「日韓関係では日本側が信頼関係を構築せよ」=週刊誌
なぜ関係を壊された側が壊した側に配慮しなければならないのか?
「大切なのは、尹錫悦氏が強調しやすいメッセージを出している間に、日本側が信頼関係を構築することだ。ギブアンドテイクで交渉できるカードを並べて意思疎通を図り、尹錫悦氏を反日にさせない意思と能力を示せ」。この手の「日本が譲歩すべき」とする議論には、本当に辟易とします。なぜ信頼関係を壊された側が、信頼関係を壊した側に配慮しなければならないのでしょうか?
目次
主語をぼかす日韓関係改善論者
昨日の『「韓国が」日韓関係を悪化させた』でも紹介したとおり、「日韓関係改善論者」の皆さまは、ともすれば事実関係(たとえば「文章の主語」)をわざとぼかして議論することがあります。
「韓国は日本との関係がとても悪くなったが、このような韓日関係を正常化させ、隣接国として共に協力するのが望ましい」、といった発言など、その典型例でしょう。
当たり前の話ですが、現在の日韓関係を「悪い」と定義するならば、それは日韓関係「が」悪くなったのではなく、韓国「が」日韓関係「を」悪くしたのです。このあたり、事実関係を間違えてはなりません。
ではなぜ、こうした日韓関係改善論者の皆さまは、「日韓関係『が』悪くなった」、といった言い方をするのか――。
その理由はさまざまで、著者がみたところ、「とにかく日韓関係が『改善』された方が自分にとって都合が良い」、という論者もいれば、「単純に考察が足りないだけ」、という論者もいるようです。
一見すると正論が続くかに見える記事
そして、タチが悪いのは前者よりも後者のケースでしょう。なぜなら、議論していて自分の主張のどこがおかしいか気付いていないからです。そういう主張を読むと、途中までは「保守派の大統領に過大な期待をすべきでない」など、一見正論を述べているようでいて、最後の結論の部分で「あれ?」とズッコケてしまうことがあります。
こうしたなか、週末には小学館が運営するウェブサイト『NEWSポストセブン』に、こんな記事が出ていました。
尹錫悦・新大統領は米韓関係を重要視 米国を利用し日本に譲歩迫る可能性も
―――2022.03.19 16:00付 NEWSポストセブンより
これは『週刊ポスト2022年4月1日号』からの転載コンテンツのようですが、今月行われた韓国大統領選を尹錫悦(いん・しゃくえつ)氏が制したことを受けて、「日韓関係にようやく陽が差すと期待されている」、などとする記事です。
この記事は全部で2000文字に満たないもので、あっという間に読了することができるのですが、ここに「罠」があります。記事の途中までは、(多少議論に粗さはありますが)いちおう、複数の人物に取材し、「もっともらしいこと」が書き連ねられているからです。
たとえば、こんな具合です。
- 尹錫悦氏の支持母体である「国民の力」は韓国国会で少数与党体制とならざるを得ない
- したがって、尹錫悦政権はケース・バイ・ケースで野党に譲歩した政権運営が必要であり、野党から反日的政策を突き付けられればそれを呑まざるを得ない
- 大統領選での主張はスローガンばかりで具体性がなく、目指すべき日韓関係に関するビジョンが見えない
- 昨年9月には慰安婦問題を巡り『日本から必ず謝罪を引き出す』などと発言をしていた
- 対日融和を推し進めようとしても、世論やマスコミが最大の壁となる
…。
これらの主張のなかには、個人的に同意できる部分とそうでない部分もありますが(とくに「尹錫悦氏が保守政治家である」とする部分には同意できません)、こうした点を除けば、「保守政権だから親日という簡単な図式では語れない」という総論部分についてはそのとおりだと思う次第です。
米国を利用して譲歩を迫る
ちなみに「保守政権だから親日」という図式は当てはまらない、という点については、尹錫悦氏が当選を決めた直後に掲載した『韓国大統領選:尹錫悦政権発足へ』を含め、当ウェブサイトではこれまでしつこいほど繰り返し述べて来たつもりです。
