軍艦島「ナチスとの比較には無理がある」=政府報告書
軍艦島を含めた明治期の産業革命施設のユネスコ世界遺産登録に際し、日本政府が「それらの場所で朝鮮人が強制的に働かされていた」と述べてしまったことは、日本外交の失態というほかありません。ただ、産経によると、日本政府がユネスコに提出した報告書のなかで、これらの施設を「ナチスと比較するのは無理がある」などと否定したのだそうです。このように、客観的事実に基づき国際社会に対して訴えるというのは、外交の鉄則です。
目次
普通の国と国との関係
当ウェブサイトにおける一貫したテーマがあるとすれば、それは「普通の国と国との関係」、という議論です。
といっても、べつに難しい話ではありません。外交関係も人間関係と同じで、「お互いがお互いを尊重しつつ、うまく付き合っていく」が大切だからです。「片方の国が相手国の言うことを何でもそのまま聞く」という関係は、決して健全とはいえません。
この点、国同士の関係においては、お互いの国の主張が正面からぶつかることもありますし、ときとして戦争に発展してしまうこともあるかもしれません。
こしたなか、「戦争を回避するためには相手の言うことをそのまま聞いていればよい」、などと主張する人もいるのですが、こうした考えも間違いです。戦争は可能な限り避けるべきですが、だからといって自分たちの譲れない主張を相手に譲ることは本末転倒だからです。
極端な話、相手国がメチャクチャな主張をして、わが国の領土を「歴史的には我々の領土だ」などと言い出した場合、私たちが原理・原則を持たず、相手国の言い分をそのまま聞くならば、その領土を相手国に差し出さねばならない、ということです。
たとえばロシアがアイヌを「ロシアの先住民族だ」と指定した、などとする話題もありますが(プレジデントオンライン『プーチン発言「アイヌはロシアの先住民族である」は、「北海道はロシア固有の領土」と主張する前触れだ』等参照)、これもそうした発想のひとつといえるかもしれません。
ユネスコ世界遺産登録での韓国の約束破り
こうしたなかで、日本の戦後外交は、ともすれば「加害者」として、「相手国に譲歩しなければならない」といった前提条件に立っていたフシがあります。近隣国の理不尽な主張に対しても反論せず、相手国に配慮するかの外交姿勢を取ってきたのです。
「朝鮮半島で日本軍が少女20万人を誘拐し、戦場に連行して性奴隷として使役した」などとされる自称元慰安婦問題など、その典型例でしょう。韓国側の主張には明らかなウソ、捏造、矛盾が多々紛れているのですが、それらに逐一反論せず、相手国の言い分を丸のみしてきたフシもあるのです。
また、こうした姿勢は、2012年12月に第二次安倍政権が発足して以降も、しばらくは維持されていました。その典型例が、自称元徴用工問題の前振りとなる、2015年7月のユネスコ世界遺産登録の件でしょう。このときは当時の朴槿恵(ぼく・きんけい)政権が該当施設の世界遺産登録を全力で妨害したのです。
しかも、岸田文雄外相(当時)が東京を訪れた尹炳世(いん・へいせい)外交部長官(当時)と会談した際には、両者はいったんは韓国が推薦する「百済歴史遺跡地区」の世界遺産登録に日本が協力するかわり、この明治期の産業革命遺産の世界遺産登録に韓国が協力することで合意しました。
日韓関係改善へ努力 世界遺産、両国登録で協力
―――2015年6月22日 1:22付 日本経済新聞電子版より
ところが、ふたを開けてみたらそのわずか2週間後、7月4日のユネスコ総会の場で、韓国側が突如としてこの約束を反故にし、日本の世界遺産登録に異を唱えたのです。これこそまさに「韓国による約束破り」の真骨頂のようなものでしょう。
外務省の信じられない過失、そしてそれを糊塗する腐敗した態度
しかし、それよりももっと驚くのが、日本の外務省の対応です。当時の佐藤地(さとう・くに)ユネスコ大使(のちのハンガリー大使に栄転)が、ユネスコ総会の場で、こんなことを述べたのです。
「日本は、1940年代にいくつかのサイトにおいて、その意思に反して連れて来られ( brought against their will )、厳しい環境の下で( under harsh conditions )働かされた( forced to work )多くの朝鮮半島出身者等がいたこと、また、第二次世界大戦中に日本政府としても徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じる所存である」。
