歓迎すべき日英関係の強化:英・豪軍が陸自訓練に参加
米国、豪州、台湾などと並び英国との関係はとても重要
8日に行われた陸自第1空挺団の「降下訓練始め」に、英豪両国の陸軍が参加したそうです。時事通信によると、同訓練への米国以外からの参加は初めてだということですが、英国との安全保障協力が進展していることは、日本にとって極めて重要です。英国は日本から地理的に離れていますが、立憲君主国であり、ユーラシア大陸に面する島国という意味でも、自由・民主主義国であるという意味でも、日本とさまざまな共通点を有する、極めて大事なパートナーではないでしょうか。
目次
無法国家4ヵ国に囲まれた日本にとっての「FOIPシフト」
中国が軍事的膨張と挑発を強め、北朝鮮が核・ミサイル開発の野心を捨てようとせず、ロシアによる国際法に反した軍事侵略は現在進行形で継続中――。
中国、ロシア、北朝鮮など無法国家4ヵ国に囲まれた日本にとって、安全保障が今ほど重要なときはありません。
こうしたなか、故・安倍晋三総理大臣の偉業のひとつは、日本の外交を「近隣国重視型」から「価値観重視型」に切り替えたことにあり、その中核を占めているのは、安倍総理が提唱した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の概念でしょう。
FOIPは、わかりやすくいえば、「自由」「民主主義」「法の支配」「人権」などの普遍的価値を重視する国が、ルールに基づく開かれた国際社会を作ろうとする考え方のことです。まさに無法国家である中露朝など4ヵ国とは真逆の価値観といえます。
広がるFOIPの輪、カギは英国
ただ、安倍総理の功績は、それだけではありません。米国を筆頭に、現実にこのFOIPに賛同する国が、複数出現していることにあります。
とくに、安倍総理はこれまで西側諸国に所属しようとしてこなかったインドを、米国、豪州とならぶ「クアッド」としてFOIPに引き込むことに成功しましたし、FOIPの考え方に共感・賛同している国は、この日米豪印「クアッド」以外にもいくつか存在しています。
濃淡はあれど、カナダやフランスなども、この理念に共感しているようです。
こうしたなかで、やはりFOIPの実現において「カギ」となる国があるとしたら、それは英国ではないでしょうか。
英国は第二次世界大戦などを契機に、かつての「大英帝国」と呼ばれた広大な版図を失いながらも、同じ英語圏である米国、豪州、カナダ、ニュージーランドとともに「ファイブアイズ」と呼ばれる協定を締結するとともに、欧州の一員として長らく独自に地位を築いてきました。
しかし、2016年の国民投票の結果、欧州連合(EU)からの離脱を決定し(※正式な離脱は2020年1月31日)、現在は「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP)への加盟を目指しているとされます。
TPP、英国の早期加盟目指す 1年ぶり閣僚級委員会
―――2022年10月8日 20:30付 日本経済新聞電子版より
英国は地理的には離れているが、価値観は日本と極めて近い
その英国は、日本とはさまざまな共通点を持っていますが、その最たるものは「海洋君主国家」という特徴でしょう。英国はユーラシア大陸の西端の島国であり、日本はユーラシア大陸の東端の島国で、どちらも歴史ある立憲君主国家だからです。
また、日英はともに自由・民主主義、法の支配、人権などの価値を共有しています。英国は日本にとって、「地理的には」極めて離れていますが、「価値観」という意味では、非常に近いのです。
関係を強化すべき相手国が、日本から「地理的に近い」だけで、日本とは基本的価値をまったく共有していない4ヵ国なのか、それとも地理的に離れているにしても、基本的価値を深く共有する英国なのかについては、議論の余地はないでしょう。
それに、安全保障上の地位を高めるうえで、日本にとっては英国との関係強化は願ったりかなったりでしょうし、欧州から離脱したばかりの英国にとっても、同じ民主主義の島国である日本との関係強化は、決して悪い話ではありません。
英国では、将来的には「ファイブアイズ」を「シックスアイズ」に改組して日本を引き込むべきとする構想もあるようであり(『「シックスアイズ」は日本の行動の結果、自然成立する』等参照)、日英が安全保障面での関係を強めれば、日米同盟の強化・重層化にも寄与します。
さらには、「AUKUS」、つまり豪州、英国、米国の3ヵ国連携に対しても、英国側からは日本の参加に対する秋波が生じていることも忘れてはなりません(『英制服組トップがAUKUSの日本の参加に前向き発言』等参照)。
