【恩返しの連鎖】トルコ外相「日本からの寄付が1位」
トルコの外相が地震の募金について、「日本からのものが最も多かった」と明らかにしたそうです。そのうえで「日本人は同じ地震国であり、イラン・イラク戦争でテヘランからの邦人脱出にトルコが支援してくれたと述べている」と指摘したそうですが、いわば、恩返しの連鎖が続いているようなものでしょう。
先日の『千羽鶴は「大災害の復興支援」にまったく役に立たない』でも指摘したとおり、地震などの大災害の現場において、送られて困る「支援物資」の典型例は、「千羽鶴」です。
また、あくまでも一般論ですが、ほかにも困るものとしては、「▼生鮮食品(生もの)、▼寄せ書き、▼古着、▼辛いラーメン」、などが指摘されることも多く、逆に被災地にあって困らないものといえば、もっとも典型的なものが現金でしょう。
(※余談ですが、折り紙ではなく紙幣で折った千羽鶴は、被災地の人々を勇気づけるに違いありません。どうやって折るのかしりませんが。)
実際、著者自身も大災害が発生したときに、その地域に親しい人が居住していれば、できれば現金を送付することにしていますし、東日本大震災のときには日本赤十字社に義援金を振り込んだクチです。
また、当ウェブサイトでは災害のたびに「千羽鶴」を攻撃してきたためでしょうか、今回の今回のトルコ・シリアの大震災において、(著者が見た限りでは)「千羽鶴を送ろう」という動きは生じていないように見受けられます。非常に良い傾向です。
こうしたなかで、時事通信には28日付で、こんな記事が配信されていました。
大使館での募金「日本が1番」 地震支援でトルコ外相
―――2023年02月28日00時07分付 時事通信より
時事通信によると、トルコのメブリュット・チャブシュオール外相は26日、各国から寄せられた募金総額が4000万ドルに達したとしたうえで、「最も多いのは日本だ」と述べたのだそうです。
これについてトルコのメディアを調べてみたら、もう少し詳しい報道もありました。トルコの国営通信社であるアナドル通信が配信した次のトルコ語の記事には、チャブシュオール外相の発言が紹介されています。
Bakan Çavuşoğlu, Adıyaman’da konteyner kentte çalışmaları inceledi
―――2023/02/26付 アナドル通信より
該当するのは次のくだりでしょう。
“Burada da birçok ülkeden aşağı yukarı 40 milyon dolar kaynak var. Birinci sırada Japonya var. Hep şunu söylüyorlar, ‘bizde deprem oldu siz geldiniz, bir de İran-Irak Savaşı’nda Tahran’dan vatandaşlarımızı siz kurtardınız. Şimdi sıra bizde.’ diyorlar. Aslında şöyle baktığımız zaman, tüm dünya niye yardıma koşuyor. İki sebebi var. Birincisi, büyük bir afet, görülmemiş afet, bunun boyutunu herkes görüyor. İkincisi, Türkiye bugüne kadar nerede afet olduysa ilk koşan ülke olmuştur. Tüm dünyada böyle olmuştur.”
翻訳エンジンを参考に文章の前半を意訳すると、こんな具合でしょうか。
「ここにも、多くの国から約4000万ドルの募金が集まりました。日本が1位です。彼らはいつも、『わが国にはよく地震がありますし、イラン・イラク戦争でテヘランから市民を救ってくれた』と言っています。彼らは『今度は私たちの番です』と言います」。
著者自身、トルコ語の知見はないので、これが厳密に正しい訳なのかはわかりませんが、少なくとも外相が日本を名指しして「最も多かった」と述べていることは間違いなく、また、イラン・イラク戦争でトルコ機が日本国民を脱出させてくれた恩義があることもまた事実です。
和歌山県串本町のウェブサイト『絆のものがたり』の記載によると、1890年、当時のオスマン帝国から日本に派遣された親善使節団を乗せたフリゲート艦エルトゥールル号が串本町沖合で座礁した際に、当時の大島島民が不眠不休で生存者の救助や介護などを行ったというエピソードに始まります。
1985年のイラン・イラク戦争当時、トルコから駆け付けた救援機2気が、テヘランから脱出できずに途方に暮れていた日本人215人の全員を乗せて脱出した際に、トルコ人は「私たちはエルトゥールル号の借りを返しただけです」と答えたのだそうです。
こうした「恩の連鎖」は重要です。
地理的に遠く離れていても、地震国という共通点があり、困っている人がいれば、利害関係を越えて助け合うのは、人道上、当然の行動でもあるのです。
いずれにせよ、トルコ、シリアで災害に遭われ、犠牲となられた方々のご冥福をお祈りするとともに、現地の一刻も早い復興を願いたいものです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
恩を仇で返す国があるらしい。
トルコを一方的に兄弟と呼び、自分は兄だと勝手に決め、トルコを弟として見下し、更にはここぞとばかりに被災者にゴミを押し付ける姦酷という国があるらしい。
【韓国市民からのトルコへの支援】片方だけの靴、破れた靴下、壊れた家電も! 民度の低さが露呈
