通貨とワクチンで台湾やASEANと距離を縮めるべき
「地理的関係より価値観」:首尾一貫する日本外交が存在感を示し始めている
今年の英国・G7会合は、日本が「地理的に近いだけの国」ではなく、「価値を共有する国」との協力関係を抜本的に強化するという「宣言」のようなものだったのではないかと思います。こうしたなか、茂木敏充外相の一昨日の記者会見を眺めていると、台湾やASEAN諸国に対する「ワクチン外交」を積極化させる方針が見て取れます。奇しくも日本がワクチンを提供するASEAN諸国の多くは、日本が通貨スワップ協定を提供する国でもあります。
目次
日本外交の新たな重点分野
FOIP、価値観――首尾一貫性が出てきた日本外交
最近の日本外交には、首尾一貫性があります。
あくまでも個人的理解に基づけば、現在の日本政府は「自由、民主主義、法の支配、人権」などの「基本的価値」(ないし「普遍的価値」)を掲げ、それに賛同する国を優遇しつつ、そうでない国とは距離を置く、という姿勢を明らかに打ち出しているように見受けられるのです。
その最たるものは、「自由で開かれたインド太平洋」、あるいは英語の “Free and Open Indo-Pacific” を略した「FOIP」という概念でしょう。
このFOIP、『外交青書 令和3年版』【※PDF、大容量注意】の20ページ目に記載された『日本外交の七つの重点分野』とする一節でも、「日米同盟」に次ぐ2番目に出て来ます。3番目に出てくる「中国・韓国・ロシアといった近隣諸国」より上位、というわけです。
【参考】日本外交の七つの重点分野
- ①日本外交・安全保障の基軸である日米同盟の強化
- ②「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の推進
- ③中国・韓国・ロシアといった近隣諸国外交
- ④北朝鮮をめぐる諸懸案への対応
- ⑤中東情勢への対応
- ⑥新たなルール作りに向けた国際的取組の主導
- ⑦地球規模課題への対処
(【出所】『外交青書 令和3年版』【※PDF、大容量注意】P20~22)
「地理的な近さ」ではなく「価値観の近さ」
しかも、②のFOIPに含まれているのは、「米国、オーストラリア、インド、ASEAN、欧州の主要国」であり、ここには中国、ロシア、北朝鮮、韓国という「近隣4ヵ国」は明示的に除外されています。
よって、この記載の順序だけで判断する限り、現在の日本の外交は明らかに、近所の国々(とくに中露朝韓4ヵ国)ではなく、基本的・普遍的価値を同じくする国々(とくにFOIPを重視する国々)との連携に舵を切ったと考えて良いでしょう。
ただし、日本が「地理的に近い国」から「価値観が近い国」に外交の舵を切ったからといって、ただちに近隣諸国(とりわけ中国、次いで韓国)との関係が切断されるわけではありませんし、切断することなどできません(実質的な断交状態にある北朝鮮は別として)。
現時点において、政治、経済、外交面などでの近隣国との関係は非常に重要であり、とくに産業面では、現在の中国は日本にとって最大の貿易相手国でもありますし、韓国は日本にとって最も重要な同盟相手国である米国との間で同盟を組んでいる国でもあります。
したがって、日本が近隣諸国(とくに中韓)と今すぐ「断交」することなどできませんし、少なくとも現在はそれを議論するときではありません。
しかし、それと同時に覚えておきたいのは、日本という国は、いったんコンセンサスが形成されれば、驚くべき速度で対応する国でもある、という点です。
現在のところ、「米国>FOIP>中露韓」、という不等式が日本全体のコンセンサスを形成しているとまでは言いきれません。しかし、おそらく衆院選が実施され、自民党政権が継続し、菅義偉総理(あるいはその後継者)が「FOIP」を唱えれば、ごく近いうちにFOIPが日本のコンセンサスになるでしょう。
