完全な勘違いに立脚した米韓通貨スワップ待望論=韓国
米韓首脳共同宣言を受け、一部の韓国メディアが再び「通貨スワップ待望論」に火を付けました。ただ、韓国政府はこの「通貨スワップ待望論」を巡って、何とか水面下に押しやろうとしているフシがあります。米国が韓国と通貨スワップ(あるいは為替スワップ)を締結する可能性は、極めて低いからです。したがって、そろそろ「韓米通貨スワップ待望論」が「韓日通貨スワップ待望論」に化ける可能性への備えをしておいても良いのかもしれません。
目次
「韓米通貨スワップ待望論」の実際
中央日報「韓米共同宣言は常設通貨スワップ構築の土台か」
週末に米韓首脳会談が行われて以降、韓国メディアでは何度となく、通貨スワップ待望論が出てきています。
昨日の『韓国高官「通貨スワップは再び米韓の交渉テーブルに」』では、韓国メディア『毎日経済新聞』に掲載された「韓米通貨スワップ論」について取り上げたのですが、これについて韓国メディアの日本語版ウェブサイトにも関連報道が取り上げられていましたので、いちおうフォローアップしておきたいと思います。
韓米共同宣言文に初めての登場した為替市場協力…「常設通貨スワップ」構築の土台か
―――2022.05.23 15:57付 中央日報日本語版より
報じたのは『中央日報』(日本語版)で、記事自体は全部で1000文字にも満たない短いものですが、これがなかなかに強烈なものです。というのも、のっけから事実誤認が見られるからです。
「韓米両国が21日、首脳会談後に発表した共同宣言文で異例にも『為替市場安定のために緊密に協議する』という内容を明示し、両国政府間の「常設通貨スワップ」協力チャンネル構築の土台を用意したという評価が出ている」。
共同宣言にそんな記述はありません
この記述のどこに問題があるのかといえば、「為替市場安定のために緊密に協議する」、とする記述です。現実にこんな合意はなされていません。
何度も繰り返しで恐縮ですが、米韓共同宣言で出てきたのは、あくまでも「秩序ある、そして機能的な外為市場」という文言であり、「為替市場そのものの安定」、ではありません。いちおう、ホワイトハウスのウェブサイトから、原文をもう1度引用しておきましょう。
“To promote sustainable growth and financial stability, including orderly and well-functioning foreign exchange markets, the two Presidents recognize the need to consult closely on foreign exchange market developments. The two Presidents share common values and an essential interest in fair, market-based competition and commit to work together to address market distorting practices”.
この記述に「金融の安定(financial stability)」という表現は出てきますが、これは「秩序ある、そして機能的な外為市場」によってもたらされる、という意味であり、逆にいえば、暗黙の裡に「現在の韓国の外為市場は秩序的でも機能的でもない」、と米国が述べている、という意味です。
さらに、米韓両国は「公正で市場原理に基づく競争」という「共通の価値と重要な利益」を「共有する」、と述べているのであり、裏を返してえいば、米国が現在の韓国の外為市場を「市場原理に基づく公正な運営がなされているもの」とは考えていない、という意味でしょう。
むしろ韓国の外為市場改革に向けた圧力
実際、共同宣言では米韓両国は「市場の歪んだ慣行」(market distorting parctices)を明らかにするためにともに努力する、と結ばれています。
早い話が、韓国の外為市場改革に向けた圧力と読むべきでしょう。
なぜなら、韓国の通貨当局はむしろ、「韓国が為替市場のボラティリティを抑える」というオペレーション(=為替介入)を常態化させていますが、共同声明にいう「歪んだ慣行」とは、まさにこの韓国における不透明な為替介入そのものを指していると考えるのが自然だからです。
