発射中止を失敗と決めつける態度もマスコミ批判の一因
おもにインターネット上で「マスゴミ」なる用語を見かけるようになってから久しいです。特定の業種のことをゴミに例えること自体が適切なのかどうかという点は脇に置くにしても、そのような用語が一般社会において受け入れられているという事実は、一種の社会現象として看過できるものではありません。こうしたなか、改めて「H3ロケットの発射は『中止』なのか『失敗』なのか」に関するちょっとした論証がネット上で発生しているようです。
目次
マスゴミとは?
当ウェブサイトをご愛読いただいている皆さまであれば、新聞、テレビ、新聞社といったマスメディア各社のことを、インターネット上で「マスゴミ」などと呼ぶ人が多いということについては、いまさら指摘する必要はないかもしれません。
著者自身の理解に基づけば、この「マスゴミ」とは、最初は「ゴミのような情報を垂れ流すマスコミ」に対する、怒りを込めたネットスラングとして発生したものですが、いつしか人々の批判はこれらメディアが発信する情報そのものに対してのみならず、取材手法や誤報対応など、彼らの事業態度そのものにも向けられるようになりました。
たとえば、日韓間の長年の懸案のひとつでもある自称元慰安婦問題も、そもそも日本の新聞社による1980年代から90年代にかけての一連の捏造記事が発生源のひとつですが、この新聞社は捏造報道を2014年まで放置していました。
この新聞社は、さらにはいわゆる「noindex事件」も発生させています。これは、捏造報道を取り消す記事の英語版に、検索エンジンのインデックスを除ける「noindex」タグを仕込んでいたという問題です(該当する記事に当時、このnoindexタグが仕組まれていたことについては、著者自身も確認しています)。
マスメディアは他人の不祥事については舌鋒鋭く追及するくせに、自分たちが誤報、捏造報道といった不祥事を発生させたときにはホッカムリを決め込むのです。
正直、特定業種のことをゴミに例えて貶めることは、当ウェブサイトでは可能な限り控えようと考えてはいます。ただ、それと同時に、非常に多くの人がマスコミ業界を「マスゴミ」と呼称していることもまた事実であり、これは社会現象として看過してよい論点ではありません。
企業不祥事とマス「ゴミ」
食の安全、交通の安全
このあたり、一般企業が不祥事を発生させた場合の対応を思い起こしておくと、やはり異例です。
たとえば2000年6月に当時の雪印乳業株式会社が発生させた集団食中毒事件(※)の場合、同社の事実上の後継会社である雪印メグミルク株式会社は年2回、「食の責任を強く認識し、果たしていくことを誓う日の活動」を実施するなど、その食中毒事件の記憶を風化させないための取り組みを続けています。
※雪印乳業株式会社の手段食中毒事件とは?
同社の大阪工場製造の低脂肪乳に黄色ブドウ球菌から発生した毒素(エンテロトキシン)が含まれていたことに加え、事件直後の対応に手間取り、商品回収や消費者への告知に時間を要したことで、13,420人という多大な人数に食中毒の被害を与えた事件。
(【出所】雪印メグミルク株式会社『雪印乳業食中毒事件』を参考に著者要約)
また、2005年4月25日に発生した福知山線列車脱線事故では、2007年6月に当時の航空・鉄道事故調査委員会が公表した『鉄道事故調査報告書』に対し、JR西日本は再発防止などに向けて真摯に取り組んでいます。
※福知山線脱線事故とは?
2005年4月25日午前9時18分ごろ、兵庫県尼崎市のJR福知山線・尼崎駅起点上り1k805m付近で宝塚駅発同志社前駅行き上り快速(7両編成)が半径304mの右曲線に制限速度70㎞/hを大幅に上回る116㎞/hで侵入し、先頭から5両目車両までが脱線し、先頭・2両目が進行方向左側マンションに衝突。運転士1名、乗客106名が亡くなり、600名近い負傷者を出した事故。
(【出所】JR西日本『福知山線列車事故について』を参考に著者要約)
消費者の信頼はなかなか戻らないが…両社は努力をしている
この2つの事例はいずれも、事件・事故の影響の大きさもさることながら、個社の問題にとどまらず、社会全体にとっての信頼を揺るがすほどの問題に発展しかねないものでした。雪印乳業のケースは食品、JR西日本のケースは輸送ですが、どちらも私たちが健康で文化的な生活を営むうえで欠かせないものだからです。
私たちが食べようとしているその食品に毒素が含まれていたら?
私たちが利用している鉄道やバス、飛行機といった公共交通システムで重大事故が起きたら?
