「情報の双方向化」こそ、新聞が生き残れる数少ない道

新聞は10年後に1000万部を割り込むかもしれない

新聞業界を眺めていて不思議に思うのは、自社、あるいは自分たちの業界の不祥事に対し、あまりにも無頓着であること、そして読者コメントを受け付けない「言いっ放し」の姿勢です。昨日、当ウェブサイトでは日本新聞協会のデータをもとに、新聞業界の現状について「速報」的に解説しましたが、改めて新聞業界(やテレビ業界)が生き残るための「処方箋」について考えてみたいと思います。

反省しないオールドメディア業界

オールドメディアの罪は「民主党政権誕生の幇助」

当ウェブサイトで長らく追いかけているテーマがあるとしたら、それは「新聞、テレビを中心とするオールドメディア業界の先行き」、という論点です。

以前の『【総論】崩壊始まる官僚・メディア・野党「腐敗利権」』などを含め、当ウェブサイトではずいぶんと指摘してきたとおり、オールドメディア業界は、少なくとも「今までは」、私たちが暮らすこの日本社会において、絶大な影響力を持ってきました。

自民党が民主党に惨敗した2009年8月の衆議院議員総選挙などは、その典型例でしょう。

この選挙では、480議席のうち麻生太郎総理大臣率いる自民党は獲得議席が119議席に留まる大敗を喫し、一方で鳩山由紀夫代表が率いる民主党が308議席を獲得して圧勝したことで、いわゆる「1955年体制」発足以来、自民党は1993年に続き2回目の下野を余儀なくされました。

これまでの著者自身の仮説では、ここまで大きな議席差がついた理由も結局のところ、「普段はあまり選挙に行かないような人たち」が新聞、テレビの報道を鵜呑みに信じ、「民主党に政権交代しなければならない」、などとする雰囲気に乗せられてしまったことにあると考えています。

つまり、オールドメディアが民主党政権誕生を幇助(ほうじょ)したのです。

テレビを情報源とした人は過半数が比例で民主党に投票

その具体的な証拠を2つ挙げておきましょう。

オールドメディアが選挙結果を歪めたという明らかな証拠のひとつめは、社団法人日本経済研究センターが2009年9月10日付で発表した『経済政策と投票行動に関する調査』というレポートです。

このレポート自体、当ウェブサイトでもしばしば取り上げてきたものですが、何度振り返ってみても、なかなかに強烈です。というのも、オールドメディアを情報源として重視する人ほど、比例区では民主党に投票していたことが明らかになっているからです(図表1)。

図表1 情報源と比例区投票先の関係

(【出所】(社)日本経済研究センターのレポートのP7を参考に著者作成)

ここまで露骨に差がつくものなのでしょうか。

民主党に投票した層が最も多かったのは、情報源として「テレビを最も重視していた人たち」で、割合的には55.6%と過半数に達しており、これに対し自民党に投票したのはわずか15.6%に過ぎません。新聞・雑誌を重視していた層も民主党が48.2%で、自民党は20.6%にとどまります。

これに対し、インターネットを重視した層の投票先は自民党が34.5%で、民主党の28.6%を上回っていました(今だから明かしますが、著者自身も2009年当時、インターネットを情報源として最も重視しており、実際に小選挙区・比例区ともに自民党に投票しています)。

インターネットという、(少なくとも当時は)「扇動する者」がいなかった空間での情報を重視した人たちの間では、結果的に自民党が選ばれていたという証拠です(※それでも民主党の得票率が28.6%もあったというのは驚きですが)。

なぜ「21世紀臨調党首討論会」を無視した!?

その一方で、オールドメディアが選挙結果を歪めたというもうひとつの証拠は、投票日の約3週間前の2009年8月12日に開かれた、21世紀臨調主催の麻生太郎総理大臣と鳩山由紀夫・民主党代表の党首討論会です。

この党首討論会の模様自体、現時点で視聴することはできなくなっているようですが、それでも昨年の『先祖返りする立憲民主党、今度の標語は「変えよう。」』などでも紹介したとおり、客観的に見て、討論会は麻生総理の完勝に終わったと考えて良いでしょう。

とくに討論会の締めに、麻生総理、鳩山代表(当時)が一言ずつ発言したのですが、麻生総理の発言は現在読み返しても、次の通り、大変力強いものです。

有権者の皆さん、終戦記念日を挟んだこの8月を、日本を考える月にして欲しい。今日の豊かで安全な日本は私たちの先祖が作り上げたものであり、日本人にはその底力がある。私たちは日本の安全と自由を守る」。

これに対し、鳩山氏の発言は、こうです。

チェンジ!

