韓国への譲歩が無意味である理由を鈴置論考で確認する
年末に韓国観察者・鈴置高史氏が、「尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権の総集編」ともいうべき記事を公表しています。これがまた大変に面白いのです。鈴置氏といえば、過去に「日本が韓国に譲歩したところで意味がない」という点をわかりやすく説き明かした人物でもありますが、今回の論考もそれとまったく同じ文脈に位置付けることができそうです。
目次
課題は解決しなくても良いこともある
「課題山積」なら「解決法」は――?
「新年から、内外ともに課題は山積している」――。
こんなことを述べると、必ず帰ってくる反応のひとつが、「では、それらの課題を解決する方法を示してほしい」、です。
「課題」ではなく「問題」、「懸案」、あるいはそれらが複数存在することを意味する「諸」を付して「諸課題」、「諸問題」、「諸懸案」などの表現を使っても良いのですが、「解決策は?」と聞き返されるという点では、まったく同じことです。
それでは実際のところ、それらの「諸課題」ないし「諸懸案」に、有効な解決策というものはあるのでしょうか。
ここに、著者としては「ちょっと待っていただきたい」と異議を述べたいのです。
諸懸案が存在していた場合に、必ずそれらの「解決策」が存在しなければならない、とする発想自体、著者としては同意しません。もちろん、世の中には「解決しなければならない諸懸案」というものは存在しますが、それと同時に、「無理に解決しなくても良い諸懸案」というものも存在するからです。
日韓諸懸案は韓国側に解決責任
さて、その「無理に解決しなくても良い諸懸案」に典型例があるとすれば、それは日韓諸懸案でしょう。
「朝鮮半島で戦時中、強制徴用された」と自称する者たち(=自称元徴用工)らやその関係者が日本企業を訴え、韓国の最高裁に相当する「大法院」が自称元徴用工らの請求を認め、日本企業に損害賠償を命じた判決(自称元徴用工判決)を含め、日韓間にはさまざまな懸案が山積みとなっています。
ただ、新年を迎えたので改めて指摘しておきますが、日韓諸懸案の多くは、韓国側が「①ウソや捏造、歪曲などに基づき」、「②法的な根拠のないこと(たとえば謝罪や賠償)を要求している」、という「共通構造」を持っています。これが当ウェブサイトで長らく提唱してきた、「二重の不法行為」です。
日韓諸懸案に関する韓国の「二重の不法行為」
- ①韓国側が主張する「被害」の多くが韓国側によるウソ、捏造のたぐいのものであり、最終的には「ウソの罪をでっち上げて日本を貶めている」のと同じである
- ②韓国側が日本に対して要求している謝罪や賠償の多くは法的根拠がないか、何らかの国際法違反・条約違反・合意違反などを伴っている
(【出所】『【総論】韓国の日本に対する「二重の不法行為」と責任』等参照)
自称元徴用工問題など、その「二重の不法行為」の典型例でしょう。
なぜなら、「日帝による違法な強制労働」なるものも存在しておらず、また、仮にそのようなものが存在していたとしても、日韓間の請求権の問題は、1965年の日韓請求権協定によって「完全かつ最終的に」解決しているからです。
このように考えていけば、問題を一方的に発生させた側である韓国が、問題の解決に全責任を負っていることは明らかでしょう。というのも、自称元徴用工問題を含めた「二重の不法行為」は、ウソを止め、法を守り、自分たちが日本に与えた損害を賠償し、謝罪しなければならない立場にあるのは韓国だからです。
安倍政権以降の日本政府の外交
日本政府の対応は十分だったのか?