したがって、以前から当ウェブサイトをご愛読いただいている方からすれば、「保守政権だからといって親日とは限らない」と言われても、「何をいまさらわかり切ったことを」、と思う方も多いでしょう。ただ、その一方で、世間的には依然として、「保守政権なら親日」と単純にとらえる人が多いのかもしれません。
こうしたなか、「米国の圧力を使って日本にさまざまな情報を迫る」のが韓国の常套手段であることについては、日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏ならば、もう10年以上前から指摘している点ではありますが、これについてNEWSポストセブンの記事でも、こんな記述が出ています。
「尹氏は日米韓と言っていますが、韓国があくまで重要視しているのは同盟があるアメリカとの関係です。アメリカを利用して日本から様々な譲歩を引き出すような根回しをする可能性があります。具体的には元徴用工に対する賠償金の問題などで、韓国側の主張を認めるようアメリカが日本側に求めることが考えられる」(元朝日新聞社ソウル特派員の前川惠司氏)。
そのうえで前川氏は、「日本では保守政権の誕生を歓迎する声が多いですが、反日反米で孤立した文政権よりも尹政権のほうが、日本に不利益をもたらす恐れがあります」と指摘しているそうですが、個人的にはこの見解に全面的に同意せざるを得ません。
どうしてそうなる!?
ただ、こうした文脈に続き、記事の結論部分では、唐突にこんな主張が出て来ます。
「新政権の発足に向けて日本に必要なのは、先手を打って主導権を握ることにある」。
およ!?
どうしてそうなるのでしょうか?
これについて記事の続きを読むと、とある論者のこんなコメントをそのまま紹介しているのです。
「大切なのは、協調しやすいメッセージを尹氏が発信しているうちに、日本側が信頼関係を構築することです。ギブアンドテイクで交渉できるカードを並べたうえで意思疎通を図り、尹氏を反日にさせない意思と能力を示すことが求められます」。
…。
端的に申し上げて、本末転倒した結論と言わざるを得ません。
そもそも信頼関係を壊してきたのは韓国の側であり、それは現在の文在寅(ぶん・ざいいん)政権だけでなく、その前任の朴槿恵(ぼく・きんけい)政権、そのまた前任の李明博(り・めいはく)政権、さらにその前任の盧武鉉(ろ・ぶげん)政権もまったく同じです。
どうして信頼関係を壊してきた側に、信頼関係を壊された側が手を差し伸べなければならないというのでしょうか?
また、「ギブアンドテイクで交渉できるカードを並べ」、とする記述もありますが、このあたりも意味不明です。
自称元慰安婦問題に関しては、2015年12月の日韓慰安婦合意をもって最終的かつ不可逆的に解決済みであり、現在の問題は、その約束を韓国政府がひっくり返したこと、主権免除違反判決を韓国の裁判所が出してしまったことにあります。
自称元徴用工問題に関しては、2018年10月と11月の大法院(※最高裁に相当)が下した確定判決が1965年の日韓請求権協定に違反する状態を創り出している問題であり、かつ、日本政府が要請した外交協議・国際仲裁などの手続の一切合切を韓国政府が無視した問題でもあります。
さらに竹島不法占拠問題は、1952年のサンフランシスコ講和条約発効前というドサクサで、当時の韓国大統領だった李承晩(り・しょうばん)が国際法に反し、一方的に宣言した「李承晩ライン」の問題であり、これまでに何度も国際仲裁裁判所(ICJ)への付託を韓国に提案し、拒絶されています。
そのほかの諸懸案についても、対馬仏像窃盗問題にせよ、イチゴ種苗窃盗問題にせよ、下記管制レーダー照射事件にせよ、旭日旗問題にせよ、基本的には韓国が起こした問題ばかりであり、日本には譲歩するいわれなどなにひとつとして存在しません。
怖いのは「岸田リスク」
以上から、基本的にこれらの諸懸案については、解決策を提示する責任は韓国側のみに存在しますので、日本が下手に「解決策」についてのヒントを出さない方が得策です。
それなのに、NEWSポストセブンの記事には、こんな記述が出て来ます。
「後手に回るほど日本の国益が損なわれる。外交通を自称する岸田首相の手腕が問われる」。
はて?
