日本政府、韓国裁判所の財産開示命令を「完全に」無視

昨年1月に出てきた主権免除違反判決にかかる韓国の地裁からの財産開示命令を、日本政府が完全に無視しました。この裁判自体、国際法に違反しているという点もさることながら、これを報じた韓国メディアが、まるで「判決に応じない日本政府が悪い」かのような書き方をしているという点も印象的です。もっとも、本件は自称元徴用工判決とともに、5月に発足する尹錫悦政権による日韓関係「改善」の本気度を探るうえでの試金石でもあります。

主権免除とは?

主権免除:「ある国の政府は他国の裁判から免除される」

「主権免除」、あるいは「国家免除」と呼ばれる考え方があります。

これは、「国家やその財産については、他の国の裁判からの免除を認める」という国際法上の大原則のことです。

たとえばオーストラリアとカナダはどちらも「主権国家」ですので、カナダの裁判所でオーストラリア政府を訴えようとすれば、カナダの国家権力がオーストラリア政府を裁くということになってしまいます。このような場合には、そもそも訴訟自体が「却下」されることが一般的です。

ただし、この「主権免除原則」、かつては「絶対免除主義」(主権免除は無条件に認められるとする考え方)が一般的でしたが、近年では国による経済活動が活発になっているため、多くの国では「商業的取引」などの場合の例外を設けています。

また、2004年12月2日に国連総会で採択された『国及びその財産権からの免除に関する国際連合条約(国連国家免除条約)』では、①当該国が明示的に同意した場合の裁判手続(※1)、②国連国家免除条約に定める裁判手続(※2)に関し、主権免除が適用されないこととされています。

  • ※1…主権免除を主張する場合を除く
  • ※2…商業的取引、雇用契約、身体傷害・財産損傷損傷

主権免除の例外はかなり限定的な場合に限られる

この点、「国連国家免除条約」自体は批准国が足りず、現時点で未発効ではありますが、その考え方は主権免除に関する国際社会の一般的なコンセンサスを、ある程度は反映しているものと考えて良いと思います(※著者私見)。

したがって、「主権免除原則」が適用除外されるケースというのはさほど多くなく、国家というものは外国の裁判所から訴追されることは極めて少ないと考えて良いでしょう。

ただし、この「国連国家免除条約」の項目がすべてとは限りません。調べていくと、ほかにも主権免除に例外が認められるケースがあるようです。

たとえば国際司法裁判所(ICJ)はかねてより、「強行規範からの逸脱が許されない行為」についても主権免除が適用されないとの判断を示しているのですが、この「強行規範からの逸脱が許されない行為」とは、具体的には拷問とジェノサイドに限定されているようです。

実際、イタリア最高裁が2004年、第二次世界大戦中の行為に対する損害賠償をドイツ政府に命じた件を巡っては、国際司法裁判所(ICJ)は2012年にドイツ側の勝訴を言い渡しています。

こうした主権免除の考え方については、昨年の『【総論】韓国主権免除違反判決の現時点におけるまとめ』でも概要を取りまとめていますので、是非ともご参照ください。

いずれにせよ、主権免除に関しては、「絶対的」なものではないのですが、それと同時に、主権免除に例外が認められるケースは、非常に限定的と考えて良いでしょう。

韓国の主権免除違反判決事件:二重の違反状態

こうしたなか、私たち日本国民が思い出しておかなければならないことがあるとすれば、韓国・ソウル中央地裁で昨年1月8日、自称元慰安婦が日本政府を相手取って損害賠償を求めた訴訟で、日本政府が敗訴した「事件」です。

これに関し、日本政府側は、「日本国政府が韓国の裁判権に服することは認められず、これらの訴訟は却下されなければならない」とする立場を韓国側に以前から伝達していました。

日韓間の財産・請求権の問題に関しては「1965年の日韓請求権・経済協力協定で完全かつ最終的に解決済み」、慰安婦問題については「2015年の日韓合意において最終的かつ不可逆的な解決が日韓両政府の間で確認されている」からです。

しかし、韓国の裁判所は「日本政府のこの事件の行為は合法的とみなしがたく、計画的、組織的に行われた反人道的行為で、国際強行規範に違反しており、特別な制限がない限り『国家免除』は適用されない」と結論付け、原告1人あたり1億ウォンの損害賠償の支払いを命じたのです。