これも韓国側の完全なる勝利でしょう。なにせ「強制徴用・強制労働」という自分たちが作り出したウソを、日本の外交官に事実上、認めさせたのですから。
しかも、これに対する外務省の言い訳が、噴飯ものです。
外務省が同年7月14日付で公表した記事によれば、この “brought against their will” や “forced to work” は、「朝鮮半島出身者については当時、朝鮮半島に適用された国民徴用令に基づき徴用が行われ、その政策の性質上、対象者の意思に反し徴用されたこともあった」という意味なのだそうです。
そのうえで「今回の日本側の発言は、違法な『強制労働』があったと認めるものではないことは繰り返し述べており、その旨は韓国側にも明確に伝達している」、などとするのが外務省の言い分ですが、正直、擁護にすらなっていません。
失言をしたユネスコ大使を直ちに懲戒免職することもせず、あろうことか省を挙げてこの失言を全力で擁護したうえ、ハンガリー大使に栄転させた外務省という組織の問題については、本来ならば国会でも徹底追及してほしいところでもあるのです。
産経「ナチスと比較するには無理がある」
ただ、これに関連し、やっと日韓関係も「普通の国と国との関係になりつつある」と思しき手掛かりが出てきました。
<独自>政府、「軍艦島」報告書をユネスコに提出 「徴用は全ての日本国民に適用」
―――2022/12/1 22:04付 産経ニュースより
産経によると日本政府が1日までに、ユネスコ世界遺産委員会に対して提出した保全状況報告書のなかで、「戦時徴用された朝鮮人労働者を巡る日本政府の説明が不十分」との指摘に対し、「誠実に履行している」と説明。あわせて「当時、(日本が)朝鮮人を同じ日本国民として扱った」と強調したことが判明したそうです。
産経はまた、この報告書は英文で500ページ以上に及ぶものだとしており、「国家総動員法に基づく国民徴用令は全ての日本国民に適用された」などとしたうえで、「ナチスと比較するのは無理がある」とする海外識者の見解などを紹介するものだそうです。
このあたり、かつて外務省の担当者が愚かにも「朝鮮人に労働を強いた」などとする誤解を招く表現をしてしまったという失地はあるにせよ、国際社会に対しては事実をもとに、客観的事実を淡々と説明するより方法はありません。
ただ、ここで重要なのは、「相手国に対する配慮」よりも「客観的事実」を重視する姿勢であり、また、相手国との密室における二国間交渉ではなく、国際社会の目が入っているオープンな場でそれを主張する、という態度ではないでしょうか。
「事実をベースに」「国際社会に対して」説明せよ
このあたり、「どうせあの国は約束を守らないから、約束を取り交わしても意味がない」という主張があるのはそのとおりですが、ここに国際社会の目が入っていたら、話は変わります。
たとえば2015年12月の慰安婦合意のときのように、第三国(たとえば米国)を仲介人にして合意を結ぶようなかたちにすれば、相手国が約束を破ったとしても、それを国際社会の「表ざた」にすることができますし、「約束を破った側が悪い」と公然と主張することができるのです。
その意味では、日本の外交は「事実をベースに」、「国際社会に対して」説明する、という態度が必要であることはいうまでもないでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
害務省の中の売国官僚はパージせよ
韓国サイドによる喧伝は、国際社会の記憶(自分たちの経験した強要と搾取による支配)に付け込んだ刷り込みによるものです。
勘違いの根源である「併合と植民地の違い」をしっかりと主張して、彼らの ”かわいそうコスプレ” に引導を渡して欲しいですね。
日本の問題としては、会社なら会社の利益を棄損した者は懲戒の対象になり最悪懲戒免職になりますが、日本の国益(会社の利益よりはるかに重い)を棄損しても処分されないことが、事なかれの人物が出てくる一因(主因?)だと思います。
国益を棄損したり、政府の方針に関わることで勝手に意見を表明したりすることに対して、処分対象となる基準や処分内容をはっきりさせることが肝心と思います。(決めても、決めたというアリバイ作りの軽い内容ではなく。)
「戦争を回避するために相手の言い分を全部飲もう」
「戦争を回避したければこちらの言い分を全部飲め」
