人民元は基軸通貨とならない⑤使えない人民元スワップ
中国人民銀行によると、人民元建ての通貨スワップ協定は2020年末時点で22個存在するそうですが、正直、トルコの事例を例外とすれば、どうもこの「元建てスワップ」自体にあまり使い道がありません。それに、中国はこのスワップを「相手国経済が弱った際に人民元経済圏に引き込む手段」として使っているフシがありますが、言い換えれば、「経済が弱った国を人民元経済圏に丸抱えしなければならない」という意味でもあります。
目次
中国の金融覇権
ここ数日、当ウェブサイトでは「中国の金融覇権」をテーマにした小稿をいくつか連続で掲載しています。
『「のろのろバス」AIIBの資産規模は最大手信金並み』(2021/11/21 05:00)
『人民元は基軸通貨とならない①成長が止まった債券市場』(2021/11/22 06:00)
『人民元は基軸通貨とならない②外貨準備では「存在感」』(2021/11/23 05:00)
『人民元は基軸通貨とならない③増えない人民元国際送金』(2021/11/24 06:00)
『人民元は基軸通貨とならない④デジタル化以前の問題?』(2021/11/25 06:00)
本稿はその「中締め」として、「人民元建て通貨スワップ」の現状と意義について考えてみたいと思います。
スワップの現状
中国人民銀行が発表している『人民幣国際化報告』(中国語)というレポートがあります。
このレポートの9ページ目によると、中国は2020年末時点において、「一帯一路」構想に従い、22個の現地通貨建て通貨スワップを締結するとともに、8個の人民元クリアリング協定を有している、と記載されています。該当する記述は次のとおりです。
「截至2020年末,中国与22个 “一带一路” 沿线国家签署了双边本币互换协议,在8个 “一带一路” 沿线国家建立了人民币清算机制安排。」
おそらく、「币互换」ないし「货币互换」が「通貨スワップ」で、「本」をつけた「本币互换」が「現地通貨建て通貨スワップ」という意味なのだと思います。
それでは、具体的にこれらのスワップは、いったいどこと締結しているものなのでしょうか。
かつて著者自身が調査したところ、2020年10月時点で、中国人民銀行は少なくとも次の16本のスワップ協定を保持していたことが、相手先の中央銀行の発表などから明らかになっています(図表1)。
図表1 著者自身が調査した16本のスワップ(2020年10月末時点)
締結相手国と締結年月 | 上限額(人民元) | 上限額(相手通貨) |
---|---|---|
香港(2017年11月) | 4000億元 | 4700億香港ドル |
タイ(2018年1月) | 700億元 | 3700億バーツ |
オーストラリア(2018年4月) | 2000億元 | 400億豪ドル |
アルバニア(2018年4月) | 20億元 | レク(上限不明) |
ナイジェリア(2018年5月) | 150億元 | 7200億ナイラ |
パキスタン(2018年5月) | 200億元 | 3510億Pルピー |
マレーシア(2018年8月) | 1800億元 | 1100億リンギット |
日本(2018年10月) | 2000億元 | 3.4兆円 |
英国(2018年11月) | 3500億元 | ポンド(上限不明) |
スイス(2018年11月) | 1500億元 | 210億スイスフラン |
インドネシア(2018年11月) | 1000億元 | ルピア(上限不明) |
アルゼンチン(2018年12月) | 1300億元 | ペソ(上限不明) |
UAE(2018年12月) | 200億元 | ディルハム(上限不明) |
シンガポール(2019年5月) | 3000億元 | Sドル(上限不明) |
欧州連合(2019年10月) | 3500億元 | 450億ユーロ |
マカオ(2019年12月) | 300億元 | 350億パタカ |
韓国(2020年10月) | 4000億元 | 70兆ウォン |
合計 | 2兆9170億元 | ― |