したがって、おそらく今後20年における日本の外交・産業・経済・金融における最大の課題は、「中国が日本にとっての最大の貿易相手国である」、「日米韓という枠組みを通じ、韓国と軍事協力をしなければならない」、という状況を「どう変えていくか」に尽きるのではないでしょうか。
当ウェブサイトが20年後も存在しているとは思えませんが、子供や孫の代に、「日本人で良かった」と思ってもらえるような社会をどう残していくかが、私たち現代の日本人が考えなければならない最優先課題であるのです。
G7での多大な成果
さて、6月11日から13日にかけて、英国・コーンウォールでG7首脳会合(サミット)が開かれました。
その成果である共同声明などについては、当ウェブサイトではすでに『英G7サミット、日本にとっての「成果と課題」とは?』などでも触れたとおり、日本にとっての主張などが多く織り込まれました。当ウェブサイトで注目したいのは、たとえば次のような論点です(項数は共同声明の該当する部分)。
- 中国を名指しで批判・牽制したこと(第49項)
- 朝鮮半島と北朝鮮の非核化、拉致問題解決(第58項)
- FOIP、台湾海峡の安定、海洋秩序(第60項)
- 東京五輪開催に対するG7としての支持(第70項)
菅義偉総理大臣、見た目の地味さ、髪の薄さ(失礼!)とは裏腹に、「仕事師」だと思います。「不得意」なはずの外交で、ここまでの成果を残したのですから。
もちろん、外交面で安倍晋三、麻生太郎両総理の残した遺産が大変に大きかったという事情もあるのかもしれませんが、それでも現状の日本としては、ここまでの内容を共同声明に織り込んだこと自体、すなおに「大きな成果」と見て良いでしょう。
外相会見と「首尾一貫性」
茂木外相、台湾、ベトナムにワクチンを提供
ただ、この共同声明の成果をもたらしている要因、あるいは欧米諸国から日本が支持されている要因は、日本外交が「FOIP」や「価値外交」というわかりやすい旗印を掲げたことに加え、行動が首尾一貫していることも見逃せません。
その「首尾一貫性」の証拠が、茂木敏充外相の一昨日の記者会見です。
茂木外務大臣会見記録(令和3年6月15日(火曜日)10時16分 於:本省会見室)
―――2021/06/15付 外務省HPより
茂木外相は会見の冒頭、「日本によるワクチン供与」として、次のように述べました。
「世界全体でワクチンへの公平なアクセス確保には、先般のCOVAXワクチン・サミットにおいて確保した資金拠出、こういった国際機関を通じた調達・分配と同時に、ワクチンの現物供給、このニーズも高まってきており、極めて重要だと考えております。
日本は、これまで様々な国・地域からワクチン提供の要請を受けておりまして、6月4日にはその第一弾として、台湾にワクチンを124万回分、無償でお届けをしました。
今般、新型コロナの感染状況やワクチンの接種状況等を踏まえて、ベトナムに、我が国で製造したアストラゼネカ社製ワクチン、約100万回分を無償で提供することとし、明日16日、日本から出荷し、同日ベトナムに到着する予定であります。」
ワクチン提供相手≒通貨スワップ提供相手
これは、なかなか興味深い動きです。
台湾にワクチンが提供された日付が「6月4日だった」というのは、それはそれで極めて重要なメッセージでしたが(『ワクチン台湾提供が「6月4日」に実現したことの意味』等参照)、今度は台湾に続きベトナムにもワクチンが提供されました。
地図で見たら、ちょうど中国の東と南ですね。
そのうえで、茂木外相は次のように話を続けます。
「諸般の条件が整えば、7月上旬からということになると思いますが、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシアに対して、同じく日本で製造したワクチンを供与したいと考えておりまして、今後、調整を進めていきます。また、台湾、ベトナム等への追加供給も検討したいと思います」。
これもまた、大変に興味深い話です。
じつは、茂木外相が列挙したインドネシア、タイ、フィリピン、マレーシアの4ヵ国は、いずれも日本が通貨スワップ協定(自国通貨を担保に米ドルや日本円などの「ハード・カレンシー」の提供を受ける協定、図表)を提供している相手国でもあるのです。