ただ、自称元徴用工問題を巡る日本政府側の対応も、十分なものとは言い難いところです。
少なくとも日本政府は自称元徴用工問題を巡って、韓国側がいう「強制徴用問題」ないし「強制動員問題」などの呼称ではなく、「旧朝鮮半島出身労働者問題」と呼称しており、また、請求権の問題は65年の協定で解決済みとの立場を貫いています(※少なくとも表向きは、ですが)。
つまり、日本政府は自称元慰安婦問題の轍を踏んでいないのであって、その意味では安倍晋三政権以降の日本政府の姿勢そのものは評価できるものでもあります。
しかし、本来であれば「強制徴用・強制労働の事実はない」との部分に対しても、日本政府がハッキリと断言しなければならないところであり、その意味では、ウェブ評論家以前に1人の日本国民の立場としては、どうもこの問題に対する日本政府の姿勢に「十分に満足している」とは申し上げられません。
これについては2015年、明治期の産業革命関連施設をユネスコ世界遺産に登録した際、当時の佐藤地(さとう・くに)ユネスコ大使(のちのハンガリー大使に栄転)がユネスコ総会の場で、こんなことを述べたこととも関係しているのかもしれません。
「日本は、1940年代にいくつかのサイトにおいて、その意思に反して連れて来られ( brought against their will )、厳しい環境の下で( under harsh conditions )働かされた( forced to work )多くの朝鮮半島出身者等がいたこと、また、第二次世界大戦中に日本政府としても徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じる所存である」。
正直、今になって読み返してみても、驚きとしか言いようがありません。この “forced to work” などの言い方だと、世界の人々からすれば「日本政府が違法な強制労働の事実を認めた」としか思わないからです。
外務省という組織の問題点
しかも、ユネスコ大使のこの愚かな発言に対し、外務省は取って付けた言い訳が、さらに噴飯ものです。
外務省が同年7月14日付で公表した記事によれば、この “brought against their will” や “forced to work” は、「朝鮮半島出身者については当時、朝鮮半島に適用された国民徴用令に基づき徴用が行われ、その政策の性質上、対象者の意思に反し徴用されたこともあった」という意味なのだそうです。
そのうえで「今回の日本側の発言は、違法な『強制労働』があったと認めるものではないことは繰り返し述べており、その旨は韓国側にも明確に伝達している」、などとするのが外務省の言い分ですが、正直、擁護にすらなっていません。腐敗し切っています。
失言をしたユネスコ大使を直ちに懲戒免職することもせず、あろうことか省を挙げてこの失言を全力で擁護したうえ、ハンガリー大使に栄転させた外務省という組織自体、解体し、職員を全員雇い止めにするくらいのことは行っても良いくらいです。
しかも、この外務省という組織自体の腐敗体質は改まっておらず、佐渡金山の世界遺産登録を巡っても岸田文雄首相にウソの報告をせっせと上げ続けていました(『ウソつき外務省:「佐渡金山登録で米韓との関係悪化」』等参照)。
しかも、こうした「日韓諸懸案」については、安倍晋三総理や菅義偉総理の時代は、「韓国にすべて解決する責任がある」とする姿勢で一貫していましたが、これが岸田首相に代わってからは、あたかも「日韓双方の努力で」解決しなければならないかのような表現に変化しています。
首相演説では対韓外交姿勢が大幅に後退した
実際、菅総理の2020年10月26日の第203回国会の所信表明演説では、日韓関係については次のように位置付けられています。
「韓国は、極めて重要な隣国です。健全な日韓関係に戻すべく、我が国の一貫した立場に基づいて、適切な対応を強く求めていきます」。
この菅総理の発言、「二重の不法行為」の構造を理解していれば、当然に出て来るものです。日韓諸懸案を解決するにしても、「約束を守る」のも、「ウソをつかない」のも、「不法行為について日本に謝罪し、賠償する」のも、すべては韓国の決断にかかっているのであって、日韓が「協議」すべき問題ではないからです。
それなのに、岸田首相は今年10月3日の第210回国会の所信表明演説で、こんなことを言い出したのです。
「韓国は、国際社会における様々な課題への対応に協力していくべき重要な隣国です。国交正常化以来築いてきた友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を健全な関係に戻し、更に発展させていく必要があり、韓国政府と緊密に意思疎通していきます」。
