名目GDPの日独逆転でも日本経済はまったく心配ない
ドル建て名目GDPが4位に…だからどうした?
予定では本日8時50分に、2023年10-12月期のGDPが発表されます。市場参加者の大方の事前予想では実質GDPが+0.3%(年率+1.2%)の成長が見込まれているそうですが、名目ベース(のドル換算額)でドイツに抜かれ、「GDP世界第4位」に落ちることもほぼ確実です。ただ、それと同時に現在の日本は円安などの影響もあってか、経済が非常に順調であるという点を忘れてはなりません。
目次
名目GDP、ドイツに抜かれて「4位転落」はほぼ確実
『円安と株高の相関消えても日本経済はまったく心配ない』を含め、当ウェブサイトではもう何度も繰り返し指摘してきた論点のひとつが、「日本の経済・産業の構造」です。
2023年10-12月期のGDP統計については本日午前8時50分に公表される予定ですが、市場関係者の大方の予測によれば、実質ベースのGDP成長率は前期比+0.3%程度、年率換算で+1.2%程度と見込まれているそうですが、はて、どうなることでしょうか。
いずれにせよ、内閣府によると直近、つまり2023年7-9月期のGDPは名目季節調整ベースで595兆円でしたので、「GDP600兆円時代」が目前に迫っていることは間違いないといえるでしょう。
もっとも、ここでひとつ問題(?)があるとすれば、2023年におけるドル換算したGDP(※とくに名目値の方)がドイツに抜かれ、日本のGDPが「世界第4位」に転落することがほぼ確実視されている、という点かもしれません。
ドイツ連邦統計局の今年1月の発表によれば、ドイツの名目GDPは4兆1212億ユーロ、「2015暦年連鎖価格」ベースの実質GDPは3兆2649億ユーロでした(詳細データについては同局のデータベースサイトなど検索可能)。
ということは、先月の『GDP日独逆転の裏に潜むドイツ経済実態の「ヤバさ」』でも取り上げたとおり、「ドル換算」したドイツの2023年におけるGDPは名目ベースで4兆5539億ドル、実質ベースで3兆6078億ドルです(※ただし、便宜上、為替換算には2023年12月末時点のレート【1ユーロ=1.105ドル】を使用しています)。
これを2023年12月末時点の為替レート(1ドル=141.48円)で換算すれば、日本のGDPは名目ベースで644兆円、実質ベースで510兆円以上でなければ、GDPの日独逆転が生じる、という計算です。
このうち実質ベースに関しては、2023年7-9月期で558兆円(※2015暦年連鎖価格)なので、よっぽど大きなマイナス成長にでも陥らない限りは、日独逆転は生じません。しかし、名目ベースに関しては、595兆円がいきなり650兆円に増えるとも考え辛いところですので、やはり日独逆転は不可避と考えるべきでしょう。
(※もっとも、今回の日独逆転はあくまでも「名目値」の話であり、「2015暦年連鎖価格」による実質ベースで見たら日独逆転が生じる可能性が低い、という点については、不思議なことに、日本のメディアはほとんど取り上げていません。いったいどうしてなのでしょうか?)
悪い円安論の大きな間違い
「これこそまさに、『衰退する日本』の象徴だ」――!