図表 日本が提供している通貨スワップ協定
相手国 | 日本から相手国への上限 | 相手の引出条件 |
---|---|---|
インドネシア | 227.6億ドル | 米ドルか日本円 |
フィリピン | 120億ドル | 米ドルか日本円 |
シンガポール | 30億ドル | 米ドルか日本円 |
タイ | 30億ドル | 米ドルか日本円 |
マレーシア | 30億ドル | 米ドル |
インド | 750億ドル | 米ドル |
(【出所】財務省『アジア諸国との二国間通貨スワップ取極』より著者作成。なお、インドネシア以外の5ヵ国は「双方向スワップ」、つまり「相手国から日本への米ドルの提供」という条項が含まれているが、図表には「日本から相手国への通貨の提供」を記載している。なお、上記とは別に、タイ、シンガポールの2ヵ国とは、日本は別途、為替スワップ協定を締結している)
いわば、通貨スワップに続き、日本が相手国に対しワクチンを優先的に提供する、と宣言した格好です。
日本のワクチン提供はASEAN重視の表れ
ではなぜ、日本がこれらの国にワクチンを提供すると発表したのでしょうか。また、なぜCOVAXを経由せずに、日本が直接提供するのでしょうか。
これについて、茂木外相はNHK記者の質問に対し、「スピードを重視したものだ」と答えました。やり取りは次のとおりです。
【NHK・山本記者】今ご説明あったワクチン供与ですけど、COVAXを経由せずに、直接今回、各国に送るのは、スピード感を重視されているということですか。
【茂木外務大臣】基本的にはそういうことです。それで、今申し上げたベトナム、そしてインドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、アストラゼネカとの契約がありますので、比較的いろいろな調整が早くできるだろうと。恐らく、国際機関を経由してということになりますと、承認取得等の手続き、これに若干の時間かかりますので、現に今、ワクチンが不足をしている、感染状況が非常に厳しい、そういう国に対してはスピード感を重視して直接出すと、こういった方法を取るところであります。
このような言い方をしていますが、要するに、台湾、ベトナム、フィリピン、インドネシア、マレーシア、タイの6ヵ国が日本にとってとても重要だから、COVAXを経由せずに直接輸出することにしたのだ、と読めます(ただし日本政府は台湾を「国」とは扱っていませんが…)。
茂木外相、台湾を「国」扱い!?
実際、茂木外相は次の日経新聞記者とのやり取りで、これらの国々が特に重要だ、という点を説明しています。やはりやり取りの原文を抽出しておきましょう。
【日経新聞 飛田記者】ワクチン供与の件で、追加で質問させてください。大臣、以前、その対象国は、感染状況に加えて日本との関係も、とおっしゃっていましたけれども、今回、ベトナム、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシアという国々、選ばれましたけれども、このあたり日本との関係という意味では、どのどういったあたりを考慮されたのか教えてください。
【茂木外務大臣】今回新たに、今検討というか調整を始めている国、それぞれASEANの国であります。感染状況が、タイ等においても落ち着いていたのが、かなり広まってきていると。マレーシアもかなり厳しい状況にある。そしてASEANと日本、極めて重要な関係をこれまでも、有してきたわけでありますし、更に日本が提唱し各国が進めている「自由で開かれたインド太平洋」、こういったものを実現していく上でも、極めて重要な国々であると考えております。そういった国内における感染状況、更にはまた現地におけるワクチンの不足、また日本との関係等々、総合的に勘案して判断をさせていただきました。
茂木外相、もしかしてこれは「わざと」でしょうか?