菅総理の発言にあった「(韓国に)適切な対応を強く求めていく」という文言がスッポリと抜け落ち、代わって「韓国政府と緊密に意思疎通」という表現がシレッと付け加わっています。まるで外務省の役人あたりが原稿を書いたようにも見えてしまいますが、実際のところはどうなのでしょうか。
腐敗トライアングルは官僚機構にとっても都合がよい
もっとも、現実は外務省にとって非情です。
昨年の『【総論】崩壊始まる官僚・メディア・野党「腐敗利権」』などを含め、当ウェブサイトではずいぶんと指摘してきたとおり、この日本社会においてはこれまで、官僚組織とオールドメディア、そして特定野党議員といった「腐敗のトライアングル」が、かなりの力を持っていました。
具体的には、官僚組織が「記者クラブ」という制度を使い、「紙を食べる記者」を飼い、その「記者クラブ」のインナーサークルでは政権与党をやたら攻撃し、特定野党をやたらと持ち上げる記事が横行し、結果的に与党に絶対的な力を握らせないような構造が出来上がっていたのです。
この点、当ウェブサイトにもごくたまに、「日本の外交の失策を批判するなら、外務省ではなく自民党を批判すべきだ」、などと主張するコメントがわきます。
これについては、自民党が非常に大きな問題を抱えた政党であることは著者自身も認めますが、ただ、それと同時に自民党国会議員にはあって官僚にはない「絶対的な違い」があるとしたら、それは「選挙の洗礼を受けているかどうか」、です。
そして、外務省を含めた官僚組織には、共通した構造があります。
少数の限られたメディアを「記者クラブ」により支配し、官僚機構の「ご意向」を記者クラブ所属記者に周知徹底し、その「ご意向」に沿った記事を書かせることで、選挙結果をコントロールし、与党(たとえば自民党)を「勝たせ過ぎないようにする」ことが、彼ら自身の利益になるのです。
(※ちなみに余談ですが、こうした構造は外務省だけでなく、財務省、総務省などにも、まったく同じことが言えます。)
社会のネット化で崩壊する既得権益
ところが、ここ10年ほどの間、こうした構造がうまく機能しなくなりました。自民党がこれまで大型国政選挙を8回制し続けています。野田元首相の下で行われた2012年12月の衆院選、安倍総理の下で行われた2回の衆院選と3回の参院選、そして岸田現首相の下で行われた衆院選と参院選です。
なぜ自民党が勝利し続けているのか――。
「野党があまりにも情けなすぎるため」、というのはその分析のひとつですが、当ウェブサイト的には、理由はそれだけではないと考えています。その最たるものは、「腐敗トライアングル」の真ん中に存在していたオールドメディアが、ネットのせいで急速に力を落とし、滅亡しそうになっているという点にあるのでしょう。
このため、官僚組織による記者クラブを通じた「恫喝」は、徐々に効かなくなり始めています。東京の山手線の駅名を冠した怪しげな自称会計士のサイトを含め、ネット上には「記者クラブ」に属していない書き手が山ほどいて、それらのすべてを官僚組織がコントロールすることなど出来っこないからです。
そして、自称元徴用工問題を含め、日韓諸懸案で現在の宏池会政権が韓国に妙な譲歩をしそうになっているという疑いについても、こうした「非記者クラブ」系のサイトが客観的な事実関係などをねちねちと蒸し返し、牽制しているという事情もあります。
(※だからこそ、「ウソツキ外務省」などの表現に対し、一部のコメント主が発信元を次々と偽装し、ハンドルネームをコロコロ変えては外務省を擁護する意見が多数派であるかのごとき工作をしているのでしょう。こんな怪しげな弱小サイトにわざわざ工作をするとは、本当にご苦労様なことです。)
著者自身は日本政府が韓国に対し、日韓諸懸案で韓国に「妙な譲歩」をする可能性を強く警戒はしていますが、それと同時に、社会のネット化が進めば進むほど、多くの日本国民が納得できないような「譲歩」をすることが難しくなっているという点については指摘しておく必要もあるでしょう。
鈴置氏の教え
日本の譲歩は無意味
そのうえで、外務省にはもっと厳しい事実を見ていただく必要があります。
日韓諸懸案を「解決」しなければならない理由のひとつとして挙げられるのは、「北朝鮮のミサイル発射が相次ぐなかで、日韓・日米韓連携をさらに強化しなければならないこと」ですが、残念ながら、これはまったく理由になっていません。