…。

これには当時、インターネットで直接、討論会を視聴していた著者自身も、椅子からズッコケそうになりました。そして、この鳩山氏のかなり支離滅裂な発言の数々に加え、最後の「チェンジ!」を聞いた瞬間、民主党は敗北が決まったと確信したのです。

ただ、著者自身は当時、とある理由があって、主要全国紙のすべてに目を通していたのですが、不思議なことに、この討論会自体を取り上げたメディアの報道を見かけた記憶がありません。

討論会の翌日の新聞を眺めたところ、たしか1紙だけ、3面あたりで記事にしていたのを例外として、少なくとも全国紙のなかで1面でこの討論会を取り上げたメディアを見た記憶はありませんし、テレビ欄をチェックしても、リアルタイムかつノーカットで生中継した地上波のテレビ局は、NHKを含め、1局もなかったようなのです。

何のことはありません。

オールドメディアは示し合わせたように、この党首討論会を一斉に「スルー」しただけのことです。

だからこそ、鳩山代表の支離滅裂な発言の数々も、「チェンジ!」も、「なかったこと」になったのであり、それが民主党の圧勝につながったのでしょう。

雪印乳業とJR西日本は不祥事を記録し続けている

いずれにせよ、著者自身は「腐敗トライアングル」のうち、オールドメディアと民主党が、今までで最も「やりたい放題」やったのがこの2009年の選挙だと考えており、その意味では、民主党政権禍について最も反省しなければならないのは、民主党の事実上の後継政党である立憲民主党に加え、オールドメディア業界なのです。

ところで、雪印メグミルク株式会社のウェブサイトに、『雪印乳業食中毒事件』というページが設けられています。

これは、同社の前身である雪印乳業株式会社が2000年6月に発生させた集団食中毒事件に関する経緯の説明であり、いわば、同社にとっては「汚点」ともいえる歴史ですが、それを同社は今でもウェブサイトに掲載し続けているのです。

また、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)のウェブサイトでは、トップページのかなり目立つところから『福知山線列車事故について』というページにリンクが飛んでおり、同社が2005年4月25日に発生させた福知山線脱線事故に関する謝罪が掲載され、さらには事故の詳細説明のページも設けられています。

雪印メグミルク、JR西日本が発生させた事件・事故は、いずれも社会に対して非常に大きなインパクトを与え、社会的に多くの批判を招いたものであったにも関わらず、それを敢えて自社のウェブサイトに掲載し続けているわけです。

こうした姿勢は、ある意味で参考になります。

しかし、ふと疑問に感じ、国内主要メディアのウェブサイトを眺めてみたところ、この2009年の「メディア・クーデター」について自ら検証し、一般読者・一般視聴者に対して詫びたうえで説明しているページを設けている社は、少なくとも主要メディアでは皆無です。

というよりも、新聞、テレビは不祥事が大変に多いにも関わらず、彼らのサイトのトップページを見ると、政治家らを舌鋒鋭く批判する記事は喜々として掲載するわりに、自社の不祥事に関しては完全にダンマリを決め込んでいるのです。

細かいところでいえば、NHKが今年4月ごろ、文化遺産である「熊野古道」を破壊するという不祥事を発生させていますが(『NHKが文化遺産「熊野古道」破壊=必要な許可を得ず』等参照)、少なくともこの不祥事に関する記載を、NHKのウェブサイトのトップページから発見することはできません。

そういえば、自称元慰安婦問題に火をつけたメディアの事例でも、その新聞のトップページから慰安婦捏造報道問題に関するリンクは張られていないようですし、事実無根の発言を行ったテレビ局員もその後、テレビ番組に復帰しているという話も聞きます。