なぜ「後手に回る」と「日本の国益が損なわれる」のですか?
むしろ下手に手を出す方が日本の国益を損ねるように思えてならないのですが…。
ただ、その一方で、この記事を「与太話」と斬って捨てるにもしのびない部分があります。もっと怖いのは、岸田首相がこれを本気にして、「俺は外交通だ」とばかりに韓国に手を差し伸べようと動くことでもあるからです。
この点、以前の『鈴置論考に見る文在寅政権の5年と「日韓関係の未来」』でも紹介したとおり、鈴置高史氏は『韓国は猿芝居外交のあげく四面楚歌に… 「文在寅」退任でも日韓関係は修復せず』という記事のなかで、次のように指摘しています。
「一方、日本の保守の間には『岸田文雄政権は中国と韓国に弱腰』との警戒感が強まっていますから、妥協を引き出すのは安倍晋三政権や菅義偉政権の時より却って難しいかもしれません」。
この指摘自体は、大変に参考になります。
岸田首相くらいの政治力だと、韓国に対し下手な譲歩をすることはできない、と読めるからです。
もっとも、個人的に危惧している要因のひとつは、今夏の参院選で最大野党である立憲民主党が惨敗する可能性です。立憲民主党の現在の体たらくから判断する限り、基本的には自民党が勝利を収める可能性が高く、立憲民主党が議席を減らすこと自体は、本来ならば悪い話ではないはずです。
しかし、その一方で、選挙結果次第では、岸田首相の求心力が高まり、その結果、岸田首相が日本のためにならないこと(たとえば「新しい資本主義」、あるいは「本体」である財務省がねじ込んで来る増税など)に本腰を入れ始める可能性があるのです。
もしそうなったとして、それが岸田首相の政治的指導力のおかげなのか、それとも最大野党があまりにも酷いからなのかについては、本来ならば分けて考える必要があります。しかし、自民党が勝利すれば、そうした考察はすっ飛ばされ、岸田首相に対する信任とみなされて、政権は最低あと2年続くことになるでしょう。
韓国に譲歩しようとして任期切れ、という可能性も!?
岸田首相が参院選以降、尹錫悦氏との間で慰安婦合意の再交渉、自称元徴用工問題を巡る基金方式での解決、日韓通貨スワップの復活、といった具合に、日韓関係についても「日本が切れるカード」を勘違いしてズラズラ並べて来る可能性はあるのか、大変に気になるところだと思う次第です。
結局、そうならないためには、私たち国民がしっかりと政権の動きを見守るしか方法はありません。
幸いなことに、インターネットサイトなどを眺めている限り、個々の日本国民は意外と冷静です。
また、安倍、菅両政権時代を通じ、(2015年の世界遺産登録などを除けば)日本はしっかりと筋を通した対韓外交を続けてきましたし、見たところ、こうした外交方針を日本国民もしっかり支持しているように見受けられます。
なにより、自称元慰安婦問題、自称元徴用工問題などのように、日韓間の諸懸案はあまりにも深すぎるため、岸田政権が下手に手を突っ込もうとしても、岸田政権の在任中に解決がつかずに時間切れとなり、2024年の自民党総裁選を迎える、という可能性も十分にあり得ます。
いずれにせよ、日韓問題に限らずすべてに言えることですが、我々日本国民は日本国内外の諸問題に広く関心を持ち、政権に対し常に国民の声を発していく姿勢を持つ必要があるのではないでしょうか?
