【昼刊】立憲民主党の思い上がり
立憲民主党の枝野代表が「いま選挙があれば議席は確実に増える」と発言したらしいのですが、この報道が事実ならば、思い上がりも甚だしいといえます。
目次
「議席が増える」の思い上がり
課題山積なのに「内閣不信任案」?
6野党の皆さんが「もりかけ・セクハラ・日報問題」で審議拒否をしている間にも、わが国には内外に課題が山積みです。野党側は麻生太郎副総理兼財相の辞任や柳瀬唯夫・元総理秘書官の証人喚問などをもとめていますが、次の日経の報道によれば、自公両党はこれに応じない方針を確認したそうです。
働き方法案、27日審議入りの構え 自公方針(2018/4/25 11:00付 日本経済新聞電子版より)
日経電子版によると、自民党の森山裕国会対策委員長は「野党が内閣不信任決議案を国会提出した場合の対応」に関して、記者団に対し、「不信任案が出されれば、衆院解散も1つの選択肢だ」と述べたそうです。
しかし、これに対して衆議院の最大野党である立憲民主党の辻元清美国対委員長は「困るのは与党であり、そんな余裕はあるのか。足元を見つめてほしい」と述べたそうですが、果て、本当に与党側が困るのでしょうか?
日経に限らず、日本の新聞の報道は前後の文脈を無視し、「この政治家はこう発言した」とだけ報じることが多いので、この会話のやり取りだけを見て全容を判断することは困難です。ただ、森山氏の発言の背景には、おそらく、野党側で内閣不信任案を提出するという動きがあることを踏まえたものでしょう。
もしそうであれば、「足元を見つめるべき」は与党でなく、野党です。このインターネット時代にあって、度重なる審議拒否、パフォーマンスばかりで仕事をしない野党議員の皆さんの所業を、私たち日本国民が知らないとでもお思いでしょうか?
枝野代表「いま選挙あれば議席増は確実」
ただ、その立憲民主党は、森山氏の解散発言に対し、なぜか非常に強気です。昨日はNHKに、こんな記事が掲載されています。
立民 枝野代表「いま選挙あれば議席は確実に上積み」(2018年4月25日 15時42分付 NHKオンラインより)
※NHKの記事は削除されるのが異常に早いので、ご注意ください。
NHKによると、立憲民主党の枝野幸男代表は昨日午後、都内で「立憲民主党のことだけを考えると、いま解散してもらえれば間違いなく議席が増える」と述べたのだとか。果たして、本当にそうでしょうか?
もちろん、「選挙は水物」といわれていますから、解散のタイミング、マス・メディアによる報道、政党同士の選挙協力などの動向を踏まえれば、特定の政党が議席数を増やすことだってあり得ます。しかし、それはさまざまな条件が揃った場合の話であり、「確実に議席数が増える」とする見通しは甘すぎます。
たとえば、マス・メディアが公表する「政党支持率調査」などで見ると、立憲民主党は自民党に次ぐ第2党の地位を占めています。しかし、時事通信の政党支持率の場合は、25.3%の自民党に対して、立憲民主党は5.1%と5分の1程度に過ぎません。
また、私が個人的に昨年10月の衆院選直後に行った独自分析(詳細は『恒例の選挙データ分析~自民党はもっと勝てた!~』参照)によれば、旧民進党は四分五裂したことにより、却って議席数は上積みされ、その分、共産党と公明党が議席を減らしていることがわかります(図表1、図表2)。
図表1 改選議席数と解散時点勢力からの増減
政党 | 改選議席数 | 増減 |
---|---|---|
自民党 | 284 | ▲1 |
公明党 | 29 | ▲6 |
民進党 | 0 | ▲88 |
立憲民主党 | 55 | +55 |
希望の党 | 50 | +39 |
日本共産党 | 12 | ▲9 |
日本維新の会 | 11 | ▲4 |
社会民主党 | 2 | ±0 |
自由党 | 0 | ▲2 |
無所属 | 22 | +9 |
欠員 | ― | ▲3 |
合計 | 465 | ▲10 |
(【出所】著者調べ)
図表2 旧民進党の勝ち負け
所属 | 解散時点 | 改選直後 | 増減 |
---|---|---|---|
民進党 | 88 | 0 | ▲88 |
希望の党 | 11 | 50 | +39 |
立憲民主党 | 0 | 55 | +55 |
無所属 | 1 | 18 | +17 |
合計 | 100 | 123 | +23 |
(【出所】著者調べ)
なお、立憲民主党は赤松広隆議員が副議長就任のために会派を離脱し、青山雅幸議員が元秘書に対するセクハラ事件を受けて離党。選挙後に山尾しおり議員が参加しているため、現在の会派人数は54人です。また、民進党から前原誠司元代表が離党して希望の党に合流しているため、現在、希望の党の会派は51人となっています。さらに、図表2のうち、「希望の党」には元民進党と関係のない人も含まれていますが、便宜上、ここでは「旧民進党系」としてカウントしています。
こうした留意点はあるものの、単純計算で旧民主党・民進党の流れを汲む衆議院議員の人数は23人増えていた、という事実を忘れてはなりません。「小池旋風」で希望の党に追い風が吹き、立憲民主党もマス・メディアの支援を得て、想定以上に躍進したことが寄与した格好となっています。
「追い風が止む」とは?