これも広い意味では安倍総理の遺産のひとつなのかもしれません。
陸自第1空挺団の降下訓練始めに参加した英豪両国
こうしたなかで目に付いたのが、こんな話題です。
陸自「降下始め」に英豪初参加 パラシュート部隊、結束アピール
―――2023年01月08日15時56分付 時事通信より
時事通信によると、8日に陸自習志野演習場で実施された陸自第1空挺団の「降下訓練始め」で、英国と豪州の陸軍パラシュート部隊が初めて参加したのだそうです。これについて時事通信は次のように評しています。
「これまで米国以外からの参加はなく、中国の海洋進出を念頭に、各国の結束をアピールした形だ」。
まさに、日米豪印「クアッド」連携を進めている相手国のひとつである豪州に加え、英国がこの手の訓練に参加することは、非常に象徴的です。
時事通信によると、訓練ではパラシュート降下に続き、「敵部隊に占領された離島の奪還を想定した演習」が行われたそうですが、これなど日本領である石垣市尖閣諸島だけでなく、島根県竹島や北海道択捉諸島・国後諸島など、日本領を不法占拠している無法国家に対する牽制にもつながります。
いずれにせよ、現代国際社会では、単独で防衛をするのではなく、基本的価値を共有する多国間での連携が基本となるでしょう。
日本としても、米国との関係を基軸に据えつつ、それに豪州、英国、カナダなどの英語圏諸国、フランスや台湾などの民主主義国家群、さらにはインドやASEAN諸国などとの連携を深め、無法国家群に対抗していく姿勢が重要です。
その意味では、まずは日英関係の強化の進展には注目する価値がありそうです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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インドとの連携です。百里基地に来て合同訓練を行います。
https://pbs.twimg.com/media/Fl3Gt5AaAAIAwAl?format=jpg&name=large
失礼しました。出典はインド大使館SNSでした。以下追加情報です。スホーイが来るって結構すごいと思いました。
The Indian contingent participating in the air exercise will include four Su-30 MKI, two C-17 & one IL-78 aircraft, while the JASDF will be participating with four F-2 & four F-15 aircraft.
(もちろん、今後どうなるか、どういう結果になるかは分かりませんが)英豪軍の(日本国内での)陸自訓練参加は、日本にとって変化の時代の始まりの象徴になるのではないでしょうか。(もちろん、日本のなかで、変わること自体を否定する人もいるでしょう)
以前から少し気になっていたのですが、無法国家4カ国とはっきり述べておられるなら、きちんと名指しすべきでは?と思います。中国、ロシア、北朝鮮、韓国‼。私はこれら日本周辺4カ国は明らかに客観的事実に基いて無法国家であると断言できると思っています。何故いつも韓国を名指しから外すのでしょうか?と疑問に思っていました。韓国は無法国家4カ国には含まれていなのでしょうか?で、あるならば4カ国目はどこでしょうか?日本周辺を見渡すと台湾、フィリピン、インドネシア、島嶼国等々、太平洋を挟んで米国になりますが、、、、、、
大人の事情を察すべきですかな?まあどうでも良いことですかね。
わざと名指ししない嫌らしさってあるよねwww
多分ブログ主なりの嫌味だと思いますよ。このブログ外務省の木端役人に目をつけられてますからねww
リンク先、大手通信社の簡素な記事なのに、コメントの低レベルさにドン引きしました。ゲーム脳というかなろうレベルの知識というか、最新の戦略ガーとか言いながら想像してるのは空の神兵やノルマンディーというミリオタの風上にもおけないようなお笑いコメントが並んでいます。あと謎の中国擁護。
この記事から外交的な意味をサクっと拾える人はすごいんだなって……
未来図
日英関係に期待する「映え」ある未来。👍
・・・・・
日韓関係に待機する「ハエ」在る未来。🪰
・・。
