安倍総理国葬「プーチン参加論争」はあっけなく幕切れ
「プーチン論争」はあっけなく片付きました。クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官自身が日本時間の昨日、ウラジミル・プーチン大統領自身が安倍総理の国葬には参列しないと明らかにしたからです。プーチン氏が安倍総理と個人的な友誼を結んでいたことは事実ですが、それと同時に安倍総理は誰よりも「法の支配」を愛した人物でもあります。プーチン氏率いるロシアが国際法を蹂躙している国家である以上、このような結論もやむを得ないものなのかもしれません。
安倍総理国葬儀へのプーチンの参加論争
あっけなく、方が付きました。
昨日の『安倍総理の国葬に関連し「プーチン出席問題」が急浮上』では、9月27日に予定されている故・安倍晋三総理の国葬儀をめぐって、ロシアのウラジミル・プーチン大統領が出席するかどうか、もし出席するならどういう問題が生じるか、といった議論を取り上げました。
これに関しては一部の「保守派」(?)の方々を中心に、「日本では村八分も葬式と火事は別物」、「死者を弔うつもりならプーチン(氏)の入国を認めてやっても良い」、といった主張が展開されている、といった話題を紹介しました。
この点、法技術的には日本入国が禁止されているプーチン氏の入国を認めるロジックが難しいことに加え、やはり個人的には、国際社会において横暴な振る舞いをしているプーチン大統領の日本への入国を認めること自体、「法の支配」を誰よりも愛した安倍総理に対しても無礼ではないか、などとする思いもありました。
ペスコフ報道官「プーチンは訪日せず」
しかし、この議論自体、あっけなく終了してしまったようです。
ロシアの『タス通信』(英語版)の日本時間の昨晩の報道によれば、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官が月曜日の会見で、プーチン大統領自身が安倍総理の国葬に参加することはなく、また、ロシア政府としてどのレベルの代表者を参加させるかについては後日決定される、などと述べたのだそうです。
Putin has no plans to visit Japan to attend Abe’s funeral — Kremlin
―――2022/07/25 19:20付 タス通信英語版より
タス通信に掲載されたペスコフ氏の発言の英訳は、次のとおりです。
“No, Putin has no plans to visit Japan, to participate in the funeral. The level [of participation] will be determined later. Putin is not going”.
タス通信はこのペスコフ氏の発言について、「木原誠二・内閣官房副長官(※)」が月曜日の記者会見でロシアに国葬について通報すると述べたことに対応したものだ、と述べています(※ただし、細かい話ですが、実際に月曜日の会見で発言したのは木原氏ではなく、磯崎仁彦副長官です)。
そのうえでタス通信は、安倍総理の国葬では「外国から首脳級を含めた大勢の弔問客が訪れることが予想されている」などとしつつ、日本の毎日新聞が先週、「日本政府としてはプーチン氏を招待するつもりはない」とする政府関係者の発言を報じたと指摘。
安倍総理自身が在任中に、プーチン氏が「温かく友好的な関係を築いたこと」に言及したうえで、セルゲイ・ラブロフ外相が2020年に両者が「個人的な共感に立脚した、本当に友好的で相互に尊重する関係」を構築したと評した、などと紹介しています。
プーチン不参加をどう見るか
正直、日露両国が友好的な関係にあるとは言い難いにせよ、もしもロシアがウクライナ侵略戦争などという愚行を始めていなければ、プーチン氏も日本を訪れて安倍総理に線香の1本でも手向けていたのかもしれません。
ただ、結果的にプーチン氏は日本を訪問しないと決断したわけであり、私たちはそのプーチン氏の決断をそのまま受け入れるより方法はありません。そして、そのことは、かつてはG8の一角を構成していたロシアが、西側諸国から孤立しているという新たな証拠となるでしょう。
というよりも、安倍総理自身が強く提唱した、「国際法を守る国には経済的繁栄がもたらされるべき」とする姿勢を突き詰めていけば、「国際法をないがしろにする国には経済的繁栄などなく、そこに待っているのはみじめな未来である」、という理屈にもつながっていきます。
あくまでも国際法をないがしろにするというのがロシアの選択であるならば、自由、民主主義、法の支配、人権尊重、積極的平和主義を愛する私たち西側諸国の側としては、全力でロシアの無法行為を止める以外に方法はありません。
このように考えていくならば、プーチン氏が来日しないこと自体、安倍総理にとってはたしかに残念な結果かもしれないものの、ロシアの孤立を印象付けて戦意を削ぐことにつながるのだとしたら、結果的に安倍総理自身の遺志を実現することに寄与するのかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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入国禁止者を例外的に入国させる、理屈が立たないんです。それなりの理屈を立てたとしても後付けとしか見えませんし。
理屈を曲げるための人道上の事情があるかというと、むしろプーチンは深刻な人道上の罪を犯している当事者です。
ロシア側から火消しが入りましたが、日本側でキムチ汁を飲んでいたのは誰だったんでしょうね。(笑)
先方が弔意を表したいというのを断る方が、よほどアクロバティックな論理を必要とすると思いますが。少なくとも、我が国の葬祭文化における伝統においては。
> 理屈を曲げるための人道上の事情
別に、人道上の理由で葬儀を行うわけではありません。
法的にすでに入国禁止にしているので、弔問を断るなら「アクロバティックな論理」はいらないでしょう。
外交関係に「アクロバティックな論理」が必要となってくる「我が国の葬祭文化における伝統」とは、一体なんですか?