どちらも戦争回避努力としては同等です。むしろ戦争状態に陥りやすいという面も含めて。前者を叫ぶ偽善者(か工作員)は、後者を叫んでいるものと同様であり信用すべきではありません。
「これでダメなら戦争しかないね…」が、一番健全で現実的には戦争から遠のくというのが皮肉です。
韓国作の捏造もとに
ナチスレッテル貼りをしてくるとは、
典型的な韓流のありようですなあ(笑)
これは、ソウル日本大使館への
自分たちが出した人糞投げ込み事件とおなじ構図の
まさに韓流そのものの彼らにとっては
伝統の典型的な攻撃手法だと感じます。
だいたいそもそも、
ナチスレッテル貼り手法にしても喫近では
思い上がりがウラメニデール・プーチンさんが
派手にあがいてみえますが
もともとアジアでは、
プーチンの肩を持つならず者国家とは友愛結ぶ
ミスター民主党御大将鳩ポッポさん、
党名ロンダリング繰り返しても今もその盟友の
韓流政党立憲民主党最高顧問菅直人大先生の
橋下氏へのヒトラーレッテル貼りなど、
そんなこんなの顔ぶれさん特有のものであり
韓流さんならではの特質であるとの
認識位置づけのもとに、相手などせず
正しくリジェクトしてさしあげる
べきものだと考えます。
世界遺産を取り消したらいいだけ
それも韓国の妨害により取り消したと言えば良い
ほんと利権や天下りのために何をやってんだか
日本が取り下げたら韓国は「韓国の主張が正しい事を日本が認めた!日本は韓国に謝罪と賠償をしろ!」と言い出すでしょうね。
いじめ問題で自殺した被害者に人権は無く、自殺に追いやった加害者の人権は最大限に保障されるように、韓国の対日レイシズムに屈した日本の人権は踏み躙られ、対日レイシストの韓国がのさばるだけです。
アメリカの顔色を窺い、自己主張は控え、仲良くする事を優先して来た外務省に期待する事が間違っています。
時の首相が方針を示さないと、外務省は易きに流れると思います。
>たとえばロシアがアイヌを「ロシアの先住民族だ」と指定した、などとする話題もありますが(プレジデントオンライン『プーチン発言「アイヌはロシアの先住民族である」は、「北海道はロシア固有の領土」と主張する前触れだ』等参照)、これもそうした発想のひとつといえるかもしれません。
そう言えば、中国には多数の少数民族が居ますが、沖縄の独立派が「琉球民族」を主張した場合に、中国政府は「琉球民族は中国の少数民族のひとつである」として琉球諸島の領有権の根拠とするかもですね。
アイヌ民族と総称されますが、単一の民族としてのアイヌがあったわけではありません。地方ごとに複数の部族があり、文化も言語も違ったようです。
一方で、北海道には多数の縄文遺跡も発見されていますので、
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/bns/jomon/remains_index.html
和人が古代から北海道に進出し、生活圏を築いていたことは疑いありません。両者の間に交流があったかは分かりませんが、アイヌ人を北海道の先住民族としたところで、同時に和人の土地でもあったので、ロシアが領有権を主張する事はできません。
日本をナチスに例える前に、
「ナチスとは何か?」という定義によるのではないでしょうか。
当時の日本がナチスドイツを枢軸国同盟を結んでいた、
よって日本はナチスであるという決めつけは暴論ですね。
であれば、イタリアもナチスでなくてはいけないし、
ファシズム批判するなら、中国やロシアこそが今現在の主敵であるはず。
だいたいが、同民族の半分が北朝鮮という軍事独裁世襲体制の支配下にあることをどう考えているのか。
「日本はナチスだ」と安易なレッテル貼りの前に、歴史を正しく学ぶ必要があります。
少し調べればわかる話なのですが、当時のナチスドイツと日本のやり方は正反対でした。
ナチスドイツはアーリア民族以外の人たちを排斥。日本は日本民族以外を同化。
方向性が全く違います。
いまもなお、朝鮮半島出身者子孫の、いわゆる半島出身在日といわれる人々が存在し、
ほかの外国人には適用されない特権待遇されているのはナチズムに適っているでしょうか。
「日本は悪である」という根拠のない前提は、
「ユダヤ人の存在は悪である」と定義したナチスドイツと何が違うのか。
以前にも書きましたが、「他国をナチス呼ばわりして攻撃する国こそがナチズム的である」
という見立ては、韓国に対しても適用できそうです。