現実問題として、いまこの瞬間に関していえば、日本が「日韓・日米韓」の枠組みを破棄するわけにはいかないのですが、それと同時に、日韓諸懸案が山積みとなっていたとしても、防衛面で必要があれば、こうした連携は自然に深まるからです。
実際、昨日はこんな話題もありました。
韓米日高官 北朝鮮巡り連日の電話協議=「国際社会への挑戦」
―――2023.01.01 17:25付 聯合ニュース日本語版より
韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)によると、北朝鮮が昨年末に開いた朝鮮労働党中央委員会総会で「核武力の強化」などを明言したことを受けて、日米韓3ヵ国の外交当局者が1日、電話協議を開催したのだそうです。
ちなみに聯合ニュースによると、協議をしたのは外務省の船越健裕外務省アジア大洋州局長、米国務省のソン・キム北朝鮮担当特別代表、韓国外交部の金健(きん・けん)朝鮮半島平和交渉本部長の3者で、北朝鮮が短距離弾道ミサイル3発を発射した12月31日に続き、2日連続で話し合ったとしています。
すなわち、日本が日韓諸懸案で韓国に譲歩しようがしまいが、現実問題として、日韓・日米韓連携は深まっているのであり、その意味では、「諸懸案と現在の問題」を分けて考えるという「ツートラック」戦略は、日本政府こそ採用しているものなのです。
鈴置氏「日本の対韓譲歩は無意味」
さて、ここまで述べてピンときた方は鋭いと思います。
上記の「日本が韓国に譲歩しようがしまいが日韓・日米韓連携にはまったく影響がない」とする考え方、じつは、当ウェブサイトのオリジナルではありません。『対韓譲歩は無駄!鈴置氏「日本に韓国を動かす力なし」』でも紹介したとおり、韓国観察者である鈴置高史氏の考え方です。
鈴置氏は「日本に韓国を動かす力はない」としたうえで、「日本が譲歩すれば韓国を動かせるとの考えは極めて傲慢」、「なぜか、ここが分かっていない専門家が多い」と説くのですが、この考え方自体、宏池会政権の関係者には100回くらい繰り返して聞かせてやりたい部分でもあります。
ただ、もっと身も蓋もない言い方をするならば、そもそもの前提条件として、韓国が日本や米国にとって、信頼のおける相手国なのかどうか、検討しておく必要があります。
そのヒントとなる材料を提供してくれるのも、やはり鈴置氏です。
韓国が西側陣営に戻らないのはなぜか 米中の間で右往左往し続けた尹錫悦の半年間
「西側への回帰」を掲げて2022年5月に発足した尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権。だが、中露への平身低頭ぶりは左派政権と変わらなかった。なぜ、民主主義国家の側に戻らないのか。韓国観察者の鈴置高史氏が考える。<<…続きを読む>>
―――2022年12月31日付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』より
この記事自体、昨年の暮れに公表されたもので、記事の内容から判断して、一種の「尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権の米中二股外交・総集編」のようなものです。
リンク先記事を読むと、尹錫悦政権が文在寅(ぶん・ざいいん)政権と大きく変わったのは対北政策くらいなもので、それ以外は前任政権と大差ないと痛感してしまいます。いや、「西側諸国に戻ったふり」をしている時点で、よりタチが悪いというべきでしょうか。
外交姿勢がブレブレの韓国:中国の圧力に屈する
今回の記事では冒頭に「尹錫悦政権の外交的迷走」に関する一覧表のリンクが掲載されており、ウェブページの2ページ目では、実際に画像ファイルとして確認することができます。
これにはたとえば、8月4日のナンシー・ペロシ米下院議長訪韓時の「面談拒否」を含め、尹錫悦政権が対米外交・対中外交で迷走を続けていることが「客観的事実」として示されているなど、記者クラブを通じて外務省に忖度しているであろうオールドメディアにはなかなか掲載されない図表です。
肝心の本文は5000文字少々、ウェブページ換算で3ページですが、いつもながらのわかりやすい文体、客観的証拠が盛りだくさんの本文のためでしょうか、あまりにもあっという間に読み終えてしまい、「もっと読みたい」「続きがみたい」という、逆の意味でのフラストレーションを感じてしまう可能性がありますのでご注意ください。
ただ、尹錫悦政権の擁護者からすれば、「あれだけ北朝鮮に対し強硬姿勢を示している尹錫悦大統領が『従中』であるはずなどあり得ない」、「鈴置(氏)はウソつきだ!」、などとする批判が飛んでくるであろうことは、容易に想像がつきます。