玉川徹氏、「モーニングショー」生出演 「羽鳥さんお久しぶりです。皆さんお久しぶりです」

―――2022/11/10 10:43付 サンスポより

こうした状況を見ると、新聞業界やテレビ業界は、あれだけの不祥事を発生させておきながら、まっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっったく反省していないように見受けられます。ずいぶんと世間からズレた業界もあったものですね。

新聞業界の未来

新聞発行部数はつるべ落とし的に減少

さて、こうしたなか、いま一度取り上げておきたいのが、昨日の『新聞業界、ついに「朝刊部数3000万部割れ」目前に』で「速報」的に取り上げた、新聞発行部数に関する話題です。

図表2は、一般社団法人日本新聞協会が公表する『新聞の発行部数と世帯数の推移』のデータをもとに、朝刊部数と夕刊部数、その合計部数について、2000年からの推移をグラフ化したものです(各年の部数はいずれも10月1日時点のもの)。

図表2 新聞発行部数の推移(2000年以降)

(【出所】一般社団法人日本新聞協会『新聞の発行部数と世帯数の推移』を参考に著者作成。ただし「朝刊部数」とは「セット部数+朝刊単独部数」、「夕刊部数」とは「セット部数+夕刊単独部数」を意味する)

これは、なかなかに衝撃的なグラフではないでしょうか。2000年に朝・夕刊あわせて7190万部あった発行b数が、2022年にはそのその半分の3677万部にまで減少しているのです。しかも、近年になればなるほど「」つるべ落とし「的に減少しています。

減少部数と減少率に注目してみたら…?

次に、朝夕刊の部数の「増減」に着目したものが、図表3です。

図表3 新聞部数の増減

(【出所】一般社団法人日本新聞協会『新聞の発行部数と世帯数の推移』を参考に著者作成。ただし「朝刊部数」とは「セット部数+朝刊単独部数」、「夕刊部数」とは「セット部数+夕刊単独部数」を意味する)

これで見ると、新聞の部数の減少は、とくにここ5年でさらに加速しているようにも見受けられます。

2020年の場合はコロナ禍のためでしょうか、1年間で389万部も減少していますが(うち朝刊が266万部、夕刊が123万部)、それ以外の年でもたとえば18年が290万部、19年が269万部、21年が283万部、22年が274万部の減少となっているのです。

これを減少「率」に直すと、2018年以降、それぞれ▲5.60%、▲5.50%、▲8.41%、▲6.69%、▲6.93%、です。これについてもグラフ化しておきましょう(図表4)。

図表4 新聞部数の対前年比増減率

(【出所】一般社団法人日本新聞協会『新聞の発行部数と世帯数の推移』を参考に著者作成。ただし「朝刊部数」とは「セット部数+朝刊単独部数」、「夕刊部数」とは「セット部数+夕刊単独部数」を意味する)

2014年に減少率が4.5%に達している理由については、よくわかりませんが、もしかすると朝日新聞の「慰安婦関連報道の取消」と関わっているのかもしれません。つまり、朝日新聞を解約した人たちのなかで、一定層が新聞の購読自体をスパッとやめてしまった、という仮説です。

ただ、「率」でいえば、コロナ禍の2020年を別としても、最近になって加速していることは間違いありません。新聞部数自体が減り始めているなかで、同じペースで部数が減っていけば、「率」に換算すれば高まるのは当然のことでもあります。

10年後に1000万部割れも?

ここで、2つシナリオを置きます。毎年一定率ずつ部数が減少する、というシナリオと、毎年一定数ずつ部数が減少する、というシナリオです。とりあえず2022年の減少率(7%)と減少数(274万部)をそのまま使いましょう。

まずは、今後10年間、毎年7%ずつ部数が減少して行った場合の10年後の新聞発行部数です。その答えは2022年時点の3677万部の48%、つまり1765万部です。ちなみに48%という数値は、93%(=100%-7%)の10乗で求まります。

次に、今後10年間、毎年274万部ずつのペースで部数が減少して行った場合の10年後の新聞発行部数です。その答えはなんと、【3677万部-274万部×10年】=937万部(!)という衝撃的な数値になってしまいます。

このあたり、母数が少なくなっていくと、「率」ではなく「部数」を使った方が実態に合致するのかもしれませんが、いずれにせよ、多くの新聞社にとって、「紙媒体の新聞だけ」を発行し続ける経営に、未来はありません。