言外に、茂木外相が台湾のことを「ASEANと並ぶ重要な国」、と述べているように見えてしまいます。
実質的に台湾が日本にとって、潜在的に「FOIP同盟」を構成する国のひとつに位置付けられているという間接的な証拠でしょう。
協力は確実に強まる
ASEANはワクチンと通貨の2本立てで…
いずれにせよ、現在の日本にとって、米国、あるいは「クアッド」諸国(豪州、インド)とならび、改めてASEANや台湾の重要性が、ワクチン提供というフィルターを通じて浮かび上がってきた格好です。
もちろん、現時点において、ASEANが「集団として」FOIPにコミットしたという事実は確認できませんが、通貨スワップに続きワクチンをうまく活用して、ASEANとの協力を深めようとしているということは、大変に良い兆候でしょう。
こうしたなか、現時点において、台湾との関係が微妙であることは日本外交にとっての課題のひとつです。
日本は台湾を「国」とは認めていません。日本政府は日中共同声明で、台湾があくまでも中国の一地方であるという中国の言い分を「十分理解し、尊重する」という立場を取っています(外務省ウェブサイト・1972年9月29日付『日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明』参照)。
したがって、日中共同声明の立場上、外務省は台湾を正式な国とは認めておらず、次のとおり、非常に曖昧な立場を堅持している、というわけです(外務省『よくある質問集・アジア』の『問10.台湾に関する日本の立場はどのようなものですか』より)。
「台湾との関係に関する日本の基本的立場は、日中共同声明にあるとおりであり、台湾との関係について非政府間の実務関係として維持してきています。政府としては、台湾をめぐる問題が両岸の当事者間の直接の話し合いを通じて平和的に解決されることを希望しています。」
もっとも、外交青書上の「基本的価値を共有」、「極めて重要なパートナー」、「大切な友人」などの表現からは、事実上、台湾を「国」に準じて取り扱っているようなものでしょう。しかも、ただの国ではなく、「友好国として」、です。
次は台湾との通貨スワップはいかがでしょうか?
そして、実際に124万本という貴重なワクチンが日本から優先的に無償提供された(しかもよりによって「6月4日に」到着した)という事実自体、日台両国の協力関係を象徴するものでもあるといえるのです。
もちろん、台湾がこのまま中国とは別の「国」としての道を歩み始めるのか、それとも香港のような「一国家二制度」などの仕組みを参考にして、中国の一員となる道を選ぶのかは、台湾次第です。台湾の選択によっては、私たち日本にとって、地政学的にかなり厳しい状況が生じ得ることも覚悟しなければなりません。
しかし、逆に日本や米国などの「海洋国家」「自由・民主主義国家」が台湾を強く支援するという姿勢を示すことを通じ、台湾を「海洋側」に留めておくことができるならば、そのこと自体、海洋の安全を高め、日本の国益に大きく寄与することもまた間違いありません。
なにより、ワクチン提供に対し、台湾・台北市にある日台交流協会台北事務所に台湾の人々からたくさんの花が贈られた、などとする話題(『台湾に続き、「友好国」にワクチンを優先提供する日本』等参照)に接すると、「感謝してもらえる」という当たり前のことが、本当にありがたい話に思えてなりません。
いずれにせよ、日本にとって地理的に近い台湾、そしてASEANとの協力を深めることは、FOIPをさらに強いものにしていくうえで、大変に有益でもあります。
「ワクチン協力外交」の次の一手は、日台金融協力のあかしとして、日台通貨スワップ、というのは悪い愛ではではないと思うのですが、いかがでしょうか。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
更新ありがとうございます。
『外交青書 令和3年版』にもある通り、FOIPは「日米同盟」に次ぐ2番目に出て来ます。重要な外交同盟です。ASEANもしかり。
茂木大臣はベトナムに、我が国で製造したアストラゼネカ社製ワクチン、約100万回分を無償で提供し、明日(今17日16日出荷し、同日ベトナム着く。仕事が早いね!
更にインドネシア、タイ、フィリピン、マレーシアへの供与と続く。COVAXなんかをを経由してたら、良からぬ国に送る事になる、と言外に言われてます。今の方針はブレが無い。良い、その形でやって下さい。菅首相、ジミだけど効くね。漢方薬みたい(笑)。
昨夜ハノイに到着したらしいですね。
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/20210617_05/
“The AstraZeneca vaccine produced in Japan arrived at an airport in Hanoi shortly before 10 p.m. local time on Wednesday.
“Health minister Nguyen Thanh Long was among those that welcomed the arrival of the vaccine at the airport.”