(【出所】各国中央銀行の報道発表等より著者作成。なお、日本とのスワップは通貨スワップではなく為替スワップ)
これに加えて、かつて「締結された」と発表されたスワップも、次のとおり、6本あります(図表2)。
図表2 著者自身が調査した、かつて「締結された」と発表されたことがある6本のスワップ
締結相手国と締結年月 | 上限額(人民元) | 上限額(相手通貨) |
---|---|---|
ブラジル(2013年3月) | 1900億元 | 600億レアル |
カナダ(2014年11月) | 2000億元 | 300億加ドル |
南アフリカ(2015年4月) | 300億元 | 570億ランド |
トルコ(2015年11月) | 100億元 | 30億リラ |
ロシア(2016年3月) | 1500億元 | 8150億ルーブル |
ニュージーランド(2017年5月) | 250億元 | 50億NZドル |
合計 | 6050億元 | ― |
(【出所】各国中央銀行の報道発表等より著者作成)
この図表1、図表2のスワップの本数を合計すれば、偶然でしょうか、22本です。中国人民銀行のレポートの記載と一致している、というわけですね。
もちろん、先ほど示したレポートを丹念に読み込んでいけば、図表1と図表2との整合性を確認することもできるかもしれませんが、残念ながら著者自身がそこまで中国語に堪能ではないため、このあたりの整合性チェックはまたの機会にしたいと思います(いずれ時間が取れればやってみたいと思います)。
通貨スワップの引出事例
使い方がよくわからない…
では、これらの人民元建ての通貨スワップ、いったいどういう使い方をするのでしょうか。
いや、中国当局としては、どういうつもりで締結したのでしょうか。
正直なところ、現状ではなかなかこれらの通貨スワップ(※日本の場合は為替スワップ)について、使い道がありません。
本シリーズでも述べたとおり、最近でこそ、人民元が国際的な資金決済通貨として使用されていますが、その比率は依然として低いままですし、また、人民元建てのオフショア債券市場も2015年以降、成長がピタリと止まった状態にあります。
このため、これらの通貨スワップなどを提供されている側としても、「いざ通貨危機が生じた」という際に、中国から引き出せる通貨が人民元というのも心もとない話です。人民元自体が国際的な市場で自由に米ドル等に両替可能な通貨ではないからです。
トルコが人民元スワップを引き出した目的とは?
あえて引き出す意義があるとすれば、「人民元を入手してドルに換えるため」ではなく、「人民元そのものを使うため」でしょう。
その典型的な事例が、トルコです。
トルコ中央銀行は2020年6月19日付でこんなプレス・リリースを公表しました。
Press Release on the Usage of the Chinese Yuan Funding
The first usage of the Chinese Yuan (CNY) funding under the swap agreement signed between the Central Bank of the Republic of Turkey (CBRT) and the People’s Bank of China in 2019 has been realized on 18 June 2020. In this way, Turkish companies in various sectors paid their import bills from China using CNY through relevant banks.<<…続きを読む>>
―――2020/06/19付 トルコ中央銀行HPより
トルコ中央銀行によると、2019年に両国が締結した中国人民元・トルコリラの通貨スワップ協定が2020年6月18日に実行され、トルコ中央銀行は人民元を入手し、それらの人民元を使ってトルコ企業が中国企業からの輸入代金の支払いに使った、などとしています。
つまり、トルコが国を挙げて、自国通貨・リラを担保にして人民元を借り、その借り入れた人民元で中国から製品を輸入した、と考えれば良いでしょう。