したがって、米国の要求が「そのような不透明なオペレーションをやめろ」ということであるとすれば、むしろ韓国の外為市場におけるボラティリティ(変動幅)は増幅するはずであり、米国が実現しようとしているのは、「為替市場の安定」とは真逆の「為替市場の透明化」にあると解釈すべきではないでしょうか。
これについて中央日報は、尹錫悦(いん・しゃくえつ)韓国大統領が共同宣言文発表直後の記者会見で、次のように述べたと紹介しています。
「金融市場の場合、為替市場に衝撃がくる時に両国で助けることができる問題、そして軍事安保と関連しながらも経済とも密接な関係がある国防産業の輸出問題についても、両国が相互協議を始めながら、安全保障と産業に共に協力の基調を作ることにした」。
そのうえで、中央日報は、共同宣言文では「為替市場の安定に向けた具体案を明示しなかった」としつつも、「首脳会談以降、これを具体化するために両国中央銀行間の水面下交渉が続く見通しだ」、などと結論付けています。
なかなかに酷い歪曲ですね。
通貨スワップの安心感を不当な為替介入に悪用してきた
さらに、王允鍾(おう・いんしょう)国家安保室経済安保秘書官も記者会見で、次のような趣旨の内容を述べたのだとか。
- 米韓両国は中央銀行の独立性が強調されており、通貨スワップの主体は両国の中央銀行が担当することになる
- 両国が為替市場を綿密に注視しながら必要な協力をするという内容は、両国首脳の共同声明に初めて登場したものだ
- これは両国が為替市場全般の安定化に大きな関心を持っていて協力を幅広くするという意志だ
中央日報の報道通りならば、この王允鍾氏の発言にウソはありません。実際、米国が通貨スワップを締結するときは、たいていの場合、米FRBが契約主体となるからです(※なお、米国はFRBではなく財務省がメキシコと通貨スワップを結んでいるという事例が1つだけあります)。
ただし、それと同時に、米韓共同声明で言及されているのは「為替市場の安定」ではなく「金融の安定」であり、「為替の動きを市場原理に委ねること」です。
韓国はかつて、日本との通貨スワップ協定を裏付けとして、平気で自国通貨安誘導を常態化させていました。とくに2011年10月以降は、当時の日本の野田佳彦首相が主導するかたちで、韓国に総額700億ドルもの通貨スワップラインを供与していましたので、韓国は安心して自国通貨売りを行っていたのです。
こうした「自国の競争力を不当に高めるための為替介入」、「自国通貨安競争」はG20でも問題視されています。ハード・カレンシー国(とくに米国や日本など)が韓国と通貨スワップを締結すれば、韓国の不当な為替操作活動が活発化するという懸念が存在することは間違いありません。
米国のスワップは大きく3つのパターンに当てはまっている
それでは、実際のところ、米国が韓国とスワップを結ぶことはあり得るのでしょうか。
『なぜ米国は韓国と通貨・為替スワップを締結しないのか』などでも詳述したとおり、米FRBが外国中央銀行・通貨当局とスワップ(通貨スワップ、為替スワップ)を締結するときは、次のどれかの条件に当てはまっているのです。
①特別な協定が存在する場合
米国はカナダ、メキシコの両国と通貨スワップを締結していますが、これは「北米フレームワーク合意」( “North America Framework Agreement” を略して「NAFA」とも)に基づく特別な協定であり、米国が同様のスワップをカナダ、メキシコ以外の国と締結するとは考えられません。
②米国にメリットが存在する場合
米国はカナダ、英国、日本、欧州、スイスの各中央銀行と常設の為替スワップを締結していますが、これらの為替スワップはリーマン・ショック時の緊急流動性の相互支援に起源があり、2011年11月30日には米ドルだけでなく、日英欧瑞加5ヵ国・地域の通貨での流動性供給もできるように合意が改められました。
③金融緩和の必要性がある場合
上記のスワップ以外にも、米国は2008年と2020年に、豪州、韓国、スウェーデン、ノルウェーなど9つの中央銀行・通貨当局との間で緊急の為替スワップを締結していますが、これらは相手国の金融破綻を防止するのに加え、米ドルの流動性を市中に供給するという意味合いがありました。
著者自身が調べた限り、米国が外国とスワップを締結しているのは上記3パターンが中心ですが、現在の韓国は、この3つのパターンのどれにも当てはまりません。