今度のも Meiji AstraZeneca でしょうか、それとも違う工場製なのでしょうか。
航路追跡してみました。
NH897 成田発ハノイ行き。現地時間 21:47 着と flightaware は報告します。これでしょうか。中国空軍機に強制着陸させられなくてよかったよかった。
連投すみません
全日空機で正しかったようです。
空軍機に拉致されなくて本当によかったですね。空路途中でさっと身をかわしてみたり。
https://vietnamnews.vn/society/976305/one-million-astrazeneca-covid-19-vaccine-doses-donated-by-japan-arrive-in-viet-nam.html
“Health minister Long said: “We are happy to receive the vaccine shipment as donation by the Japanese Government,” adding that this gift is an example of the flourishing relations between Japan and Việt Nam, …”
はにわファクトリー様
お疲れ様です。フォーカス台湾を有する台湾や立派なSNSを持つG7各国駐日大使館と違って、ベトナムの駐日大使館のSNSはしょぼい(ごめんなさい)+「日本を褒めたくないパヨクマスゴミ」のせいで、なかなか良い情報を得られなかったのでありがとうございます。
以下のニュースはANA機到着シーンもきれいに映っています。もしまだでしたらご参考までに。
https://youtu.be/burLa9od_bA
あくまで、台湾に対するドル通貨スワップは依頼されたらベースでの検討で良いと思います。
台湾の外貨準備を調べると、数字の新旧は良くわからないですが5000億米ドル台と出てきました。
台湾の経済規模との比較で十分な外貨準備じゃないでしょうか。比率的に「日本並み」との表現も可能にみえます。
韓国のように、数字だけあっても中身が伴わない自覚があるところは、スワップスワップ言いますけど、多分安全性流動性の極めて高い外貨準備のはずの台湾は、通貨の安定性の面ではそこまで心配していないように思います。そこはASEAN諸国と違うかもしれません。
求めてもいないものを与えようとしても、それはおせっかいです。相手を見下した態度ですらあります。
ここは、スワップについては、台湾から困ったサインが出たときに迅速に対応するのが最良です。まさにワクチンのときのように。
いつでもなんでも言ってくれ。困ったときはお互い様だよ。の態度でいることが一番です。
>日本が近隣諸国(とくに中韓)と今すぐ「断交」することなどできませんし、少なくとも現在はそれを議論するときではありません。
仰る通りだと思います。
ただ、今まであった ”依存を減らす方向に今すぐにでも進むべきだ” が落ちているのは残念。 回りくどいと思われたかもしれませんが、日本人は忘れやすいので継続して強調していただきたいと思います。
COVAXワクチン会議、台湾支援、アセアン支援と、”口先だけで実態が不明な某C国やK国と違い”、間髪入れずに組織的に進めるのは非常に良いですね。
一方、価値観外交を進める上では日本版マグニツキー法、ミャンマー民政復帰が今年中に達成できるか否かが今後の外交成果を占うと思います。
>髪の薄さ(失礼!)
バーコードは鮮度(判りやすさ)が大切。
充分な左右の余白。くっきりとした行間が認識されなければ、対峙するリーダーに正確な情報(真意?)が伝わらないんですよね。
①日本製造のワクチンを②優先的に③タイムリーに提供する。(友好国だから)
このうえなく、解りやすいメッセージだと思います。
実務感覚に沿った判断で、日本と友好国の未来を明るく照らし続けて欲しいですね。
ワクチン外交にしても、スワップ外交にしても、隣のあの火病国家を除外するような、狡猾さを我が国も身に付けたのかと思うと感慨深いものがある。ふた昔なら「南京虐殺はなかった」と発言した藤尾文部大臣など、中、韓、の抗議で辞職だもんなぁ。あ、中、韓って言ってしまった。令和の時代。台湾とは実質同盟、国交樹立。で、韓国とは実質断交アメリカとの三角迂回同盟は廃止と云うことで!