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
ポストの記事は、あたおかでしょう。
昨日書こうかと思いましたが、話が纏まりませんでしたので、纏まんないままのコメントです。
米韓関係を占うのは、米韓合同軍事演習をリアルに実施するかどうかだと思います。
北朝鮮の強い反発も予想され、政権基盤の弱いユン氏では、無理だと思います。
それ以外の要因では、現状と大差無いでしょう。
後は、新政権で北朝鮮の暴発リスクが、高まるでしょう。
本年2022年は、李承晩ライン設定70周年、日朝平壌宣言と拉致問題発覚20周年、そして対馬の仏像盗難10周年なんですな。前者二つは人間の拉致問題が絡みますが、後者については、仏様が拉致られてもう10年たったのかと、暗澹たる思いがいたします。
日韓間の解決不可能な問題の解決案を出す責務が韓国にあるのだから、主導権を握っているのは韓国ではなく日本でしょうにね。
とはいえ、岸田総理が動くことも無いでしょ。
己の力量も弁えず派手に動くような人物なら、とっくにそんな目立つ動きやって、大々的に叩かれて今のように支持率を維持出来るなんて事ないでしょうから。
仮に選挙に勝ったところで、それだけで他の派閥を抑え込んで自分の政策を推し進められるなら世話無い。
第一次安倍内閣だって、当初は圧倒的な支持を得ていながら、(やりたい方向性は間違っていなかったと思う)性急に話を進めようとしたばかりに、あっちこっちから叩かれ潰された訳で。
岸田総理が選挙に勝って調子に乗って強引に何か進めようとしたとしても、同様に潰されて終わりだろうとしか。
何も出来ずに任期切れになるか、調子に乗って速攻で潰されて終わるかのどっちかの可能性が高そうに思える。
左巻きの連中は、新大統領就任を狙って、世論作りに必死だな、と思ってしまいます。
ありとあらゆる媒体に今後も、この手の世論誘導を狙った記事が出てくるのでしょう。
(会計士様の予測通りw)
幸い、偉大な文大統領のおかげで、早々に日本の世論は流されることはないと思いますが、やはり最大の懸念は「岸田リスク」じゃないかと思います。彼は必要な事は先送りする癖に、必要ないことはすぐにやってしまう、典型的な外地蔵タイプだと思ってます。
安易に妥協しないで欲しいと願います。
>後手に回るほど日本の国益が損なわれる。
は、見方によると思います。
岸さんさんが、真に外交通で、世界の流れ、米、中、露の動きを把握できているのなら
先手を打って、米国が余計なことを言い出す前に、
”条約を守れ、合意を守れ、盗んだものは利子を付けて返せ、不届きものは処罰せよ、再発防止策を講ぜよ。”
を、世界に向けて発信すればよいと思います。
今は、開くまでも、幼児を諭すトーンで。
農家の三男坊 様
同意です。
相手(米国)に直接言えないのならば、せめてそうして欲しいですね。
かの御仁は外交通が内政痛にもなりそうで怖いです
コリア・レポート編集長の辺真一氏と某・在韓ジャーナリストと早稲田大学大学院教授の李鐘元氏は、尹錫悦新大統領により日韓関係が改善されるという観測に懐疑的で、妥当な見解だと思います。
一方で、元朝日新聞社ソウル特派員の前川惠司氏は、「尹錫悦新大統領がアメリカを利用して日本から様々な譲歩を引き出すような根回しをする可能性があり、具体的には元徴用工に対する賠償金の問題などで、韓国側の主張を認めるようアメリカが日本側に求めることが考えられる。」として、こうした事態を回避するため「日本政府は、先手を打って主導権を握る必要があり、ギブアンドテイクで交渉できるカードを並べたうえで意思疎通を図り、尹氏を反日にさせない意思と能力を示すことが求められる」と主張しています。
しかし「元徴用工に対する賠償金の問題などで、韓国側の主張をアメリカに認めさせる」ということは、「大日本帝国による朝鮮併合が違法・無効であったことをアメリカ政府に認めさせる」ということであり、極めて非常識な考え方だと思います。
岸田リスク、、、確かにそれが一番心配だ。インドに出掛けた岸田クンの「おれが日本の総理だ!No.1だ!」と云わんばかりの高揚した顔を見るにつけ不安はポカを起こすだろうの確信に変わる予感が膨らんでいく。おれは庶民の暮らしを豊かにしてくれるなら、政治家の多少のポッケナイナイも収容するほうなんだが、岸田クンは真面目だもんなぁ、、。相手をハメてくるくらいのワイルドさがあるといいんだけどな?