①については米国が韓国とそのような協定を締結しているという事実はありませんし、②については韓国の通貨・ウォンが国際的な市場で取引されるハード・カレンシーである、という事実もありません。したがって、①と②については絶望的と考えて良いでしょう。
唯一希望があるとすれば、最後の③のパターンですが、現在が金融引締め(QT)局面にあるため、2020年3月に締結された為替スワップについては、すべて昨年12月末で打ち切られてしまっています。よって、現時点で米国が外国と締結しているスワップは、為替スワップが5本、通貨スワップが3本です(図表)。
図表 現時点で米国が外国と締結している為替スワップと通貨スワップ
種別 | 相手国・地域 | 上限 |
---|---|---|
為替スワップ(FRB) | 日本(日本円) | 無制限 |
英国(英ポンド) | 無制限 | |
欧州(ユーロ) | 無制限 | |
スイス(スイスフラン) | 無制限 | |
カナダ(加ドル) | 無制限 | |
通貨スワップ(FRB) | カナダ(加ドル) | 20億ドル |
メキシコ(ペソ) | 30億ドル | |
通貨スワップ(財務省) | メキシコ(ペソ) | 90億ドル |
(【出所】米FRB “Central bank liquidity swaps” および米財務省 “Joint Statement by the Secretary of the Treasury And Finance Minister of Mexico” を参考に著者作成)
「水面下で通貨スワップ交渉続く」という誤魔化し
もっとも、今回の米韓共同声明は、ある意味で韓国政府にとっても「ホッとしている」というところが実情かもしれません。
バイデン大統領の訪韓に先立ち、韓国国内のメディアは尹錫悦政権に対し、相次いで「米韓通貨スワップを締結せよ」と強く迫っていました。『韓国紙、米国に「永久通貨スワップ」「核の傘」を要求』でも紹介した、一部メディアの「永久通貨スワップ構想」など、その典型例でしょう。
しかし、上述のとおり、現在、韓国政府高官は「外為市場の安定確保に向けた具体的な方策を米国と協議している」と言えるようになりました(もちろん、ウソですが)。
米韓通貨スワップを巡っても、「どうなった?」と尋ねられれば、「韓米の中央銀行同士の事項だから、水面下で通貨スワップを含めてさまざまな協議をしている」とでも言っておけば、しばらくの間であれば、メディアの追及から逃れることは可能です。
ただし、上述のとおり、米国は韓国との間で、通貨スワップはおろか、為替スワップの締結にすら応じないでしょう。敢えていえば、「そんなにスワップが欲しければ他国(たとえば日本?)に言え」、と要求されるのが関の山ではないでしょうか。
「ドル建てスワップが欲しい!」
なお、韓国が外国との間で保有しているスワップ(※カナダとの為替スワップ以外)については、「チェンマイ・イニシアティブ・マルチ化協定(CMIM)」に基づく多国間通貨スワップを除けば、いずれもドル建てのものはまったく含まれていません。
また、これらのスワップを本日時点の為替レートでドル換算してみると、韓国が外国中央銀行との間で保有している二国間の通貨スワップは総額で966億ドル程度に過ぎませんし、その6割が中国との「人民元スワップ」です(図表2。※なお、384億ドルのCMIMを足せば1350億ドルです)。
図表2 韓国が保有している二国間通貨スワップ協定
(【出所】各国中央銀行ウェブサイト等を参考に著者作成。為替レートは本日時点のものを使用)
このように考えていくと、遅かれ早かれ、「米国と北朝鮮以外に豊富なドル紙幣を持っている国」である日本に対し、韓国側から通貨スワップ再開要請が飛んでくるかもしれませんし、韓国の主張をオウム返しに垂れ流す一部の日本のメディアが「日韓通貨スワップ再開」社説を掲げる可能性も否定できません。
その際、「金融・為替市場の安定は韓日両国の利益になる」、「韓国に進出している日本企業にとっても為替相場の安定は利益だ」、といった屁理屈が用いられるのだと思います。
こうした「韓日通貨スワップ再開論」に備え、今のうちに、「自称元徴用工問題などを捏造してデタラメな判決を出し、日本企業の資産を差し押さえているような国に進出している方にこそ問題があるのではないか」、などとする正論を準備しておいても良いのかもしれない、などと思う今日この頃です。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
