「壁新聞で報道圧力」立民・安住氏がNHKにも介入か

例の「総務省文書」を巡り、「安倍官邸による報道介入だ」などと舌鋒鋭く批判している人物のひとりが、安住淳・立憲民主党国対委員長です。ただ、安住氏自身、2年前に「壁新聞問題」を起こした張本人でもありますし、一部のメディアはNHK出身の安住氏がNHKに対し、報道圧力を加えていたという疑惑を報じています。安定のブーメランです。ちなみに普段の立憲民主党の行動に照らすなら、その報道が「事実ではない」と立証する責任は、立憲民主党にあります。

小西氏「高市氏は万死に値する」』などでも触れている、例の「総務省文書」問題を巡って、ひとつ興味深い話題がありました。

立民の安住氏「報道介入」

―――2023年3月7日12:55付 ロイターより【共同通信配信】

共同通信によると、立憲民主党の安住淳国対委員長は7日、放送法解釈を巡る総務省作成文書の内容を巡り、国会内での記者団の質問に対し、次のように述べたそうです。

書かれていたことは事実だと認定したい。安倍政治の負の遺産のひとつで、報道介入だった」。

この「報道介入」とは、故・安倍晋三総理大臣がテレビ番組の内容を問題視し、放送法の事実上の解釈変更に至る流れを作った(と当該文書に記載されている)ことを指すものなのでしょう。

これについては『高市氏が怪文書を捏造と批判:本質は業界の放送法違反』でも指摘しましたが、基本的にその本質は、放送業界が放送法違反を繰り返し、放送法が守られていないことではないか、というのが著者自身の見解ではあります。

すなわち例の文書も、「放送法違反を繰り返すテレビ業界に対し、政府が放送法の解釈を適正化し、是正措置を発動できるようにした流れを示したものだ」、などと考えると、べつに「報道介入」でも何でもありません。

ただ、本稿で注目しておきたいのは、そこだけではありません。

安住氏といえば、2020年2月、国会内の党控室のドアに主要紙を張り出したうえで、出入り禁止」「くず0点」などの論評を添えるなどした「実績」がある人物である、という点です。これには産経ニュースの次の記事も参考になるでしょう。

立民・安住氏「報道おかしくなった。真珠会社の名前の男とか」

―――2023/3/8 16:50付 産経ニュースより

ちなみに記事タイトルにもある「真珠会社の名前の男」とは、政治ジャーナリストの田﨑史郎氏のことを指すとみられるのだそうです(※余談ですが、同じようなことを自民党議員が言えば、オールドメディアの皆さんは火が付いたように大騒ぎするのではないかと思います)。

こうしたなか、『アサゲイプラス』には9日付で、こんな記事もありました。

「ニュースウオッチ9に入れろ!」報道圧力を批判する野党重鎮が「まさかの報道圧力」というバカ行状

―――2023年3月9日 12:30付 Asagei plusより

同ウェブサイトによると、この「総務省文書」問題を巡り、「安住氏の圧力で」、NHKが「積極姿勢に転じている」、というのだそうです。

NHK関係者によると、当の安住氏はNHK政治部の後輩に「『ニュースウオッチ9』に入れろ!」と具体的な番組名を挙げて圧力をかけているという」。

安住氏の報道圧力はこれが初めてではないことは、本人も認めている。安住氏は3月3日の党会合で、総務省文書について、次のように語った。『ああいうことが起きてから、日本の政治報道番組はおかしくなった。真珠会社と同じ名前の男とか。これ以上言うと、私が壁新聞問題になっちゃうけど』」。

この「安住氏がNHKに圧力をかけている」とする報道は、調べたところ、この『アサゲイ』以外に見当たらないようですが、もしこれが事実ならば、これも「安定のブーメラン」、といったところでしょうか。

もちろん、この『アサゲイ』の報道が事実かどうかはわかりません。

しかし、「もりかけ・桜・統一教会」問題を追及し続けてきた立憲民主党のロジックは、「疑われた側が無実であることを証明しなければならない」、とするもので一貫していました。このことを考えると、立憲民主党には「『アサゲイ』の報道は事実ではない」ことを立証する責任があるのではないかと思う次第です。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 農民 より:

     いっそ放送局は「中立禁止」にして、全ての圧力とやらを明示し、きっちり内容に反映し、旗幟鮮明にしてほしいくらいです。絶対に不可能な中立などを追い求めるより、あらかじめどちらに振れているかわかれば良いのですから。

    1. クロワッサン より:

      米国メディア方式ですね(*^_^)
      私もその方式が現実的だから賛成です。
      サイテーロージンズとか、左派の為なら嘘捏造歪曲しまくります!ってあらかじめ謳えば、バラエティ番組として有意義なんじゃないかと。

      1. 農民 より:

         自民党の番組を頭抱えて観た後に、立憲共産の番組を腹抱えて観るハメになりそうではあります……
         そういえばアメリカ人の所謂オールドメディア観って聞いたことがありませんがどうなっているのでしょうね。多分どこでもどうあっても、不公正を叫ぶかエコーチャンバーになりそうな気もします。

        1. 古いほうの愛読者 より:

          アメリカの民放は政治的中立性を要求されていませんから,好きなほうの党を応援します。「アメリカ」とひとくくりにしてアメリカ人を論じるのは難しく,例えば白人層だけととっても州や学歴で意識が全然違います。そこに,黒人やヒスパニックや移民が混じって,混沌とします。ここまで民族の多様性が激しいと「オールドメディア観」を論じるのは,もっと難しいと思います。

          1. 農民 より:

             なるほど、感覚が思いっきり日本人でした。
             そういえばBLMも結局どうなったやら聞きませんが、なんか分断加速でしおしおになってたような。あちらでは何を言ってもどちらかの敵・どちらかの味方になりがちで、メディアは存続しやすいのかも?
              こちらはといえば、我らがNHKがBLMにいっちょ噛みしようとしたらかえってBLM界隈に叱られて、BBCあたりに「これが日本人の差別意識!」みたいにされていたなぁ。どちらの敵味方というよりも国民の敵て。

  2. 匿名 より:

    この〇住とか福〇とか威勢よく他者を攻撃しているときに本性が出ると言うか、ものすごく下品ですよね。まぁ議員はお上品でなきゃダメなんて事はありませんが・・・、

  3. 世相マンボウ* より:

    安住さんのお名前の読み方が 
    労組利権に あんじゅうさん か 
    やすずみさん なのかを 
    いまだに存じ上げないのですが、
    この人の口から「報道介入(?)」
    なる言葉が出てくるとは・・・
       ┐(´д`)┌、

    タニシ、いや、コニシといい
    韓流政党立憲民主党の
    ダブ・スタ(Double-Standard)ならぬ
    ドブ・スタ(DOBU-Standard)ぶりには
    呆れます。

    こうした態度は実社会で
    同様の生きザマの少数の人達には
    支持されるのでしょうが
    自由だからと政治と称して
    呆れた主張をしているサマは、
    世間では言いがかりと映るもの
    と感じます。

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