じつは、多くの人が見落としているであろう重要な情報が、2つ取り上げられています。
ひとつは10月31日に国連総会第3委員会が発表した新疆ウイグル自治区での人権弾圧に対する非難声明、もうひとつは11月16日に国連総会第3委員会が可決したクリミア半島での人権問題に対する球団決議です。
前者には米英日豪など自由民主主義国50ヵ国が名を連ねたにもかかわらず韓国は加わらず、後者も韓国は78ヵ国の賛成国ではなく、79ヵ国の棄権国に加わりました。
「『西側に戻る』はずの尹錫悦政権も姿勢を変えなかったのです」。
鈴置氏はこれについて、「中国の圧力に屈したものだ」とする韓国国内のメディアの報道を取り上げ、「外交的なブレが国益を大きく毀損する」、「羅針盤たるGPSがおかしくなっており、尹錫悦外交が迷走し始めた」との警告を紹介しています。
今度は米国の圧力?でブレる韓国
ただ、これにはさらに、次のような続きがあります。
「この訴えの後、韓国はまた大きくブレました。12月15日、国連総会でクリミア半島での人権問題に関する対ロ糾弾決議案がウクライナから提出されました。賛成82カ国、反対14カ国、棄権80カ国で可決したのですが、韓国は今度は賛成に回りました」。
…。
なかなかに、よくわからないスタンスの国です。
鈴置氏は決議に賛成するという点では「正しい方向への修正」としつつも、「姿勢がブレる韓国」という意味では「状況はより悪化した」と断じます。なぜなら、こうした行動自体、「米国の圧力によって韓国は態度を変えた可能性が大きい」(鈴置氏)からです。
こうした「迷走」を見ていると、「日本が韓国に譲歩しようがしまいが、韓国の行動を変えさせることはできない」――、という点について、改めて認識せざるを得ません。米国や中国の圧力で、その場でコロコロと態度を変えているからです。
さらには、中国抜きのサプライチェーンを作る米国のIPEF(インド太平洋経済枠組み)を巡って、尹錫悦氏自身がIPEFからの中国排除の色彩を払拭するのに懸命だったとする話も具体的な証拠付きで出てきますが、正直、米中間で態度が煮え切らないくにというのも困りものでしょう。
こうしたなかで、鈴置論考では、こんな記述も出てきます。
「日本ではほとんど報じられていませんが『慰安婦や徴用工の話はもう、聞きたくない。反日を理由に離米従中するな』と米国は韓国に圧迫も加えました。『韓国民主政治の自壊』第3章第3節「『韓国は人権無視国家』と米国が認定」で詳述しています」。
これについては、相変わらず日本のメディアがろくに報じない部分でしょう。
そもそも2015年12月の日韓慰安婦合意自体も、米国の強い圧力が存在していたのですが、その合意を韓国自身が破ったことで、日本としては韓国に妙な譲歩をこれ以上する必要がなくなったわけですし、米国自身も韓国の反日を「恐中の隠れ蓑」であることを見抜いているのです。
ルトワック氏の主張を思い出す
これが凝縮されているのは、こんな記述ではないでしょうか。
「中国やロシアが怖いからです。核保有国の中ロは日本にとっても脅威ですが、過去の戦争では勝ったこともある。米国と組めば何とかなる、と日本人は考えている。しかし、韓国は勝ったことがない。中ロに限らず、戦争というものに勝ったことがないと、難敵に立ち向かおうとの気概が持てないのです」。
「難敵に立ち向かおうとする気概が持てない」。
韓国問題は、ここに尽きるのでしょう。
そういえば、これまでに何度も引用してきた(そしてこれからも何度も引用する予定の)、米国の政治学者で米戦略国際問題研究所(CSIS)のシニアアドバイザーでもあるエドワード・ルトワック氏が10年前に出版した『自滅する中国』に、こんな一節がありました。
「2011年12月14日には『従軍慰安婦』を表現する上品ぶった韓国人少女の像が日本大使館の向かい側で除幕された。<中略>これは韓国に全く脅威をもたらさない国を最も苛立たせるような行為であった。<中略>戦略面で現実逃避に走るのは<中略>、国際政治に携わる実務家たちの力や、同盟国としての影響力を損なうものだ。さらにいえば、これによって実際に脅威をもたらしている国に威嚇されやすくなってしまうのだ」。
今になって思えばルトワック氏も、韓国が「恐中」のあまり、それを「ごまかす」ためにも反日に乗り出さざるを得ないという事情があることを、見抜いていたのかもしれません。
鈴置氏も今回の論考で、こう指摘しています。
「今回、保守政権になっても米中間でうろうろするのを見るにつけ、韓国が信頼できる西側の国にはならないことがよく分かりました」。
本当に、これに尽きるのでしょう。
では、どうするのか?