さて、本稿は上記で締めようと思っていたのですが、「オマケ」でひとつ、こんな記事も取り上げておきます。
【コラム】今回が通貨危機・金融危機より恐ろしい理由=韓国(1)
―――2022.05.24 10:53付 中央日報日本語版より
【コラム】今回が通貨危機・金融危機より恐ろしい理由=韓国(2)
―――2022.05.24 10:54付 中央日報日本語版より
韓国で家計・企業・政府の債務が膨らみ、ここにロシアによるウクライナ侵攻などに伴う物価上昇や米FRBなどのQTの嵐が襲い掛かろうとしている、とするのがこの記事の主眼だと思われます。
この点、通貨スワップがあれば、こうした嵐にはいくばくかの耐性が生じるとは思われるのですが、その反面、大使館・領事館の近辺に慰安婦像だの徴用工像だのを設置されてまで、通貨スワップで外国を救済するほど日本政府がお人良しでも困りものだと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
中央日報さんの読解力に問題あり? まさかねぇ~。
誰も指摘していない新説です。なぜバイデンさんは先に韓国に行ったのか。答え:横田基地フェスティバル開催中に、日本人観客の目の前で着陸するためです。
https://pbs.twimg.com/media/FTWQVpqVsAAKu5U?format=jpg&name=large
横田基地の米軍人さんの胃がマッハであったのが想像に難くありませんwww。
日本政府が2017年1月に日韓通貨スワップ締結協議を中断した理由を正確に言えば、2016年12月30日に釜山日本総領事館前に新たな慰安婦像が設置されたことそのものではありません。
何故なら、日韓通貨スワップ締結協議を開始する前から(既に2011年12月に)ソウル日本大使館前に慰安婦像が設置されていたからです。
日本政府が日韓通貨スワップ締結協議を中断した理由は、2015年12月28日の日韓慰安婦合意で韓国政府が「ソウル日本大使館前に設置されている慰安婦像について、適切に解決されるよう努力する」と約束したにもかかわらず、釜山日本総領事館前に新たな慰安婦像が設置されるのを黙認したからで、「日韓慰安婦合意」という国と国の約束を韓国政府が破ったことが正確な理由です。
つまり、国と国との約束(日韓慰安婦合意)を破った国と新たな約束(日韓通貨スワップ協定)を締結することはできないということです。
韓国政府は、その後も「自称元徴用工判決」や「自称元日本軍性奴隷判決」により国と国の約束(日韓請求権協定・日韓慰安婦合意)を破りましたから、仮に今後、日韓通貨スワップ締結協議を再開するとしても、「韓国政府が破った国と国の約束を全て履行すること」が条件になることを、岸田政権には肝に銘じていただきたいと思います。
要するに今回のウォン安は金融危機でも何でもなく米ドルとウォンの金利差の見通しに基づくごくごく正常な現象です。それを好ましくないと思うなら、国内の債務者のことを無視しても果敢に利上げするしかないのです。利上げで金融引き締めすれば必然的にウォンの価値は守られるはずです。
今、一番怖いのは、現在韓国が保有する通貨スワップ(為替スワップはのぞく)を月一の外貨準備高公表の一瞬だけ利用利用して外貨を多く保有しているように見せかけることです。
多分やってますよ。既に。
通貨はどんなマイナー通貨でも構いません。外貨であればなんでもいいのです。これでもし既に介入で外貨を大幅に減らしていても、すぐには月一統計に影響が出ないようにできます。スワップ残高を使いきり、覆いきれなくなった時にズトンと外貨準備の数値が落ちるでしょう。もうそうなると一気に外貨準備はそこをつくでしょうね。
つまり韓国に通貨スワップをすると、取り急ぎ介入隠しが出来てしまうのです。アメリカがそれを認めないのはもちろん日本が通貨スワップを韓国と締結することもアメリカは認めないでしょう。
日本はもし通貨スワップを韓国とむすぶなら、日々の介入の有無の報告を韓国に義務付けるでしょうね。アメリカからの要求として。で、韓国はそれに反発して結局スワップは導入できない。そんな流れかと思っています。
何故、韓国は短いレンジで為替を固定しなければならないか?
それは、韓国が寄生虫戦略で日本の部品を使って、日本の商品と同じ様な物を、日本より安く売るからです。
ここで、日本より安く売るためには 韓国の人件費が安くないといけません。
その為には、ウォンドルは安い方がいいのです。
では、ウオンドルが安すぎるとどうなるか?
