韓国「スワップ待望論」も米財務長官は為替介入を牽制
韓国ウォンが13年ぶりの安値水準を試す展開が続くなか、「米韓通貨スワップ待望論」が韓国メディアで再び強まっているようです。ただ、これらに関する記事を読んでいても、事実誤認、あるいは市場に対する理解が非常に浅薄な部分も多々あります。本稿では最新の記事に含まれている誤りの部分を指摘するとともに、ジャネット・イエレン米財務長官の「ある重要な発言」についても取り上げておきましょう。
目次
通貨スワップ待望論
韓国国会議員「通貨スワップ議論があるようだ」
今朝の『韓国に対する「消極的制裁手段」としての通貨スワップ』では、「韓国が米ドル建ての通貨スワップを熱望している(らしい)」という事情に加え、こうした事情を逆手に取り、韓国が必要とする通貨スワップ(とくに日本とのスワップ)を結ばないことが、同国に対する間接的な制裁となり得る、という話題を取り上げました。
ただ、韓国側ではこの通貨スワップをめぐっては、相変わらず「待望論」が強いようです。
こうしたなか、とくに興味深いのが、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に昨日から本日にかけて、相次いで「米韓通貨スワップ」に関する議論が掲載されていることです。たとえば、昨日夕方付の記事に関しては、こんな具合です。
「韓米財務長官会議で通貨スワップ議論があるようだ」
―――2022.07.12 15:25付 中央日報日本語版より
中央日報によると韓国の与党「国民の力」の成一鍾(せい・いっしょう)政策委員会議長が12日、KBS のラジオ番組に出演し、来週予定されている韓米財務長官会談で「韓米通貨スワップに対する議論があるようだ」と述べたのだそうです。
「イエレン氏の訪韓では通貨スワップが議論」=中央日報
中央日報からの引用ですが、成一鍾氏は米韓通貨スワップをめぐって、「(議論の)テーブルに載せられているようではある(が)非常に秘密の部分なので発表することはできない」としつつも、次のように述べたのだそうです。
「為替レート防御のために国家が持っている多くのドルを市場で売って(保有外国為替が)減っていることから韓米通貨スワップが必ずないといけない」。
そのうえで成一鍾氏は「2ヵ月前のバイデン大統領訪韓時も、関連会議を推進していたが秘密の部分があって中断した」としつつ、「政府がいま関連事項を進めているようだが、秘密裏に必ず実現してほしい」と述べた、というのです。
また、こうした発言に関連してでしょうか、同じく中央日報には今朝、こんな記事も掲載されていました。
韓国銀行総裁、イエレン米財務長官と面談予定…韓米通貨スワップ議論あるか
―――2022.07.13 10:34付 中央日報日本語版より
中央日報によると、韓国銀行の李昌鏞(り・しょうよう)総裁が19日、ジャネット・イエレン米財務長官と会談するのだそうです。
韓国銀行が13日に明らかにしたスケジュールによれば、李昌鏞氏は15日から16日にかけてインドネシア・バリ島のG20財相・中銀総裁会合に出席し、その後はイエレン氏が訪韓して19日に韓国銀行本館で面談する、などとしています。
そのうえで中央日報は、次のように述べます。
「世界的な景気低迷への懸念と米連邦準備制度理事会(FRB)の緊縮強化でウォン安ドル高が進む中で通貨スワップのような安定化案が話し合われるだろうとの分析が出ている」。
何の前提知識もなしにこの2本の記事を読む限りだと、韓国が期待する「米韓通貨スワップ」の議論が、イエレン氏の訪韓中になされるという可能性がありそうだ、などと短絡的に感じてしまっても不思議はないでしょう。
基本的な事実認識が誤っているようですが…
ただし、ここで記事について、いくつかのツッコミを入れておく必要がありそうです。
そもそも論ですが、最初の方の記事に出てきた成一鍾氏の発言には、事実誤認が多々含まれています。それが、j次の記述です。
「2008年の国際金融危機当時、韓米通貨スワップを締結したことで韓国に投資している多くの外国人が『韓国はドルの心配をもうしなくなるだろう』『通貨危機は来ないだろう』と思ったが、文在寅(ムン・ジェイン)政府になって韓米関係が悪くなって終了となり、これは国家的な損失となった」。
そもそも2008年10月に米国が韓国と締結したスワップは「外国為替流動性スワップ」(foreign exchange liquidity swap line)、すなわち、いわゆる「通貨スワップ」ではなく「為替スワップ」です。
このスワップはべつに文在寅(ぶん・ざいいん)政権下で「米韓関係が悪化して終了した」のではありません。李明博(り・めいはく)政権時代の2010年2月の時点で失効しています。
また、コロナ禍が始まった2020年3月にも米国は同様の為替スワップを韓国と締結していますが、これは文在寅政権時代に締結されたものですので、「文在寅政権になって米韓関係が悪化して終了した」という発言は、事実誤認に満ちたものです。
これだけで、この人物の発言が信頼に値しないものであるということは、なんとなく想像できる点です。
米国の事情
そもそも米国は通貨スワップ締結に応じるのか?
