シュールストレミングの缶がロシア大使館に投擲される

ロシア大使館に激臭がする物体が投擲されるという「事件」が、ツイッター上で報告されています。ただ、「激臭の物体」といっても、それは「生物化学兵器」ではありません。「世界一臭い食品」とされる「シュールストレミング」の缶なのだとか。爽やかな「こどもの日」にふさわしい話題かどうかはわかりませんが…。

はたして、爽やかなこどもの日にふさわしい話題なのでしょうか?

以前の『ロンドンのロシア大使館前で家電や便器類が投棄される』では、「ロシア大使館に対する嫌がらせ」の話題を紹介したことがあります。

フィンランド在住のツイッター・ユーザーの方が現地時間の2日、こんなツイートを発信しています。

ツイッターの翻訳機能を参考に投稿内容を解読すると、「ロシア大使館にシュールストレミング(※世界一臭いとされる食品)の缶を開けて投擲した」、などとするものだそうです。いちおう食品ですので生物・化学兵器ではないとは思うのですが、それにしても強烈な「攻撃」です。

このあたり、そもそも論ですが、外国公館前に対して嫌がらせをすること自体が国際法違反(外交関係に関するウィーン条約第22条第2項違反)に該当する可能性があります。ロシア大使館といえどもこうした条約で尊厳が守られるべき対象でもあるからです。

外交関係に関するウィーン条約第22条
  1. 使節団の公館は、不可侵とする。接受国の官吏は、使節団の長が同意した場合を除くほか、公館に立ち入ることができない。
  2. 接受国は、侵入又は損壊に対し使節団の公館を保護するため及び公館の安寧の妨害または公館の威厳の侵害を防止するため適当なすべての措置を執る特別の責務を有する。
  3. 使節団の公館、公館内にある用具類その他の財産及び使節団の輸送手段は、捜索、徴発、差押え又は強制執行を免除される。

(【出所】外務省ウェブサイト『外交関係に関するウィーン条約』【※PDF】)

ただ、著者自身が見たところ、どこかの国で日本大使館前で行われている稚拙で野蛮なパフォーマンスとは異なり、各国のロシア大使館に対する嫌がらせは、この条約のギリギリのところを攻めているようであり、なかには比較的洗練されたものもあるようです(たとえば勝手にロシア大使館にウクライナ国旗をライトアップする、など)。

こうした体験がインターネットを通じ、世界中の市民によって共有されるというのも、なかなかに興味深い時代になったものだと思う次第です。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. わんわん より:

    ウクライナ人経営のロシア料理店の看板を壊す等
    己の正義だけを信じて考えの足りない方は何処にでもいます
    「人の振り見て我が振り直せ」と言いたい

    1. 匿名 より:

      チームや競技の事情も知らず、成績が悪ければ監督を無能と決めつけて叩く等
      己の正義だけを信じて考えの足りない方はここにもいます
      「人の振り見て我が振り直せ」と言いたい

    2. 匿名 より:

      アジア最終予選の成績が悪い事を理由に森保監督を解任しろと言ったよね?
      その森保監督の人選と采配でアジア最終予選は突破したんだから森保監督に謝罪するべき。
      「もっと上の目標にいくために森保を解任しろ」って何様?
      他にどういう適任者がいるのか、具体例挙げて言いなよ。そして結果の責任も取りなよ。

      考えの足りない己の頭を棚に上げて森保監督への誹謗中傷はただの言いがかり。
      人のふり見て我がふり直せ、はあなたのためにある言葉。

      1. くろだい より:

        > チームや競技の事情も知らず、
        チームの事情を第三者がどうやって知れというのでしょうか?森保監督があれだけ相手に手の内を見せないようなご発言をされている中で、それでもチーム関係者以外の方々にチームの意図がバレバレになる方が問題でしょう。
        また、わんわん様が競技の事情もご存知ないと、何を根拠におっしゃっているのでしょうか。

        >考えの足りない己の頭を棚に上げて
        これは失礼かつ言い過ぎです。言いがかりは貴方の方ではないでしょうか。
        もし、森保監督をご支持されるということであれば、ご自身で試合に関するご見解を記述されては如何でしょうか。ここまで他人を貶めておいて、具体例を挙げるべきは貴方の方でしょう。

  2. 美術好きのおばさん より:

    これ、狸穴のあの門の前で、”くさや” を七輪に乗せて、団扇をパタパタしながら焼く…みたいなもの?

    1. 世相マンボウ_ より:

      (笑)(笑)
      いいですねえ~
      パタパタ匂いでなら
      不法投棄などの犯罪にも
      あたらない?
      でしょうし  (^^);

      各国が自国の特産物で
      ロシア大使館に
      おもてなし合戦を繰り広げるのは
      爽快です。

  3. 簿記3級 より:

    おそらく消防が動員されると思いますのでお気の毒です。とは言え自分もNHKの本社に壊れたテレビをぶん投げたくなるので気持ちは分かります。

    器物破損、暴行罪辺りの罪でしょうか。

  4. 愛知県東部在住 より:

    食べ物で遊ぶな~!とも思いますが、投げたくなる気持ちだけは十分理解できます。

    って、けっして遊んでるつもりじゃないんでしょうね、おそらくは。

  5. 世相マンボウ_ より:

    大使館への抗議の投げ込みに
    各国の文化が反映しているのが
    わかる興味深い記事です、

    ちなみに、
    日本の輸出管理適正化の際に
    2019/8/14駐韓日本大使館への
    人糞投込み事件報道を見たときは
    いかにも韓流らしい
    鼻つまみ者の民度だなあと
    感じたものです。
    ただ、
    半島には数少ない彼らの
    独自文化のトンスル酒があるので
    酒も食料も同じニダ(?)
    と思っているのかもしれません。

  6. 普通の日本人 より:

    これが中国大使館だったら、中国人留学生が動員され大使館の警護に当たるのかしら。
    中国だったらやりそうで怖い気もしますね。
    南海トラフで大地震が起これば関西地方の治安が悪くなり「朝鮮占領軍」が出そう。
    同じ関連ですが3国人の犯罪が明らかになっていない以上起こらないとも言えない。
    なんともいやな世の中になりました。

  7. がみ より:

    風上で開缶するぶんには匂いなんて無主物なんじゃないかな?
    食べ物なんだし。

    投げ込んじゃダメ

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告