そもそも新聞を物理的に印刷し、運搬するためには莫大なコストがかかることを忘れてはなりません。そして、そのコストは読者から徴収する新聞の購読料(読売新聞と朝日新聞の事例だと、朝夕刊発行地域で月額4,400円)と広告主から徴収する広告料で賄わなければなりません。

また、昨今は読者にとっても、紙で新聞を送り付けられることが迷惑になりつつあります。

新聞は重くてかさばるうえ、検索するのも困難ですし、「文字の大きさやフォントを変える」、といったことはできません。保管するにしても物理的な「保管場所」を要しますし、捨てるにしても重い新聞紙の束をまとめてゴミ捨て場(ないし資源回収場)に持っていく必要があります。

IT性能は飛躍的に向上している

こうしたなか、もうひとつの事情があるとすれば、IT性能の大きな向上です。

時代が進むにつれて、ネット回線の速度はますます速くなっていますし、また、記憶媒体の値段も飛躍的に下がっています。

実際、著者自身のメモなどに基づけば、2003年12月14日に128MBのUSBメモリスティックを4,704円(消費税等込み)で購入していますが、2022年10月15日時点で256GBのUSBメモリスティックが2,995円で販売されています。

  • 2003年12月14日…128MBが4,704円
  • 2022年10月15日…256GBが2,995円

「256は128の倍だ」、と思わないでください。256GBはMBに換算すると262144MBのことですので、MBあたりの値段は2003年12月14日時点で36.75円、2022年10月15日時点で0.011円です。つまり、この20年弱でMB当たりの値段は約3200分の1に下がったのです。

あるいは「1円で買えるメモリ」で計算しても面白いかもしれません。この「1円で買えるメモリ」は、2003年12月14日時点で0.027MBでしたが、2020年10月15日時点ではその約3200倍の87.5MBにまで増えたのです。

ちなみに2004年5月2日、業務用に使用する目的で、1GBという、当時としては破格の大容量のメモリスティックを29,800円で購入しているという記録がありますが、2022年10月15日時点で1TBの外付けSSDは19,403円です。

  • 2004年5月2日…1GBが29,800円
  • 2022年10月15日…1TBが19,403円

メモリスティックとSSDという記憶媒体の違いはありますが、1TBは1024GBですので、やはりGBあたりの値段に換算すれば、2004年5月4日時点で29,800円だったものが2022年10月15日時点で18.9円、つまり1573分の1に下がったということです。

こうしたなか、著者自身は先日、会計士業界の月刊誌である『会計・監査ジャーナル』、あるいはその前身の『JICPAジャーナル』をオフィスの複合機でPDF化してみたのですが、フルカラー・高画質で取り込んだとしても、1号あたりだいたい500~600MBほどあれば十分です。

つまり、現時点におけるデジタルメディアでのJICPAジャーナルの保管コストは、100円にも満たない額ですので、すべてのJICPAジャーナルを電子化してしまえば、本棚事態を物理的に処分することが可能になってしまうのです!

当然のことながら、新聞記事についてもいちいちハサミで切り抜いてスクラップ帳にペタペタ張り付ける、といった行動を取る人はいなくなるでしょうし、電子媒体で保存するか、それともリンクだけメモ帳に張り付けておく、といったパターンが一般化していくでしょう。

そうなると、ますます紙媒体に対するニーズは乏しくなっていくであろうことが、容易に想像できるのです。

読者コメント欄がないのはなぜですか?

もっとも、新聞社が電子版でカネを取れるかといえば、そこも微妙でしょう。

というよりも、はたして現在の新聞は、「カネを払ってでも読みたい」と思えるような記事を掲載しているのでしょうか?また、新聞のプラットフォームを気軽に訪れたいと思うでしょうか?