私たち消費者がそんな疑心暗鬼に陥ると、健全な消費社会は成り立たなくなります。
ただ、幸いなことに、どちらのケースでも不祥事を発生させた当事者(やその後継事業者)は、それらを風化させないよう、みずから努力していますし、再発防止に向けた取り組みを積極的に行っています。
もちろん、いったん失われた消費者の信頼が容易に戻るものではありませんし、事件・事故からそれぞれ20年前後が経過しているにも関わらず、消費者のなかには、両社のことを「絶対に許せない」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、インターネットで検索してみると、「雪印食中毒事件」では雪印メグミルクのウェブサイトが、「JR福知山線事故」ではJR西日本のウェブサイトが、それぞれヒットします。このこと自体、両社が事件・事故の風化を防ぐべく努力している間接的な証拠でしょう。
「企業不祥事」を経済学的に定義してみる
さて、ここで「企業不祥事」について、あえて著者なりに、経済学的に定義してみましょう。こんな具合です。
「企業不祥事とは、その企業が提供する財やサービスについて、消費者からの信頼を損ねるような事件・事故のこと」。
「その企業が提供する財やサービス」とは、雪印に関しては「乳製品」などですが、それは「おいしくて健康的である」だけでなく、「安全である」ことが求められます。つまり、雪印が実際に提供した製品は「安全な乳製品」ではなかったのです。
また、JR西日本の場合は「定時安定的な旅客輸送」ですが、その前提として「事故なく安全に目的地に送り届けること」であるべきです。つまり、JR西日本が提供したサービスは「安全な輸送サービス」ではなかった、といえます。
結局、人々が購入している製品、サービス自体に問題があった場合、人々は他社の製品・サービスも含めてその業界自体に疑いの目を向けるのです。
こうした視点で、新聞、テレビ、通信社といったいわゆる「マスコミ業界」が提供しているサービスについても検証すると、いったい何が言えるのでしょうか。
マスコミ業界が提供しているのは、第一義的に「世の中で起こっているさまざまな出来事を、私たち国民に対しわかりやすく伝える」というサービスであるはずです。このため、たとえば「いつ、だれが、どこで、なにをした」といった客観的事実関係をできるだけ正確・迅速に知らせることが求められます。
ただ、世の中が高度化し、複雑化してくると、ひとつの出来事がもたらす影響も複雑で大きなものになるかもしれません。したがって、こうした複雑な事象・出来事を、専門的な立場から解説するという機能も、「かつてのマスコミ業界」には求められていたのではないでしょうか。
(※ここで「かつての」、という修飾語を使うのには理由があるのですが、この点については後述します。)
フェイクニューズというマスメディアの不祥事
マスコミ・マスメディアの役割をこのように定義するならば、マスコミの不祥事もおのずから次のように定義できるでしょう。
「マスコミの不祥事とは、正しくない情報を正しい情報であるかのごとく世の中に垂れ流し、結果的に社会に悪影響を与えること」。
この「世の中に垂れ流された正しくない情報」のことを、最近では「フェイクニューズ」と呼ぶことも増えています(※日本語では “news” は「ニュース」と発音されることが多いため、厳密には「フェイクニュース」でしょうか)。
冒頭で指摘した自称元慰安婦問題はこうしたフェイクニューズの典型例ですが、それだけではありません。やはり日本の民主主義史上最も恥ずべき事件といえば、2009年8月の衆議院議員総選挙直前期における「メディアスクラム」でしょう。
2009年8月30日に実施された第45回衆議院議員総選挙では、麻生太郎総理大臣(※当時の自民党総裁)が率いた自民党が大敗を喫し、鳩山由紀夫代表が率いる当時の民主党が圧勝し、政権交代が確定しました。
その後発足した民主党政権では、鳩山、菅直人、野田佳彦の3氏が相次いで首相に就任し、それぞれの時代に日本の国益はずいぶんと損なわれました。
外交に限定しても、鳩山元首相といえば例の「トラストミー(torasto-mee)」発言に象徴される日米関係の悪化、菅元首相といえば尖閣沖漁船衝突事件に続く日中関係の悪化、野田元首相といえば日韓関係のハンドリングの失敗など、例を挙げればきりがありません。
ただ、この09年8月の総選挙では、投票の約3週間前の8月12日に開催された21世紀臨調が主催した麻生総理と鳩山・民主党代表の党首討論会(※現在は視聴不可)を、もし有権者の多くがリアルタイムで視聴していたならば、おそらく民主党があそこまで圧勝することはなかったでしょう。