正直、イタリアがドイツに対し、ICJで敗北した事例も含めて考えるなら、自然に考えて、この韓国の裁判所の判決は、明らかに国際法から逸脱するものであり、違法です。

また、日本政府側も、菅義偉総理が即日、次のような趣旨の談話を出しています。

国際法上、主権国家は他国の裁判権には服さない。よって、この訴訟は却下されるべきと考える。日韓の慰安婦問題についても1965年の日韓請求権協定において、完全かつ最終的に解決済みである。よって、韓国政府として国際法上違反を是正する措置を採ることを強く求めたい」。

つまり、判決そのものが国際法違反であるという点に加え、韓国政府が2015年12月に日本政府と取り交わした慰安婦合意そのものを守っていないという意味においては、韓国が「二重の違反」を働いた、という怒りが、この菅総理の発言からは見えて来るのです。

手続で無対応貫く日本政府

日本政府「5ヵ月間無対応」

こうしたなか、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に昨日、こんな話題が出ていました。

日本政府 期限までに韓国地裁へ財産目録提出せず=慰安婦訴訟敗訴も

―――2022.03.21 14:16付 聯合ニュース日本語版より

内容は、ソウル中央地裁が日本政府に対し、今月21日までに財産目録を提出せよと命じていた件を巡り、日本政府がこれに応じなかった、とするものです。聯合ニュースは「日本政府が目録を提出しなかったため、財産開示期日は延期された」としています。

これが事実なら、日本政府にしては大変良い仕事をしたと思います。日本政府が主権免除違反判決を「違法判決」だと位置づけている以上、基本的には無視一択でしょう。

(※もっとも、日本政府が「財産目録」を提出してくれれば、それはそれで「ネタ」的には面白かったのかもしれませんが…。)

自分の国の違法状態を無視する韓国紙

そして、同じ話題については同じく韓国メディア『中央日報』(日本語版)にも、こんな記事が出ていました。

慰安婦損害賠償訴訟で敗訴の日本、財産明示命令にも5カ月間無対応

―――2022.03.21 14:56付 中央日報日本語版より

こちらの記事は、タイトルがさらに挑発的です。

「日本政府が敗訴したくせに、財産開示命令にも5ヵ月間対応しなかった」。日本政府が、まるでなにか「悪いこと」をしているかの言い草にも聞こえます。

実際、中央日報はこれについて、本文でこう述べています。

慰安婦被害者<中略><中略>勝訴したが、日本政府の無対応で実際の賠償は行われていない。韓国裁判所が韓国内の日本財産目録を提出するよう下した命令にも日本政府は回答していないためだ」。

このあたり、本当に不思議です。

中央日報としては、自分の国の司法府が違法判決を下したことについて、いったいどう考えているのでしょうか?

世の中では中央日報は「韓国を代表する保守系メディアだ」、「論調も保守的だ」、などとする評もあるようなのですが、中央日報の現実の記事を読む限りにおいては、こうした認識自体が適切なのかどうかについては判断を留保したいと思う次第です。

ちなみに、中央日報の記述で不可思議なものがあるとすれば、次のような文章も、その典型例でしょう。

日本側は2015年末、朴槿恵(パク・クネ)政府と結んだ『慰安婦合意』で『慰安婦問題は最終的かつ不可逆的に解決済み』という立場を守っている」。

日本政府は過去の複数の損害賠償請求事件でも訴状などの送達受付を拒否して裁判を遅延させている。『特定国家が外国で開かれる裁判の被告になることは不可能』という国家免除論を挙げて無対応で一貫しているためだ」。

まず、安倍晋三政権・朴槿恵(ぼく・きんけい)政権時代の2015年12月28日に取り交わされた慰安婦合意を読み返してみると、「日本政府が財団に10億円を拠出することによって、両国政府はこの問題が最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認する」、と明示されています。

【参考】いわゆる「日韓慰安婦合意」(2015年12月28日)のポイント
  • ①慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感し、安倍晋三総理大臣は日本国を代表して心からおわびと反省の気持ちを表明する。
  • ②韓国政府は元慰安婦の支援を目的とした財団を設立し、日本政府はその財団に対し、政府予算から10億円を一括で拠出する。
  • ③韓国政府は在韓国日本大使館前に慰安婦像が設置されている問題を巡って、適切に解決されるように努力する。
  • ④上記②の措置が実施されるとの前提で、日韓両国政府は、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認し、あわせて本問題について、国連等国際社会において互いに非難・批判することを控える。