最近のNHKの世論調査では、今後の日韓関係が、「変わらない」と答えた人が59%で、「よくなる」と答えた人は25%でした。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220315/k10013530461000.html
NHKは韓国寄りの組織ですが、それでも世論の6割は日韓関係がよくなるとは考えていないと、正しく報道しているようです。
よくなると答えた人の割合が増えているところは、気になるところですが。
それで今回の週刊誌の記事に関してですが、これは元朝日新聞社ソウル特派員の前川惠司氏が、日韓関係を改善しないと日米関係が崩れるぞ、などと根拠のない思わせぶりのシナリオを描いただけのものでしょう。彼がこの記事を書いたのは、「岸田政権は、日韓関係をよくする方向に動くべし」 という「願い」を記事することが目的でした。彼は、行き詰っている日韓関係に関して、日本の世論を少しでも動かそうとしているのでしょう。ロシアや日本の左翼がいつも使っているプロパガンダです。
こんな記事で今の日本の世論が大きく動くことはありません。それは、叶わない願いです。
何度かコメントしてますが、党内外から猛烈な反発を食らうことが確実な「原理原則を枉げた形での譲歩」を押し通すような政治力は、岸田総理にはありません。今夏の参院選で自民党が多少議席を増やそうが、岸田派が党内3位/4位派閥であることには変わらないでしょうから、安倍、麻生、茂木の各氏の意向に真っ向から逆らうような真似もできないでしょう。なので、リスクゼロとまでは言いませんが、それほど心配していません。
リスクとして確実に存在するのはバイデン・リスクでしょう。就任以来の迷走ぶりを見ていると、まさに目を覆わんばかりであると思います。トランプ前大統領もたいがいだったと思いますが、明らかにもっと酷い。お花畑思考を押し付けるために、無茶なことを言ってくる可能性は否定できません。警戒し、注視すべきは、尹新大統領就任後のアメリカの動きではないかと考えます。
もっとも、ウクライナの「後始末」に忙殺され、さらに対中国にも神経を注がねばならないアメリカとしては、朝鮮半島なんぞに目を配っているような余裕はないだろうとも思いますが。
>怖いのは「岸田リスク」
なんとなくだけど、結構岸田リスクって高いように思うのです♪
今は、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、「仲間が多ければ多い程良い」みたいな考えを持って、共同宣言をすること自体を目的化しちゃわないかって思っちゃうのです♪
で、記事の方だけど、最後に紹介されてる
>尹氏を反日にさせない意思と能力を示すことが求められます
という、辺氏の言葉に突っ込んどくのです♪
韓国自体が反日なんだったら、
尹氏ひとりを取り込むことに意味はないと思うのです♪
曲がりなりにも、民主主義国家(ですよね♪建前だけかもだけど・・・)の大統領が国民の意思をまるっと無視することはできないだろうし、できたとしても蝋燭で引きずり降ろさせるか、次の政権で卓袱台返しをされるだけだと思うのです♪
だから、韓国との間では、恒久的・安定的な協力関係なんかは諦めて、事案毎に利害が一致するとこだけの関係で十分だと思うのです♪
で、韓国に、こちらにとって望ましい行動を取らせるためには、わかりやすい鞭がいちばんというのは、ロシアへの制裁で実証済みなのです♪
あと、数ある懸案事項とやらのうち、日本にとって早期に解決が必要なのって、自称元徴用工とかで不当な裁判に巻き込まれてる(巻き込まれる恐れのある)企業の救済くらいだと思うのです♪