そう思う方も多いかもしれません。
実際、メディアの報道などを見ていると、「もう日本の衰退は確実だ」といった論調を見かけることも、最近、特に増えて来た気がします。とりわけ、一部のメディアで一昨年あたりから頻繁に目にするようになった「悪い円安」論などは、その典型例でしょう。
ちなみに『円安なら「悪い円安」だが円高なら「悪い円高」=日経』でも取り上げましたが、一部のメディアは円高になったら「悪い円高」論を、円安になったら「悪い円安」論をぶちかましてくれるので、要するに、円高になっても円安になっても「日本経済はおしまいだ」、といった結論に持って行きたいのだと思います。
ただ、とっても大事な論点なので、この際何度でも指摘しておきますが、円高には円高の、円安には円安の、メリットとデメリットがあります。
円高になれば、▼輸出産業に打撃が生じる、▼外貨建ての資産の円換算額が目減りする、▼日本を訪れる外国人観光客が減る――、といったデメリットが生じますが、円安になれば、▼輸入品価格が上昇する、▼外貨建債務の返済負担が増える、▼日本人が気軽に海外旅行に行けなくなる――などのデメリットがあります。
なにが言いたいのかといえば、デメリットは「探せばいくらでもある」、ということです。
円安にはメリット、デメリット双方がある
まずは、いつも提示しているこの図表を再掲しておきます。
図表 円高・円安のメリット・デメリット
©新宿会計士の政治経済評論/出所を示したうえでの引用・転載は自由
この図表は当ウェブサイトのオリジナルですが、考え方自体はごく当たり前のことを示していて、べつに当ウェブサイトの「専売特許」ではありません(※どうでも良い話ですが、商業出版目的等でない限り、出所さえ示していただければ、この図表は自由に引用・転載していただくことが可能です)。
これには大きくフロー面とストック面の影響が考えられます。
まず、フローとしては、円高になれば輸出がし辛くなる反面、輸入が容易になります。これに対して円安になれば輸出競争力が上昇する反面、輸入購買力が減ります。これに加えて円高になれば輸入品が安くなるため国産品需要が減りますし、円安になれば輸入品が高くなるため国産品需要が増えます。
これを敷衍(ふえん)して考えると、円高は外国産の製品を安く買って来られるようになるため、私たち消費者は短期的には潤うわけですが、中・長期的に見れば、むしろ生活が苦しくなることもあります。国内の産業(とくに製造業)がバタバタと倒れて行き、結果的に雇用が失われ、賃金水準が下がるからです。
日本の「失われた30年」とは、まさにこの「日本経済の実力以上の円高で国内産業が空洞化し、雇用や産業基盤が失われた」という要因で、ある程度は説明可能です(※日本経済衰退の理由はそれだけではありませんが、「橋本行革の失敗」、「財務省の失策」などの論点に関しては、機会があれば別稿で議論します)。
円安でもただちに製造業の国内シフトは発生しないが、心配は不要
ということは、「これと逆に円安になれば、日本の産業競争力が向上し、雇用も増え、賃金水準も上昇する」という現象が生じるはずなのですが、残念ながら、現在の日本経済は円安メリットを十分に生かし切れているとは限りません。
その理由は、この30年間のデフレ期を通じ、製造業(とくに「川下工程」、「川下産業」)が大々的に海外流出し、日本国内で産業がスカスカになってしまったからだと考えられます。
企業の投資意思決定は中・長期的な視点で行われるという側面もあるため、1年や2年、円安が続いたとしても、「すべての企業が海外拠点を撤収して製造拠点を日本に戻す」という話にはなりません。
それに、日本では現在、労働力の逼迫(働き手不足)が生じているため、もしも製造業が日本に製造拠点を戻そうとしても、それらの製造拠点を操業するうえで必要となる労働力が十分に確保できない、という可能性もあります。
あくまでも個人的な感想を述べるならば、労働力を無駄に使っている非効率な産業(たとえば新聞配達など)は、その労働力をもっと生産性が高い産業(たとえば半導体産業など)に開放すべきだと思いますが、産業構造の転換というものは、1日やそこらで進むものではないことも間違いありません。
ただし、円安が長続きすれば、徐々に製造拠点の本国回帰という流れは進んでいくものと考えられます。というのも、日本には「川上工程」あるいは「川上産業」がしっかりと残っているからです。
そもそも2023年時点において、自動車などを除けば、日本の主力輸出品目は「モノを作るためのモノ」――たとえば「半導体製造装置」や「有機化合物」、「無機化合物」、「鉄鋼フラットロール製品」、「科学光学機器」など――で占められています。
また、日本は「資源がない国だ」、などといわれることもありますが、これも正しい理解ではありません。
この点、2023年実績で見ると、輸入額の3割前後を石油、石炭、LNGといった「鉱物性燃料」が占めていますが、それ以外の品目を眺めてみると、資源の割合は非常に低く、輸入品目の多くを占めるのは資源ではなく、最終製品(PC、スマホ、衣類、雑貨など)が中心です。
そして、貴金属やレアメタルなどの資源は、じつは日本にはすでにたくさん存在していて、有名どころでいえば「都市鉱山」などがありますし、潜在的には、膨大な領海にはさまざまな資源が眠っていることも知られています(それらの採掘技術が確立しているかどうかは別として)。
このように考えていくと、日本は先端産業という分野で非常に可能性がある国であり、まだまだ伸びしろがあります(ちなみに「少子高齢化だから日本は成長しない」、「資源がないから日本は成長しない」、といった決めつけをする方は、経済や産業、金融などについて、少しは勉強なさった方が良いかもしれません)。
割合的に「資源」の輸入は多くない
さらに重要な点があるとすれば、日本が巨額の資産大国であるという事実でしょう。
先日の『日本の国際与信で「ASEAN>中韓」の傾向が強まる』を含め、以前から何度となく指摘してきたとおり、日本には国際的な競争力を持つ強い金融機関がいくつも所在しており、また、日本の金融機関・保険会社・年金基金・GPIFといった機関投資家は、巨額の外貨建資産を保有しています。
その結果でしょうか、『円安の影響?我が国の第一次所得収支が過去最大に膨張』でも指摘したとおり、外国からの利配収入などを意味する「第一次所得収支」の黒字については34兆5574億円と「過去最大水準」にまで膨らんでいるのです。
つまり、現在は円安、主力原発の稼働停止といった影響もあってか、日本は恒常的に貿易赤字体質となってしまっているのですが、その貿易赤字を大幅に上回る利配収入が、貿易赤字を完全に帳消しにしているだけでなく、経常収支を大幅な黒字に持ってきているのです。
こうした状況を踏まえても、日本のマスメディアなどは、「日本は少子高齢化でお終いの国だ」、「日本の成長率は低い」、「資源のない日本は円安で外国から資源を買う負担が重くなっている」、などとしつこく述べるつもりのでしょうか?