もっといえば、せっかくウェブ版を開設しているのに、そのウェブサイトとしての強みを発揮するサイトになっていない新聞が多すぎます。その典型例が「読者コメント欄」の有無でしょう。

じつは、当ウェブサイトを運営していて気づくのが、ウェブサイトに掲載する記事そのものよりも、「読者コメント」のほうがおもしろい、ということがあります。インターネットの本質は「通信」ですので、記事の書き手は本来、読者の反応をリアルタイムに受け取ることができるはずなのです。

それなのに、新聞社やテレビ局の場合、ウェブサイトに読者コメント欄を設けているケースはあまり多くありません。

本当にもったいない話だと思います。

このあたり、新聞やテレビの場合は、読者・視聴者の反応を吸い上げる仕組みも、ないわけではありませんでした。たとえば新聞の「読者の声」欄などはその典型例でしょう。

しかし、「読者の声」欄は、採用する原稿については結局は新聞社の編集者が取捨選択したうえ、ときとして原稿を修正して掲載しているため、掲載されるまでに数日のタイムラグもあるうえに、すべての投稿が採用されるわけではないという問題もあります。

これに対し、当ウェブサイトがそうですが、基本的にウェブサイトの読者コメント欄は管理人が取捨選択したりしません(※ただし、ルール違反を重ねた一部のコメントについては、当ウェブサイト側にて事前または事後的に、意図的に排除しています)。

なかには、当ウェブサイトに対し、「お花畑的な発想だ」、「現実を見ていない」などとしたうえで、ウェブ主のことを「バカの極み」などと蔑むコメントがつくこともあります(たとえば『「道徳」が国際法やルールに優先することは許されない』等参照)。

(※余談ですが、当ウェブサイトの主張を批判するコメント、あるいはウェブ主に対する侮辱的なコメントは、当ウェブサイト的にはNGではありませんので、どうぞご自由になさってください。ただし他の読者の方の反応を見る限り、当該コメント主様を擁護するコメントは皆無のようですが。)

このあたり、情報の「双方向性」、つまり「言いっ放し」ではなく、ちゃんと読者のフィードバックを受け取る仕組みがあるのは、通信の世界の強みではないでしょうか。

そして、新聞社(とテレビ局)が生き残れる可能性があるとしたら、やはり「言いっ放し」の姿勢を改め、「読者コメント欄」などを設けて読者の自由闊達な議論を許容することではないかと思うのです。

実際、『Yahoo!ニュース』に転載される記事は、転載元よりも閲覧数が多いこともあるようですが、その『Yahoo!ニュース』にはたいていの場合、「読者コメント欄」が設けられています(転載元によっては一部、コメント欄が閉じられているケースもありますが)。

このインターネット時代、読者コメント欄が設けられていない場合、読者はそのサイトを訪れるのをやめてしまうのではないでしょうか。そして、そのことは、「多くの人に読んでもらう」ことが至上命題であるはずのメディアにとっては自殺行為でもあるのです。

いずれにせよ、新聞社が生き残るためにはウェブ戦略に力を入れざるを得ないことは間違いないのですが、それ以上に、単にウェブサイトを開設しておしまい、ではいただけません。魅力あるウェブサイトを作るためには、魅力ある仕組みを導入すべきでしょう。

果たして新聞業界にそれができるのでしょうか。

半ば見放しつつ、それでも半ば期待しつつ、続報を待ってみても良いのかもしれません。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

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読者コメント一覧

  1. 匿名 より:

    メディアは批判されるとパニックに陥るという記事を取り上げていたのはここでしたっけ?コメント欄をつけるとともに、Webサイトのトップページに批判が集まった記事・自社の不祥事記事へのリンクを置いておくのはいい試みだと思います。

  2. sqsq より:

    玉川徹はテレビに出てきて自身が主張していたゼロコロナについて今の考えを説明すべきだ。

  3. カズ より:

    >「情報の双方向化」こそ、新聞が生き残れる数少ない道

    自身への批判を排除し、耳障りの良い声だけを聴いても仕方ないのかと・・。

    実施するのなら、ブロック機能を駆使して「偏方向化」した立憲の轍を踏まないで欲しいですね。
    彼らは、アンチ(自民)の意見をさらに取捨選択することで、ゥンチの受け皿になり果てました。

  4. 引きこもり中年 より:

    そもそも論ですけど、(別に新聞だけにかぎりませんが)これまで改革ができなかった集団が、落ち目になってから慌てて改革が出来るのか、という問題が出てくるのではないでしょうか。往々にして、このような場合、内部対立が発生して、改革を始めるまでの多くのエネルギーが必要になります。

    1. 雪だんご より:

      率直に言って、マスコミ業界の改革はほぼ不可能だと思います。
      「今更」どころか「21世紀になった時点で」もうダメだったかと。

      このままでは新聞もテレビもネットに負けて破滅する……
      そう認識された時、どのお偉いさんも危険な改革で身内同士の争いを始めるよりは、
      自分が引退するまで持てば良いとしか考えなかったと推測しています。

      そしてそれは今のお偉いさん達も同じ。破滅の時代が現実感を伴って
      近づいてきても、とにかく自分が引退するまでは持ちこたえてくれ!しか
      考えている様子がない。その下の「恐らく間に合わない、引退する前に
      破滅が実現してしまう」世代は上に逆らえるパワーを持っていなさそう。

      マスコミと言う没落貴族が「堕落したままで良いや。子孫?後輩?知った事か」と
      諦めてしまう……そんな時代を我々は生きているのでしょう。

  5. sqsq より:

    新聞の生き残る道は専門化だろう。
    人は読みたいものを読む。
    朝日新聞は反日に特化して生き残る。ライバルは「人民日報」と「赤旗」

    1. 引きこもり中年 より:

      sqsqさま
      >朝日新聞は反日に特化して生き残る。ライバルは「人民日報」と「赤旗」
       朝日新聞以上に過激な反日ネットサイトがあれば、そこもライバルになります。

  6. はにわファクトリー より:

    間違いを認めらたらその時点でシヌことになっています。自己改革・自己批判が不可能になった瞬間組織も職業も命運が尽きているのですね。議員さん、大丈夫ですか。

  7. 伊武太智 より:

    メディアには利用者から利用料を取らず広告掲載料で稼ぐビジネスモデルがあります。

    反日メディアがネット記事のコメント欄を開放し、1コメントにつき0.1円を徴収すれば、アンチからも金を取れるので生き残っていけると思います。

    5秒視聴することで0.1円もらえる動画広告サイトを作り、アンチにアンチコメントを投稿するための原資を稼いでもらいます。

  8. 農民 より:

     生き残る道は双方向化は同意します。しかし一方的な情報統制が彼らの至上命題なので、双方向化したら死んでしまうでしょうね。新宿会計士様もお人が悪い(褒め言葉)。

     そういえばこちらで幾度となく示される情報源による投票先の傾向ですが。
     09年当時、私はまだTVを家族で(消極)視聴していました。政治に関する情報源は既にネットに移行して(とはいえ知人との情報交換はともかく、まとめやニコ動の茶化したものが多かったが)はいたものの、TVニュースやバラエティでの首相いじりなどにも触れていて、一応はどちらも認識していたわけです。
     どちらを重視して投票したか、は統計で可視化できたわけですが、なぜそちらを重視したか、についても調査があれば面白いかもしれません。
     私はTVをみて「偏向しているな」「今のはほぼ嘘じゃないか」「ソースで触れていた部分が切られている」などツッコミエンタメ可していたため、信用は驚く速さでゼロになりました。とはいえ「ネットは掃き溜め」と認識がある世代でもあるため、可能な範囲での情報検証をする習慣も身について(当然、そのつもりで信じたものが偽であることも。)いて、ネットなら信じられる、というわけでもないのですが。
     結局は「情報を精査する気があるかどうか」が本質で、たまたまネットの方が検証に向くという程度の差なのでしょうが。検索がヘタ、自己判断力がお粗末、では、仮にネットしか情報が無い世界になったとしても……

  9. 匿名 より:

    youtubeやyahooなどのコメントでいろいろと気づかされることも多い
    双方向な意見の交流は楽しいし大事だと思う
    世論を一方向に導きたいオールドメディアには不都合だろうが

  10. のぶくん より:

    新聞は軽減税率の商品に入って2%安くしてもらって、偏向報道等、財務省の言いなりのようになっていますがこれだけ物価高で実質賃金が下がっている中で必需品以外が外されていくと確実に新聞の購読者は少なくなっていきます、年金もらっている人も物価が上昇しても増えるわけでもないのですから
    それでも岸田首相の足を引っ張るようなことを言ってもこの状況の中で増税を進めることを否定していないのは結局自分の首を絞めていることなのではないのでしょうか、消費税減税しないと経済が持たない腰折れするとかなぜ大手新聞は訴えないのか不思議です