以上を踏まえ、当ウェブサイトなりに日韓諸懸案について、何らかの処方箋を示すならば、やはり、基本的には「二段構え」ではないかと思います。
まず、日韓諸懸案についてはむりやり解決せず、事実上の棚上げを狙いつつ、足元の日韓・日米韓連携をうまく運営していくこと。次に、日本が基本的価値を共有する友人(米国、豪州、英国、台湾など)との連携をさらに強化し、「日米韓連携」の相対的な重要性を落としてしまうことです。
つまり、極端な話、日韓諸懸案についてはいっさい解決することなく、当面の日韓・日米韓連携だけそれなりに取り繕い、その間に台湾を含めた友人との関係を抜本的に強化する、というのが、日本外交のあるべき姿ではないでしょうか。
その意味で、今年も鈴置論考を指針としつつ、日本の外交がより強くなることを期待したいと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
12/31の読者雑談でも触れましたが、自称”徴用工”の弁護人によると、昨年末に韓国外交部の担当者から「韓国の財団が、韓国企業からの寄付だけで賠償金の支払いを行い、その後日本企業による資金の拠出や日本政府からの遺憾表明を期待する」という案を提示されたそうです。 韓国政府はすぐに否定していますし、弁護人も大反対していますが、日韓両政府の交渉内容がそういう内容だったのでしょう。
日本としては、あとは①足して2で割る交渉は最早成立しない②日韓基本協定による徴用工問題の解決は韓国政府もかっては認めていた③現状のまま推移すれば、韓国の受ける打撃が日本よりはるかに大きい、ということを、韓国政府がいつ韓国民に納得させられるか、を見守るだけで良いと考えます。
韓国の米中「コウモリ外交」は褒められる話ではありませんが。古今東西、そのような輩はいつもいるもので、そのように遇すれば良い、ということでしかありません。
岸田政権ならびに外務省は、それなりに筋を通している、と考えております。
>岸田政権ならびに外務省は、それなりに筋を通している、と考えております。
鈴置論考にあるように米国の韓国に対する姿勢に反するようなことを避けているだけで、筋を通しているように見えるだけかもしれないと思います。
鈴置論考を放り出した日経ビジネスのように韓国を利する勢力はまだまだあるので要注意ですね。
私も韓国との懸案は「栗鼠化撫素への扱い」で対応可能だと思います。
もっと言えば、「マッチポンプの後半を相手に強要する詐欺」ですので無視が一番。
嘘つき外務省に加えて 嘘つき財務省。
「増額する防衛費のうち、1兆円は必ず増税をしなければ財源が確保できません」
というのは真っ赤な嘘です。第二次安倍政権以降、毎年税収予測を間違ってきたのが財務官僚です。(パチンコ屋の倒産を応援するブログより)
韓国からすると、チベットやウイグルは「中国の問題」だから絶対不可触で、ウクライナは「ロシアの国際問題」だから西側と同調出来て、首尾一貫しているといえば首尾一貫してるんですよね。
中国の対韓国姿勢から分かるのは、韓国には命令を下し、何か言ってきたら殴って従わせるのが正解なんだって事。
時には動物にすら人権?を認める日米には先ず真似出来ないですね。
韓国は、嘘つきで誠意なく、タカリ屋で借りたもの(金等)は返さず、返せと請求した方が悪者にされ、米中二股外交し、特に日本には、何があっても関係ない事でも対抗心燃やし、どんな手を使っても「反日上等」の国、国民です(^^)V。
鈴置先生の論考は、我が目のウロコが取れました。だいたいそういう気分になる事が多いです。「日本に韓国を動かす力はない」ですね。だから、韓国に譲歩しても無駄なんです。しても0対100ですよ。
傲慢な韓国に、何故日本は「譲歩したら韓国も分かってくれる」なんて、傲慢な考えを日本外務省、自民党議員に諸政治家は抱くんでしょう。限りなく関わらないのが、一番です。
自分らで問題をでっち上げ、日本を非難する。更に金品・謝罪を求める。日米韓はともかく、日韓は環が千切れてます。千切ったのは韓国。信頼のおけない相手国です。◯◯なってしまえ!と憤怒の気持ちになりますね。
韓国の言うことは
徹底的に無視していればいい
韓国の言うことを聞いても
韓国は図に乗るだけで
韓国はかわらない
無視してれば変わる可能性はある
無視していても変わりません。
効果がなくともただひたすらに同じ事の繰り返しです。
ニセ徴用工は騒ぐだけ。
韓国政府はオロオロするだけ。
日本が譲歩してくれないか粘着するだけです。
資産売却とかニセ徴用工逮捕とかなにもできずにただ時間が解決するのを待ってるだけです。