韓国がいう、自称元慰安婦とかへの追加の謝罪とか賠償は不要だし、貿易管理はちゃんと管理しとけば良いだけだし・・・・
アメリカにジャイアン的な要求されるかもって思って、韓国に変な妥協をするよりも、アメリカをちゃんと取り込むことの方が大切だと思うのです♪
「尹錫悦大統領就任直後の訪日が急浮上!東京で日韓、日米韓首脳会談開催も!」(辺真一)と同様に、日韓関係改善の端緒がつかめない韓国側の焦りが現れた記事でしょう。放っておけば良いと思います。尹錫悦の外交ブレーンたちは、「韓国が手を差し伸ばせば日本は握ってくる(くるべきだ)」「韓国世論が反発すれば日本は譲歩してくる」「日韓が悪ければ米国が介入してくる」という従来の日韓関係のパターンの発想から未だに脱け出せていないように思えます。だから尹錫悦は軽率にも「米国の次に日本を訪問」と発言してしまったのでしょう。ところが、現実は①日本の世論は新大統領選出でも日韓関係は変わらないが59%(要すれば変わらなくてもいい、と思っている人が多数派)②韓国の世論がどうであれ、国家間の条約・合意を守らない国と新たな折衝は出来ないという岸田首相の意向は固い③「米国が圧迫を通じて韓日に仲良くするように言うことはできるが、そのような時代は過ぎたし、そのようにすること自体が不適切だ」(ランバート副次官補)が米国の考えです。このままでは、公約を破らずには、米国以外のどの国にも行けなくなってしまいます。さりとて、日本に一方的な譲歩をしたのでは、韓国世論が持たない。何とかしてくれ、という尹錫悦の外交ブレーンたちの悲鳴が聞こえるような気がします。嫌韓主義者の私ですが、頼まれもしないのに彼らにアドバイスするとしたら、①まずは河村建夫に代わる”本当に韓国の為を思ってくれる”自民党の実力者を探しなさい②次にその実力者と相談して落しどころとなりうる案を考えなさい(あの文喜相だって一応作ったでしょうが)③それを韓国内で一応の支持が得られるように韓国保守系のマスコミに働きかけなさい。こんな与太記事をいくら飛ばしても、何も進みませんよ。
taku 様
訪日と会談拒否の手がありましたね。見落としていました。
解決からほど遠く、道筋さえも全く無し、約束も守れないじゃ、時間の無駄になりますよね。特にこんな忙しい時期に。
日韓関係における文在寅大統領の最大の「功績」は、韓国をほったらかしにしておいても日本が困ることはほとんどないということを日本国民に広く知らしめたことだと思います。
尹新大統領が訪日&首脳会談を希望というのであればそれも構いませんが、儀礼的な会見と内容空疎な共同宣言をだしてオシマイでしょう。国内での基盤の弱い尹氏が画期的な解決案を持ってこられるとは思えませんし、尹氏としては、現在以上に「悪化」させないようにできたら上出来というもんです。
いずれにしても、2024年の総選挙まではたいしたことはできないでしょうね。
雑談部屋でも良かったんですが
慰安婦損害賠償訴訟で敗訴の日本、財産明示命令にも5カ月間無対応
https://s.japanese.joins.com/JArticle/289030
いわゆる主権免除を無視した判決を韓国が、ごり押ししている案件です。
>「(慰安婦問題は)日本帝国によって強行された反人道的な犯罪行為」とし「国家が主権的行為だとしても国家免除を適用することはできず、例外的に被告に対する裁判権が大韓民国裁判所にある」と判示した。
ポスト誌は、こんな国と
「新政権の発足に向けて日本に必要なのは、先手を打って主導権を握ることにある」
と言ってます。
「嘘つきで約束を守らないリスカブスが、ちょっと変わったみたいだから言い寄れらないといけない」と言ってるようなもんです。
もはや日本との関係の問題どころではないのでは?
