静岡県「無免許県議」に「新たな無免許疑惑」が浮上か

ウソにウソを重ねると、身動きが取れなくなります。先日も取り上げた、「無免許運転が判明したけれども静岡県議として居座っている」人物に関し、ちょっとした続報が出てきました。本人の説明と異なり、無免許状態で自らの免許センターに運転していき、帰りも免許が失効した状態で運転して帰っていたとみられることが、「防犯カメラの映像から」判明したのだとか。

無免許運転県議

先日の『無免運転県議「どんな指摘も受け止める」→リプ欄閉鎖』でも取り上げた話題が、「県議の無免許運転」です。

新宿会計士の政治経済評論

2023.08.09

無免運転県議「どんな指摘も受け止める」→リプ欄閉鎖

https://shinjukuacc.com/20230809-05

まったくふざけた話です。「どのような指摘であっても真に受け止めながら」、などと言いながら、ツイッターのリプライ欄を閉ざし、しかも肝心の謝罪文自体をテキストデータではなく画像データで公表しているからです。問題のツイートは無免許運転が発覚した中山真珠・静岡県議が投稿したものですが、極めて不誠実であると言わざるを得ません。なお、この中山氏は、先月１票差で否決された川勝平太・静岡県知事の不信任案に関し、反対した人物のひとりであることもわかっています。無免許運転の静岡県議が謝罪文らしきものを投稿今年４...

これは、今年４月の統一地方選で、最年少で静岡県議に当選した行われた中山真珠（なかやま・しんじゅ）氏（７日付で国民民主党に離党届提出済み、県議会の会派「ふじのくに県民クラブ」から除名処分済み）が８月４日15時ごろ、無免許運転を行った、とする話題です。

ちなみにこの人物、『無免許運転報道に関するお詫び』と称して、こんな内容をツイートしています。

【無免許運転報道に関するお詫び】

この度の報道の件につきまして、皆様には多大なるご迷惑とご心配をおかけし、また政治全体に対する不信感を抱かせてしまいましたこと、この場をお借りして、心からお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。

本来ならば、もっと早く皆様の前に出て、私の口から直接事実の説明とお詫びの言葉を発するべきところ、気持ちの整理と、ご迷惑をおかけしたみなさまへの説明と謝罪、所属会派、政党の処分を受けてと思い、このような時期になってしまいました。

本日は、私自身の言葉で今回の違反についてご説明をさせて頂きたく、この場を設けさせていただいた次第です。よろしくお願いいたします。

今回、報道にあります通り、先週８月４日15時頃、静岡市内にて免許証の有効期限が失効しているにも関わらず、自家用車を運転してしまい、信号のない横断歩道の一旦停止を怠ったところ警官の方に呼び止められました。

免許証の有効期限は５月16日時点で失効しておりましたが、引っ越しの際免許証の住所変更をしておらず、更新通知が届いていませんでしたが、８月１日に身分証明書として免許証を提出した際、失効に気づき、更新するまでは公共交通機関を使うよう心がけておりましたが、４日はどうしても時間に間に合わないとという意識に駆られ、重大な過ちをおかしてしまいました。

今となっては、どれだけ悔やんでも取り返しのつかないことですが、自らの軽率さを心の底から恥じると同時に、公人としての自覚と遵法精神の低さを深く反省し、県民のみなさま、応援してくださったみなさまのご期待をこのようなかたちで裏切ってしまったこと、県議会全体の信頼度低下につながる事態を招いてしまったこと、多くの関係者のみなさまに多大なるご迷惑をおかけしてしまったことに対し、お詫びを申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。

今後につきましては、まずは有権者のみなさまへのお詫びと説明をさせていただいたうえで、どのようなご指摘であっても真に受け止めながら、慎重に考えたいと思います。

私としては、お許しいただけるのであれば、自らの軽率さと罪の重さを悔い改めるとともに、一層仕事に邁進することで償わせていただきたいという思いでございます。

当面は政治活動、地域活動を一切自粛し、奉仕活動に従事しながら反省と内省をさせていただきます。

本当に申し訳ございませんでした。

令和５年８月８日

中山真珠

…。

立派な違法行為ですが…

なんだか、よくわからない言い分です。

通常、法令違反行為をしたならば、その深刻さに応じて議員辞職をするのが筋でしょうし、それでも議員を続けようと思うならば、いったん辞職したうえで再び選挙に出るのが筋ではないか、というのが通常の有権者の感覚かもしれません。

この点、公職選挙法上は、禁固以上の刑に処せられた場合などには、執行猶予中の場合などを除き、その執行が終わるまでの間（または執行を受けることがなくなるまでの間）、選挙権を失うことが規定されています（公選法第11条第１項各号等。ただし選挙違反等の場合はもっと扱いが厳しくなります）。

無免許運転はれっきとした違法行為（道路交通法第64条第１項）であり、これに違反した場合には、同法第117条の２の２の規定により、３年以下の懲役か50万円以下の罰金に処されることがあります。

ただ、現時点において、中山氏が起訴されたとの報道はありません。

もしも中山氏が懲役刑を言い渡されなかったとすれば、あるいは懲役刑が言い渡されたとしても執行猶予が付いた場合、公選法上、今回の違法行為を理由に中山氏が失職することはありません。言い換えれば、懲役刑などを喰らわない限り、県議の座に「居座る」ことは可能なのです。

「どんな指摘も受け止める」→リプ欄閉鎖

しかもこの中山氏のツイート、先日も指摘したとおり、「どのようなご指摘であっても真に受け止め」る、などと言いながら、リプライ欄を閉鎖してしまっています。大変にふざけた態度といわざるを得ません。

このたびの無免許運転報道につきまして pic.twitter.com/grWxHa1h7D

— 中山真珠 | 静岡県議会議員(清水区) (@shinju_nakayama) August 8, 2023

ウソにウソを重ねた？

こうしたなか、備忘録的に、本稿ではこんな話題についても拾っておきましょう。

【独自】無免許の中山真珠静岡県議…説明と食い違い　免許センターの帰りも自ら運転か

―――2023-08-22付　静岡朝日テレビより

静岡朝日テレビは「独自」と銘打って、中山氏が無免許運転で摘発された当日（４日）の２日前にも、自らの運転で免許センターに行き、「防犯カメラの映像から」、免許センターからの帰りも免許が失効した状態で自ら運転をしていたとみられることが「新たにわかった」と報じています。

この報道が事実なのかどうかは、わかりません。

ただ、あくまでも一般論ですが、ウソにウソを重ねると、どんどんと身動きが取れなくなっていくものでもあります。

ちなみに記事によると、中山氏は「精神面で不調を抱えていて」、「９月末までの休養を要するという趣旨の医師の診断書を県議会事務局に提出している」のだそうですが、そのような状況であるならばなおのこと、県議としての職務執行は困難でしょう。

ただ、この中山氏は、先月13日に静岡県議会で行われた川勝平太・静岡県知事に対する不信任案に関し、反対した人物のひとりでもあります（静岡県ウェブサイト『県議会令和５年６月定例会における審議結果』参照）。

当該決議案は１票差で否決されていますが、もしも中山氏が県議を辞職した状態で（あるいは中山氏が欠席中に）もう１度、県知事に対する不信任案を提出すれば、もしかしたら川勝氏の不信任案を可決させれば、ＪＲ東海が進めているリニア新幹線の工事が進むかもしれません。

その意味で、「中山氏の辞職は国益にも直結している」、という言い方もできるのかもしれません。