この討論会、公正に見ても明らかに麻生総理の完勝であり、鳩山民主党代表(当時)の完敗だったからです(※これについて、詳しくは『立憲民主党の先祖返り、今度のポスターは「変えよう」』なども振り返っていますので、ぜひともご参照ください)。
そして、こうした民主党政権禍をもたらしたのも、結局は新聞、テレビを含めたオールドメディアによる「メディア・スクラム」に基づく偏向報道でした。
雪印乳業事件や福知山線脱線事故が与えた社会的インパクトはたしかに大きなものでしたが、業界挙げて不適切な情報を垂れ流し、結果的に政権交代を実現させたことで日本社会をメチャクチャにしたという意味では、やはり2009年の偏向報道事件が日本社会に残した爪痕ははるかに大きいものです。
雪印やJR西と違ってまったく反省の色がないマスコミ業界
こうした視点で「マスコミ業界」を眺めてみると、まったく違った姿が見えて来ます。それは、雪印乳業やJR西日本といった「企業不祥事」の事例と異なり、マスコミ業界には反省の色がまったく見えないからです。
果たして新聞社、テレビ局、通信社が、2009年の熾烈な偏向報道騒動を振り返り、自省しているのかどうか、著者自身はそれこそ2009年9月1日以降、ずっと調べ続けているのですが、残念ながらその兆候はほぼ見られません。
たとえば「2009年偏向報道」などと検索しても、BPO( 放送倫理・番組向上機構)の『2009年9月に視聴者から寄せられた意見』というページや「椿事件」について取り上げたウィキペディアのページなどがヒットするばかりで、新聞社、テレビ局、通信社自身が「自社の偏向報道を総括する」という行動をしていないのです。
「メディアスクラムによる偏向報道を通じた政権交代」、「慰安婦捏造報道」などは明らかに論外であり、本来、これらの不祥事を起こした会社はメディアを廃刊にしなければならないほどですが、マスコミ業界の不祥事に対する取り組みはまったくもって不十分と言わざるを得ません。
まさに、芯から腐り切っている業界です。
H3ロケットは失敗か中止か
独占の弊害は専門性の欠如
ではなぜ、彼らには「反省しないこと」が許されるのでしょうか。
その厚顔無恥の源泉は、「独占」にあります。
まず、新聞社、テレビ局(とくに地上波)の場合、新規参入が厳しく制限されています。
たとえば新聞業界の場合だと、新規事業者が業界に参入し、運良く創業・創刊できたとしても、そもそも既存の宅配網が取り扱ってくれなければ各家庭に配ることもできません。地上波のテレビ局に至っては総務省が実施している電波の割当を受けなければ、事業参入することすら不可能です。
逆に言えば、すでに新聞事業、テレビ事業を営んでいる業者にとっては、新たな事業者が参入してくる心配はないわけですから、競合相手はすでに事業を営んでいる社に限られます。
したがって、それこそ「世の中から新聞を取る人がいなくなる」、あるいは「世の中から地上波テレビを視聴する人がいなくなる」といった極端な事態にでも陥らない限り、新聞社やテレビ局にとっては「滅多なことでは潰れない」という状況のもと、経営が安定していたのです。
また、マスコミ業界は官庁などに「記者クラブ」という利権組織を持っており、マスコミの記者の皆さんとしては、その記者クラブから自動的に配信される「紙」を記事にしていれば、大した努力をしなくても記事を書く仕事自体はできるわけです。
もちろん、とくに事件記者ともなれば「警察関係者、検察関係者と仲良くならなければならない」などの使命もあるのですが、それも結局「限られた数のメディア」同士の競争であり、逆にいえば自身で地道に取材をするという本来的なジャーナリズムのあり方からは逸脱しているのです。
こうした文脈で、先ほども指摘した、「高度化し、複雑化した世の中に対応するために、複雑な事象・出来事を、専門的な立場から解説する」という機能について考えてみれば、大変によくわかります。
現在でも自称経済新聞が日本の為替政策や日本銀行のイールドカーブ・コントロール政策を巡って明らかに誤った記事を垂れ流しているのはその典型例でしょう(『円安なら「悪い円安」だが円高なら「悪い円高」=日経』等参照)。
結局のところ、これも自分たちで経済、金融、債券市場、為替市場、金融規制などに関する高度な知識を調査し、世の中に向けてレポーティングするという努力を怠ってきたことの裏返しです。
共同通信記者「それは一般に失敗といいます」
こうした「専門性のなさ」という観点から興味深い事例があるとしたら、先日の『JAXA会見でのやり取り巡り共同通信記者が「炎上」』でも取り上げた、共同通信の記者の「とある発言」でしょう。