(【出所】外務省HP『日韓外相会談』より著者作成)

…。

こうやって、改めて慰安婦合意を振り返っておくと、じつに印象的です。

日本側は必要なすべての措置を講じていますし、韓国側が上記③の措置を履行していない点もさることながら、約束に含まれていた財団を、日本政府の了解なく勝手に解散するなど約束を破ったうえで「慰安婦問題は未解決だ」、では、どうにもなりません。

さらには、「日本が裁判を遅延させている」とする中央日報の記述は、「そもそもの判決自体が違法である」という自分の国の瑕疵を見事に無視しています。いずれにせよ、自分の国が日本との約束を破った当事者であるという点の重みが見えてこないのです。

財産照会制度の利用はあり得る

ただし、中央日報の大変無責任な記述もさることながら、ここでもうひとつ気になる論点があるとすれば、今後の展開です。

韓国の裁判所が日本政府の無対応に対し、これ以上、何らかの対応を講じるのかどうか、気になるところです。

とくに、現在の金命洙(きん・めいしゅ)大法院長(※最高裁長官に相当)は、文在寅(ぶん・ざいいん)政権下で任命された人物でもあります。

「保守系政党」とされる「国民の力」の公認を得て当選した「保守政治家(※)」である尹錫悦(いん・しゃくえつ)氏が次期大統領に就任したタイミングで、司法府が尹錫悦政権を困らせるために、一歩、手続を進める可能性などについても織り込んでおく必要はあるでしょう。

(※個人的に左派政権下で検事総長に抜擢された経歴を持つ尹錫悦氏が「バリバリの保守政治家」であるとは思いませんが、この点についてはまた別途議論したいと思います。)

実際、中央日報の記事には、こんな記述もあります。

被害者を代理するキム・ガンウォン弁護士は『日本が今後も送達に応じない場合、財産照会申請も念頭に置いている』と明らかにした。財産照会制度は当事者が財産目録を提出しないか送達を受け取らない場合、裁判所が当事者の協力なしでも公共機関・金融機関等を通して財産の内訳を確認する制度だ」。

この点、文在寅政権はこれまで、「三権分立だから政府は司法に介入できない」、などと繰り返してきましたが、尹錫悦政権に変われば、本当の意味で司法府が行政府から独立に動き始める可能性があるのです。

今後の展開

国際法違反を是正する措置は韓国に委ねられている

さて、ここでもうひとつ重要な点があるとすれば、この判決は、韓国の国内法としてはすでに確定してしまっている、ということでしょう。なぜなら、「日本国政府自身が韓国の裁判権に服することはない」との立場から、日本政府が控訴しなかったからです。

このこと自体、どう考えれば良いのでしょうか。

そもそもこの「判決が確定した」というのは、あくまでも韓国の国内法の話であって、国際法的に見て違法であるという点については、何ら変わることはありません。その意味では、2018年10月と11月の自称元徴用工判決とそっくり、というわけです。

では、日本政府が「国際法違反を是正する措置を講じてほしい」と求めているのは、いったいどういうことでしょうか。

著者自身の理解に基づけば、その方法は韓国政府に委ねられています。

自称元徴用工判決にせよ、主権免除違反判決にせよ、いくら国際法違反とはいえ、韓国の国内法的には有効になってしまっているわけですから、いちばんわかりやすいのは、「国際法に違反する判決は無効である」、などとする特別な立法措置を講じることでしょう。

あるいは、韓国政府が韓国裁判所に対し、改めて「これらの判決は無効である」ということを確認するための裁判を起こし、勝訴する、という流れでも良いかもしれません(韓国法に照らしてそんなことができるのかどうかは知りませんが…)。

尹錫悦政権に、それができるのか?

ただ、どういうアプローチを取るにせよ、重要なことは、「誰がやるか」です。

日本政府は主権免除違反判決自体を「国際法違反」と位置付けているわけですから、この違法状態を解消するためにできることは、日本政府には何もありません。「誰がやるのですか」と問われれば、「韓国政府がやる」、「尹錫悦政権がやる」、としか言いようがないでしょう。

このあたり、日本国内では「尹錫悦政権は日本との関係『改善』(?)に動くだろう」といった無邪気な見方が非常に多いのには辟易しますが、もしも尹錫悦氏が本気で日韓関係の「改善」に踏み切るのであれば、まっさきに、自称元徴用工、自称元慰安婦にかかる違法判決問題に取り掛かるはずでしょう。