ただ、それ以上に重要なポイントがあるとしたら、米国の場合、そもそも外国と通貨スワップを結ぶという事例が極めて限定的である、という事実です。
米FRBのウェブサイトにある “Central bank liquidity swaps” というページの説明によれば、米国が現在、外国と締結しているスワップは、次のとおり、為替スワップが5本、通貨スワップが3本(うち2本はメキシコとの通貨スワップ)だそうです。
米FRBが締結する外為流動性スワップ(為替スワップ)
- 期間・金額…無制限
- 締結相手…日本銀行、カナダ銀行、イングランド銀行、欧州中央銀行、スイス国民銀行
米FRBが締結する通貨スワップ(NAFAスワップ)
- 期間…1年間(毎年更新)
- 締結相手…カナダ銀行(上限20億ドル)、メキシコ銀行(上限30億ドル)
米財務省が締結する通貨スワップ(NAFAスワップ)
- 締結相手…メキシコ銀行(上限90億ドル)
(【出所】FRBウェブサイトより著者要約)
つまり、米国が外国と通貨スワップを結ぶときには「北米枠組み」(NAFA)などの特別な枠組みが存在するときに限られているということであり、また、日英欧瑞加5ヵ国・地域との為替スワップは、米銀にとっても、これらの中銀が提供する外貨流動性が有益である、という特徴を持っています。
自国通貨・ウォンが国際的な通用力をほとんど持っていない韓国の場合、米国にとってわざわざ為替スワップを再開するだけのメリットは乏しく、これに加えてイエレン氏自身、現在は通貨スワップを管轄する財務省の長官ではありますが、為替スワップを管轄するFRBの議長ではありません。
このことから、米国が韓国と通貨スワップを新たに締結する可能性は、決して高くない、と考えて良いでしょう。
なぜ韓国は執拗に通貨スワップを求めるのか
ただ、逆にいえば、韓国がそこまで通貨スワップを必要としているというのも、私たち日本国民にとっては理解しづらい部分でもあります。
というのも、「為替相場というものは市場メカニズムに従って動いていくものであり、その変動については金融当局にとってはコントロール不可能なものだ」、という常識が日本にはあるからです。
いや、その常識は、べつに日本だけのものではありません。現代の西側諸国全体の常識でもあります。
もちろん、為替相場については米ドルと事実上ペッグされている香港ドルや、ユーロと事実上ペッグされているデンマーククローネ、あるいは法律で「等価」と定められているシンガポールドルとブルネイドルのように、「相場が動かない」という事例はあります。
ただ、それらの特殊なケースを除けば、為替相場というものは基本的に人為的に決定されるものではなく、あくまでも透明で公正な為替市場に従って決定されるはずです。韓国が外貨準備を使ってこの水準を人為的にコントロールしようとしていること自体、極めて異例なのです。
米韓共同声明では韓国の為替介入を強く牽制していた
なにより重要なのが、米国を含めた主要国が、韓国のこうした為替操作をどう考えているのか、という論点です。
ここで思い出しておかなければらないのが、今年5月にジョー・バイデン米大統領が訪韓した際に発せられた米韓共同声明に含まれた、こんな記述です。
“To promote sustainable growth and financial stability, including orderly and well-functioning foreign exchange markets, the two Presidents recognize the need to consult closely on foreign exchange market developments. The two Presidents share common values and an essential interest in fair, market-based competition and commit to work together to address market distorting practices”.