    1. サムライアベンジャー(「匿名」というHNを使う行為は、在日コリアンが通名を使うのと同じ行為) より:

      唯一韓国で日本よりましだと思うのは、韓国紙はライターの記名式だということ(ただし、いい記事が書いてあるという意味じゃないっすが)。日本の新聞社は社員の書いた記事は匿名ですから。

      匿名記事だから日本の新聞各社が嫌いな我々。ここで、「匿名」というハンドルネームを許していることはその流れに反してますね。

  11. Naga より:

    新聞や雑誌は、ネット主体で紙は補助的にするのが良いと思います。そうなると新聞とか雑誌という名称は消えていくかもしれませんが。
    どのような形を取るにしても、解説や解釈に角度が付いたとしても、事実を曲げたり報道しないとかをせず、事実に基づいた解説や解釈にするべきでしょう。(A、M、T等やKの経済記事はもう無理かも知れませんが)

    1. はにわファクトリー より:

      社説は論説委員・論説主幹ごと廃止して何の問題もない。むしろ良くなるんじゃないですか。OPINION / EDITORIAL と通常報道記事とをはっきり分けているサイトは存在しています。

  12. 元ジェネラリスト より:

    2009年頃だとTwitterは今で言う意識高い系が多かったような。niconicoが保守の論調が強かったイメージです。(個人の感覚です)
    当時と比べればTwitterは発信者の層が分厚くなったので、使い方次第ながらとても有用なメディアになったと思います。専門家や研究者や自分の「道」を持った人たちが、とりあえずTwitterでアピールしてくれますもんね。索引として素晴らしい。

    先日、こちらのあるコメントを読んで、LITERAのコメント欄とかならウケるんだろうなあと思い、アッチを覗いてみたらコメント欄がありませんでした。
    まあ考えてみれば、今どきあそこにコメント欄を作ったら主催者は平穏じゃいられないだろうなとは思いましたが。
    LITERAなどを好んで読む人たちの溜まり場って、どこらへんなんでしょうね。平場よりマストドンとかが合ってそうな気がしますが。

  13. 裏縦貫線 より:

    あのひとたちにとっては、読者は読者・視聴者は視聴者に過ぎないのであって、決して「顧客」ではなく、ましてや共に議論をする相手でもないのでしょう。Webで無料記事を読んでグダグダ言っている者なんぞは、そもそも読者視聴者とすら認められない、と。
    経営的に潰れれば、道徳的・霊的に生まれ変わる可能性もあるでしょうが、金主が居る限り、かれらの路線が変わるとは思えません。

  14. マスオ より:

    どうなんでしょう。今更信念を曲げて反省なんかしたら、残っている少ない読者の反発も買って、より部数減少に拍車がかかったりして。それはそれで喜ばしい限りです。

  15. 匿名 より:

    ネットの普及に伴い、発信された情報は、発信された瞬間から、事実情報に誤りはないか、考察の内容に矛盾や破綻はないかなど、多角的な観点から検証の対象となり、検証結果がネット上にフィードバックされて積み上がっていくことを通じて、情報の淘汰とブラシュアップが図られるようになってきたように思います。

    読者コメント欄は、上記プロセスにおける「検証結果のネット上へのフィードバック」工程の一翼を担い、「情報の双方向化」を促進するための非常に重要な(不可欠な)ツールだと思います。

    上記プロセスによって情報の淘汰とブラッシュアップが図られるということは、発信情報に付加価値と拡がりが与えられるということなので、このプロセス自体が、「読者の知的好奇心を刺激する」システムとして機能するということなのかなとも思います。

    新聞などのメディアは、もしかしたら、記事やニュースという形で、情報を完成した商品として制作し、読者や視聴者に提供することが仕事であり、記事やニュースを発信して提供してしまったら、もう仕事は終わりだと思っているのかもしれませんが、上に示したとおり、ネットの時代においては、情報の発信は、ゴールではなく、スタートであるというふうに捉えるのが適切だと思います。

    新聞などのメディアが、今後、ネット時代における情報発信に適応していけるのかどうかの分水嶺に、そろそろ差し掛かりつつあるような気がいたします。

  16. クロワッサン より:

    かつて読者コメント欄があったメディアサイトも、あれこれ尤もらしい理由を付けて廃止していき、結局人が離れていったと記憶してます。

    日経ビジネスオンラインとか東洋経済とか。

    メディアが『いやなら見るな』と言うのなら、読者コメントも『いやなら見るな』で良いと考えるのですけどね。

    1. すみません、匿名です より:

      クロワッサン様

      メディアが『いやなら見るな』と言うのなら、読者コメントも『いやなら見るな』

      確かにコメント停止で遠のきました。それなりの知名度がある雑誌あっても、多少の批判も許されないとなると独りよがりな記事になり、マトモな人は遠のき、広告価値は下がると思います。
      「安保文書」は歴史的な大転換です(歴史的な反省・痛手を経て)左翼的な反対扇動はできませんでした!!戦後を克服しました。
      今は日本人の欠点である情緒性に流される部分を、他国に利用されることを防ぎつつ
      このサイトのように客観的に、論理的に、ある程度の反対意見を受け入れる双方向のメディアが主流になるべきでだと思います。

  17. 攻撃型原潜#$%&〇X より:

    >「改めて新聞業界(やテレビ業界)が生き残るための「処方箋」について考えてみたいと思います。」

    必要悪ですらない新聞やテレビ業界が生き残って欲しいと思ってませんが。。。

    1. 新宿会計士 より:

      ひ…ひどいわw

      1. オタク歴40年の会社員です、よろしくお願いいたします より:

        あのビデオデッキのVHSとβ戦争、

        うちはβのデッキを買ったために
        後で
        VHSを買い直す羽目に…、
        生き残れませんでしたね、

        他にもいくつか選択を誤り、
        ムダな手間やお金を使うことに、

        悲しいけどこれ戦争なのよね。

  18. ねこ大好き より:

    とにかく新聞は記事がメチャクチャです。コロナにしてもゼロコロナが良いのかポストコロナが良いのか、読んでてさっぱりわからない。金利だって上げれば良いのか低金利を維持すれば良いのか、これも分からない。上げれば批判、維持しても批判。
    嫌いな政治家が名スピーチをしても、条件反射であれは電通が作ったヤラセだ、と適当な嘘で批判する某テレビ局社員ではないが、起きた事がらの内容では無く、条件反射で脊髄反射で批判的な記事を書いているとしか思えない。
    新聞が生き残る方法は、当たり前の事ですが、嘘は書かない、間違ったら謝罪して訂正する、というシンプルな事かと思います。

  19. わんわん より:

    ちょびっとズレます

    ネットからもお金を取ろうとしたNHK
    視点を変えると w

    「W杯で一人勝ちしたABEMA」はすっかり国民にとってのインフラにそして露呈した「テレビ放送の不自由」(東洋経済オンライン)
    https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/811a46cb626721ef035689521c42f95df1b2ba38&preview=auto

  20. haduki より:

    新宿会計士様 いつも有益な記事の配信ありがとうございます。

    新聞社の今後の生きる道ですが
    情報の双方向化も必要ですがその前に
    自分らの商品である記事の質の向上が至上命題ではないでしょうか?

    新聞・テレビらマスコミの衰退の大きな原因のひとつに
    SNSの発達でマスコミの誤報やミスリードが
    即座にその道の専門家や当事者から指摘が入り周知されるようになり
    マスコミは胡散臭いという評価が広まったためでしょう。

    製造業は欠陥品を出したら直ぐに責任を問われ信頼回復に労力が必要な一方
    マスコミは誤報(欠陥品)を出しても責任を負わず逃げられてきたツケが
    いよいよ巡ってきたともいえます。

  21. 7shi より:

    たしか日本では、Yahoo!のようなポータルサイトへの記事提供って、ほとんどの会社は 「宣伝になるから」 という理由で、いまだに無料でやってませんでしたっけ?
    欧米ではマスコミ各社が、ニュースを掲載しているポータルサイトの運営会社に掲載料の支払いを求めるようになっていて、支払わなければ記事の掲載を禁止しているそうです。
    大口顧客であるポータルサイトには無料で記事を提供して、そこから閲覧している人を自社サイトに誘導して、記事単位、個人単位で課金って、考えてみたら効率悪すぎですよね。

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