正直、現実の経済統計や事実関係などを無視して、思い込みだけで書かれた記事を印刷した紙の束に、月額4,000円も5,000円も支払うほど、著者はおカネ持ちではないのです。
GDP発表は冷静に
いずれにせよ、本日8時50分のGDP統計発表以降、おそらくわが国のメディアには、再び「悪い円安」論が溢れるものと予想します。それらの多くはおそらく、「GDPでドイツに抜かれた」、「国民の実質賃金が増えない」、「物価上昇で国民の生活が苦しくなる」、といったものではないでしょうか。
しかし、くどいようですが、物価上昇が賃金上昇に先行するのは経済学の鉄則であり、物価上昇が賃金に波及してくれば、やがて賃金水準も上昇し始めます。ただでさえ労働力が不足している日本のこと、賃金水準が上昇していくのは時間の問題でしょう。
また、本日の発表で「GDP600兆円時代」が到来するのかどうかはまだわかりませんが、この「600兆円時代」が遅かれ早かれ到来するのは確実ですし、ましてやその名目値をドル換算して「ドイツに抜かれた!」と大騒ぎする意味もよくわかりません。
ドイツ人がドルではなくユーロで生活しているように、私たち日本人もドルではなく日本円で生活しているわけですから、まずは日本円のベースで豊かになることが大事であり、また、経済が伸びていけば、それに伴い、得てして賃金水準も伸びていくものでもあります。
こうした観点も踏まえ、GDP統計は冷静に眺めたいものだと思うのですが、いかがでしょうか?
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
出羽守や見かけ上の結果で一喜一憂したりするような存在が
ビッグモーターやダイハツ問題につながっているような気がします。
うーん、共産主義国家における計画経済と同レベルな「必達圧力」と「無責任さ」が原因だと考えますが。
クロワッサン さま
「必達圧力」と「無責任さ」
これはキツイ、当たっているだけに。
当方は軟件工程師として製造業業界の端くれとして長い発受注連鎖の末端で職務遂行していますが、大メーカー社員たちの尊大ぶりには辟易としてきました。こんなひどい思いをしてきたと列挙暴露してもオトナゲない。彼らが自滅して行くのを冷たい思いで見守るだけです。
韓国社会の安全係数の低さが度々日本でも話題になりますけど、「問題が表面化しなければ問題ではない」という価値観で物事を進めているのは日本でも一緒ですしね。
例えるなら、6面ダイスを振って1が出たら事故になる社会が韓国で、10面とか16面のダイスを振って1が出たら事故になる社会が日本で。
現場の社畜が安全係数を上げる力の違いが日本社会と韓国社会の差になってるだけで、日本でも上の人間は無責任な無能だらけって感じます。
ニッポン製品世界サイコーでホルっているうちは幸せでよかった。
>あくまでも個人的な感想を述べるならば、労働力を無駄に使っている非効率な産業(たとえば新聞配達など)は、その労働力をもっと生産性が高い産業(たとえば半導体産業など)に開放すべきだと思いますが、産業構造の転換というものは、1日やそこらで進むものではないことも間違いありません。
新聞配達は、朝の内に届く事を前提にしないと結構変わるものなのかどうか。
あと、定期購読で2紙目半額とか聞きませんね。
自社単独で何とかしようとしても限界があるでしょうし、業界全体で競争するところは競争し、協力するところは協力するのが大事なんじゃないかと。
>つまり、現在は円安、主力原発の稼働停止といった影響もあってか、日本は恒常的に貿易赤字体質となってしまっているのですが、その貿易赤字を大幅に上回る利配収入が、貿易赤字を完全に帳消しにしているだけでなく、経常収支を大幅な黒字に持ってきているのです。
その日本国としての経常収支の大幅な黒字が庶民には基本的に無関係で、お金持ちは更に裕福に、貧乏人は更に貧しく、ってなってるだけじゃないかと。
日本社会で起業して成功した日本人で、自分が成功出来たのは日本社会が世界的にみて平和で安定した社会である事や、教育レベルなどが高い国である事を自身の成功要因として捉える人は中々聞きません。