これは、今月17日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が次世代主力ロケット「H3」の打ち上げを直前で中止した件に関連し、JAXA・岡田匡史氏の記者会見で、共同通信の記者が質疑の最後で「それは一般に失敗といいます」と言い放ったという事件です。
このあたり、共同通信の記者が批判されるべきポイントは大きく2つあります。
ひとつめは「ロケット発射に失敗した」とする状態の定義に関する無理解です。中止と失敗は概念としてまったくの別物であり、あくまでも今回のH3ロケットは地面から離れておらず、したがって打ち上げは「失敗」ではなく「中止」と称する岡田氏の説明に不自然な点はまったくありません。
ただ、共同通信記者がここまで「炎上」した理由は、それだけではありません。会見の場でのやり取りにおける態度が非常に悪かったからです。
該当するやり取りについては、JAXAが動画サイトにアップロードしている動画で確認することができますが(動画の33:55あたりから)、問題の発言は共同通信の記者が「打ち上げは失敗だったのではないか」とする趣旨の質問を行い、岡田氏の回答に対して発せられたものです。
お時間のある方は是非、現実に視聴してください。
前後のニュアンスも合わせて判断すると、決して誇張ではなく、この共同通信記者の岡田氏に対する質問が、委細なやり取りも含めて無知であるだけでなく、本当に無礼であることがよくわかります。問題の「失敗」云々の発言は、質疑のやり取りの最後に捨て台詞的に発せられたものだからです。
マスコミ記者の本来の役割は、客観的事実関係を調べ上げたうえで、余力があれば専門家(JAXA関係者であってもそれ以外であっても構いません)に尋ねるなどして、その背景などに迫ることでしょう。
しかし、この共同通信の記者は、専門知識が欠如しているだけでなく、自身の思い込みを会見相手に言い放って質疑を打ち切るという、大変に非常識な行動を働いたのです。
JAXAがインターネットを使い、記者会見を私たち一般国民にも開放してくれたことで、私たち一般国民としても、まさに「フェイクニューズはこうやって作られる」という現場を目にすることができたというわけです。
共同通信記者を擁護する記事
もっとも、こうした共同通信の記者を擁護する記事も出て来ているようです。ここでは2つほど紹介しておきますが、最初の記事はこれです。
国産ロケットH3の打ち上げは「失敗」である
―――2023/02/20 17:54付 Yahoo!ニュースより【Newsweek日本版配信】
ニューズウィーク日本版が20日付で配信したものですが、こちらの記事では「国産ロケットH3の打ち上げは『中止』か『失敗』か。共同通信記者が炎上しているが、同じことをアメリカや中国がやれば、どう表現するのか」というサブタイトルが付されており、本文中では次のように主張しています。
「記者が”捨て台詞”を放ったとして、ネット上では大いに非難を呼んだ。いつものように匿名の隠れ蓑をかぶった人々が、記者の個人名や顔写真を晒すという愚行を繰り返している」。
「だが、『中止』と『失敗』のどちらがより正確かつ客観的に状況を伝えているかと言えば『失敗』という言葉ではないだろうか」。
つまり、この記事の執筆者の方にとっては、今回のH3ロケットの件については「中止」と「失敗」の2つのうち、「失敗」という言葉の方が「より正確かつ客観的に状況を伝えている」というのです。
無礼を承知で申し上げるなら、ここまでくるともはや「無知」でしょう。この著者の方は、「同じ現象がアメリカや中国あたりで起きていたら失敗ととらえるのが普通だ」と自信満々に断言するのですが、その合理的な根拠はまったく示されていないからです。
というよりも、たとえば米国でも「アルテミス計画」に基づきスペース・ローンチ・システム(SLS)を使用したロケットの打ち上げが複数回「延期」されていますが(最終的には11月16日に発射されています)、これも調べた限りは「失敗」ではなく「中止」ないし「延期」と表現されています。
事例として米メディア『CNN』の記事を2つほど取り上げておきましょう。
アルテミス計画のロケット、打ち上げまた延期 ハリケーン接近で
―――2022.09.28 15:04 JST付 CNNより
NASA’s Artemis I mission delayed again as storm barrels toward launch site
―――2023.11.08 18:28 EST付 CNNより
どちらも「延期」であったり “postpone” であったりという用語を使っていますが、「失敗」、 “failure” などの表現は確認できません。大変失礼ですが、このライターの方は、打ち上げの延期や中止を「失敗」と表現している事例があるかどうか、ちゃんとお調べになったのでしょうか?