マスゴミ不信
ただ、立憲民主党などが躍進した要因は、共産党などとの選挙協力が進んだことだけではありません。おそらく、マス・メディアによる全面的な「立憲民主推し」のバイアスがかなり働き、新聞・テレビなどの「オールド・メディア」からしか情報を得ていない人たちが、立憲民主党などに投票したことが寄与したはずです。
そして、枝野代表自身がまったく想定していない現象も、同時に進行しているという事実を、忘れてはなりません。それは、「一般国民のマス・メディア不信」です。
昨年の衆議院総選挙から半年が経過しました。その間、あなた方野党の皆さまは、いったい何をしてきたのでしょうか?ツイッター、フェイスブックなどのSNS、ブログやインターネット掲示板などでは、野党の呆れたパフォーマンスに、連日、手厳しい批判が寄せられていることを、ご存知ないのでしょうか?
パフォーマンス不信
ついでにもう1つ、わかりやすい「倒閣運動の失敗事例」についても挙げておきましょう。
4月14日(土)、国会前で「大規模な」デモが行われました(『【夕刊】超絶悲報:パヨクとマスゴミの倒閣運動、大失敗』参照)。ただ、このデモは、「主催者」の発表では3万人、日本共産党の発表では5万人とされていますが、インターネット上では、航空写真等から判断して、2千人か、4~5千人程度しかいなかったのではないかとの検証結果も出ています。
参考までに、お隣の国・韓国で、朴槿恵(ぼく・きんけい)前大統領を引きずりおろすきっかけとなった毎週土曜日の「ろうそくデモ」は、回を追うごとに人数が増え、最後は主催者発表で200万人(!)を超えたとも言われましたが、日本の場合、翌週のデモは行われなかったようです(図表3)。
図表3 政権打倒デモ参加人数の日韓比較(主催者発表値)
日付 | 韓国 | 日本 |
---|---|---|
第1週 | 3万人(2016/10/29) | 3万人(2018/4/14) |
第2週 | 20万人(2016/11/05) | 0人(2018/4/21) |
第3週 | 100万人(2016/11/12) | ? |
第4週 | 50万人(2016/11/19) | ? |
第5週 | 150万人(2016/11/26) | ? |
第6週 | 212万人(2016/12/03) | ? |
(【出所】著者調べ)
自分たちで民主的に選んだ大統領を民主的ではない方法でひきずり下ろした恥ずかしい国が韓国ですが、さすがに日本では、こうした「デモで政権を倒す」という前近代的なやり方は通用しなかった、ということでしょう。日本の民度に改めて感服しました。
野党+マスゴミの自滅を待て
自民党の森山国対委員長が「解散総選挙」に言及した理由は、おそらく、立憲民主党を初めとする野党の皆さんが、「内閣不信任案」をチラつかせた、といったところが真相だと思います。
ただ、普通に考えて、自公両党で衆議院の3分の2を占めている状況で、内閣不信任案が可決されるはずなどないことは、小学生でもわかる話です。果たして本気で野党は内閣不信任案を成立させる気があるのでしょうか?
おそらく、野党とマス・メディアの戦略は、自民党内で「安倍おろし」が発生することを期待する、という、まことに他力本願なものでしょう。いや、むしろ解散されてしまうと野党側が今度こそ壊滅的な打撃を受けることにもなりかねません。
「安倍(氏)は辞めろ~」と勇ましく叫びつつも、小声で「でも、解散だけはしないでね」とささやいている状況だと考えれば間違いないでしょう。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
私自身は、いま、この状態で解散総選挙などすべきではないと考えます。少なくとも6月に米朝首脳会談が開催されるかどうかを見極める必要がありますし、改憲議論を筆頭に、内外の主要な政策課題を先に進めていかねばならないからです。
また、解散総選挙をせずに、このまま野党に好きなだけパフォーマンスをやらせて、野党とマス・メディアの自滅を誘うというのも、戦略としては賢いと思います。幸い、安倍総理も麻生副総理も辞める気はさらさらないようですし、おそらく9月の自民党総裁選で安倍総理が3選されることも間違いないでしょう。
ただし、マス・メディアと野党による政権攻撃は、今後、さらに激しさを増してくることも考えられます。いわば、マス・メディアと野党は「安倍政権が倒れるか、自分たちが倒れるか」という、チキンレースをやっているようなものです。
安倍政権は国民に選ばれた政権であり、国民に選ばれた安倍政権が勝つということは、民主主義が勝つ、ということです。一方、マス・メディアも野党も国民から選ばれていない人たちであり、マス・メディアと野党が勝つということは、民主主義が敗北する、ということです。
民主主義が勝つとは日本国民が勝つことであり、民主主義が負けるとは日本国民が負けることです。その意味で、この「チキンレース」に日本国民が負けるわけにはいかないのだと思います。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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< 昼刊の配信ありがとうございます。NHKの動画、26日の13時50分、まだ見れました。立憲民主党の枝野氏が傲慢不遜なのか、わざと強気ぶっているのか、根っから先が読めないのか、たぶんすべて当てはまるのでしょう。「立憲民主党のことだけ考えたら、今解散総選挙をやってもらえれば、間違いなく議席が増える」って、ハア?コメントのしようがないよ。多分今、55→30議席の半減でしょう。理由は皆さまご存知の通り。
< 辻元清美議員などもっとひどく、「不信任案可決されたら、困るのは与党であり。そんな余裕があるのか」と言ってのけてます。この二人の地元選挙区民様!お願いします!是非、赤絨毯から引きずり降ろして下さい。何の役にも立たない害人です。その他、怪しい動きの「国民民主党」や民進党で無所属のベテラン議員(国民党に入党禁止、あるいは自ら不参加ならいったいどんな存在感が見せられるのか、チョー楽しみ!)らを、この際、総下野させましょう。おっと、自民党の二階氏も。(ひとつぐらい減ってもいいわ)和歌山県民ガンバ!
< 失礼します。