意訳すると、こんな具合です。
「秩序ある、そして機能的な外国為替市場を含めた持続的な成長と金融の安定を促進するため、両大統領は外為市場の発展について、緊密に協議する必要性を認識した。2人の大統領は、公正な市場原理に基づく競争に共通の価値と本源的利益を共有しており、市場を歪める慣行に対処するため、協力することにコミットする」。
ここでは主語こそ明示されていないにせよ、「市場を歪める慣行」に「対処する」と、はっきり断言している点に注目しておきましょう。
この「市場を歪める慣行」が何なのかについては、共同声明では明確には触れられていません。しかし、『米国財務省が「韓国は為替介入を行っている」と認める』でも触れたとおり、米財務省は米議会向けに作成している「為替監視レポート」のなかで、韓国が「不透明な為替介入を繰り返している」ことを批判しているのです。
たとえば、2021年12月に公表された米財務省のレポート “Macroeconomic and Foreign Exchange Policies of Major Trading Partners of the United States” の25ページ目には、こんな記述があります。
Korea reported net foreign exchange purchases of $11 billion (0.7% of GDP) in the spot market to stem won appreciation over the four quarters ending in June 2021. Treasury estimates that Korean authorities made most of these purchases in the fourth quarter of 2020, when the won appreciated 7.4%. Korea has well developed institutions and markets and should limit currency intervention to only exceptional circumstances of disorderly market conditions. Korea maintains ample foreign exchange reserves at $446 billion as of July 2021, equal to 2.5 times gross short-term external debt. Korea publicly reports its foreign exchange intervention on a quarterly basis. (※下線は引用者による加工)
このうちの下線部に関しては、「韓国は制度と市場がよく発達している国であり、為替介入は市場の混乱という例外的な状況にのみ限定すべきである」、という趣旨の指摘です。言い換えれば、「そのゆな国が日常的に為替介入を行っていることは、米国としては注目せざるを得ない」、と批判しているわけでしょう。
イエレン氏の牽制?
これに関し、ひとつ、大変に興味深い記事があります。
為替介入、「まれで例外的状況」でしか正当化されない=米財務長官
―――2022年7月12日18:56付 ロイターより
ロイターによると、来日中のイエレン氏は12日、鈴木俊一財相と黒田東彦・日銀総裁との会談後に記者団に対し、円相場がここ数週間で大幅に下落していることを認めつつも、次のように述べたのだそうです。
「日米など主要7カ国(G7)諸国の為替レートは市場が決定すべきであり、介入は『まれで例外的状況』でしか正当化されない」。
そのうえでイエレン氏は、G7とG20のコミットメントには「市場で決まる為替レートと、為替動向に関する緊密なコミュニケ―ション」が含まれるとする米国の見解を改めて示したのだそうです。
【参考】鈴木俊一財相とジャネット・イエレン米財務長官
(【出所】財務省)
イエレン氏はまた、日本の財相・中銀総裁との会談では、「最近の円安を振り返った」ものの、「為替介入や関連政策は協議しなかった」とも述べたのだとか。
現在の日本の円安がこの「まれで例外的な状況」に該当するかどうかはさておき、イエレン氏の発言は、為替監視レポートを含めた一連の米財務省のスタンスと一貫しているものであり、ある意味では当然に想定される者でもあります。
こうした発言を踏まえるならば、イエレン氏が訪韓した際に話題にするのも、やはり韓国における「不透明な為替介入の慣行」であり、決して通貨スワップではない、と考えておくのが自然な発想ではないかと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
素朴な疑問ですけど、(もしかしたら、尹大統領や金融関係者は例外かもしれませんが)韓国は、アメリカから為替介入でけん制されたことを理解できるのでしょうか。(できれば、日米とも会話が成立しない相手との交渉はやめるべきです。いくら、日本の老害は「話し合い万能論」を唱えても、会話が成立しないのですから)
理解したいことしか理解しないできないな向きもあるようですから…
ときにらぶあんどぴーす唄っためがねくんはともに艱難乗り越えてきたであろうバンド(人類からすればはるかな少人数)内の平穏すら保てませんでしたし、言行不一致はブンメイジンのデフォなんじゃまいかとおもいます
まーそのことと意思疏通が恙無くできることはカンケーねぇでしょうけれども
同感です。 君子危うきに近寄らず!
あゝ、それは”離し合い万能論”・・。
韓:通貨スワップさせてやらないでもない。
イエレン:嫌だね
韓:てか通貨スワップしてください。
イエレン:嫌だっつーの!