さすがに「うんこ記者」は言い過ぎだが…
ちなみに共同通信の記者を擁護する記事は、もうひとつありました。
国産ロケットH3「失敗」明言も 共同通信の対応は全然問題ないワケ
―――2023/02/26 07:11付 Yahoo!ニュースより【Merkmal配信】
ふたつめは、『メルクマール』というメディアが配信したもので、こちらはもっと直截的に、「共同通信の対応は全然問題ない」と記載したものです。
お気づきかもしれませんが、この記事、先ほどのニューズウィーク日本版に掲載されたものと、執筆者は同一人物です。著者の方はこう述べます。
「ツイッターをはじめネット上には『失敗ではない』のコメントがあふれ、ニューズウィーク日本版で『国産ロケットH3の打ち上げは失敗である』とのコラムを執筆した私は著名な実業家から『うんこ記者』とまで呼ばれてしまった」。
正直、さすがに人を排泄物に例えるのは行き過ぎでしょうし、当ウェブサイトとしてもこのライターの方をかくも下品な用語で呼ぶことに、いっさい賛同できません。
ただ、大変申し訳ないのですが、当ウェブサイトとしてできるのも「不必要な人格攻撃はすべきではない」という注意喚起のみであり、これ以上、この記事の執筆者の方を擁護することはできません。というのも、なぜ共同通信の記者がかくも批判されているのかについて、まったく理解なさっていないからです。
おそらく批判のポイントは、「中止・失敗」に関する認識が独り善がりである点だけでなく、「一般にそれは失敗と言います」という手前勝手な発言とともに、「打ち上げは失敗」という共同通信としての主観的な判断が入った記事を強引に配信した手法に向けられているのです。
最大の問題は「意識」
もちろん、ここで紹介した2つの記事が、マスコミ業界の問題点そのものというわけではありません(というよりも掲載した2つのメディアは「わが国の大手マスコミ」ではありません)。
ただ、これらの記事の執筆者の方が、なぜここまで共同通信の記者を擁護するのかはよくわからないにせよ、正直、これらを読めば読むほど、共同通信の対応は問題ない」とする主張が誤っているのではないかとの認識を読者に与えるのが関の山であるように思えてならないのです。
この点を踏まえたうえで、共同通信の記者の質疑に話を戻しましょう。
繰り返しですが、共同通信の記者が批判されたポイントはおそらく、その専門性のなさに加え、独り善がりな認識を取材相手や読者に押し付ける態度にあります。
ただ、これをマスコミ業界全体に敷衍(ふえん)するならば、記者クラブという狭い業界組織のなかで培養された、業界独特の取材相手に対する高圧的な姿勢が見え隠れするのです。
もちろん、JAXAの会見でもすべての記者が高圧的で無礼だったというわけではありませんが、「そのような記者」もいるのです。菅義偉総理が内閣官房長官だったころ、頭の悪い質問を繰り返していた某記者などは、その典型例でしょう。
ちなみに「30分の1の法則」と呼ばれるものがあります。これは、1件の重大事件・事故の裏に29件の中程度の事件・事故があり、その30件の裏に270件の些細な事件・事故がある、とする法則だそうです(270件ではなく900件としている論者もいるようです)。
この比率は論者によっては「1:29:300」であったり、「1:30:900」であったり、とさまざまですが、ここで重要なのは「比率そのもの」ではありません。普段から舐めた態度で仕事をしていると、そのときには問題にならなかったとしても、どこかのタイミングで思わぬ「大事故」につながる、という考え方です。
さしずめマスコミ業界の「大事件・大事故」とは2009年のメディアスクラムであり、慰安婦捏造報道であったり、吉田調書捏造報道であったり、「時価会計停止」捏造報道であったりするのです。
しかし、慰安婦捏造報道を行った社がその捏造報道に真摯に向き合っているという事実は見当たりませんし、時価会計停止捏造報道を行った社に至っては、その報道自体を「なかったこと」にしているだけでなく、明らかなインチキ会計基準であるIFRSを推奨するかのような報道姿勢を取っていたほどです。
いずれにせよ、著者自身は他人を口汚く罵ることが嫌いであり、マスコミ業界についても「マスゴミ」などと呼びたくはありませんが、インターネット上で「マスゴミ」という表現が一般に使われているのも、ある意味では仕方がない話なのかもしれません。
おりしも新聞、テレビなどのマスコミ4媒体からのクライアント離れという流れも見られる(『ネット広告費が史上初の3兆円台:マスコミ退勢は続く』参照)なかで、マスコミ業界はどこに向かおうとしているのでしょうか。
「自称作用」が働くのか、それとも…。
このあたりは見ものと言えるかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
「打ち上げを中止した」という事実に対して、記者が自身の見識に基づいて「JAXAは失敗した」と評価するのは勝手だと思うのです♪
でも、記者はその見識もなく、自分で評価する勇気もなくて、ただただ「JAXAが『失敗した』と言った」って事実が欲しかったんだろうなって思うのです♪
記事を報道する“前”に記事の間違いに気付いて差し止めたなら、会社としては“中止”。
記事を報道した“後”に記事の間違いに気付いて訂正記事を出したなら、会社としては“失敗”。
って事で、発射する“前”に異常に気付いて差し止めたのだから、JAXAとしては“中止”が正解ですね。
当該記者は日本語能力が低いですねぇ…センスが無いのかな?