ただ、代わりに日本が動けという訳ではなく 実害がなければ日本は見てるだけでいいと思います。
>無視してれば変わる可能性はある
ここを
「中国以上に恫喝して理不尽に
殴り続ければあるいは変わるかも?」
とすれば可能性としたらあり。
ただ、恐ろしく面倒くさいし
何より日本人の性格として向いていない。
最近読んだ前世紀の対韓国ビジネスマンの本では、彼等の交渉術では1のものを100位に膨らまして50でも絶対にひかないのだとか。
対して日本は交渉決裂を絶対に避けるためいいカモになる様です。
しかし、今の日本は解決しなくてもいいと変わったので韓国はどうしていいのかわからなくなってるのかも。
ただ、日本は甘いです。
絶対にひけない線が基本条約遵守では足りません。
韓国が今迄の嘘を謝り賠償して領土返還までがセットでないと釣り合いません。
何故韓国が製品を作れるのかもその本に書いてました。
まず、日本製品が韓国で売れます。
すると韓国政府はそれ等の製品の日本からの輸入を禁止します。
日本からのです。その他の国からは禁止しません。
しかし、韓国の民間からは売ってくれと催促が来ます。
すると、日本は商品を分解して韓国で組み立てます。
すると韓国はその部品も輸入禁止に。
ならばと、その部品も分解して韓国で生産し、その過程で技術移転も起こります。
もちろん韓国で日本資本の工場など作れないので向こうの財閥に技術移転して作らせます。そして、結果その製品が世界で日本の製品と競合して日本の首を絞めます。
もちろん技術移転した時に製品は韓国内でしか売れない契約を結んでますが契約の概念がないのですぐさま海外へ輸出。
韓国に技術移転禁止のための法律がないので裁判で負けるのでなす術無し。
あの時、輸入禁止をとる国に対して部品の輸出禁止措置を取ってればと官僚の無能はを嘆きます。
sey g さま
「国際分業」を葵の印籠もしくは錦の御旗に使って反対者たちを封じるような動きがかつてありました。宮沢ドクトリンと言っても構わないでしょう。志通りにうまく行っているケースと付け込まれて身を削ったケースがありますよね。
はにわファクトリー様
上の者が騙されたのか、いい目をみたのか。
輸入禁止にするなら、輸出禁止するのが当たり前と思うのですが。
どうせ真似出来ないと馬鹿にしてたのか技術の価値を知らなかったのか。
今は変わってきたので、もう少しこの流れが早ければなと思います。
国際分業は戦後新秩序として編み出された新しい概念=実践であり、日本の場合は戦争賠償と組み合わさっていましたので、一概に宮沢ドクトリン嘆かわしとは言えないですが、この手のものは公論化するとたちまちのうちに葵の印籠となり、異論は封止され濫用の弊害が明らかになるまで冒進が止まらない。どうしていつもこうなるのかまこと遺憾なことです。
初夢1
日中政府は次のとおり合意し声明する。
「新疆ウイグル自治区及びチベット自治区は、完全独立を認める。」
「北朝鮮及び南朝鮮は、中国の属領とし、如何なる処分も中国政府の随意とする。」
今回の鈴置論考のポイントは、次の文章だと思います。
「しかし、韓国は勝ったことがない。中ロに限らず、戦争というものに勝ったことがないと、難敵に立ち向かおうとの気概が持てないのです。」
まさにそのとおりで、韓国の行動は全てこの文章で説明できます。
朝鮮戦争勃発時に北朝鮮軍の奇襲を受けて、李承晩大統領がソウル市民を見捨てて我先に逃亡した事実は有名で、朝鮮戦争中も韓国軍が中共・北朝鮮連合軍から攻撃されると、米軍から支給された最新兵器を放置して我先に逃亡したことは、マッカーサーの後を継いだ国連軍総司令官リッジウェイ将軍の著書「朝鮮戦争」にはっきりと書かれています。
その結果、韓国は異常なまで「勝利」に固執し、手段を選ぶことがありません。
大韓民国憲法前文には「韓国は戦勝国」であると明記されており、サンフランシスコ講和条約に「戦勝国」としての参加を要求して米・英に拒否されると、戦勝国の証(あかし)として竹島を強奪し、日韓国交正常化交渉でも最初は戦勝国としての賠償金を日本に要求しました。
スポーツ分野でもサッカーワールドカップ日韓大会では審判を買収して4強進出を実現し、バドミントンでは空調の風向きを韓国選手に有利に調整して恥じることはありません。
「自称元徴用工判決」、「自称元日本軍性奴隷判決」や「対馬仏像盗難事件判決」では、国際法や条約を無視してでも日本に勝利することを最優先しています。
このような国のアーティスト(?)を、私の支払った受信料を使って大晦日の国民的番組「紅白歌合戦」に登場させることは、絶対にやめて欲しいと思います。