https://globalnewsasia.com/article.php?id=8691&&country=4&&p=2
その国は日本のことも弟だと思っています。
以前韓国に行った時に言われてことがあります。
弟に金をせびったり貴重品を盗んだりして生活をする立派な兄です。
串本町大島の遭難現場には、トルコの記念館があり、役場にはトルコ課まであるそうです。紀伊半島をドライブする際に、立ち寄らせて頂きました。皆様も、近くにお越しの際には訪問してみて下さい。両国の友好関係を感じる場所です。
串本大島のエルトゥールル号遭難慰霊碑がある一帯は、公園のように整備されていて、地元の方達の過去の出来事に対する思い入れの強さが実感出来る場所ですね。
南紀の空の青さと心地良い海風など、潮岬灯台や串本海中公園と共に、黒潮の恵みである温暖な気候を満喫できるところです。
白浜温泉にある南方熊楠記念館も含めて、何度も行きたい所です。
毎度、ばかばかしいお話しを。
韓国:「韓国はトルコに地震被災者のために、日本以上の金額を寄付することを約束する。(ただし、いつまでとは言わない)」
この話は2023年2月28日時点では、笑い話である。
ふと、思ったのですが、韓国では、(売れないマンションを処分するためにも)寄付金が集まるように地震が来ることを願っているのではないでしょうか。確か北朝鮮では、天災が起きたとして、保険金をもらった過去が、あったはず。
日本人の大半は,トルコに対して何の偏見も持っていなくて,欧米の国々と平等に扱うことができます。欧米の多くの人達は,世俗的イスラム教国とはいうものの歴史的経緯でトルコに対している偏見や嫌悪感を持っていて,それは日本人には理解できないでしょう。欧米の人達が,日本人が韓国に対して抱いている感情を理解できないのと同じです。そのあたりが,寄付金額にも反映されているのでしょう。
送って困るものリストの中に「辛いラーメン」あるのワロタw
確かに困るww
それは置いといて、隣の半島から歯ぎしりが聞こえてきそうです。
こういう友好話は聞いてて気持ちいいものですね。
トルコなどに払う金があったら、
こちらの慰安婦徴用工に払うニダ‼️、
って
言いそうですね。
東日本震災募金を 毒島活動に流用してくれた国がありました。
スマトラ島沖地震復興支援に 大々的に高額支援を表明したけど、実際の支援は 大幅ディスカウントという国がありました。
自称G8国です。
日本の善意には必ず裏(復興利権等)がある!はどうでしょうか?
私見ですが、権威主義が似合う国家は民主主義国家よりも自己紹介が上手い傾向にあります。
トルコは日本と価値観や利害が異なる面のある国ではありますが、こうやって感謝の連鎖ができる国なのでほっとしますね。
ただ一方的に恩を与えても、感謝どころかむしろ憎んでくるような国との差が際立ちます。
帰任をふまえてちょうど地震の数日前にトルコ(イスケンデルンのあたり)に出張で行きました。(地震のことをきいたときは冷汗ものでしたが)そのとき先方様と食事をしたのですが、そのときの話題の一つとしてエルトゥールル号の話題とテヘランにてトルコ航空の飛行機が邦人を救出した話をしたところ、トルコ方の食いつきがすごいのなんの!そもそも全部で8人いたその場に日本人は小生だけでしたのでいろいろ説明やら質問やらで大変でした(笑)。小生の連れ(欧州人)は話に入れず少々白けていました。残念だったのは彼らが列挙する最近(?)のトルコの大使や外交官の名前を存じ上げず、少しガッカリさせてしまったことでしょうか。ちなみにしらなかったのですが、20年ほど前?にあった地震のときにいち早く救助活動に来てくれたのが日本だったのだとか?また義援金も日本がそのとき最も多くくれたのだとか?確認(裏取り)はしていませんが、そんなことも言ってました。またその場にいた一番若い(26歳だとか)先方のトルコ人の男性はエルトゥールル号はともかくテヘランでの邦人救出は知りませんでした。邦人救出の話は浸透度はそれほどではないのかもしれません?ね。
テヘランからの救出の件は、日本が自衛隊機を出せず、民間機も行かない(自衛隊が行かないから当たり前と言えば言えるが)ので、トルコが助けてくれたのですが、確かトルコの民間機が行ってくれたのだと思います。
困っている相手には助け合いの精神。
恩返しなどは期待せず。
但し恩を仇で返されると何だかなって思います。
もちろんトルコでなくて。。w
困った時にはお互いが助け合う『恩の連鎖』は意識するしないにかかわらずこれからも続けていきたいですね。それに比べて、一方的な負の連鎖でしかないと思えて仕方がない韓国との関係にはウンザリです。
トルコの日本への好感度の高さには、日露戦争で、日本がロシアに勝利して、当時の帝政ロシアのトルコへの圧迫を取り除いてくれたこともあります。
歴史の流れから来るこのような好感情は、失わないようにして行きたいものです。
人間関係と同じで、他から受けた恩義は、正しく理解したいものです。
隣国は、それをすると、日本統治以前の自らの歴史の実態が明らかになるから、困るのです。
歴史教科書の40%が日本統治下の事柄だそうですから、それ以前の歴史は無いに等しいのでしょうか?
日経の記者が震災後のトルコを旅行する(観光的な)記事を堂々と載せていて、思わず目を疑ってしまいました。画像は町の猫の写真。おまけに不注意から鞄をかっぱらわれて店主や地元の方に迷惑をかけています。
こんな記事がトルコの方の目に留まらないことを祈ります。
記者の目「地震直後のトルコを旅する」
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00138/030601238/