その意味で、本件はまさに尹錫悦政権の日韓関係「改善」への熱意をはかるうえでの、最初の試金石でもあります。言い換えれば、尹錫悦氏がこれらの問題について態度を明らかにしないのであれば、次期政権下でも日韓関係の「改善」とやらが実現することはないと考えて差し支えありません。

岸田文雄・現首相が安易に日韓首脳会談に応じてしまうというリスクは排除できませんが、もしそれが実現してしまったとしても、次のポイントは、その会談内容で尹錫悦「大統領」がこれらの判決の無効化に言及したかどうか、という点にあるのです。

いずれにせよ、これらのどの見方が正しいかについては、意外と早いタイミングで判明するのではないかと思う次第です。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. 名無しの権兵衛 より:

     原告代理人弁護士は「財産照会申請も念頭に置いている」そうですが、全く必要ありません。三菱UFJ銀行か三井住友銀行のソウル支店には、日本政府から在韓日本大使館への同大使館運営資金の受入口座があることは100%間違いありません。
     いつまでも「手首を切るわよ、手首を切るわよ」と言っていないで、早く実行してください。
     当然、日本政府は「対抗措置」を取りますが、日韓関係は当面修復不可能になり、日本国民の韓国への理解に大きく寄与するとともに、これまで以上に韓国と距離を置くことが出来るようになり、われわれ日本国民は大いに安心できます。

  2. カズ より:

    理不尽な要求に下手に対応しちゃうと ”曲解突破?” の足掛かりにされかねないので、「そんな身勝手な判断は認められない!」としか応えられないんですよね。

    相手側から「厄介なしがらみを断ち切りにきてくれてる好ましい状況(渡りに船)」を、日本側から手を差伸べてまで打破しなければならない理由は見つかりません。

  3. 理系初老 より:

    おはようございます。厄介な隣人である韓国さんに対しては「かの国の説得は無理だが国際的に無口なのはダメ」というのが無難な対処法かと思っていますが、「ハンニチキョ-」の元凶である「韓国の教科書」については一歩踏み込んで、韓国が日本に対してやっている「干渉」を「ハングルと英語」で、道徳的にではなく科学的にやり返すべきだと個人的には思っています。当然、「内政干渉ニダ。謝罪と賠償を激しく求めるニダ」に対する即反論も準備した上で。繰り返しになりますが、かの国の説得目的ではなく、欧米メディアに取り上げてもらうことをまず目標とすべきだと思います。
    どうも日本は「それくらい言わないでも分かるでしょう」と、あまりにも諸外国民を過信してましたから。

    1. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

      あれだけの大々的なディスカウント運動されても、国交断絶も(ロシアみたいに)戦争もしないということは
      日本が韓国の言い分を事実だと認めたようなもの
      と世界は思うかもね

  4. クロワッサン より:

    >ただし、この「主権免除原則」、かつては「絶対免除主義」(主権免除は無条件に認められるとする考え方)が一般的でしたが、近年では国による経済活動が活発になっているため、多くの国では「商業的取引」などの場合の例外を設けています。

    そう言えば、韓国政府は中東だったかの投資機関から損害賠償を要求される裁判を起こされて、確か敗訴してましたね。

    1. クロワッサン より:

      >しかし、韓国の裁判所は「日本政府のこの事件の行為は合法的とみなしがたく、計画的、組織的に行われた反人道的行為で、国際強行規範に違反しており、特別な制限がない限り『国家免除』は適用されない」と結論付け、原告1人あたり1億ウォンの損害賠償の支払いを命じたのです。

      韓国の『正しい歴史認識』では、いわゆる日本軍慰安婦問題とは、北朝鮮による日本人拉致問題に強制売春が加わった代物ですからね…其れが歴史的事実とは如何にかけ離れていようと、韓国ではそう認識されている、という。

    2. クロワッサン より:

      >その意味で、本件はまさに尹錫悦政権の日韓関係「改善」への熱意をはかるうえでの、最初の試金石でもあります。言い換えれば、尹錫悦氏がこれらの問題について態度を明らかにしないのであれば、次期政権下でも日韓関係の「改善」とやらが実現することはないと考えて差し支えありません。

      尹候補は昨年の九月あたりに『自称元慰安婦が述べている内容での解決を目指す』との趣旨の発言をしてますから、どう取り繕うのか興味深いです。

  5. だんな より:

    「韓国には構造的反日が存在する」実例でしょう。
    徴用工判決の現金化も同様で、韓国政府がこれに干渉する事は、国民の反発を産み、脆弱な政権基盤を揺るがす事になるでしょう。
    選挙前から「誰が大統領になっても日韓関係は改善しない」という話の根拠になる訳です。
    これ以外にも佐渡金山、福島処理水など、韓国人の譲れない案件が進んで行く中で、新大統領は文大統領の対応と違いが有るとは、思えません。
    一歩進めて言うと「韓国の反日が、日韓関係を悪化させ続ける」だと思います。

  6. イジワルばあさん より:

    自称慰安婦と弁護団、支援団体が暴走して日本大使館の銀行口座を差し押さえるのではないかと心配です。怖い、怖い。
    そうなったら日本政府は制裁措置を発動するしかなくなります。はてさて、これからどんな展開が待ち受けているやら楽・・心配で心配でおやつのジャンボシュークリームが3つしか喉をとおりません。

  7. 三門建介 より:

    現大統領は、元弁護士ですが法律には沿わないで勝手に行動しました。

    次期大統領は、元検察の長で、法律に沿った捜査を妨害されたことで自ら辞任をした方です。

    元検事総長の方ですので、最高裁判所の長の基準に満たしていないものを抜擢したことや、新しく設けられた余分な捜査機関をどうするのかそこも見ものですね。

    憲法を壊す方向に勝手をした現大統領の間違いをただすことは、本人に対するものだけでなく、法律を勝手に解釈して行った判決も含めて司法の独立を認め法の下の平等を取り戻す(?)ことができるかも見どころと思います。

  8. より:

    相手国から「国際法に違反している」という指摘を受けた場合、常識的に考えれば、以下の3つのいずれか以外に取れる対応はないはずです。

    1. 国際法に違反していないことを論証する
    2. 国際法に違反していることを認め、是正措置を取る
    3. 国際法に違反していることを認めるが、「それがどうした」と開き直る

    3の場合、何らかの懲罰または報復を蒙りかねませんし、最悪の場合戦争になることだってありえますが、それを承知の上であれば、取り得る姿勢であることは間違いありません。

    しかしながら、驚くべきことに、あるいは呆れるべきことに、韓国政府はいずれの対応も取ろうとはしませんでした。ただ、「三権分立ガー」とか「国民感情ガー」とか、愚にもつかない寝言を垂れ流すだけで、論点に向き合おうとすらしませんでした。
    そして韓国メディアも、少なくとも私の知る限り、上記3つのうちのいずれかを取るべしと主張したメディアはありません。せいぜい、今回の中央日報記事のように、「韓国司法が出した正当な命令を日本政府は無視している」と報じ、日本政府が韓国司法を「不当に」踏みにじっているかのごとき印象を与えようとする記事を掲載するくらいです。これもまた、論点を本当に理解できないのか、敢えて無視しているのかはともかく、論点から目を背けたものであることには違いはありません。

    韓国はそもそも法治国家などではないというのは、こちらのサイトでは概ねコンセンサスになっていると思いますが、一応韓国だって、体裁としては法治国家であるかのように装っている、形式的には法治国家であるかのようなシステムが存在することは事実です。しかしながら、現代法治国家を運用する人間が近代法の精神を全く理解していないのであれば、「仏作って魂入れず」にしかならないのは当然です。文在寅大統領が弁護士出身というのは有名ですが、韓国では法曹人ですら近代法の根幹を理解していないのではないかと疑われる由縁です。

    またもう一つの可能性としては、「国際法に違反する」という指摘に対し、韓国政府は本当は堂々と1のような反論をしたいのだけど、有効な反証を思いつくことができず、ずるずると曖昧な姿勢を取り続けているというものがあります。そうすれば、いずれ時間がたてば相手も忘れてしまうに違いないという韓国的発想によるものです。文在寅大統領が「包括的解決」とか「未来志向」などと言い出したのも、「そろそろほとぼりも冷めたんじゃないか……な?」という心づもりだったのかもしれません。尹錫悦次期大統領(予定)が「包括的解決」などと言っている真意は不明ですが、いずれにしても、日本としては「まず国際法違反状態を是正しろ。話はそれからだ」と言い続けるよりありません。