韓:そんなこと言わずに…
イエレン:先生…これからきみの前頭部を前頭葉が壊れるくらいには殴ります!
まぁ議論ではある。
韓銀は今日開かれた金融通貨委員会で政策金利を0.5%上げることを決定したそうです。
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220713002100882?section=economy/index
インフレ抑制にどの程度効果があるか注目されますが、通貨防衛という観点から見ると、とりあえず市場ははかばかしい反応を示してない模様。まあ、FRBが今月政策金利を0.75%上げると見込まれており、いよいよ韓米金利差が無くなりますので、おそらく市場としてはそこまで織り込み済みなのでしょう。
なにしろ、現状、EURもJPYも対ドルでかなりの安値ですので、KRWだけ不自然に上がればむしろおかしく、市場操作が疑われます。ここでちょっと疑問なんですが、仮に米韓為替スワップが新たに設定された場合、それが為替市場に影響するような可能性って本当にあるのでしょうか?
投機でウォンを売っている筋からの売りは止まるかもしれません。
彼らは韓国に手持ちのドルが少ないことを見越してウォンを売っている。
スワップを結んで「ドルならたっぷりあるぜ」ということになると踏み上げられるのがこわくなって売りの勢いが弱くなるのでは。
ただしウォンの市場はかなり小さいそうです。大がかりな投機筋が存在するのかは不明。
そもそも、
「ピンチだ、ピンチだ、弾切れになりそうニダ。助けて欲しいニダ~」
なんて、泣き叫ぶことで、何かポジティブな結果が期待できるものでしょうか。
少なくとも、この国の人間は、ポーカーで勝つことは出来そうにないですね(笑)。
新宿会計士さんがときどき紹介されている、この国への国別投資額で
圧倒的に多いのが、米国と英国。
今の国際情勢では、
「デフォルトするならむしろ好都合。半導体産業だけ引っ剥がして、後は放っておこう」
に、なりそうな気がしますね。
アメリカが為替スワップを導入するのは、あくまでドルの流動性を確保するためです。韓国のウォンのことなど全く考えていません。だから開始するときも終了するときも一方的です。
開始するときは「ドルの流動性が心配なので、手続き等で迷惑かけますがよろしいでしょうか」
終了するときは「いろいろご面倒かけましたがもう心配なさそうなので大丈夫です。ご協力いただきありがとうございました」
そもそもせっかくの為替スワップも韓国の金融機関の利用はごくごく限られてて、後半にはほとんど残高ゼロになってました。枠いっぱいにはほど遠い。日本の金融機関が規模無制限なのを良いことに2000億ドルとか残高積み上げてたのとは対称的。安い金利のドル調達が出来てウハウハだったでしょう。そんなチャンスも生かせない韓国金融機関とはレベルが段違い。
今は対ロシアで戦時だから、かつての有事の「ドル買い」再現をG7にお願いしたのかもですね。
対ドルですべて安です。 有事はロシア・ウクライナではなく米国なのです。
西側は協力する意思を示しているのだから(対策はやるでしょうが)、kが好き勝手やったら「落ち着いた時に潰すぞ!」でしょうね。 いえ、企業や国家を潰すのではなく、投資元の儲けを更に増やすということです。
アメリカの場合,共和党は言うまでもなく民主党も「原則として全ては市場に委ねて決められるべきだ」という市場原理主義とでも呼ぶに相応しい考え方ですから,「通貨高や通貨安で困るから為替介入する」という考え方は基本的に許さないですね.
WBSでやってましたが,直近のインフレ率が予想を超えた9.1%にもなってしまったので,FRBによる次の利上げの上げ幅は,巷で予想されている0.75%ではなくて1%になるかもという話ですね.
米国が政策金利を1%も上げると,どこまで円安やウォン安が進むことやら.経済規模が桁違いに大きくて多額の外貨準備など基礎体力のある日本は流石に大丈夫だろうが,新興工業国や開発途上国では通貨安が加速して通貨危機から経済破綻する国々が現れても不思議ではなくなりそうだ.
しかもアメリカでは既に不況の兆候が現れているというのに,インフレは相変わらず加速する一方で止まらないとは,アメリカという国の経済の実態は一体全体どうなっているのやら.
ま、為替介入を嫌う米国が、為替介入を常態化させている韓国と
単純に通貨スワップを結ぶことは、まず無いでしょうねぇ。
さて、韓国は、そのためになにができるかな?