安倍外交を継承する菅外交は成果を出しつつあります。しかし、来る選挙では外交は票に結び付きにくく、この先数か月の試練:コロナ対策と東京オリ・パラを乗り切るべく足元の内政にも力を入れて欲しいです。内政に失敗すると国民に身近な話題をネチネチとつついて票にする野党が有利となるかもしれません。
庶民にとっては明日も今日と同じかそれ以上に生活できるかが最重要事項です。
国際関係における日本の最大のリスクは、現状の(共産党一党支配の)中国が、覇権を握ることだと思います。それは米国の利害とも一致します。そしてその仲間を広くかつ力強く集めるための、スローガンがFOIP(開かれた自由なインド太平洋)だと思います。日本は提唱国として、また実質的な”事務局長”国として、基軸は4ケ国で固定ですが、賛同国を広く募る活動を積極的にすべきです。台湾はオブザーバーとして(対中国で刺激的すぎる)、ベトナム、ニュージーランド、韓国(異論はあるだろうな)を始めとして、インドネシア、フィリピン、マレーシア、タイ、何なら新疆ウィグル地区(個人的には東トルキスタンと呼びたい)でのジェノサイドを材料に、トルコ、サウジアラビアまで拡げて欲しい。そのために、ワクチンやODAなどをフル活用してほしい(通貨スワップは要選別)。そうなったら、提唱国として誇らしいでしょうね。安倍前首相は歴史に名を残す!
確かセイロン(今の国名ど忘れ!)からも提供依頼があったように聞いていますが、今回の外相発言国名に名前がないですね。
C国との関係が強すぎるせいかな。
すみません。
名前は閑居小人です。
国名はスリランカでした。
🍺
相変わらずですね。また台湾との通貨スワップの提案ですか。
ASEAN諸国との通貨スワップ強化に関しては異論は全くありませんが、台湾は全く違います。
ワクチン供与は人道的支援という大義名分がありますが、通貨スワップとなるとそうは行きません。
台湾つまり中華民国はその憲法において、現時点で日本(だけでなくアメリカを始めとしてG7メンバ国全て)が国交を結んでいる共産チャイナつまり中華人民共和国と(細かい部分の差異はあるかも知れませんが、少なくともほぼ)同じ地理的エリアに対する領有権を主張しています。
そして日本が中華人民共和国と国交を結んでいるということは、日本は北京政府を当該エリアの正当な統治者と認め、他方、台北「政府」に関しては反乱軍だということを認めているに等しいのです。
その反乱軍が発行している「通貨」に対して日本政府(正確には日銀でしょうが統合政府の立場で言えば日銀も政府機関の一部)が通貨スワップを結ぶということは、反乱軍の発行通貨を正当なものと認めることになります。これは現在の対中国交で日本政府が認めているロジックと完全に矛盾してしまいます。
通貨スワップ協定を結ぶのは、ワクチンを無償提供するのとは質的に全く違うレベルの問題です。
それともう一つ。具体的なデータを持ってませんが、確か台湾は韓国にも劣らないほどの為替操作国だったと記憶していますが。どちらも輸出立国なので為替操作をしたくなるであろうことは良く理解できますが、それをやられると日本の製造業にとって確実にマイナスですから、その点でも台湾に対する通貨スワップ供与はそう簡単な問題ではありません。
台湾が大陸の領有権主張を捨て(出来れば尖閣諸島に対する領有権の主張も捨て)、一つの中華というテーゼから自由になる独立宣言をしない限り、日本政府にとって台湾に対して政府間でやれることは極めて限られていると理解するのが適切です。
現在の国交締結状況と論理的に矛盾していまう日台通貨スワップよりも、日本はFOIPという理念の実現において極めて重要な位置に存在する台湾の独立を人民解放軍の毒牙から守るために、台湾が独立宣言をした場合のG7としての対応(つまり即時承認)を日本が主導して纏めるように各国を説得して秘密合意書を作っておくべきだと思います。仏独伊の大陸3ヵ国が北京政府への配慮から即時承認に抵抗するならば、日米英加豪(できれば+印)だけででも即時承認で合意形成しておくべきです。(その代わりに台湾独立で人民解放軍が台湾侵攻を行えば、日本は台湾防衛戦を戦う覚悟を持たねばなりませんが)