あのひとたちの基準、こうですかね↓
記事を報道する“前”に記事の間違いに気付いても知らん振りしてそのまま記事を出したなら、会社としては“成功”。
記事を報道した“後”に記事の間違いに気付いても訂正記事を出さずに頬被りしたなら、会社としては“大成功”。
裏縦貫線 さん
誤った内容の記事を報道する意図を持って報道し、指摘を受けなければ“成功”。
誤った内容の記事を報道する意図を持って報道し、指摘を受けて訂正記事を出す羽目になったならば“失敗”。
って感じですかね。
追記です。
誤った内容の記事を報道しようとして報道し、それが社会の一般常識になったら“大成功”かなぁと。
なので、朝日新聞にとって慰安婦誤報は、出してしばらくは大成功ですね。
クロワッサン様
>誤った内容の記事を報道する意図を持って報道し、指摘を受けなければ“成功”。
流石にこれは言い過ぎでは。
それじゃオレオレ詐欺と変わるところがないじゃん!(笑)
客観的事実のみを伝える「報道」に飽き足らず、
それ以上の「評価」にまで関わろうとするなら、
今の世の中、速攻でネットのチェックが入る。
その恐ろしさに未だ無感覚なデスクと、
昔ならマスコミ業界を目指したであろう人材のうち、
そこに気付いて、最早入って来なくなった、常識人間が除かれて、
残って入ってくる若手は、確証バイアスにドップリ浸かった者ばかり。
それで以て、ご指摘のような風潮が生まれるのでは?
伊江太 さん
2023/02/27 06:52のコメントは、共同通信のアタオカ?ザンネン?記者じゃなくてATMとかの全般に関してでした。
常に騙そう騙そうってしてる訳じゃないですが、政治信条が割り込んでピンポイントに「読者を騙そう!」ってしてくる感じですね。
分かり易い例がありました。
共同通信 誤報で編集局長ら処分 2022年1月17日
https://www.bunkanews.jp/article/253606/
>今回の事案について沢井常務理事・編集局長は「不十分な取材で誤った報道をしたことを深くおわびします。全力で再発防止に取り組みます」とのコメントを発表した。
報道前に不十分な取材で誤った内容になっている、と社内チェックで気付けば、会社としては“中止”。
報道後に不十分な取材で誤った内容になっている、との指摘を受けて、この様に訂正記事を行えば、会社としては“失敗”。
“今回の事案”についても、共同通信は何らかの処分と再発防止を公表すべきなんじゃないですかね?
共同通信記者に質問させたこと(または、記者会見に同席させたこと)。
「それは一般に失敗といいま~す」
という所で。
ROMり人 さん
それだと共同通信記者を指名したJAXAが悪いように聞こえちゃいます。
悪いのは共同通信と其の記者なので、それらの存在自体が失敗だってのがスマートだと考えます。
《国産ロケットH3「失敗」明言も 共同通信の対応は全然問題ないワケ》の記事ですが、この残念くんは「みんながそう言ってるからそれが正しいんだぁぁぁ!!!」って長々と書いてる訳ですね。
国産ロケットH3「失敗」明言も 共同通信の対応は全然問題ないワケ
https://news.yahoo.co.jp/articles/314c9e6d9f212a8c83d8ef06cb88e3c4a7f318f3
>ロケットではなく、ロケット花火の打ち上げで考えてみればいい。
>順調に導火線が燃えていきました。ところが、ある地点で“何らかの異常”によって、火が消えてしまいました。そして、ロケット花火は飛びませんでした――。
>この場合、中止や中断と呼ぶことも可能ではあるが、より端的に伝えるなら「打ち上げは失敗しました」と言うほうが適切だ。
ってのが残念くんの認識ですが、
>ところが、ある地点で“何らかの異常”によって、火が消えてしまいました。
じゃなくて
>ところが、ある地点で“想定内の異常”によって、火を消しました。
で、
>そして、ロケット花火は飛びませんでした――。
じゃなくて
>そして、ロケット花火を飛ばしませんでした。
で、
H3打ち上げ中止の原因は主エンジン制御部の電力ダウン
https://shinjukuacc.com/20230227-01/comment-page-1/#comment-260881
なんというか、残念くんの文は知性をロクに感じさせない駄文ですね。。。
>>>厚顔無恥の源泉は、「独占」>>>に関連して、先週末の出来事からもオールドマスコミに反省がなく未来もないことはあきらかでしょう。