例えば、日本製は安くなると皆がこぞって購入するので、売上は増えます。
これは、欲しくても買えなかった層が買うからです。
しかし、韓国製は 安いから売れるので ウォン安で安くなったからと 余計に買うかというと、そうではありません。
安さを売りにしてるので、更に安くなったからと新たに買う層が増えないからです。
つまり、ニッチな顧客層なため 高くなれば客が減るけど 安くなったからと客が増えるという商売ではないのです。
そのウォンドルレートでしか、商売出来ないのです。
日本は円安になると、その韓国の顧客層が流れて来るので 売上は増えます。
その、日本人の感覚でみてると 韓国の為替操作の理由が見えなくなるのです。
バイデン大統領が副大統領時代に「アメリカの反対側にベットするのは良い賭けではない」(裏切るなよ?解ってるな?)と警告した時にも、米中双方からラブコールとか舞い上がってホルホルしていたような連中ですから、「為替介入するな!」「通貨スワップは結ばない!」とはっきり言ってあげないと彼らは理解できません。
それでもツンデレと解釈するのが韓国クオリティです。
真面目に考察すると、某国の約束とは序列が上のものは破ってよいので、「情勢が変わったので・・」「そもそも 想定していない事態が・・」で 無視できる代物です。唯一、「破るとぶっ〇される」とDNAが覚えている中の国は違うみたいですが。
つまり 「DNAに刻む」が正解ですができますかね。
ウォンを売っている投機筋が一番怖いのは韓国が持っているドルで踏みあげられることかもしれない。これほどスワップスワップ騒ぐと「韓国はそれほどドルがほしいのか。やっぱり韓国のドルは底をついたな」と見破られるのでは。
みなさんに、お尋ねします。
もしサムスン電子が半導体工場を、日本や(日本に近いグアムに限りませんが)アメリカだけにした場合、ウォン安や日本の輸出審査厳格化の問題は(日米政府やサムスン電子にとっては)解決するのではないでしょうか。(もしかしたら、それがアメリカの狙いかもしれません)
輸出審査厳格化の問題は;
サムスンの工場が日本にあれば何の問題もない。輸出じゃないから。
アメリカのサムスンには日本の輸出審査厳格化の問題は及ばないはず。
ウォン安の問題は;
ウォン建ての仕入れ原価が高くなることはなくなる。本社が韓国だから、ウォン安で海外子会社のウォン換算の成績は良くなる。
サムスンは、中国内の半導体工場を手放さないと(つまり中国と決別しないと)生き残るのは難しいと
思います。というのは、韓国には戦略物資の横流し疑惑があるわけですが、これに関わっているのではないかと思うのです。あれだけ大量のフッ化水素を買い付ける資金力、また戦略上微妙な物質を名も知られてない会社が購入したら横流しがバレやすいし、大量に購入した一部を横流するなら目立たないですから。そしてサムスンの韓国本社が買い付けたフッ化水素を中国内の工場に送れば(これも違反ですが)あとはどこへでも売り放題です。中国、北朝鮮、イランどこも欲しい物資ですから。だから日米はこのトンネルを塞がなくてはならなかったのだと思います。それが輸出管理の厳格化という処置だったのでしょう。で、韓国側が輸出規制を撤廃しろと喚きつづけているのは、おそらく日本からの輸出が絞られて流せなくなってしまい、もちろんその不当利得は無くなるし、横流し先からはフッ化水素を寄越せと相当な圧力がかかっているのだと思います。だからこそこの問題にずっと拘っているのだと思います。そしてこの問題は、韓国政府も噛んでいるのでしょう。なぜならもしこれが一企業の犯罪であれば韓国政府は企業の責任を追及して違法行為を罰すれば韓国政府の安全が脅かされることはないからです。こんな視点でイランと韓国の間の凍結資産をめぐる揉め事を眺めると面白いです。ただスマホや家電、OLED等々ではほとんど中国の市場から締め出されたサムスンが稼ぎ頭の半導体工場を手放す決断ができるかどうか。もちろん台湾のTMSCが日米側になって中国に半導体を売らなくなったので中国にとってもサムスンの半導体工場は重要ですから、中国としてもサムスンが撤退できないように手を打っていると思うし、今、サムスンは崖っぷちに立たされていると思います。
経済は中国に頼ることになってるんだからそっちに頼めば?ドルも死ぬほど持ってるんだし。今こそ戦略的曖昧政策の成果を見せるとき!
韓国が米韓スワップに期待を抱いている間はこっちを向くことはないので、良い傾向では無いでしょうか。