なにしろ文政権(まだ任期も人気もあります)と政権与党は、旧ソ連が親和的に独立解放を手伝ってくれてアメリカの弾圧支配から救ってくれようとしたのに…論の一派ですし、それがまだ韓国国民の半数近くの支持を得ている。
日本と関係無い所まで文政権の五年間で行ってしまってます。
我々日本ではどうしても日本と韓国の関係で彼の国の言動を考えがちですが、文政権与党の言いぐさはチェチェン独立派やベラルーシと同等だと考えるべきかと。
そんなたいそうなもの、日本がどうこう出来ません。
譲歩だのなんだのなに言ってるのです。
もう朝日さんや左翼さんの心の支えだった旧ソ連も中華人民共和国も社会主義も共産主義も報道の自由や人権や平等なんかもロシアと中国がバキバキに踏みつけて破壊してしまいました。
なんて事はない、左翼活動圏の人々が信奉していたのは、
虐殺を伴う弾圧をする王政または独裁制と独裁体制が富を簒奪する体制だったってライブで見ている真っ最中です。
貨幣経済も国際社会の協調もぶち壊し中です。
なにがインターナショナルなんですか?
飢餓に苦しむ弱者の逃げ込む学校や劇場や病院にミサイル・ロケット・砲弾をドンと撃って爆撃しているのが左翼の総本山。
子ども食堂なんて危なくて我が子近寄らせたくありません。
人の盾にされたり目標にされてしまいます。
確かに独裁体制と信奉者たちvs敵対する裏切り者と被災者に二分されるので、最早「労働者に辛苦」からは解放されてますね、平等に。
労働してる場合じゃないですもん。
左翼さんがフランス革命・ロシア革命・キューバ革命に夢見る由縁がわかりました。
戦闘・闘争している最中こそが理想社会なんですね?
平穏な生活こそが活動の敵。
うすうす気づいてはいたんですが、ここまでリアルタイムに現実みせられてしまうとね…
韓国大統領がだれになっても韓国の国としての構図は変わっていません。
国内の半数はあっちにいっちゃってる人々の国です。
無理なんです。
最後の方で「日本の方からギブアンドテイクで信頼関係を構築しろ」と明後日の方向の
結論を出しているのはコリア・レポートの辺真一氏ですね。
この人は長年北朝鮮側に立っている人なので、今更と言えば今更です。
「日本が悪くない、韓国が悪い、韓国が譲歩すべき」なんて
逆立ちしても言えない立場の人なのに、なんでPOSTSEVENは大事な〆の部分を
この人に任せるのやら……
上で雪だんご様が触れてるけど・・・
辺氏は、
>ギブアンドテイクで交渉できるカードを並べたうえで意思疎通を図り、尹氏を反日にさせない意思と能力を示すことが求められます。
って語ったそうだけど、日本が得たい/得られるものって何かあるのでしょうか?