世界で賞賛されるような日本チームを応援することは大好きです。で、侍ジャパンですが、土曜日は朝日テレビで途中で終了。日曜はTBSで途中で終了。それに加え、nhkスポーツニュースでは、「権利の都合で映像ありません」。オールドマスコミの理不尽なカコイコミ、ひどいですね。
本番では朝日とTBSという二大あちら系巨頭がタッグを組んで独占中継だと?どなたか、ネットでただで(勿論コマーシャル挿入OK)ライブ見れる方法ご存知でしたら教えてください。
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更新ありがとうございます。
今回の共同通信の「失敗」報道ですが、「火器管制レーダー・ロックオン事件」を思い起こしました。
流石に共同通信さんの方は、韓国の様に「次から次へとよく思い付くなぁ」というほどの数ではありません。
ただ「自分の過ちを頑なに認めない」「都合が悪くなると別の論点へずらす」などが似ていると感じました。
最終的には「風化」狙いかも知れません。そこへ着地する予定なら、「謝罪」や「反省」は必要ないとでも考えていそうです。
20年ほど前なら通用していた可能性があります。
安倍元首相暗殺事件→安倍元首相銃撃事件、
靖国神社爆破事件→靖国神社爆発音事件、
北朝鮮ミサイル発射→飛翔体
愚かな小細工ばかりのマスゴミゴミ。
オタク歴40年の会社員です、よろしくお願いいたします 様、コメントありがとうございます。
毒餃子 → 餃子中毒事件 とかもありました。
一語や、場合によっては一文字で随分印象が変わります。主張には同意できなくても、手法は学ばさせてもらえるのではないかと、考えています。w
立法司法行政と並びマスコミは第4の権力。
権力は腐敗する。
国民の直接審判がされないので治らずより一層腐敗する。
>匿名さま
おっしゃる通りですね。トフラーでしたっけ?
第四の権力は腐敗し、双方向インターネット発信により衰退はしていますが、まだまだ一部の民衆には影響力を行使しています
次なる第五の権力とは何なんでしょうかね?
私的には、国家の縛りから逃れつつあるGAFAMを筆頭としたような多国籍企業群ではないかと思っています。
いわゆるAIの知能が人間種を超えて自我を有するようなシンギュラリティの到来後は、未来予測は劣位種である人類には不可知な領域になるのではと考えています
最先端のAIを創造する企業がそれらを律することができるのか?すごくSF的な話ですが、
私は10年~20年後には到来するんじゃないかと思ってます。
不安ではありますが、人類種の衰退も含めた未来に知的好奇心は刺激されますね。不適切なのは理解してますがw
テレビ、新聞の関係者は反省が無いんですね〜。たぶんそんな人は、一生変わらないと思います。どんな分かりやすい、優しい諫言をされても、それが自分の事、もしくは思い当たるのか、逆ギレして反論する。それも相手を見下した言い方を、上から目線で言う。とんでもないヤカラです(私見ですが、ある程度は親の躾と思います。もしくは親も同類か)。
JAXA・岡田匡史氏の記者会見で、共同通信の記者が最後に言い放った「それは一般に失敗といいます」と言う失礼極まりない言い草をした。
また記者は、岡田氏に対して「訊問する」ような態度だ。「失敗」に固執し、「中止」と称する岡田氏の説明がおかしいモノではない。そんな程度の奴ばかりなんです、マスコミの大多数は。マスコミがジリ貧でいよいよ危ないという意識がまるで無い。もう滑稽に該当します。
マスゴミは「騒ぎが大きけりゃそっちの方がいい」という姿勢。
コロナの時「医療崩壊は起きるのですか?」と質問して医療関係者に「崩壊とは具体的にどういう状態を言っているのかわからない以上答えられない」と返されていたのを思い出す。
定義があいまいな言葉を使って騒ぎを大きくしている。
「失敗」の後で打ちあがったらどう表現するのかね。
「薄氷を踏む成功」「今後に課題」とかいつもの上から目線文章を書き散らすのでしょう。新聞産業は読者を敵に回しました。持続可能とは思えません。
成功:「目的を達成すること」「事業などを成し遂げること」
失敗:「やってみたがうまくいかないこと」「しそこなうこと」
共同通信の記者もニューズウィークの執筆者も、上記の二つでしか捉えていない、ということなんでしょう。