ここまで貶めるのはどうかと思いますが、事実は事実ですし、迂遠な表現をしたところで理解力に乏しい韓国人には伝わらないであろうから、はっきりと書いておきます。
都合の悪いことは見えない、聞こえない、考えない韓国民に届くことはないであろうが書いておく。韓国はいわゆる「徴用工問題」で、韓国内のローカルな理屈で日本企業の財産を差し押さえて日本に譲歩をせまっていますが、これは極悪人が子供をさらって「人質」にして金品を要求しているに等しい極めて野蛮な行為である。これを国家としてやりながら先進国を自称するなど片腹痛い。
もし金品を要求する正当な理由があるのであれば、「人質」などなくてもそれができるはずなのに、「人質」がなければ交渉ができないのだとすれば、韓国という国自体が犯罪国家、反社会性国家と自ら世界に公表しているようなものである。
万が一、交渉がうまくいかないからと言って「人質」を殺害でもすればどうなるか、時に日本は「通州事件の時」のように後先考えない恐ろしい一面も持つことを警告しておく。
と、このぐらいはっきりと書いておけば誤解なく伝わるだろうか。見えない、聞こえない、考えないに陥れば状況が停滞するのでよろしいのだが。
日本人はバカ真面目で、交渉事とか目の前の問題は解決しなければならないという脅迫観念みたいのを持ちすぎるので損をしています。時に解決せずに先送りにした方が得をする(裁判だと原告側が死亡したり、気力が尽きたりするまで裁判を長引かせるということも稀によくあると聞いております)というときは積極的に時間稼ぎをしていいと思います。
今回は「日本の全面降伏」以外の解決をすることは、韓国にとっての負けになるので韓国側も時間稼ぎしか手段がありませんので(くどいようですが「人質」をとって金品を要求するような悪辣な手段をとったのは韓国側です。この場合「人質」を殺害しても、無料で開放しても要求が通らなくて「負け」になります。)、日本が対処を間違えない限り(要求に応じて身代金を支払う)事態は膠着し、時間だけ稼げるでしょう。韓国はしょせん風に吹かれてひらひらするだけの存在です。こちらが反応しなければ何もできない相手です。
忖度よりも損得って点では、ブレないんですよね。彼らは・・。
日本は、韓国の言い分をマジにとらえすぎ。例えばメディアなども、韓国の訴えをそのまま流してしまいます。
自分の都合よくしゃべるほうが国際標準です。北方領土に住むロシア人も話し合いで領土問題を解決していこなどというものはゼロで、「北方領土は我々の領土」と言い切る者たちばかりです。
日本が「話し合いで解決しよう」という姿勢のママでは何も動きません。
韓国人の言う「解決」も、我々の考える解決ではないということも心に止めておきましょう。永遠に日本が譲歩する、それが彼らの言う解決だからです。
安倍さんが亡くなり、石原慎太郎さんも亡くなり、
日本の国益を考え行動してくださる、政治家は少なってしまいました。
日本の国益など一切考えず、河野発言を撤回することもなく
やがて、河野洋平も寿命で死ぬでしょう。
岸田の増税も等しく、どれだけ後世に足かせをはめ、残してゆくのでしょう。
「韓国にすべて解決する責任がある」
でも
「韓国には解決する能力がない」
そして内政の失敗を
日本が言うことを聞かないからだと
また日本のせいにする
拝読して納得ばかりです。
しかし韓国も問題ですが、外務省というか官僚が最大のガンであるとますます認識をあらたにしました。
昨今ネットを賑わしているコラボ問題も、結局は官僚とNPOが与党や世論、つまり国民を無視して税金を横流しするスキームを作り出し、特定野党やパヨクがそこに吸い付いている構造のようです。
その共通点として特定アジアの勢力が入り込んでおり、そこに利益を饗しようとするという事がありますが、要するに日本侵略の片棒を担いでいるわけですよね。望むと望まざるとはあるでしょうが。
振り返って見ると、「我が国の一貫した立場に基づいて、適切な対応を強く求めていきます」を削除した対韓外交についての若干の文言の変更が、結局は岸田による譲歩外交への出発点だったなと思います。役人にとってこうした文言がいかに重要かを実感しました。
文言変更に従って韓国と「緊密な意思疎通」をしましたが、その中身は単なる日本の譲歩。韓国が一番望んでいたグループAにあっさり戻してしまったら、何を交渉カードにして慰安婦問題やアルプス処理水、日本海呼称といった様々な懸案を解決するのでしょうか。日本が譲歩して関係改たら韓国も譲歩してくれると勘違いしてるかのよう。韓国からしたらあとは日韓スワップをゲットしたら、いずれ手のひら返すのでしょう。最近、日韓財務大臣会合を開催しているのが気になります。