    以前、「韓国人にとって約束とは守るものではなく、守らされるものだ」とコメントしましたが、当面は議論や交渉そのものが成り立たないので致し方ありませんが、今後、韓国と議論や交渉が可能になるようなことがあったら、韓国との合意や約束には罰則規定を必ず盛り込むようにすべきだと思います。厳しい罰則が科されることが分かっていれば、さすがに今よりは約束や合意を守ろうとするようになるでしょう(100%とはならんでしょうが)。
    紳士協定とは、相手が間違いなく紳士である時にのみ有効となり得るのです。

    1. だんな より:

      龍さま
      「韓国は国際法違反していないから、国際法違反だと言うな」ってのが、確か外交部長官辺りから有ったような、うろ覚えがあります。
      基本的な考え方として、事実云々では無く、自分や相手が認めた、認めないが真実になる国ですので、「日本が国際法違反と言わなければ、国際法違反にならない」という思考なんだと思います。

    2. taku より:

      龍さま
      韓国メディアの多くは、まだ「日本が深く絡む問題で日本に有利、あるいは韓国に不利な記事を書いてはいけない」という不文律に縛られているのだと思います。そしてこの不文律は、韓国世論の悪化→日本の譲歩→韓国国益につながってきた、という成功体験に裏打ちされています。ただもう今は日本の世論が変わってしまい、そのような譲歩はありえません。一方、このまま日韓関係が冷え込んだままでは、日本にとっても良いことではないですが、韓国の方がより大きく困るはずです。本来、マスコミは、政府を監視しあるべき方向に国民を誘導し、国益に貢献するのが使命だと、私は思っています。ところが、韓国メディアは時代の変化に対応できておらず、十年一月の如く、「日本が悪い、韓国は正しい」を繰り返し、日韓両国民の乖離を広げているありさまなのだと思います。日韓関係の本質的な改善への道のりは遠い、焦らずに行きましょう。

  9. 雪だんご より:

    個人的には、これは良い流れだと思っています。
    こんなメチャクチャな判決が出た以上、おっしゃる通り次の韓国大統領はいきなり
    手の打ちようがなくなりそうです。

    そしてそれ以上に、日本国内の親韓派も「また韓国を擁護するのが難しくなった~」と
    頭を抱えるであろう事が美味しい。岸田首相が甘い対応をしてしまう危険性も
    少しは下がった、と見ています。

    1. だんな より:

      雪だんごさま
      判決は、とっくの昔に出てます。

  10. 元一般市民 より:

    日本政府は、韓国裁判所の財産開示命令を「完全」に無視したのですかね?
    韓国側の報道によると、「今回の財産明示期日が延期されたのは、韓国の裁判所の命令書が日本政府に伝達されたかどうか確認されなかったためだ」とのことなので、そもそも「送っていなかった」とか「送り先が分からなかった」とかかもしれません。
    へたれ韓国人のことですから、国内向けには「命令してやったぞ」と虚勢を張り、実際は「それは嘘でしたぁ」のパターンじゃないかと推測します。
    でも、一体日本のどこに送ったんだろう???

    1. 元一般市民 より:

      自己レスで恐縮ですが、在日韓国大使館から内容証明付きで送付すれば、日本政府に伝達されたかどうかは確認できたはずですし、普通、日本の裁判ならそういう対応をするはずです。

  11. 通りすがりの官能小説家 より:

    私は今の日韓関係が非常に良好だという立場ですので、これ以上何を改善するのかよくわからないのですが、韓国側の(勝手な)思い込みに忖度して理解しようとしてみました。

    おそらく、韓国の方々にとっては、日本による(自称)植民地支配は、とんでもない拷問なのでしょう。
    だから、主権免除の規定の外にあるのだと思っているのです。
    そりゃあ、そうかもしれません。
    あのまま、誰もが貧しくて希望も持てないヘル朝鮮なら、自分達の置かれた状況が地獄だなんてわからなかったのに、なまじ日本が教育をほどこし、インフラを整え、愚かな支配層を排除してしまったが故に、自分達がずっと地獄と煉獄の間を彷徨っていた三流市民と言うのも烏滸がましい野蛮人だったと突きつけられてしまったのですから。

    そこのところを理解してあげないと、話は平行線のままでしょう。
    平行線で一向に構いませんが。

  12. がみ より:

    返事する必要もないし、こんな返信したら韓国激怒狂喜乱舞するだろうけど…

    韓国の言う日帝時代の半島における財産・資産目録っていうと…

    「半島南北全部」だったりして!

    だって国土だもんで。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告