ロケットの打ち上げという、その日の目的・計画を達成できなかった、上手くいかなかったという、成功の対義語である失敗をもって表した…。
まあ、意地の悪さしか感じませんが。
つまり共同通信の記者も、その言動の悪さが一般人にバレて印象操作がうまく行かなかったので「失敗」したと言えますね。
そして順調に減収が続いているテレビ業界、新聞業界そのものも同様に「失敗」したと言うことができますね。
毎度、ばかばかしいお話しを。
共同通信記者:「JAXAから「失敗した」という言葉を引き出さなければ、(頭のなかにある)記事を使うことができない。今から別の記事を考えるのでは、締め切りに間に合わない」
もしかしたら、この話は(共同通信を含む)オールドメディアに限らないのでは。
この前の朝日新聞の記事から、「企業不正は、不正が社内常識化することで常態化する」。これは、(朝日新聞を含む)すべての日本企業に言えるのでは。
挙動不審社、いや、
共同通信社の記者の名誉のために
申し上げると、彼らには
日本のロケットや科学技術は
どうしても失敗にしなければならない
確たる目標に基づく理由があると考えます。
韓流政党民主党政権時に
茶番の仕分けごっこ劇場で
魔女狩り裁判にかけられたのは
その後大きな成果が期待されていた
はやぶさのJAXAとスパコンの京でした。
今ではそれが半島垂涎ご所望の2つであり
予算カットでリストラ人材ゲットで
大韓宇宙開発科学技術の飛躍的発展(笑)
の半島と日本の民主党との
コラボだったと見透かされています。
しかし、頼みの日本の民主党政権は
国民からあっという間に叩き出されて
その目論見は潰えましたが
今もリベンジ狙ってお見えです(笑)
共同通信記者さんも、
無理筋でどうしても失敗と言わせようと
記者の本文忘れて頑張って敗けたので
ああしたみっともない捨て台詞を
吐いてしまったと哀れんで差し上げてます
彼らが、世の中の事象に疑問を呈すって意味での”やや否定的なスタンス”に留まるのであれば、まだ理解できなくもないのです。
会見の場での、質問の体を装った持論の展開や、「望ましくない結論を認めない姿勢」を改めないから論外なんですよね。
世論って言うのは、事実が報じられて”出来る”ものです。
事実を捻じ曲げて、”捏造(つく)る” ものではないのかと。
・・・・・
>さすがに「うんこ記者」は言い過ぎだが…
何度でも言わせてもらいますよ。
特定野党・マスコ”ミは、アンチの受け皿から ”ウソチの受け皿” へ・・。
*うんちは放送禁止用語に非ずのようですね。
*うんちは放送禁止用語に非ずのようですね。
もちろん、”うそち”も・・。
情報媒体が紙やテレビからインターネットに移行すると、読者の興味をひきたいためだけのうんこ記事に接する機会がどうしても多くなり、時間の浪費が発生し、精神衛生上もよくないですね。
紙やテレビは見ないという選択が比較的容易だが、インターネットは必ずしもそうではありません。
最近は、記者会見が全部公開されるようになって、良かった。
昔なら、記事か、切り取られたTV放送でしか見られなかったですから。
最近は、TVで公開ではなく、インターネットで自分から公開したり、Youtubeに出す理由が分かる内容ですよね。
政府も、切り取りされそうな内容は、自らYoutubeで公開するし。
トヨタは自社サイトで公開しているし。
天皇陛下もご自身で発信されるそうですね。
トヨタの社長交代を自社最サイトで発表して、マスコミが恨み節で叩いていましたよね。
まあ、共同通信社記者やそれを擁護する
ニューズウィーク記者の心根は
著名な実業家から呼ばれた表現に
似つかわしいとは思いますが、
それらがあふれる隣国と違って
ここは日本なのですから、
ずばり直截的な表現はちょっとなあ
とも思います。
これが芸術の領域ならば、
評価は受け手が決めるもので
ありの世界だとは思います。
当初不本意だった派名を受け入れての
フランス印象派のように、
露見した捏造も芸術名乗ればウッシッシの
半島の自称従軍慰安婦像作者は、
トンスルなど伝統文化に根ざしての
「韓流脱糞派アーチスト」との派名を
獲得している例もあるのですが
やはり嫌韓派ではない憐韓派のわたしとしては
ぴったり!と苦笑はしても使用は憚られます
未だ反省してない元首長さんにも
御本人の自己申告の肩書を尊重して
「吽国際政治学者の舛添さん」と
直截的な表現を避けて丁重に
お呼びしてあげてます。
>さすがに「うんこ記者」は言い過ぎだが
百歩譲っても「有害廃棄物記者」でしょうね。