これこそまさに、中国にとっては「人民元経済圏の拡大」です。
トルコの通貨価値は3年で半減
もっとも、トルコの通貨・リラは近年、価値の下落が続いています。
たとえば、日経電子版の次の記事によれば、トルコ中銀は「金利は悪だ」とするエルドアン大統領からの政治的圧力に屈し、インフレが加速するなかでもレポ金利を年19%から18%に引き下げた、などとしています。
トルコ、インフレ加速でも利下げ リラ最安値を更新
―――2021年9月23日 21:10付 日本経済新聞電子版より
インフレ局面で利下げというのは、正直、ますますインフレを加速させかねない危険な政策です。
実際、WSJのマーケット欄を見ると、為替市場では9月23日時点で1ドル=8.7679リラでしたが、その2ヵ月後の11月23日時点で、1ドル=12.8223リラにまで下げています。わずか2ヵ月で50%も切り下がった計算です。
著者個人的な見解で恐縮ですが、トルコが1920年代の革命を通じ、イスラムを信奉する国でありながらも政治では宗教を分離することに成功したことが、近代トルコの成功の歴史だったはずです。
このように考えていくと、エルドアン政権の親イスラム的な姿勢が、トルコを金融政策的に歪めているのだとすれば、「建国の父」ケマル・アタテュルクは草葉の陰で泣いているのかもしれません。
人民元スワップをどう見るか
スワップラインの引き出しは続いていない
ただし、著者自身が見たところ、このトルコによる人民元建てスワップの引き出しは、中国にとっては「人民元経済圏」を作るという意味ではうまくいった事例だったのかもしれませんが、やはり、後に続く国は出て来るのかどうかが気になるところです。
もちろん、「後に続きそうな国」は何か国かありますが(スリランカ、パキスタン、韓国などでしょうか?)、先ほどの図表1、図表2で眺めた国々が、「みずから積極的に人民元経済圏に入るためにスワップを引き出す」という兆候は、今のところは見られません。
やはりその最たる理由は、人民元でスワップを引き出したところで、それを人民元以外の通貨に替える手段がほとんどない、ということに尽きるのではないでしょうか。
たとえば、とある国(仮に「K国」とでもしておきます)が外貨不足に陥り、中国に対して自国通貨を担保に4000億元の人民元を引き出したとしましょう。
ただ、K国は通貨危機を脱するためには、自国の通貨「W」を買い支えなければなりませんが、中国から引き出した人民元で直接「W」を買うことはできません。面倒ですが、いったん人民元を売って米ドルを手に入れ、米ドルを売って「W」を買わなければならないのです。
仮に市場で1ドル=6.5元だったとしましょう。4000億元は計算上、615億ドルです。
ただ、香港などのオフショア人民元市場では商いが薄いため、4000億元という人民元を米ドルに両替しようと思えば、両替している間にどんどんと人民元のレートが切り下がってしまいます。本気で4000億元を全部売り切ったら、手に入るのは615億ドルどころか500億ドルもないかもしれません。
中国当局が、果たしてそれを許すでしょうか。
おそらく、中国は通貨スワップで引き出した人民元をそのように使うことを認めません。あくまでも「人民元は人民元のままで使え」と要求するでしょう。したがって、K国が人民元建ての通貨スワップを使って通貨危機を脱却する、ということは、事実上、不可能なのです。
張り子の虎か?それとも…
つまり、中国の通貨・人民元の国際的な通用度が低いままで、中国が通貨スワップ協定を拡充しようとしたところで、協定自体は広がるかもしれませんが、現実にそれらを引き出す国が続々出て来るかといえば、そういうわけでもなさそうなのです。
現状、多額の人民元を米ドルなどの国際的な通貨と自由に交換することは困難ですので、人民元建ての通貨スワップには、「ある国が通貨危機に陥りそうなときに、その国を通貨危機から救済する」という、通貨スワップとしての本来の機能は期待できません。