追伸で他の話題です。
この返信で私が述べている、龍さんの主張の主旨は、これで合ってたんでしょうか?
https://shinjukuacc.com/20220723-01/#comment-232159
論点に対する主旨を読み取るのに苦労した割に確信が持てず、すごく気になってるんですけど。
入国禁止ではなく査証発給の停止ですよ。
仮にプーチン氏が安倍元総理の国葬に参列のため訪日する意向を表明していたとして、日本政府が応ずるならビザを発給するだけ。理屈など要らない。
ビザ発給の停止は政府が発表した方針で、方針を変える理屈が必要かどうかと言えば、必要でしょう。
その方針が何の法的手続きの基づくかは記憶にないですけど。
政府が方針を変えるというなら「なんで?」と私は聞きたくなりますけど。
あとは、「葬儀は別」という理屈が、対外的に慣例的に通用するものなのかどうか、そこは私にはわかりません。そこは知りたいところです。
プーチンがどう利用するかで反応も変わると思いますし。
まあ、来ないって言ってるので仮定の話ですけど。
国葬に参列し接弔意を示したいという意向がプーチン氏から示されたとして、日本政府がそれを受け入れる、それ以上に必要なものって何です?
>>対外的に慣例的に通用する
対外的にって、どこかの国の許可でも要るんでしょうか(笑)。
「(笑)」を付けましたね。
私は真面目に返信していますが、それを茶化していると理解しました。
あなたは匿名ですし、言葉通りに意味を把握できない方なら、返信はこれで最後にします。
政府は制裁の一環としてビザ発給停止の方針を決めています。
それが、対象の本人が「日本に行きたい」と言ったからと言って、自動的に方針を変える理由にはならないでしょう。
葬儀は例外だとするなら、例外である理由も必要でしょう。
一国民として政府のやることすべてに白紙委任をしているわけではないので、政府の見解は聞きたいですし、説明はあってしかるべきでしょう。
このコメントツリーをまとめます。(笑)
「理屈が立たない」に多くの反応をいただきましたが、まあよく読めば誤解のある表現だったろうと思います。
私は別記事にこの件に「答えはない」とも書いてますが、制裁と葬儀のどちらを優先すべきか、誰もが納得できる理屈はないだろうという意味を込めて述べました。
一方で、絡んできたお二人(敢えてこう表現します)は「政府が葬儀は別と決めて宣言して押し通すだけやん」と言ってるのでしょう。それは一つの回答だと思います。
私は、国葬での入国許可は制裁に例外を設けるべき理由にならないと思います。プーチンの所業はそれを超えていると思っています。日本の価値観外交への影響の有無もよくわかりません。
これを覆して例外を設けることに納得できるロジックは、今の所目にしていません。
そういうのは是非、触れてみたいのですけどね。
ぷーちんが
くるわけないのに
あべしんじゃ
かってにさわいで
まけおしみ
あ!衰退中のアベガーだ!
おまえらはジジババと共に沈没するだけだよww
そもそもの報道に違和感があったんですが、葬儀葬祭は”招待”するモンではないですよね?
官房も”通報”としか発していないと解してましたが…
プーチンが来るとなっても、警備ができないでしょう。
今や有数の暗殺対象ですから、日本の警備体制で狙撃を防げるとは思えません。
警備ができないという理由で、西側首脳どころか発展途上国の首脳も誰も葬儀に参加しなかった
という落ちも有り得ないことはない
プーチンもさすがに自分は日本に行っても他の参列者から歓迎されないし、皆から袋叩きに遭うとわかったのでしょう。国際社会の首脳たちからつまはじきにされるところをロシア国民に見せたくなかったのでしょう。