自分の成功は自分の才能や努力に起因するのだ、と自惚れている、謙虚とはほど遠い人々が、そんな日本社会を維持発展させる為の費用である税金を支払う事を嫌がり、節税なり脱税なりに走るんじゃないかと。
篤志家による寄付とか中々聞きませんしね。
日本人は礼儀正しいだの謙虚だのと海外から好評価を得てますが、私は話半分と受け止めています。
クロワッサンさま
全く同じことを思っています。
>日本社会で起業して成功した日本人で、自分が成功出来たのは日本社会が世界的にみて平和で安定した社会である事や、教育レベルなどが高い国である事を自身の成功要因として捉える人は中々聞きません。
>自分の成功は自分の才能や努力に起因するのだ、と自惚れている、謙虚とはほど遠い人々が、そんな日本社会を維持発展させる為の費用である税金を支払う事を嫌がり、節税なり脱税なりに走るんじゃないかと。
アメリカでは、税金を納めるのが嫌な金持ちが多いようで、警官の数も確保出来ず、社会的な治安が不穏になる。
それ故に、金持ちは、ゲーテッドコミュニティやゲーテッドタウンを作り、城壁?で囲み、ガードマンを雇い、外出もガードマンを付け、子供の安全にも気が気では無く、こんな事に莫大な金を掛けても、気が安まることは無い、と。
こんな思いをしていても、税金をたんまりと払って社会全体の治安を良くした方が良いだろうという気持ちは起こらない、何とも、欲深い方々。
金を儲ける能はあっても、こんなお金の循環の仕組を理解出来る脳は無いのか?
アメリカは傲慢と強欲が人の形をしてるソシオパスの楽園って感じ。
寄付自体は日本より活発ですけど、所詮は仲間内での互助レベル止まりな感じ。
リーマンショックでも、成功したら自分の才能と努力とし、失敗したら他人の所為とか運が悪かったなどとし、物凄くご都合主義なのが明らかになってましたしね。
>ドイツ人がドルではなくユーロで生活しているように、私たち日本人もドルではなく日本円で生活しているわけですから、まずは日本円のベースで豊かになることが大事であり、また、経済が伸びていけば、それに伴い、得てして賃金水準も伸びていくものでもあります。
今の日本の経営者は、働いてくれる労働者に感謝し、より良い暮らしをさせたいと考えるより、人件費を如何に抑えて最終利益を確保し、株主に配当する事を優先する傾向があるから、庶民の暮らしが楽になる見込みはかなり薄いとかんがえます。
なので、例えば心や身体を壊した社員従業員を出す企業を「公益を害する企業」とし、時には懲罰的な行政処分を行うなどの対策が必要なんじゃないかと。
経済界と関係の深い自民党政権では望み薄なので、労組と関わりが深い立民なり国民なりに期待するしかなさそうですが、立民は立憲共産党状態ですからねぇ…。
どこぞの国を観察して分かることは「やれ、XXが世界第何位になった」「○○を追い抜いた」とか一喜一憂するのは、結局コンプレックスの裏返しであるということです。
世界第2位になっていた間の我が国のドル為替レートを考えると、今般の状況は感慨深いです。
経済サヨクで、
屈折した反米反抗意識を持ち、
強いものにへつらう
それが株式会社日本経済新聞社。彼らに thumb-down を思い知らさせるがタダ読み戦術です。
メディアの記事を見ると、その衰退しているはずの国の株をなぜ外国人が買い向かっているのか?そしてなぜ株価が上がるか?という論点に着目してない時点でぬるいですね。
GDPの規模が世界4位になったからどうこう、の議論。
こんなの、
「言葉の壁が問題ないとしたら、あなたは次のどの国で暮らしたいですか?」
【1.アメリカ 2.中国 3. ドイツ 4. 日本 5. 韓国(選択肢に入れてもしょうがないけど)】
でお終い。
日本下げの雑文で喰ってる連中にかぎって、己にいい思いをさせてくれている、この日本の環境はチャッカリ利用しながら、それをありがたいとも思っていないのです(笑)。
選択肢には無いですが、ノルウェーに住みたい。
オーロラや白夜極夜、自然と調和した町並みを味わいたい。あと、政治が国民の方向に向いているのもいい。
GDPとかどうでもいい。
寒いのは嫌い
暖かくて緑が豊かで気候が穏やかな街がお好みでしたら、クアラルンプルはいかがでしょうか。シンガポールよりずっといいですよ、おすすめします。