英国がここまで極東情勢に関与しようとするのは、やはり香港の権益確保が主たる理由なんでしょうか。中国が英国との約束を破棄して、一国二制度をもはや維持するつもりがないことを公式に宣言したとき、香港に拠点を置く欧米金融資本はこぞって脱出を図るというような予測がありましたが、今のところそれが本格的な動きとなっている様子は見られないようです。経済音痴と言われる習近平指導部では掌握できないような権益が、まだまだ香港にはしっかり残っているということかなと思えます。
日本にとっての中国の脅威と言えば、琉球列島に対するあからさまな領土的野心、東、南シナ海の安全航行への懸念が,最も大きいと思いますが、この点で英国とどの程度問題意識が共有できるのかは、よく分かりません。ただ、われわれには余りよく見えてはいないものの、英連邦という存在は、英国にとって単なる名目的宗主国などというものではない、はるかに重要な意味を持つんだという論説を目にした記憶があります。自国の経済圏と、それを支えるシーレーンに土足で踏み込んでくる中国に脅威を覚えているという点では、英連邦の一国であるオーストラリアはまさに日本と利害を共有していると言えるのでしょう。
本当に成功の可能性を計算した上言ってるのかと疑いたくなりますが、台湾侵攻を明言して米国に怒りを買い、その上、日豪に加えて英国まで敵に回す。中国外交のしたたかさなんて言辞を振りまく論調をひと頃よく目にしましたが、夜郎自大的な愚かさをせっせと振りまいているようにしか見えないのですが。
英国は香港返還に加えて、EU離脱など孤立気味の状態にあります。
キャメロン政権は一時期中国に傾斜しましたが、香港の民主化弾圧など習近平政権の強権ぶりに曲げ覚めて、改めてコモンウェルスという歴史的な資産に気付いたのだと思います。
今後の発展が期待されるインド太平洋地域は、コモンウェルスの強化にとって中核的な地域です。
特に、エリザベス女王無き今、この地域へのより一層の関与が必要であると判断していると思います。
QUAD、AUKUSとの安全保障面で連携に加えて、CPTPP加盟など経済面での連携も今後進むものと思います。
日本としては、英国の決断を歓迎し、積極的に協力することが、日本の安全保障にも大きな力となることを強く認識すべきだと思います。
英国は、実利を優先しがちな面がありますので、この辺りはしっかりと認識しておくべきかと思いますが。
昨日、3年ぶりの降下訓練始めを見学してきました。
今年は、日米英豪の降下があり見応えがありました。
パラシュートの形もことなり意味深かったです。
米軍は、陸海空の参加でした。海軍も演習に参加して
ヘリからロープで降下する様子が見れました。
最近の情勢を考えると、恒例のイベントで日米英豪の連携を見せつける
ことも必要なんだろうと感じました。
————————————————-
今年の参加(防衛省HPから)
■米軍 約70名
・米空軍 第5空軍第374空輸航空団
・米陸軍 第82空挺師団、第11空挺師団、第1特殊部隊群第1大隊
・米海軍 第5空母航空団
■英軍 約30名
・第16空中強襲旅団
■ 豪軍 約10名
・国防軍空挺学校5名
プチ自慢ですが、私の遠い親戚の若者が、精鋭で知られる習志野の第1空挺団に所属してます。まだ若いですが小隊長さんです(笑)。頑張ってるな、ケガしないように、、と祈ってます。
日本の周りは極悪同盟FOUR「4」が揃ってます。日本は遠近の距離に関係なく同じ価値観を持つ、「価値観重視型」国家に変貌しました。その根幹「FOIP」には、是非英国にも参加して欲しいですね。米英豪NZ印仏加国らと日本が極めて同盟に近い関係を結ぶべきです。
めがねのおやじ様
小隊長さんですか?
ワタシはうらやましいです。
チョウナンが25年ほど前に防衛大に合格しました。
で、防衛大を勧めましたが、ノーひと言。
チョウナンの選択で都の西北大学に入学しました。
6年間遊びまくってやッと卒業しました。
チョウナンにとっては楽しい学生生活でショウガ、親としては残念な気持ちでした。
親の気持ちはモッタイナイでした。
友人のご子息で防衛医大に入られた方が居ました。
親御さんが面会に行かれたら、作業服姿で泥まみれ・汗まみれで現れたそうで、涙が出たと仰ってました。
入ったら入ったで厳しいみたいですよ。
アメリカと違って、英国はちょっと把持したものの見方をしてくれますからね。アメリカ一辺倒の日本の政界も変わってくれればいいのですが。要はアメリカ以外のお友達を日本は増やすべきなのです。
本当に同意します。
今、日本がすべきなのは「米国との同盟を強化・深化しつつ」「日本の友達を増やし、一本足打法にならないこと」だと思います。
中国、ロシア、北朝鮮など無法国家4ヵ国に囲まれた日本・・・。
わかります(笑)
受けている不法行為から考えると南北で差が無いのかもしれませんねぇ。