例えば、「自称さんたちの判決をなんとかしろ」って日本政府は言い続けているけど、尹氏が「自称さんたちの判決の撤回」なんてなのを日本に差し出すカードにできるとは思えないのです♪日本の方にしたって「自称さんたちへの謝罪」なんかカードにはできないと思うのです♪
韓国は、「韓国のCPTPPへの加入」「韓国のクワッドへの参加」なんかが韓国のカードになるって思い込んでいるかもだけど、前者は加入申請を受けたら淡々と判断するだけの話だし、後者はそもそも韓国の参加なんか不要と思うのです♪
辺氏は、カードを並べた上でって言うけど、あたしには日韓ともに、相手から何かを得るために相手に差し出すことができるような(そして相手が欲しがるような)「カード」なんて持っていないように思えるのです♪
>保守政権だからといって親日とは限らない
左派と極左派しか存在しなければ、相対的に”保守”だと分類されようが、絶対的な立ち位置は左派の領域でしかありません。
どちらの執政であっても刹那主義・ご都合主義の御仁に変わりなく、自身を省みることも後始末をすることもありません。
(◞‸◟)
次の政権は保守ではなく「極左ではない左派」かもしれないが
韓国では絶対的な立ち位置の保守でも、立派な反日だろ
まあ、
かつて戦後日本のどさくさでの
悪しき総会屋さんを断ち切る課程においても
そのお仲間さんが現れて、
お仲間立ち位置誤魔化して
「折り合ってやれよ」
「歩み寄ってやれよ」
とかおかしな画策主張をなされたものです。
この万台においても
有史以来ほぼ中国の属国が史実の
半島さんの歴史には
たしかに憐れみをもってあげたい
ところではありますが、
だからといって、
朝日吉田捏造ベースでの
チンピラインネン金銭金銭要求なんかには
もはや取り合って上げることなどは
ちゃんちゃらおかしい
との正しい認識が確立しつつ在るのです。
この三文週刊誌の
どぶサヨ主張についても
ああ、そんなこんなの韓流さんの
画策記事なんだなあ
と正しく受け流して上げるのが
妥当なものだと感じます。
今の韓国に手を突っ込めるのは
多重債務者の借金を一緒に背負って
心中する覚悟が出来た者だけです。
正直あれだけの負債を
抱えられてしまっては
日本一国ごときの財力では
延命措置の点滴にもなりません。
共倒れするくらいならお隣様の
彼岸の幸福を祈りつつ黙って
見送るのが正解でしょう。
おそらく尹錫悦次期大統領は従来の保守派の遣り口で、まず米国にすり寄って米国を味方につけて米国から日本に圧力を掛けて貰えば日本が折れるしかないという考えだと思うのです。そして韓国側の仕出かした数々の国際法違反や無礼な行為はなかったことにして曖昧決着を図りたいのではないでしょうか?これなら韓国側の言い分を引っ込める必要がないし、国内世論も納得させられます。しかも韓国はこの手の成功体験を重ねて味を占めているのですから。これが尹次期大統領の目指す「包括的解決」なのでしょう。
しかし、この手は最早使えないと思います。なぜなら米国が重視しているのは「日米韓の協調」であると米国はずっと言っていて(建前上かも知れませんが)自国の義務には頬被りで目先の利益のみで勝手な言動をしたり、米国に対してもおねだりしかしない韓国には呆れ返っています。そしてこれは北朝鮮との終戦宣言に絡めて文大統領に米国から、韓国の思いを叶えたかったら日韓関係を改善せよと言われていたはずです。それで文大統領が2019年末から急に日本へすり寄り始めた記憶があります。でも日韓首脳会談に固執するだけで日韓関係を改善するための行動は何一つしませんでした。つまり韓国は日本からの宿題だけでなく、米国からの宿題にも全く手付かずの状態です。だから尹次期大統領が米国から日本へ圧力を掛けて欲しいと話を持って行ってもまずは自分たちで改善の努力せよと冷たくあしらわれると思います。そしてこれが尹次期大統領の試金石になるでしょう。米国としては尹次期大統領が米韓関係、日韓関係を本気で改善するつもりなのか、いつもの韓国のその場しのぎの言葉なのか見極める必要があるからです。しかし、尹次期大統領の政治基盤の脆弱さ、左派の抵抗、強硬な国民世論等を見れば具体的な行動に移すのは非常に困難だと思います。よって米国から日本にかつてのように妥協しろと圧力が掛かる可能性はとても低いと思います。