クアラルンプールいいですねぇ。住むならばマレーシアかノルウェーの二択でした。
ツインタワーに登ってクアラルンプールの町並みを展望してみたいし、ジャングルで日本では見ることのできない動植物を見てみたい。日本と比較して税金が安いのもいいですね。
マラリアが若干心配な面がありますが総じて魅力的です。
>名目ベースではドル換算したときのGDPで日独逆転が生じましたが
ヤフコメで早速単細胞のジミンガーが騒いでますね。このネタはとっくに賞味期限が過ぎてるのに今になってメディアが取り上げる事自体不自然なのに、何でも政府与党の所為にしなければ自我が保てないジミンガーにとってはどうでもいいんでしょうね。
その癖「どの国で一番暮らしたいですか?」と言うアンケートにはためらいなく自国にマルを付けそうですが。
マスコミは年金の運用で損失が出ると火が付いたように騒ぐ。
利益が出てもダンマリ。
2023年の利益が34兆円、史上最高だって知ってた?
こういうことはスルーして伝えない。
これと同じで円高で日本が抜き返してもニュースにならない。
sqsqさんのコメントは、こういうことを調べるきっかけになります。
・【専門家解説】年金運用で 17 兆円もの損失を出してもなぜ公的年金は維持可能なのか?
https://kumitateru.jp/media/topic/public_pension/15-trillion-yen-loss
マスコミも、こういう基本を知った上で記事を書かないと、無知を曝け出しますね。
年金基金の運用は、世界のどこでもやっていますが、機関投資家に任せている所が多いのではないですか?
日本は、GPIF (年金積立金管理運用独立行政法人) という組織を作って、独自に投資収益を上げることにした訳ですが、現在迄の所、累積プラス運用で、マイナスになった期間はごく僅かと認識しています。
いずれにせよ、プラスマイナス、騒ぐほどのことではないようです。
GDP順位の比較が意味を成すには、同時期に明確に競合している地域・産業・陣営が相手でなければ意味がないと思います。同時期の米ソ、米中とか、EU内格差で独希とか。日独の順位比較に意味があるのでしょうかね。たまたま隣接する順位の相手で計算上入れ替わったというだけで、まぁ事実であるだけマシですが。
ランキングって母数とか実態とかを無視できちゃうので、使う方は色んな意味で便利でしょうけど。一昔前の握手k…じゃないやCD売上ランキングとか。
どうせヤフコメやらXでは、日本オワタ厨、悲観マウントの愚民共が大騒ぎしているんでしょうね。見る気もしませんが
人間、以前の事は前と言っても正確にはいつだったか分からなくなるのはよくある事ですが、今の超円安はそんなに前に始まったものでは無いです
2020年12月が103円、2022年2月が115円です
なぜそこで区切ったかというと、アメリカが政策金利を上げだしたのが2022年3月だからです
その時に0.25%から0.5%に上げた事から超円安に振れだします
そこから数度の利上げを経て、現在では5.5%であり、日本はゼロ金利のままなのですからそりゃ円安になりますわね
超円安のタネ明かしとはこれだけの事だと思ってます。愚民は無い事無い事、大騒ぎなんでしょうけどね
だからアメリカが政策金利を下げたらまた100~110円台付近の通常のゾーンに戻ると思います
だって、この2年程で特別に「日本の国力が下がった!」などという事象は無いですからね
むしろ企業に再投資や賃上げの原資が貯まり、海外から製造業の国内回帰や、海外からの半導体産業の投資など、ポジティブな事象の方がよほど多いと思います
悲観マウントの連中は、円安が終わったら何も言わずに無かった事としていけしゃあしゃあと過ごすのでしょうね
そういう種類の人間は円安に限らずいつもそうですが。
体裁を整える為では無く、アホ過ぎて自分の過去の言動という記憶すら消えてるのかも知れませんが
最後に書き忘れましたが「日本は人口が2/3のドイツに抜かれ世界4位に落ちた!オワコンだ!大変だ!」
という空騒ぎは、それだけの事、一時的な事と思っているというのが論旨です