原発を作る技術はありません。他国にも迷惑かけていますよ。日本が半分負担?こういう言葉は日本を「格下」「僻みを込めた侮日感」から出るのでしょうが、すぐ親韓派の日本議員、日本企業が暗躍して既成事実にしてしまう。絶対阻止、安倍首相、聞かないで。
    < 韓国はこのまま掘っといても破綻するでしょう。しかし北は今のままでは難航です。用韓します。米朝会談が中止、または会談合意ならずで、米国の攻撃ですか。米高官の対話重視派が減り、攻撃やむなし勢力が増えたので、電撃攻撃は可能性高いですね。
    < 失礼しました。

  2. a4 より:

    ちょっと一言
    韓国での勘違いはメディアだけ?大統領初め国民全体が勘違い国家ですよね。
    その勘違いから来る、結果危うさを誰も危険で有ると認識出来ない処が問題ですと言う事ですね。
    自分が気持ち良ければ後はどう成っても知りませんの民族性の国ですから、救いようが有りませんがナ。

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