しかし、トルコのように、中国からの輸入品の貿易決済に充てるために通貨スワップを使用する、ということは可能であり、いわば、経済危機に陥った国がみずから積極的に人民元経済圏に入りに行くために使われる、という言い方ができるでしょう。
これこそまさに、「経済的困難に陥っている国の苦境に付け込む」という形で、その国をなかば強引に人民元経済圏に引き込むためのツール、というわけです。
「弱みに付け込む」人民元スワップの限界
逆にいえば、現状、人民元が「国際的決済通貨」としての勢力を拡大するチャンスは、この「弱みに付け込む」という形態などに限られています。つまり、人民元通貨スワップの本当の目的は、「弱った国を探して、その国を人民元経済圏に引き込む」という点にあるのかもしれません。
このように考えていくと、現時点で存在するとされる「22個の通貨スワップ」は、中国が相手国の経済危機に付けこんで人民元経済圏を拡大するための罠のようなものだ、という言い方もできるのですが、正直、これが世界経済にとって、そこまでの脅威なのかは疑問です。
「人民元建ての通貨スワップなどにすがらなければならない」という状況は、それだけその国が経済的苦境に陥っているということを意味していますし、そんな国を中国が人民元経済圏に引き込んでしまうと、中国はその国を「丸抱え」しなければならなくなるはずでしょう。
もちろん、金融覇権を狙い、人民元を米ドルに代わる基軸通貨にしようとしている中国の意図については過小評価すべきではありませんが、通貨スワップもデジタル人民元やCIPSと同様、人民元が国際化するためのツールとしては、いまひとつ、というのが実情ではないかと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
「弱みにつけ込まないスワップ」というのがそもそも論理矛盾なんでは無いですかねえ。
ますますAIIBで人民元建ての融資がないことに納得がいかない。供給過剰の鋼材やなんやらを使ってインフラ整備するいいチャンスなのに。
AIIBでの中国さんの目論見は、
世界最大の債権国日本を嵌めて
多額出資させてこそ中国にとって
利用価値があるものでした。
返せないとわかっていても
自国のプロパー融資なら
港湾担保にとって軍事利用できますが
日本が出資せず
中国が過半を出資するAIIBでは
焦げ付いての貸し損です。
鳩ポッポに理事という餌を与えて
子分の枝野さんや田原の爺さんや
朝日新聞さんたちが
「バスに乗り遅れるな!」と
さんざん頑張ったのですが
日本を嵌めるのに失敗したAIIBが
塩漬けになっているのは道理です。
確認出来てませんが、一帯一路がらみでのパキスタンなどへの融資は人民元建てであるという話を聞きました。ただし、融資元はAIIBではなく、中国の市中銀行だそうです。累積融資額も相当なものになっている由ですが、返済が危ぶまれる融資も少なくないとかで、処理に苦慮しているとか。中国がAIIBを使わず、手札の国営銀行を使っている理由は不明ですが、もしかすると、よほどヤバい条件を付けているのかもしれません。AIIBは、一応他国の目がありますので、それほど非人道的な条件は付けられないでしょうから。
なお、現在まだAIIBには参加していない日本ですが、参加の可能性を完全に否定しているわけではなかったと記憶しています。ただ、ガバナンスの透明性確保など、参加を検討するための条件が整っていないので、今のところは参加を考えていないということになっていたはずです。
まあ、ガバナンスの透明性などと言うことになれば、中国が目論んでいたであろう「やりたい放題好き放題」とはいかなくなるので、まず条件をクリアできないでしょうけれども。
Appleがトルコでの商売を止めました。
https://iphone-mania.jp/news-421563/
Apple、通貨リラ急落の影響でトルコでの販売を一時停止
グローバル企業だとこういうのもあるんですねえ。
トルコは最近兵器輸出が絶好調なのですが、後(上?)から撃たれている感。
つい思いついた一節。「上海帰りのリル」のメロディーでどうぞ。
リラ リラ どこへ行くのか リラ
誰かリラを知らないか
# フルバージョンはどなたかにおまかせします
ライリー、リラ…。
これが分からんねん…。
ごっつう印税入ったがな…。
新宿会計士様
>双边本币互换协议
本文のご説明の通り、「货币互换」が通貨スワップです。「货币」とは通貨、貨幣などを差します。
ここで言う「本币」は現地通貨で良いと思います。企業の会計書類では、「本币」「外币」が並んででてくることがありますが、この場合は一般的に「人民元」と「外貨」を差します。
ちなみに「双边本币互换协议」をばらしてみると、概ね次の通りとなります。
双边・・・・・二国間
本币互换・・・現地通貨建てスワップ
协议・・・・・協定
個人的には、通貨スワップと為替スワップの中国語表記の違いがよくわかりません(汗)
世界で通用する米ドルユーロ日本円など
G7国の国際決済通貨とちがって、
中国との決済にしか使えない人民元は
中国商店での買い物だけで使える
お金モドキのポイントのようなものです。
ただ、
もらうポイントとまったく違うのは
ポイント借りて使ったら
最後はホントのお金で
返さなければいけないという
恐ろしい嵌める手口のようなものと
感じます。
国際通貨と言えるのはドルとユーロだけで
円やポンドは「ちょっと強い国家通貨」と思うけど
バシラス・アンシラシスは土壌常在菌さま
あいまいで恣意的主観的に解釈できる
「国際通貨」(?)という表現は
国際金融の世界ではほとんど聞きません。
国際決済に使われる通貨を
「ハードカレンシー」と呼びますが
日本語では 硬い通貨というのも変ですから
国際決済通貨という呼び名が
あてられます。
一方、金融の世界で国際決済に
使ってはもらえないものは
「ソフトカレンシー」と呼ばれ
まあ、脆弱通貨だとか呼ばれています。
>「金利は悪だ」とするエルドアン大統領からの政治的圧力に屈し
確かイスラム教ではお金を貸しても金利をとるのは教義に反するのでは?
だとすれば,エルドアン大統領は民族主義者として彼が大統領になるまではイスラム教国家としては珍しく世俗主義国家であったトルコをイスラム教に基づく国へと改めるべく時計の針を逆に回そうとしているのですから,「金利は悪」というのはエルドアン大統領としては当たり前の主張でしょうね.国際的あるいは大局的に見てそれが適切か否かは別にして,ですが.
為替については素人の疑問です。
K国はどういう時に人民元とのスワップを使うんでしょうか?
K国は中国に対して大幅な輸出超過だったはず。
中国との決済では元を受け取る側ですよね。
輸出分はドルで受け取って輸入分は元で支払うというのは無理な気がしますし。
まさか中国に対して輸入超過のN国への支払いにドル相当の元を受け取ってもらうとか?
おカネが必要となる事例には、損益取引(例えば貿易代金を支払う)と、資本取引(借金を返済する)の2つのケースが考えられます。
*K国は他国からたくさんの外貨を借りて国家を運営しています。
どちらも期限の到来時に借換えを拒まれれば外貨(ドルとか)で決済しなくっちゃいけないのですが、流動性外貨(財布の中身)が空っぽだったら無い袖は振れません。
そんなとき、返済(支払い)資金の融通手段となるのが、通貨スワップなんですよね。
K国はC国から借りた人民元でドルを買って決済することになります。
*N国は、「ドル建て契約なのだから決済はドルで!」と突っぱねればいいだけのことですね。
さーて、遠くない未来では人民元と交換で大量のうぉんを保有したC国がK国通貨の売りたたきをほのめかせては言うことを聞かせて・・”やりたい放題”・・の物語が待ってたりするのかな?
*痛貨スワップのお話です・・。
解説ありがとうございます。
新宿会計士さんはC国はスワップに応じたとしても交換した元をドルに両替することは許さないのではないか?と予想していますね。
それを合わせて考えると、C国は「ここまで言うこと聞いたら10億元は両替してもよい。更に10億元両替したいならこうしろ。もし言うこと聞かなかったら、元を売った分だけW売っちゃうかもよ。」という感じで、足元を見て次々に要求を飲ませる狙いですかね。
さすがにK国の扱いが上手い。